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[12.6 J1第34節 鹿島0-1鳥栖 カシマ]
今季限りでの現役引退を表明した鹿島アントラーズの元日本代表DF中田浩二が試合後、記者会見を行い、引退決断に至るまでの経緯を語った。
11月に入ってからクラブと話し合いを続けてきたという中田だが、クラブから正式発表される今月3日まで、チームメイトにも打ち明けていなかったという。
「(小笠原)満男やソガ(曽ヶ端)にも怒られたけど……。チームメイトにはだれにも相談しなかった。相談に乗ってもらおうと思ったけど、(チームが)大事な時期だったので」
「満男、モト、ソガ……」。試合後の引退セレモニーでは同期入団で同い年であるMF小笠原満男、MF本山雅志、GK曽ヶ端準の名前を挙げ、「素晴らしい友であり、ライバルでした。3人がいたからここまでがんばれた。一番最初に引退するのは少ししゃくだけど、今までありがとう」と感謝の言葉を述べた。
同じ1979年生まれの鳥栖FW播戸竜二についても「4人でしゃべっていたら、播戸も来てくれて、泣いてくれた。チームは違ったけど、一つの集団の中でやれていたと思う」と、強い絆で結ばれた“黄金世代”の一端を語った。
「79年組というくくりにされて、チームの枠を超えて仲が良かった。みんなで素晴らしい時間を過ごしてきた」。1999年のU-20世界ユース選手権準優勝、2000年のシドニー五輪ベスト8、2002年の日韓W杯ベスト16。世界を舞台に戦った戦友であるMF稲本潤一(川崎F)、MF小野伸二(札幌)、FW高原直泰(相模原)にも触れた。
チームを変え、J2やJ3といった異なるカテゴリーで挑戦を続ける同世代の選手たち。「カテゴリーやチームを変えるのは難しいこと。この年齢でそこにチャレンジするというのは尊敬するし、すごいなと思う」と率直に語った。
今後についてはトニーニョ・セレーゾ監督から「現場に残ってほしい」という打診も受けているという。「でも、同期3人がいる中で指導者としてやるのは難しい」。そう冗談交じりに話して笑いを誘うと、「これからクラブと話し合っていくことになるけど、ずっと狭い世界でやっていたというのもあるので、視野を広げて、いろんなことに関わって自分の道を見つけていきたい」と話していた。
(取材・文 西山紘平)