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天皇杯元日決勝が復活する。来年度の第95回天皇杯決勝が、2016年元日(場所は未定)に行われることが27日、分かった。サッカー界では元日決勝が恒例だったが、今季の第94回大会は日程上の理由から12月13日(横浜国際)の決勝が決まっていた。また、来年度からACL出場クラブが、天皇杯でスーパーシードとしてベスト8から出場する案が浮上しており、現在、日本協会とJリーグで協議していることも分かった。
2年ぶりの天皇杯元日決勝開催が決まった。7月の理事会で16年元日決勝案が各理事に提示されており、この日までに正式に決定。宮内庁に報告する準備に入っている。肝心の開催競技場は、国立競技場が改築工事に入ることから、今年中に公募する予定だ。
日本協会としては、元日開催に大きな意義を見いだしている。14年度の決勝は、1月に控えるアジア杯を念頭に、12月中の決勝開催を選択せざるを得なかったが、元日決戦が風物詩となっている以上、日本サッカーならではの伝統を守ろうという意見は根強い。
さらに、秋の天皇杯の大詰めの戦いと関連するのが、ACLだ。ACLを勝ち抜けば、アジア王者として12月のクラブW杯出場権を得る。そこで、最近ふがいない戦いが続くJリーグ勢力を鼓舞する意味合いもこめ、ACL出場チームにはスーパーシードとして、天皇杯は8強から出場させる案が浮上している。
日本協会側とJリーグ側の実務者が話し合っている。アギーレジャパン誕生直後で、確認事項が多く、正式決定にはまだ時間がかかるが、今年中には結論が出る見込みだ。
Jリーグ勢はACLでの惨敗を繰り返しており、協会もJリーグも効果的な強化策を打ち出せないでいる。日本協会の大仁会長は「ACLに出場するクラブにはぜひアジアNO・1になってもらいたい。そのためのバックアップはします」と明言し、村井チェアマンも「金銭面や人的な協力はもちろん、日程調整など、Jリーグとしてできることはなんでもします」としてきた。
ACLがスタートした02年以降、07年大会に浦和、08年大会にG大阪が優勝。その後は中東、中国、韓国のクラブに全く歯が立たず、決勝にも進めず、1次リーグ敗退、決勝トーナメント1回戦敗退ばかり。出場クラブ幹部は「日程が厳しい」と、弱気発言が目立つが、天皇杯スーパーシード制が正式に決まれば、日程面で大きな追い風を受ける。なによりも、ACLでのJリーグの巻き返しと、天皇杯での熱戦が、スーパーシード構想の狙いと言える。
◆天皇杯日程 1921年(大10)に設立された日本最古の大会で、今年は7月5日に1回戦が行われ、J1、J2全クラブは、同12、13日に行われた2回戦から出場した。初戦で鹿島、仙台、神戸とJ1の3クラブが敗退し、3回戦では横浜、浦和、川崎Fなど、有力クラブも負けた。スーパーシードが実施されれば、ACL出場クラブは準々決勝(今年は10月11、12日)からの登場となり、2回戦~4回戦の3試合が免除される。