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2015年4月22日水曜日

◆英紙が問う、Jリーグ「韓国選手」の“顔踏み行為”(産経ニュース)


http://www.sankei.com/premium/news/150421/prm1504210004-n1.html



 4月3日に行われたJ1鹿島-鳥栖戦で、鳥栖DFキム・ミンヒョクが接触プレーで倒れた鹿島MF金崎夢生の顔を踏みつけて大きな波紋を広げた問題は、キムが4試合の出場停止処分を受け、9日に鹿島を訪れて金崎に謝罪したことで一応の決着がついた格好だ。しかし、韓国メディアのニュースサイトのスポーツ欄では依然アクセス数が上位を占め、高い関心は冷めやらない。さらに英紙デーリー・ミラーは8日付でホームページに問題のシーンのユーチューブをアップし、「踏みつけた行為は意図的だと思うか」と題して読者の意見を求めている。極東の地域リーグの出来事が英国でも関心を持たれるほど、今回の事態はスポーツのフェアプレーを根幹から揺さぶる問題だったのではないか。

 問題のシーンを振り返ろう。3日にカシマスタジアムで開催されたJ1鹿島-鳥栖戦の後半36分、左サイドでボールを激しく競り合った金崎とキム。金崎が接触プレーで転倒すると、キムは金崎の体を避けるのでなく、左足で顔を踏みつけるような行為に及んだ。映像を見る限りでは、キムの動きは「故意」と疑われても仕方がないようにみえる。主審はそのシーンを見逃したようで、イエローカードの提示で収めた。朝鮮日報は「退場になってもやむを得ないほど行き過ぎた行為だった」と論評している。

 Jリーグの規律委員会は鹿島の申し立てによって審議。「極めて悪質な行為」と判断し、キムを4試合の出場停止処分とした。ブンデスリーガのヴォルフスブルグで活躍する大儀見優季が自らのツイッターで「人としても、サッカー選手としても許されるべき行為ではない」と非難したのをはじめ、キムの母国・韓国でもインターネットに「サッカー選手として最低な行為だ」などと批判のコメントが殺到した。

 今回の問題は欧米でも高い関心が持たれ、ネットには「自ら出場停止を申し出るべきだ」などとスポーツマンシップを問う意見が寄せられていた。

 さらに、デーリー・ミラーは「相手選手の顔を踏みつけたように見えるJリーグの気分の悪くなるビデオを見る」と題し、今回の問題を報道。アップされたユーチューブには「このファウルがイエローカードだった」と揶揄した文言が記されている。

 そして、日本のファンからは韓国選手に対しJリーグでプレーすることを完全に禁止すべきとの声が出ていることなどを紹介。そのうえで「意図的な行為」だったかを「YES」か「NO」の二者択一で読者に問うている。

 日本のメディアには、顔を意図的に踏みつけて4試合の欠場で済むなら、選手の暴挙に歯止めは掛からないと警鐘を鳴らす報道もみられた。「ボクシングはなぜ合法化されたのか」(松井良明著、平凡社)には「近代の競技スポーツは厳しい勝負の世界にある。だが、そこには厳格なルールがあり、フェアプレーの精神もある。スポーツはいわば純粋な文化のひとつであり、『犯罪』とはむしろ対極にある」と記す。今回の行為は倫理的な視点で大きな波紋を広げた。デーリー・ミラーのような問題提起は一つの見識かもしれない。