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[12.6 J1第34節 鹿島0-1鳥栖 カシマ]
同期の引退セレモニーに感極まった。鹿島アントラーズのMF小笠原満男はDF中田浩二が引退スピーチをする間、ずっとうつむいていた。「泣いてないです。寒かっただけです」。目に光る涙は頑なに否定した。
「こういうときにこんなふがいない試合しかできないところが今のチームの力なのかなと思う。言葉に表せないぐらい悔しい」。勝って送り出したい。しかし、逆転優勝の可能性も残されていた最終節は0-1の完敗だった。
「あいつが安心して任せられると思える試合を見せたかった。あれだけ貢献した偉大な選手の前で情けない試合をしたことが一番悔しい」。そう唇をかむと、同期入団である同い年の中田への思いをあらためて語った。
「個人的にはまだ必要な選手。来年もそうだし、今日のピッチにも立ってほしかった。こういう試合に一番必要なのは(中田)浩二みたいな選手。浩二はこういう試合でチームを勝たせてきた。そういう選手にみんながならないといけない。今日の試合、セレモニーからいろんなことを感じていかないといけない」
同じく同期のMF本山雅志は中田について「17年間、親元を離れてこっちに来て、ある意味、親よりも近い存在」と話す。ただ、感傷には浸らない。「サッカーをやめただけなので。だって、まだあいつはいるし。親友としてこれからもいくんじゃないですか」と、現役は引退しても2人の関係に変わりはないことを強調していた。
(取材・文 西山紘平)