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2016年12月4日日曜日

◆鹿島、逆転で7年ぶり8度目J王者 金崎2発でアウェーゴール差勝利(トーチュウ)


http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/soccer/news/CK2016120402000162.html

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◇Jチャンピオンシップ決勝第2戦 鹿島2-1浦和

 J1年間王者を決める明治安田チャンピオンシップは3日、埼玉スタジアムで決勝第2戦が行われ、年間勝ち点3位で第1ステージ優勝の鹿島が同1位、第2ステージ優勝の浦和を破り7年ぶり、リーグ最多の8度目の優勝を果たした。第1戦で敗れた鹿島はFW金崎夢生(27)の2得点で2-1で逆転勝ちし、通算1勝1敗、2戦合計2-2と並んだが、アウェーゴール数で上回り逆転した。鹿島の国内三大タイトルは合計18。J1は来季、2ステージ制から1シーズン制に戻るためチャンピオンシップは今年限りとなる。

 鹿島はクラブワールドカップ(W杯)に出場し、8日の1回戦でオークランド(ニュージーランド)と横浜・日産スタジアムで対戦する。

 超負けず嫌いストライカーが、その執念で鹿島を7年ぶり8度目のリーグ制覇へと導いた。1点を先制されながらもFW金崎の2得点で逆転。年間3位からの下克上を成し遂げた。

 「1点を先に取られたことで、逆に戦い方がハッキリした」
 1点ビハインドで迎えた前半40分の1発目が、反撃ののろしとなった。右サイドのMF遠藤からのクロスに体を投げ出し、頭でゴールネットを揺らした。

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 さらに後半34分、FW鈴木がPKを獲得すると、ボールを手に取ったのは背番号「33」。キッカーに名乗り出た鈴木の目を真っすぐに見つめ、「頼むから蹴らしてくれ」と懇願した。浦和サポーターから鳴り響く大音量のブーイングを心地良いBGMに変え、涼しい顔でゴール左へと流し込んだ。試合後、金崎は冗談交じりに「あいつがPKを取ったら僕が蹴ることになっているので問題ない」と言い、報道陣の笑いを誘った。

 「いろいろ1年間ありましたが、とにかく優勝できて本当にうれしい」
 今季は、エネルギーが暴発することもあった。8月20日の湘南戦の後半25分に途中交代を告げられると大激怒。交代を命じた石井監督に不満をあらわにした。

 それも誰よりも勝利への執念を燃やしてきた証しだった。左足首痛を押して出場した大一番で2得点と大暴れし、MVPの栄冠も手にした主役は「家族、親友、関わった全ての人に感謝したい」と締めくくった。Jリーグ最多18個目のタイトルをチームにもたらしたのは、負けず嫌いの一方で、関わる全ての人の思いを背負えるエースでもあった。 (馬場康平)