http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2013/09/22/kiji/K20130922006663620.html
J1第26節 鹿島3―2磐田 (9月21日 ヤマハ)
手荒い祝福を受けながら、鹿島・土居が吠えた。0―0の前半4分、右サイドを突破した西のグラウンダーのクロスに反応。ニアサイドに走り込んだ大迫が右足でそらして角度を変えたボールを右足で蹴り込んだ。
流れるような連係から生まれた待望のプロ初ゴール。期待の生え抜きは「自分が決めてチームが勝つというのは大切なこと。少しはチームに貢献できたと思う」と笑顔を見せた。
1メートル72、63キロと体格に恵まれていないが、プロ入り後も無理な肉体改造は行わなかった。「自分はもともと体の強さで勝負してきた選手ではない」。同期の柴崎や梅鉢のように意識的に食事の量を増やすことはなく、筋力トレも必要最低限に抑えた。ボールを引き出すタイミングや駆け引きなどを磨き、8月に定位置を獲得。リーグ出場8試合目で結果を出し、初得点記念に高級腕時計を購入することも決めた。
土居のゴールに11年入団の同期が続いた。2点リードの後半30分には梅鉢が柴崎のクロスを頭で合わせて追加点。「ゴールはたまたまだけど、僕らの世代も3年目。チームの力になっていかないといけない」と前を向いた。終盤に2失点を喫してドタバタ劇の末の勝利となったが、チームはアウェーでの連敗を7でストップ。4月27日の新潟戦以来、約5カ月ぶりに敵地で白星を挙げた。
上位戦線に踏みとどまる大きな勝利。若い力の活躍で手にした勝ち点3には1勝以上の価値がある。07~09年のリーグ3連覇など一時代を築いた小笠原、中田、本山、曽ケ端ら79年生まれ組も今年で34歳。今も一線でプレーする黄金世代をお手本に、92年生まれ組のプラチナ世代が頭角を現してきた。世代交代を進めながら優勝争いを演じることで、常勝の系譜は紡がれていく。