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2024年3月5日火曜日

◆「常本佳吾はスイスリーグで最高の右SBのひとり」セルヴェットで“また傑出”と現地賞賛(Qoly)



常本佳吾


この冬に西村拓真が加入したスイス1部リーグのセルヴェット。元鹿島アントラーズ監督であるレネ・ヴァイラーが率いるチームには常本佳吾も所属している。

常本は2023年夏に鹿島からセルヴェットに移籍。右サイドバックとして今季28試合に出場しており、主力として活躍している。3日のザンクト・ガレン戦でも先制点をアシストするなど2-0の勝利に貢献。

現地紙『Blick』では、「右SBの常本がまたも傑出。先制点のお膳立てをすると守備でも忠実だった。この日本人は間違いなくリーグで最高の右SBのひとりだ」としてマンオブザマッチに選出していた。

常本はスイスリーグで屈指の右サイドバックとして評価されているようだ。なお、セルヴェットは首位ヤング・ボーイズと勝点差1ポイントの2位につけている。





◆「常本佳吾はスイスリーグで最高の右SBのひとり」セルヴェットで“また傑出”と現地賞賛(Qoly)

◆ボランチ転向2カ月 香川らとの対峙で知念慶が直面した課題とは(サッカーキング)



知念慶


 2月23日の2024明治安田J1リーグ開幕節の名古屋グランパス戦(○3-0)に続き、3月2日のホーム開幕戦となったセレッソ大阪戦を1-1で引き分けに持ち込み、2試合終了時点で首位に立った鹿島アントラーズ。ランコ・ポポヴィッチ監督率いる新体制でスタートした今季は、宮崎キャンプ中にキャプテンの柴崎岳とエースの鈴木優磨が負傷。契約目前だったヨシプ・チャルシッチの加入が見送りとなるなど、開幕前から不安要素が少なくなかったが、ここまでは鹿島らしいタフで粘り強い戦いを披露。確実にポイントを稼いでいる。

 そんなチームに新たなエッセンスをもたらしているのが知念慶だ。2017年に川崎フロンターレ入りした当時からFWとして実績を積み上げてきた男は、昨季加わった鹿島でも、もちろん点取屋として期待されていた。今季始動時も同じ位置づけだったが、徳島ヴォルティスとの練習試合で柴崎が負傷した際、突如としてボランチに抜擢され、指揮官から「ブラボー」とゴーサインを出されたという。

「正直、複雑でしたけど、嬉しかった。『意外にやれているんだ』と。そこからずっとボランチでやっています」と、開幕前の水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチの際、苦笑していた知念。だが、さすがは川崎Fで中村憲剛や大島僚太、守田英正、田中碧らと共闘してきた選手だけに、中盤でボールを受け、縦につけたり、ワイドに展開したりする技術も戦術眼も高い。

「彼らのプレーは真似できるものじゃない。多少は参考にはさせてもらっていますけど、自分らしくできたらなと。前に急ぎ過ぎないとか、時間を作るとか、簡単にはたいてリズムを作るとか、ゲームの流れを意識しながら練習からやっているので、そこはゲームでも出せるようにしたいです」と、本人は開幕に向けて着々と準備を進めていた。

 その成果が名古屋戦では如実に出た。序盤こそ相手にボールを握られて苦しんだが、早い段階で先制点を奪ってからは佐野海舟とのコンビも安定。ボール奪取やパス出しも改善され、2人の動きが重ならないような連携面の工夫も目についた。佐野も「距離感はすごく意識していましたし、どちらも前に行くことが絶対にないように意識しました。知念くんはどっしりと構えてくれるので、自分ももっと前に出ていく守備ができる。バランスは悪くない」と前向きな感触を得たようだった。

 確かな自信を得て、次なるC大阪に挑んだ。しかし、今回の相手は名古屋をはるかに上回る連動性やスピーディーな展開を押し出してきた。アンカーの田中駿汰とインサイドハーフの香川真司、奥埜博亮による中盤のトライアングルに加え、毎熊晟矢、登里亨平の両サイドバックがボランチの位置に入ってビルドアップに参加してきた。華麗なパス回しはかつての川崎Fを彷彿させるものがあった。

 知念はそれを敵として受けた時、迅速な対応ができなかったという。確かに前半の鹿島は対応が後手に回り、シュートは0。圧倒されたという印象を拭えなかった。

「周りに人が多くて出づらい状態で、食いついたら後ろを使われるという嫌な状況だったので、そういう時は後ろから声をかけて前の選手を高い位置に出していかないといけない。そこは僕の経験不足かなと感じました」と、背番号13は課題を口にしていた。ボランチ経験1カ月半の選手にとっては、ショッキングな出来事だったかもしれないが、そのレベルに到達しないとJ1で戦い抜くことは難しい。それを再認識したのではないだろうか。

 それでも後半に入って、鈴木優磨がトップ下に入り、佐野が最終ラインに下がってビルドアップに参加し始めてからは、鹿島が押し込むようになった。この時点で1点を奪われてはいたが、鹿島の猛攻は凄まじかった。「ラスト15分は相手の圧力を感じた」と百戦錬磨の香川も語っていたが、知念も要所で本来のFWとしての本能が前面に出たのだろう。78分には自ら左CKを蹴り、こぼれ球を拾ってペナルティエリア右側まで持ち込んで強引にシュートを打ちに行く場面も見せるほどだった。

「やっぱり0-1で負けていたし、点を取りたい想いが強かったので、セットプレーでチャンスを作れていたので。勢いでゴール前に入っていった感じです。やっぱりFW? そうなのかな」と、本人も苦笑いしていたが、そういうストロングを出せるところもポポヴィッチ監督にとっては心強いところだろう。

 前への圧力が奏功し、鹿島は植田直通の一撃でドロー。知念としても安堵感を覚える結末となった。

「個人としてはもっともっとボランチとしてのスキルを身につけないといけないと思いました。(柴崎)キャプテンだったり、海舟、(樋口)雄太から学ばせてもらうことも必要になってくる。チームとしては今回の前半みたいな展開になった時に、逆に相手を押し込んで点を取るかとか。後半みたいに勢いを出して点を取るといったことをやっていかないし、自分たちがやりたいことを前半から出していけるように」と知念は先を見据えていた。

 そういうマインドになるのも、近い将来、卓越した戦術眼のある柴崎が戻ってくるという危機感があるからだろう。佐野も指揮官のFC町田ゼルビア時代からの教え子で、知念は彼らを超える強みを出さないと弾き出されてしまいかねない。

 そうならないためにも、C大阪戦で直面した課題と真摯に向き合い、いち早く修正していくことが肝要だ。間もなく29歳になる“新人ボランチ”の今後が大いに気になる。

取材・文=元川悦子




◆ボランチ転向2カ月 香川らとの対峙で知念慶が直面した課題とは(サッカーキング)





◆【C大阪戦から見えた「ポポヴィッチ鹿島」の今(1)】「これが鹿島だな」と毎熊と香川も相手の底力を痛感。10年前の指揮官・ポポヴィッチ監督率いる鹿島をセレッソ戦士はどう感じたか(サッカー批評)



ランコ・ポポヴィッチ


 2月24日の2024年J1開幕戦で名古屋グランパスを3-0で一蹴し、首位発進した鹿島アントラーズ。ランコ・ポポヴィッチ監督率いる新体制の進化が本物か否か。それが問われるのが、3月2日のホーム開幕戦・セレッソ大阪戦だった。

 セレッソと言えば、2014年にポポヴィッチ監督が指揮を執った古巣。10年前の彼らは世界的名FWディエゴ・フォルランを補強し、当時日本代表の柿谷曜一朗(徳島)、山口蛍(神戸)、若き成長株・南野拓実(モナコ)らを揃えたスター軍団だったが、開幕から全く結果が出ず、ブラジルワールドカップ(W杯)開幕直前に早々と解任の憂き目に遭ってしまった。

「あの時は責任を全部ポポさんに取らせる形になってしまった。すごく申し訳なかった」と当時の守護神・キム・ジンヒョンも改めて述懐していた。その当時を知るのは小菊昭雄監督、高橋大輔コーチ、山下達也くらいだが、彼らの中では「再会した指揮官に成長した姿を見せたい」という思いもあったはずだ。

 試合が始まると、セレッソは連動した組織的プレスとパス回しとタテへの推進力で鹿島を圧倒。前半は完全に主導権を握る形になる。鹿島はボールを奪えず、守備に忙殺され、フィニッシュまで辿り着けない。前半のシュート数ゼロというのは屈辱的だっただろう。


■「会場の雰囲気を含め、『これが鹿島だな』」


 それでも後半頭から鈴木優磨を投入し、チャブヴリッチとタテ関係の2トップのような形にしてからは攻めの迫力が出てくる。後半13分にはセレッソに1点を奪われたものの、指揮官はそれにひるむことなく、佐野海舟を最終ラインに下げてビルドアップの改善を図るなど、斬新な采配を披露する。

 プレースキックに秀でた名古新太郎、競り合いに強い垣田裕暉らを続々とカードを切り、最後の最後にFKから植田直通のヘッドで同点に追いつくあたりは、まさに試合巧者。鹿島らしい泥臭さとタフさを見せつけた一戦だった。

「ラスト15分は鹿島の圧力を感じた。あの時間はラインが下がっちゃった。守備にフォーカスしていたので、耐えきりたかったけど、メンタリティの部分が足りなかった」と百戦錬磨の香川真司が反省。

 その一方で、日本代表の毎熊晟矢も「会場の雰囲気を含め、『これが鹿島だな』っていうのはやる前から分かっていたけど、後半、自分たちの保持できる時間を増やせなかった。ああいう展開になるとラインがズルズル下がってしまうので、どうしても距離感も離れてしまう」とゴール裏と一体になって勝利への執念を見せる鹿島の凄まじさを痛感したという。


■「ポポさんは本当に気持ちが一番熱い人」


 そして、10年前にポポヴィッチ監督に師事したキム・ジンヒョンも「ポポさんは本当に気持ちが一番熱い人。そこは相変わらずだった。鹿島はもともとメンタリティが強いチームなので、ポポさんが来てよりチームを強くしていけると思いました」としみじみ語っていた。「自分が最後のセットプレーで止めるべきだった。最後に1個、止めていれば、勝ち切れた」という悔しさも吐露したが、なかなか勝たせてくれないのが、数々のタイトルを取ってきた鹿島というチームなのだ。

 クラブ創立30周年で初のリーグタイトル獲得に燃えているセレッソだが、鹿島のような「終盤の圧力」を出せるチームにならないと、頂点には立てないのかもしれない。そのあたりをかつての指揮官から学んだゲームだったのかもしれない。

(取材・文/元川悦子)




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◆【鹿島】「優磨は欧州でも少なくなったタイプ」ポポヴィッチ監督が『鈴木優磨トップ下起用』の狙いを語る(サカノワ)



鈴木優磨


C大阪が嫌がる1.5列目でボールを受ける役割。”そのあと”が今後の課題に。


[J1 2節]鹿島 1–1 C大阪/2024年3月2日15:00/カシマサッカースタジアム

 J1リーグ2節、鹿島アントラーズはDF植田直通の渾身のヘッドの一撃によりセレッソ大阪に1-1で追い付き、勝点1を獲得した。2試合を終えて勝点4、得失点差により首位に立った。

 この試合、右顎骨折から復帰した鈴木優磨は2試合連続で途中出場した。今回は後半開始から4-2-3-1のトップ下に入り、劣勢を跳ね返す原動力となった。

「優磨のようなタレントは日本では数少なく、キャラクターを含め貴重です。もっと言えば、彼のようなキャラクターの選手はヨーロッパでも少なくなりました。日本では特にそうですね」

 鈴木を『トップ下』に配置した理由と狙いについて問うと、ポポヴィッチ監督は試合後の記者会見でそのように切り出し、次のように説明した。

「優磨をトップ下で起用したのは、対セレッソで狙っていたライン間で起点を作ること、そこから背後を取っていくためでした。ボールをライン間で失わないように、しっかり受けられる選手。そこで優磨がボールを受けることで、相手を1枚引っ張り出し、空いたスペースを3人目の動きで突くことができると考えました。高い位置のライン間で起点を作ってくれました」

 センターフォワードのチャヴリッチが前半は孤立していたなか、その下の位置で鈴木が起点に。明らかに前半と比べて、C大阪は守りづらそうにしていた。

「ボールを失うことはなく、止められるのはファウルを受けた時だけでした。効果的なプレーを非常にしてくれていたと思います。あそこで顔を出してくれる、ボールを失わず味方へつなげてくれる。それにより3人目が生きる連動性が生きてきます。非常にいいプレーをしてくれたと思っています」

 指揮官は、周囲が鈴木を生かし、周囲の良さもより引き出された点をプラスに受け止めていた。

「もちろん、優磨一人でプレーはできません。周りの選手が優磨にボールをつけられなければ、優磨のプレーも生きません。逆に優磨がボールを収め、さらに周りを生かし、背後に走り込むからこそ、相手にとって嫌な攻撃、ゴールに迫る攻撃が完成するわけです。周りにいた選手も、彼とともにいいプレーをしてくれました」

 さらに3人目が絡む迫力ある攻撃からフィニッシュの回数を増やすことも課題になる。ポポヴィッチ監督はこんな自身の経験も語っていた。

「私も現役時代はセンターバックだったので、DF陣にとって、どのような攻撃が嫌なのかよく理解しているつもりです。相手が自分の目の前から動かず、足もとで(ボールを)もらうだけだと対応しやすいです。ディフェンダーとしては、流動的に動きながら、動きの出し入れをしてくる攻撃が一番守りづらかったです。スペースを作る動き、スペースに入っていく動き、そこがシンクロしてくると、防ぎようがなかったですからね」

 鈴木がボールを求めてやや下がりすぎる回数が多く、より高い位置へ重圧をかけられなかった点は今後のテーマに。チャヴリッチと近い位置でプレーし、鈴木も“3人目の動き”からゴール前でフィニッシュに絡むことがより理想的だろう。

 その点では試合終盤のように、垣田裕暉が最前線で基準点になり、その衛星的になった鈴木もまたC大阪にかなりの脅威を与えていた。そのあたりが噛み合っていけば、迫力を生み出していけそうだ。

 次節3月9日の3節、アウェーでFC町田ゼルビアと対戦する。ポポヴィッチ監督にとって、2試合連続での古巣対決になる。




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