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[3.18 ナビスコ杯第1節 F東京3-1鹿島 味スタ]
課題は持ち越されることとなった。今シーズン、開幕戦から無失点で3連勝とリーグ戦で好成績を残して首位に立っている鹿島アントラーズだが、ナビスコ杯の初戦ではFC東京に1-3で敗れて、今季初黒星を喫している。
前半8分、同10分と早い時間帯に失点を喫したことを、DF昌子源は悔しがる。「監督からは試合の入り方を意識するように言われていたのに…。そこで2失点を喫したのは、僕のせいです。しっかり集中していれば、あの2失点もなかっただろうし、もったいない試合だったと思います」と、唇を噛んだ。
J1第3節の鳥栖戦では3-0と快勝していたが、キックオフから20秒で右サイドを崩されると、FW豊田陽平にシュートを放たれ、GK曽ケ端準の好セーブに救われていた。「あれを入れられていたら、鳥栖戦もどうなっていたかわからなかった。そういう面でも『今日は入り方が大事』と監督に言われていたのですが、最初に決められて、試合の流れを渡してしまったというのがあります」と、反省を続ける。
トニーニョ・セレーゾ監督は「眠ったまま試合に入っていた」と試合の入りの悪さを指摘したが、昌子も「DFの不注意だと思う。ここまで無失点できていて、いずれ失点はしたと思いますが、3試合無失点を続けてきた中で、3失点っていうのはダメかなと。どこかに気の緩みがあったのかなと思います」と、指揮官に同調した。
反撃に転じたい鹿島だったが、前半はほとんど前線でボールが収まらなかった。その遠因も、この2失点にあると昌子は分析する。
「ちょっと2失点を早い段階で食らって、早く取り返さないといけないという焦りがチーム全体にあったのだと思います。そこも鹿島らしく、2点を気にせず、鹿島らしい試合をしていたら、前半のうちに1点でも取り返していたら違っていたと思います。3失点目も、あそこで先に1-2にしていたら、分からない展開でしたが、先に0-3にされてしまった。DFの不注意ですし、そこも修正していきたいなと思います」
昌子は、試合を振り返り「収穫があった」とも口にしていたが、若返りをはかるチームが、課題を見つけられたことは、前向きに捉えられることでもある。「ここ3試合、無失点で3連勝と良い流れで来ましたが、ここであらためてチーム全体で何が良かったのか、何がダメだったのかを見つめ直して、しっかりと次のC大阪戦に向かえると思います」。そう話す昌司は、「これをこのまま引きずるのは良くない。今日で終わったことなので、次のC大阪戦に向けて頑張りたい」と、気持ちを切り替える。
23日にホームで対戦するC大阪は、日本代表FW柿谷曜一朗に加え、ウルグアイ代表FWフォルランも加入した。攻撃陣にリーグ屈指のタレントを擁するチームとの対戦を、昌子は心待ちにしているようだ。「昨日のACLも見ましたが、柿谷さんはスピードがあって、動き出しが良いので、そういうところを青木(剛)さんとしっかり見て、相手の攻撃をゼロ(得点)に抑えられたらなと思います。フォルランは楽しみですね。W杯得点王になった選手ですし、昨日も点を取って良い流れにあるかもしれませんが、こっちも今日負けたことを忘れて、リーグはリーグで頑張りたいです」と、首位に立っているリーグ戦に、この敗戦をつなげることを誓っていた。
(取材・文 河合拓)