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神懸ったセーブを連発した。1月に行われたAFC U-23選手権(リオデジャネイロ五輪アジア最終予選)でゴールマウスを託されたGK櫛引政敏(鹿島)は幾度となくチームの危機を救い、アジアチャンピオン、そしてリオ五輪出場獲得に大きく貢献した。しかし現在、守護神は苦しんでいる。
「自分の成長を考えたし、新しい環境でやるというチャレンジの中で得るものは大きい。タイミング的には難しい決断でしたが、決して長くはないサッカー人生の中で、その決断が必要だと思った」
そう語るように今季、清水から鹿島への期限付き移籍を決断。しかし、第6節まで終了したJ1リーグでの出場はなく、ナビスコ杯では第1節甲府戦で2失点、第2節神戸戦で4失点を喫し、続く第3節名古屋戦では出場機会を失った。本人も現在置かれている立場に「まずは試合に出ないとダメということは分かっている」と唇を噛む。
だが、試合に絡めない状況の中でも必死に成長しようとしている。「試合に出るために練習をする。その過程の中で自分がいかに成長できるかが重要。自分の改善すべきところと向き合いながら、成長していければいいと思う」。
最終予選中、手倉森誠監督は「櫛引が第1GK」と明言していた。鹿島で出場機会を得られないことが続けば、U-23日本代表での立ち位置にも変化が生まれてきそうだが、「移籍を決断して今の状況があります。当然、試合に出ないとダメですが、焦らずにやっていきたい」と現状を受け止めつつ、自らを成長させようとしている。
(取材・文 折戸岳彦)