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2016年12月2日金曜日
◆墜落事故犠牲者を追悼…Jリーグ、12月3日と4日の試合会場で黙とうを実施(サッカーキング)
https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20161202/522757.html?cx_cat=page1
Jリーグは12月2日、シャペコエンセ(ブラジル1部)の選手たちを乗せた飛行機が墜落した事故を受けて、3日と4日に行われる3試合の会場で黙とうを実施すると発表した。
同リーグは公式HPにて、以下のように伝えている。
「先日11月28日にコロンビアで起きた航空機墜落事故で、ブラジルのサッカークラブ『シャペコエンセ』の選手を含む大勢の方々がお亡くなりになりました」
「Jリーグは、この事故で犠牲になられた方々への追悼の意を表すると共に、心からご冥福をお祈りするため、今週末に開催する試合で黙とうを実施いたしますのでお知らせいたします」
黙とうを実施する3試合は以下のとおり。
▼12月3日(土)19:30キックオフ
明治安田生命2016 Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第2戦
浦和レッズ vs 鹿島アントラーズ(埼玉スタジアム2002)
▼12月4日(日)15:35キックオフ
2016 J1昇格プレーオフ 決勝
セレッソ大阪 vs ファジアーノ岡山(キンチョウスタジアム)
▼12月4日(日)12:30キックオフ
2016 J2・J3入れ替え戦 第2戦
ツエーゲン金沢 vs 栃木SC(富山県総合運動公園陸上競技場)
◆チャンピオンシップ決勝第2戦直前!鹿島 監督・選手コメント(J'sGOAL)
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00021835/
■石井正忠監督
――第2戦はどういう戦い方をしていきますか?
「もう私たちはやるべきことは決まってますんで、とにかく2点取ることに向かって準備をしてきたので、そこが果たせればいいかな、と思います。」
――非公開にしたのは点を取るための準備だった?
「そうですね。全体のチェックと点を取るためにどうすればいいかというところ。それをしっかり確認したかった。」
――確認した手応えは?
「ありましたね。やっぱりみんな集中力も高かったし、効果は出てくれるんじゃないかと思いますけどね。」
――金崎選手の状態は?
「怪我の状態は日に日に良くなっている。昨日よりも今日、今日よりも明日は確実に良くなると思うので、その辺はしっかり見極めたいと思います。どういうところに違和感があるのか聞いて、あとは試合に向けて頼む、ということですね。」
――理想の試合展開は?
「まずはこの前の試合と同じように失点しないでいく、というのは理想の形だと思いますね。でも、失点してもどっちにしろ2点取らなければいけないので、落ち着いた対応をしながら、相手の状況を見ながらしっかり対応をして、やっぱり2点取ることに集中していきたいと思います。」
――第1戦は理想に近い形で結果だけ出なかった。この期間、選手にはどう働きかけたのですか?
「内容的には、理想的と言うか前半しっかり守って、後半相手の陣内でボールを保持する形をつくって、攻撃できていたので、そこでゴールに繋がることがよかったと思うんですね。そこで勝ち切れればよかったので、そういう状態を長く続けるということが必要だと思うので、そういう話は試合の次の日にしました。」
――内容で微調整する部分はありますか?
「この間の試合も、ボールを奪ったあと相手に奪い返されてしまうシーンが、判断のミスや技術的なミスあるので、そこでちゃんと自分たちのボールに繋げる、相手陣内でボールを動かすというところをしないといけないと思いますね。レッズさんにボールを持たれてしまうと、効果的に動かされてしまう部分があるので、そこの時間帯を少なくしたいと思います。」
――レッズは奪われたあとに寄せが早い。そこの外し方とかでしょうか?
「そこが勝敗の分かれ目になると思うので、うまく自分たちのボールにして、ボールを保持する時間を長くしたいなと思ってますね。」
――第1戦をやってみて、浦和からいつもと違う部分を感じましたか?
「切り替えの早さがすごくあったと思います。僕らが攻撃しているときに、サイドに人数をかけてプレッシャーをかけてボールを奪い返すとか、あとは僕たちがボールを奪った瞬間に、すぐに奪い返しにくる切り替えの早さは、いままでよりあった気がしますね。あとは後ろのCBがあまり攻撃参加せず、守備を徹底していた部分ですかね。」
――柴崎選手は90分行けるという判断ですか?
「そうですね。この前も途中から入ったにも関わらず、非常に良い流れをチームにもたらしてくれたので、そこは期待するところです。」
――鈴木選手も?
「ここまで来たらチームの総力戦で、たぶん選手自身も怪我があろうが、なんとしてもこの試合に賭けて、という思いはあるでしょうから、すべての力を集結して勝ちに向かっていきたいと思います。」
――リーグ終盤では決定力が問題になっていた。ゴール前に求めることは?
「ほんとにちょっとしたタイミングだったり、相手よりも1歩2歩前に出る動きだったり、さっきは守備の面で言いましたけど、攻撃でも相手との駆け引きとか本当に細かいところがポイントになってくると思う。そこをゴール、チャンスという形が見えた瞬間にそういう動きができるかだと思う。そこを見極めてゴールに向かってくれればいいんじゃないか、と思います。」
――夏に監督が休まれ、2ndステージは思うような結果がでないなか、しっかり決勝にこぎつけていることについては?
「積み重なってる部分なので、僕も非常に悩んでいた時期があったので、そこをしっかり整理したことでいまの状況があると思います。選手自身も、そこでもう1回チームで結束して、このクラブのために戦おうという気持ちになってくれたので、それがここまで来た要因じゃないかと思います。」
――現場に戻ってきて、指導や選手への働きかけ変えられた部分はありますか?
「やっぱり気持ちの部分で、このクラブをまとめていくのに、自分がチームの先頭に立ってやっていかなければならないんだ、というのは強く感じたところです。その部分がいちばん変わったところだと思います。」
――ミーティングで言葉を変えたところは?
「ミーティングでは、こうするべきだ、ということをはっきり示すことはしっかりやっていかないといけないんだな、ということでそこの部分は意識してやっています。」
――シーズン最初からチームをつくる初めてのシーズンだったと思いますが、石井さんにとってはどんな1年でしたでしょうか?
「ある程度はチームとして成果が出せた1年だったと思います。当然、1stステージ優勝しながら2ndステージはかなり不甲斐ない成績になってしまいましたけど、全体的には良い形で1年通してきたんじゃないかと思います。今シーズンは立ち上げのところからやってきたので、年間通してチームのパフォーマンスをどうすればいいかを考えた1年だったので、いろんな時期にいろんな苦労がありました。」
――優勝すれば苦労が報われる?
「それは一瞬だと思います。でも、クラブにとっても私にとってもタイトルを獲ることは、苦労してきたことが報われる一瞬だと思います。なかなかリーグでのタイトルが取れていない現状なので、そのタイトルに向けてまずこの試合をしっかり取りたいです。」
――クラブとして明日勝てば久々のタイトル。勝ち切る意義はどう感じていますか?
「いままでずっとブラジル人監督でタイトルを数多く取ってきましたけど、日本人の監督としては初めてのリーグタイトルになると思います。日本人の指導者に対しても、なにかメッセージを残せると思いますし、このクラブにとってもリーグタイトルを一つ積み重ねること、長い間取れなかったものがここで取れることは意味がある。そこに全力を傾けたいです。このタイトルがひとつのきっかけになって、このアントラーズというチームが変わっていければと思っています。」
■MF25 遠藤康選手
――体調は?
「そこまで重症というあれではない。終わったあとに気が抜けて、ちょっと頭がくらくらするなと思って横になりたかっただけ。」
――食事は?
「肉をいっぱい食べてます。」
――診断名は?
「特にないです。そんな大事だったの?別に試合も最後まで見てたしね。」
――初戦を落として、次は2点以上の勝利が必要。点を取れるイメージはある?
「点は取れる気しかしないよね。この間の試合もチャンスは結構あったし、そこで決めてたらまた結果は違っただろうし。この間の試合で、みんなが「これ結構行けるよね」と話してたし、この間の紅白戦でもそういう話が出ていた。みんなの気持ちは落ちてないし、やれるという自信はみんなあるんじゃないかと思います。」
――1戦目から2戦目の間に監督から言われたことは?
「これで勝ったらJリーグチャンピオンだ、ということはずっと言われてたし、いまのうちらだったら2点取って逆転できる力はあるから、という話をミーティングでしていた。それはみんなわかっていたことだし、石井さんもそう思ってくれてるなら石井さんのために、じゃないけど、またがんばろうという気持ちにみんなは勝手になってると思う。勝ってクラブワールドカップに行きたいし、リーグタイトルはなかなか取れてないんでいまはそのチャンス。2点取りたい、と思います。」
――レッズの戦い方、プレーの印象は?
「年間王者としての強さ、守備に対しても攻撃に対してもありますし、チームの安定感はありますけど、どこか隙はありますしそこを突いていけば大丈夫かな。あと、レッズだけには負けたくないという気持ちがみんなあるので、その気持ちが上まわればなんとかなんじゃないかな、という気持ちはあります。」
――レッズだけには負けたくないというのは、最近、あまり勝ててないことが影響してますか?
「みんなが煽るからじゃないですか?(笑)。でも、昔からレッズとやるときは自分のモチベーションやサポーターのモチベーションがあがる。やっぱりここで勝って、鹿島サポーターと一緒に喜びあいたいな、という気持ちが強いですね。」
――今年は怪我があってチームを離れることもあった。ここで活躍すれば、という思いはある?
「そうやって考えるとチーム全員で戦ってきたな、と思う。自分が離脱してるなかでも他の選手のがんばりでこういう舞台に立たせてもらっている。自分はメディカルとかで復活させてくれたスタッフとかにも感謝してるし、こうやって見ると鹿島って一致団結してるチームなんだな、と思います。フロントとか、そういう人たちの期待に応えるためにも、今回かって、優勝して、美味しいお酒でも飲みたいな、みんなにいい報告ができるようにしたいな、と思いますね。」
――09年からタイトルに遠ざかっていますけど、ここまで戻って来れた要因は?
「まだ戻ってないと思う。前みたいな強さは。年間の勝点で言ったらうちらはずっと下ですし、チャンピオンシップという舞台を設けてもらったからうちらはここにいるだけ。だけど、そういうチャンスをもらっているので、ここで勝てば優勝という称号をもらえるので、トーナメントに強い鹿島を見せたいなと思いますね。」
――この間の試合はセットプレーからチャンスをつくれていた。そこの手応えは?
「そこは中の人間が一番感じているところで、「結構空くよ」という話しもしてますし、そこにうちらが良いボールを供給できれば、得点できる確率は増えるかなと思ってる。セットプレーで取れれば戦い方がやりやすくなると思う。1点取られても2点取れば勝ちでしょ?」
――あまり追い込まれてる感じはしない?
「言ったらうちらは下から上がってきてるから、追い込まれてる感じは全然しない。むしろラッキーみたいな感じ。チャンスがどんどん来る感じがする。」
――埼スタのチケットが完売しているようですが?
「ああいう雰囲気でやれるのはなかなかないし、ほとんどアウェイのサポーターだけど、その一角に鹿島のサポーターがいる雰囲気も俺は好きですし、こういうところでも応援に来てくれる気持ちはすごい嬉しい。そういう人たちのためにも俺らはすごいがんばろうと思いますね。」
■MF10 柴崎岳選手
――しばらくチームを離れていたが、この間の試合で感覚が戻っている実感は得られた?
「感覚的には変わらないことが確認できましたし、試合出てなかった期間でどう感じたというのはないんですけど、一発勝負の状況で帰って来ているので、ちょっとレギュレーションも違うのでやるべきことはちょっと違うんですが、チームのために良い働きをしたいというのは、どのタイミングで出ても、どのポジションで出ても、どの立場で出ても、チームに貢献したいという気持ちは持っています。」
――チャンピオンになるか決まる一戦に向かう気持ちの持って行き方は?
「個人的には、非常に集中した状態を持てていると思いますし、いまは決勝のことしか考えてない状態です。チームもそうだと思いますし、全員が一つの目標に向かっているなという感覚は持っている。いまは集中というか、試合のときにうまくテンションを高く持っていけるように、試合のいろんなことを考えながら、前日を過ごしています。」
――2点以上取らなければいけない状況だが、試合の持って行き方のイメージは?
「攻守のバランスが重要になるとは思いますが、攻撃に比重を置いていかなければならないので、そこの微妙なバランスを意識しながらチーム全体がやらなければならないと思います。1点入ったら相手に相当プレッシャーを与えられると思うので、2点とは言わずまず1点。2点決めるというのは最初に思うのではなく、まず1点決めることが自分たちにとっては流れを引き寄せることになると思うし、相手にとって大きなプレッシャーを与えることになると思います。」
――離脱していた時期はなにを考えていたのか?
「まずは怪我を治すこと、自分の身体を見つめ直す部分、コンディションの部分も含めて。あとはプレーのイメージとか、戻ったときにしっかり入れるように準備してました。」
――この間、途中で入って時も1点を追う状況だったが、先ほどの微妙なバランスについてはどう感じていた?
「変な話ですけど、1点取られて相手もちょっと戦い方を変えたのはありますけど、そっちの方が良いバランスで自分たちらしいサッカーをしてたかな、と思いますし、その決断だったりがもっともっと前半からできれば、さらに良い流れの試合展開にできる、と思う。さらに長い時間できると思ってますし、やっぱりシュートを打たないとどうにもならないので、その場面まで持っていくことと、さっきも言ったその決断、シュートを打つ判断、というのは僕が入ってからの展開では意識していた。それがチーム全体に伝わったのか、シュート数もうわまわった。そういうのはしっかり意識したいと思います。」
――セットプレーでは良い形で入ってきた。蹴る方は良い感覚を持てている?
「セットプレーに関しては点を取れる感じはしています。流れのなかで難しい時間帯が続いているのであれば、セットプレーの精度も鍵になってくると思う。キッカーとして、しっかり中に良いボールを供給することができればと思います。」
――ボランチで出るときとその他のポジションで出るときとで違いはあるのか?
「いろんな違いはありますけど、僕的にはそんなにポジションにこだわりはないというか、その場のバランスだったりとか状況によってポジションを変えていこうと思っている。基本的に僕のプレースタイルだったり、プレーの感覚だったり、プレーの質はどこのポジションで出場しても変えるつもりはないですし、基本的な考え方も変わらない。その場で瞬時に判断していく。流動的な鹿島のサッカーに、適応というか試合のなかで出していく、というところですね。」
――レッズの陣形だと、守備の高さやSBとの距離に気を遣うところがあるのでは?
「僕はそうは感じないですけど、ある程度僕らのところで攻撃のスイッチもそうですけど、守備のスイッチも入れないと後ろも付いて来れないと思うので、やっぱり僕らがどんどんプレッシャーに行くことで後ろを押し上げていくこと。前から詰めるのも状況によりますけど、点を取らないといけないので、明日の試合は僕らの中盤のポジションは、運動量が多く要求される展開になると思います。」
――改めてリーグのタイトルを取る思いは?
「取ったことがないので、取りたいという気持ちはあるし、取ったらどうなるのかという思いもあります。」
――今シーズンは個人的にアクシデントも多かったと思いますが、今シーズンに対する思いは?
「いや、なにもありません。」
◆【浦和 vs 鹿島】 鹿島側ウォーミングアップコラム:第1戦の西川周作を賞賛する昌子源。「俺らディフェンス陣もできたら」(J'sGOAL)
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00021833/
第1戦を0-1で落とした鹿島は、第2戦で2得点以上での勝利が求められる。1日の練習は石井正忠監督が就任してから初めて非公開練習が実施され、点を取るための形が確認された。ただ、第2戦が開催されるのは埼玉スタジアム2002。先勝した浦和のホームである。
勝ってホームに帰ったことで、チャンピオンシップの流れはまだ浦和に向いているだろう。鹿島としては、それをどこかで変えなければならない。2得点以上が必要とされる試合のため、流れを変えるのは攻撃陣の役目と思われる。しかし、DFリーダーの昌子源は第1戦で西川周作が見せたプレーが流れを変えたと感じていた。48分、鹿島は遠藤康がGKと1対1となるビッグチャンスを迎えたが、ゴールマウスから飛び出してきた西川周作にそれを阻まれていた。
「周ちゃんはヤスさんのシュートをキャッチした。あれが普通に止めただけなら『あぁ惜しい』となっただけだと思う。でも、周ちゃんはあそこでキャッチだった。あれをキャッチされると浦和側の勢いもグッと増す。浦和が勝った最大の勝因だったと思う」
実際、浦和に決勝点がもたらされたのは57分。西川のプレーは、浦和のチーム全体を勢いづかせるビッグプレーだった。
「あまりピッチに関われないGKがああいうプレーでチームを盛り上げられるのはすばらしいことだと思う。うちもソガさんに何度も助けられた。そういうプレーをキーパーだけじゃなく、俺らディフェンス陣もできたらと思う」
攻めるためには攻撃に人数を割くことが必要だ。守備に備える人数はいつもより少なくなるかもしれない。相手のカウンターを守るため、通常より広大なスペースを守る場面もあるだろう。
「それはもうわかってることですし、あまり心配してないかな」
昌子の表情からは、ゴールを守り切る決意が見て取れた。
文:田中滋(鹿島担当)
明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第2戦
12月3日(土)19:30KO 埼玉
浦和レッズ vs 鹿島アントラーズ
◆鹿島の決壊を防いだ門番・昌子源。 世代交代とタイトル、二兎を追う。(Number)
http://number.bunshun.jp/articles/-/826996
「鹿島はタイトルを獲らないといけないチーム。今年は獲らなきゃいけない年だと思っている。そのために自分は全力を尽くさないといけないし、その先に日本代表やW杯があると思っている」
鹿島アントラーズのセンターバック、昌子源の覚悟は相当なものだった。この言葉は今年2月に彼が口にしていた言葉だ。
彼が心の底から強く思い続けていること。それは“常勝・鹿島”の復権にある。
鹿島と言えばJリーグ最多のタイトル獲得数を誇る、まさに名門クラブだが、近年はそのタイトルから遠ざかる時期もあった。その最大の要因として、クラブが選んだ“世代交代”があった。
世代交代は口では簡単に言えるが、実現しようとするには相当なエネルギーと時間を要する。だからこそ、どのチームも実行したくても実行出来ないジレンマが生じる。目の前の勝利を優先するのか、将来のクラブの有るべき姿を優先するのか。この“勇気あるチャレンジ”を実行してきたのが鹿島だった。
“黄金世代後”を受けて台頭したのが昌子だった。
1979年生まれの“黄金世代”。その中心人物だった小笠原満男、曽ヶ端準、中田浩二、本山雅志が1998年に鹿島に入団すると、2000年から2001年に掛けて彼らを中心にしたチームにすべく、世代交代を図ったのが象徴的な出来事だ。
あの時と同じように、鹿島は2013年から本格的な世代交代に着手する。この中心人物になったのは昌子だった。プロ2年目の2012年からJデビューを飾り、2013年はリーグ4試合出場(先発1試合)に留まったが、2014年にはリーグ全試合スタメン出場を果たした。
CBという経験と人間的な強さを要するポジションを託されること自体が、大きなプレッシャーであり、期待の大きさであった。しかも、コンビを組んだのが自分より年下の植田直通とあって、彼にはただのCBとしてではなく、守備のリーダーとしての役割も同時に託された。
常勝・鹿島のはずがリーグタイトルから遠ざかった。
昌子、植田以外にもFWカイオ(現アル・アイン)、MF土居聖真、DF伊東幸敏らを積極起用し、大幅な世代交代を図ったチームがすぐに結果を出せる訳がない。2013、2014年と2年連続で無冠に終わり、2ステージ制となった昨年はファーストステージで8位と低迷。それでもナビスコカップ(現ルヴァン杯)を制し、3年ぶりのタイトルを手にした。そしてセカンドステージも2位と盛り返したが、年間順位は5位とチャンピオンシップ進出はならなかった。
「常勝・鹿島で試合に出させてもらっているのに、この結果は悔しさしかなかった」
もちろんクラブが掲げる明確な将来のヴィジョンに基づいた故の“産みの苦しみ”であり、昌子に大きな責任があるわけではない。しかし、彼の人間性、そしてクラブへの愛と感謝が、それを是としなかった。
「もう一度強い鹿島になるには、自分がもっと成長しないといけない」
「僕の成長がチームの鍵を握ると常に思っている」
彼にとってチームを勝たせる選手になることは、明確な義務であった。周りがどんな慰めの言葉や激励の言葉を掛けてくれても、彼の中で生まれたこの想いは不変であり、彼を突き動かす信念だった。
「結果は自分の責任。僕の成長がチームの鍵を握っていると常に思っている。僕がDFラインをまとめていかないと、“常勝・鹿島”は復活しない。それくらいの気持ちでやっている」
迎えた2016年、リーグ戦でタイトルを獲らなければ、本物の復活はない。「もう何が何でも結果を出す。そのために何をすべきか。どんなときでも考えるようにしている」と、並々ならぬ決意を持った彼は、それをプレーに昇華し、鹿島の最終ラインで鬼気迫る闘争心と高い集中力を示し続けた。
味方が「もうええって」となるほどのコーチングを。
「90分間ずっと声を出し続けられるのは自分しかいないと思っている。鹿島の守備を背負うと言うことは、生半可な気持ちではいけないし、ましてや“自分だけで良い”訳ではない。僕とソガさん(曽ヶ端)で全体をしっかりと見渡して、危険な場所や状況があれば相手に伝わるまで言うし、たとえ味方が『もうええって』と思っていても、しつこいくらい言う。むしろ『もうええって』と思われるまで言わないとダメ。そうしないと情報共有や意思統一を出来ない。チームのために全力を尽くすと言うことは、そういうことをしっかりとやりきってこそ言えることだと思う」
怪我で離脱する時期もあったが、彼のスピリットは着実にチームの中で広がっていった。ファーストステージではリーグ最少失点(17試合10失点)で優勝し、2009年(1ステージ制)以来、6年半ぶりのリーグタイトルを手にすることが出来た。
だが、セカンドステージは低迷に陥り、失点を重ねて思うように勝ち点を積み上げられなくなって行く。チームの歯車が狂ってしまった中でも、昌子はどう立て直すべきかを考え続けた。
「ピッチの中でどれだけ本気で勝ちたいと思ったか」
例えば9月の柏戦で、0-2の敗戦を喫したときのこと。試合後のミックスゾーンは重い空気に包まれたが、彼は気丈に報道陣の前に立ち、自分達の課題や問題点をはっきりと口にした。
「いったい、ピッチの中でどれだけの選手が“本気で勝ちたい”と思っていたか。もちろん勝ちたくない選手は一人もいない。でも、本気で何とかしないといけない、“何が何でも”という気持ちには差があった。これではいけないんです。あっさりやられてしまってはダメなんです」
CBとして失点を喫してしまった悔しさは当然ある。だが、この試合で昌子がいなかったら、もっと崩れた試合になった可能性は高い。誰よりも声を張り上げ、球際や競り合いで激しくいき、闘争心を出している姿は、低迷していたチームにとってこれ以上崩れないための“生命線”になっていた。
埼スタでのCS第2戦、逆境でこそ闘志と集中力を。
鹿島のセカンドステージは結果として11位に終わったが、年間順位は3位。ファーストステージ王者として、チャンピオンシップ進出は決めていた。
タイトル獲得のチャンスを得た昌子は、「このタイトルは絶対に獲る」とより強い覚悟を固めていた。この覚悟は準決勝の川崎戦で表現され、鋭い読みのインターセプトや球際の強さ、クロスの対応の妙をフルに発揮し、相手の強力攻撃陣をシャットアウト。1-0勝利の陰のMVPとなった。
そして、浦和との決勝戦。ホームでの第1戦は0-1で落としてしまったが、この1点はPKによる1点であり、完璧に崩されたシーンはほぼなかった。この試合でも昌子は抜群の存在感を発揮し、的確なコーチングと読みの鋭さを発揮して、アタッキングサードで自由を与えなかった。
第2戦は12月3日、敵地・埼玉スタジアム。浦和の優位は変わりないが、目の前にチャンスが、可能性がある限り、決して諦めない。浦和の攻撃を食い止め、味方の攻撃陣を支え続けることで、必ず道は開かれる。
“常勝・鹿島”復活に向けて、より闘志と集中力を研ぎ澄まし、不退転の精神で目の前の一戦に臨む。昌子源とはそういう男だ――。
◆【英国人の視点】常勝軍団・鹿島、CS決勝に抱く底知れぬ自信。“挑戦者”は2S絶不調も、火傷するのは“王者”浦和?(フットボールチャンネル)
http://www.footballchannel.jp/2016/11/29/post187397/
Jリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップの第1戦が29日にいよいよ開催される。1stステージ王者として出場する鹿島アントラーズと年間総合1位の間には勝ち点15も離れており、拮抗しているとは言い難い。鹿島は1年を通して首位に立っていたのは2週のみだったが、あと2試合でJリーグ王者の座を掴み取ろうとしている。キャプテンの小笠原満男や西大伍はチャンピオンシップに向けて底知れぬ自信を抱いている。果たして年間首位の浦和は火傷を負ってしまうのだろうか?(取材・文:ショーン・キャロル)
いよいよCS決勝。拮抗しているとは言い難い大一番
さて、いよいよだ。浦和レッズ対鹿島アントラーズの激突により、2016年のJリーグ王者に戴冠するチームが決まる。日本サッカー界最大のクラブと、日本サッカー界で最も成功を収めてきたクラブというカードは、不幸な運命を辿った2ステージ制に終止符を打つ上では理想的な形だと言えるかもしれない。
とはいえ、楽しみなカードであることは確かだとしても、年間総合順位を眺めてみれば両チームが拮抗した状態でこの大一番を迎えるとは言い難い。
34節を戦い終えて、アントラーズはレッズに勝ち点で15ポイントの差をつけられ、得失点差では14点も劣っていた。セカンドステージでは早くもバカンスに入っていたかのようだった。わずか勝ち点20の11位という成績で終えており、レッズが同ステージで獲得した勝ち点41の半分にも届かなかった。
セカンドステージで勝利を収めたのはわずか6試合。最後の4連敗も含めて9敗を喫しており、ラスト2試合はゴールを奪うことすらもできなかった。ホームでの川崎フロンターレ戦とヴィッセル神戸戦にいずれも0-1で敗れてしまっている。
結局のところ、ファーストステージを制してプレーオフ進出をすでに決めていた以上、シーズン後半戦の17試合は鹿島にとってさほど意味を持たないものだった。
彼らが戦えていなかったというわけではないが、敗戦が何の悪影響ももたらさないのであれば、勝利を得るために全力を尽くすモチベーションを維持するのがより難しくなるのは理解できる。昨年のファーストステージで無敗優勝を飾った浦和が、セカンドステージでは首位サンフレッチェ広島に9ポイントの差をつけられてしまったことも一例だ。
失うものはなく、得るものばかり
「どんな形でもチャンピオンシップに進みたいと思います。アントラーズはトーナメント戦が得意なので、とにかく出場権を確保したいですね」と西大伍は6月に話していた。ファーストステージで2位にいた鹿島が3位浦和にアウェイの埼玉で2-0の勝利を収め、2試合を残した時点で6ポイントの差をつけた試合後のことだった。
その勝利の翌週に首位浮上を果たした鹿島は、そのままファーストステージ王者のタイトルを手に入れた。今シーズンを通して、石井正忠監督のチームがリーグ首位に立っていたのはファーストステージの第16節と第17節終了時の2週だけだ。
対照的に、先週水曜日のチャンピオンシップ準決勝で鹿島に0-1で敗れた川崎フロンターレは計21週を首位で過ごしていた。
それでもフロンターレは今回もリーグタイトルを逃す結果となり、アントラーズは通算8度目の年間タイトル獲得まであと2試合に迫っている。ここ数ヶ月間を“流していた”チームは、何も失うものはなく得るものばかりという状況を迎えて再び気を引き締めている。
アントラーズはリーグのルールを完璧に近い形で利用し、フィジカル面でもメンタル面でもラストスパートまで力を温存してきた。ファーストステージの最後に勢いを増し、6連勝でレッズとフロンターレを振り切った時と同じような戦いを見せられるようにするためだ。
「ファーストステージの頃にも言いましたよね? チャンピオンシップになれば僕らは強いですよ」と西は水曜日のフロンターレ戦勝利後に改めて話していた。「僕らは挑戦者なんです」とも付け加えた。
「15ポイント差をつけられていても関係ない」
「(試合序盤は)少し硬くなっていたと思いますが、普段とそんなに違ったとは思いません。決勝ではさらに緊張がなくなるでしょうね。僕らには自信があります。今日の勝利が勢いになると思います」
キャプテンの小笠原満男は、決勝を戦う2チームのリーグ戦での最終成績が試合に影響することはないと主張した。最大のライバルクラブの10年ぶりのリーグタイトル獲得を阻みたいという思いでモチベーションがことさら高まるわけでもないと話している。
「相手がどこでも気にならないです」と小笠原はいつも通り率直な様子で語った。「見方を変えればもちろん、(セカンドステージでも)結果を出したいと思っていましたが、それはそれ、これはこれです」
準決勝で同点ゴールを狙うフロンターレに対する守備固めとして投入された三竿健斗も同様の考えを口にしている。より大きな期待の重荷を背負っているのはレッズの方だと考えているようだ。
「リーグ戦とチャンピオンシップは別物です。15ポイント差をつけられていても関係ないですね。アグレッシブに戦って勝つしかないです。プレッシャーがあるのは僕らよりも向こうだと思います。難しい試合にはなると思いますが、自分たちのサッカーができれば勝てるはずです」
だがリーグ戦とは無関係な試合であることをいくら強調してみたところで、この2試合に勝利を収めたチームが2016年のリーグ王者として歴史に名を残すという事実に変わりはない。
アントラーズは、試合への熱が高まる場面でこそ力を発揮できることを何度も示してきた。12月3日に埼玉で行われる決勝第2戦が焼け付くような熱気に包まれることは間違いない。果たして、レッズは火傷せずに済むだろうか。
(取材・文:ショーン・キャロル)
【了】
◆【THE REAL】遅咲きの28歳・永木亮太が築いた居場所…常勝軍団・鹿島アントラーズで放ついぶし銀の輝き(CYCLE)
http://cyclestyle.net/article/2016/11/29/43546.html
数字がすべてを物語る。新天地・鹿島アントラーズでプレーした2016シーズン。ファーストステージとセカンドステージとで、ボランチの永木亮太はピッチのうえにおける存在感を大きく変化させている。
出場試合数こそ「14」と「15」でほぼ変わらないが、先発回数は「2」から「11」へ、出場時間は「374分」から「1064分」へと激増。時間の経過とともに、常勝軍団のなかに確固たる居場所を築きあげた。
アントラーズのダブルボランチは、キャプテンを務める37歳のベテラン・小笠原満男、入団6年目の今シーズンから背番号「10」を託された24歳の柴崎岳が、長くファーストチョイスだった。
しかし、セカンドステージ以降は小笠原と永木が組む機会が一気に増えた。その場合、柴崎は二列目にポジションを上げている。チーム内における序列の変化は、永木自身が実力で勝ち取ったものだ。
■アントラーズ・石井正宙監督が寄せる信頼
川崎フロンターレのホーム・等々力陸上競技場に乗り込んだ11月23日のJリーグチャンピオンシップ準決勝。ボランチで先発した永木は、後半途中からほとんど経験のない二列目の右サイドに回っている。
おりしも登里亨平が二列目に投入されたフロンターレの左サイドが、左サイドバック・車屋紳太郎とのコンビネーションを生かして、前へ出てくる圧力を強めた直後の配置転換だった。
「(永木)亮太の特徴として、前へかなり距離をとってプレッシャーをかけにいけるので。あとはボールを奪ってから、攻撃のところでさらに行けるという狙いで、亮太をサイドへ出しました」
登里と車屋にひとりで対峙し、そのうえでボールを前へと運ぶ力も発揮してほしい。永木の武器でもあるボール奪取力とスタミナへ、アントラーズの石井正宙監督が寄せている信頼の大きさが伝わってくる。
JFA・Jリーグ特別指定選手として登録された中央大学在学中の2010シーズンを含めて、6年間という時間を共有し、2013シーズンからはキャプテンを務めていた湘南ベルマーレから移ってきた。
アントラーズからオファーを受けるのは、2014シーズンのオフに続いて二度目だった。どこでプレーすれば自分が最も成長できるのかと自問自答を繰り返した結果、最初は丁寧に断りを入れている。
迎えた2015シーズン。ベルマーレは年間総合順位で8位と躍進し、悲願でもあったJ1残留を勝ち取った。チームの心臓として攻守両面で絶対的な存在感を放った永木としても、大きな達成感があったのだろう。
再び届いたアントラーズからのラブコールに、今度は応える決断をくだす。他にもJ1クラブからオファーを受け、なかにはアントラーズよりもより高い条件を提示してきたクラブもあった。
それでも、2年連続でアントラーズが高く評価してくれたことが嬉しかった。小笠原と柴崎という難攻不落の壁がそびえ立っているのは承知のうえで、J1で最多となる17ものタイトルを誇る名門の一員になった。
■小笠原満男から受けたカルチャーショック
後半からの途中出場が続いたファーストステージ。ベルマーレ時代から一転して、ピッチに立つ時間がなかなか増えない状況を、永木は「想定内のことです」と一笑に付し、むしろ充実感を漂わせていた。
「練習の段階からレベルがすごく高いですし、その意味では自分にはまだまだ足りないところがあると気づかされた。足元のテクニックが高い選手が大勢いるので、ボール回しひとつをとっても、いままで高い意識のもとでやれていなかったのかな、と思ったこともあります。
そういう点を逆に意識することで、自分の足元のテクニックもあがってくる。加えて、90分間を通して『勝つために何をすればいいのか』ということを、選手全員が明確に理解している。それが鹿島アントラーズというチームのスタイルになっているし、本当に勉強になっています」
何よりもアントラーズの伝統を語り継ぐ、小笠原の一挙手一投足を間近で見られる。実に14個ものタイトル獲得を経験してきたレジェンドの存在感は、28歳になった永木にカルチャーショックを与えている。
「(小笠原)満男さんは存在感だけでなく、ポジショニングが的確でコーチングもすごい。さまざまな経験を積んできた選手なのでインプットすることが本当に多いし、ボールを奪うだけでなく、マイボールにした後に前へ、前へと出ていく力もすごい。自分ももっと見習わないといけないですね」
■小笠原と組んで最強の盾になる
自分の武器をさらに磨き上げたところへ、自分自身をアントラーズのカラーに染めて、必ず石井監督のファーストチョイスになってみせる。目標を明確に描けたからこそ、永木に焦りはなかった。
「自分のベースは湘南ベルマーレで培われた。そして、鹿島アントラーズでしか得られないものもある。それはポゼッション力であり、ボランチとしてゲームの展開を読む力であり、勝者のメンタリティーだと思っている。特に勝者のメンタリティーは、試合にあまり出ていないにもかかわらず、ひしひしと感じられた。これから先はもっと大きくなってくるし、自分としてもすごく楽しみなんです」
ファーストステージ開幕直後に残していた言葉そのままに、永木はアントラーズに必要不可欠な存在となった。先のフロンターレ戦でも、小笠原と組んだボランチは中盤における最強の盾となった。
たとえば前半27分。縦パスを受けたエースのFW大久保嘉人に、まずは韓国代表経験をもつDFファン・ソッコが激しくプレッシャーをかけ、間髪入れずに小笠原と永木がはさみ込んだ。
最終的には小笠原のファウルをとられたが、フリーキックを与えても問題のないエリアだったことも踏まえての選択だった。激しく、執拗に。アントラーズの伝統が凝縮されたシーンでもあった。
「意識したことは、満男さんとふたりで前にいかないこと。バイタルエリアの真ん中でしっかりと構えて、ボールを奪う際にふたりでいく必要があるときには、迷うことなくいきました。前線から連動して守備をしてくれるので、ボランチとしても狙いやすい部分もある。途中から(中村)憲剛さんが入ってきて、大久保さんとポジションが頻繁に入れ替わりましたけど、それでも完璧に崩されたシーンはなかったので」
■ハリルホジッチ監督も期待をかける
シーズン中盤から終盤にかけて、充実感と躍動感を同居させるようになった永木を、ベルマーレ時代から注目していた日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が放っておくはずがない。
故障者が出た関係で、急きょ追加招集された3月の代表候補合宿は序章にすぎなかった。9月に幕を開けたワールドカップ・アジア最終予選。10月シリーズで、永木は初めてA代表に名前を連ねた。
「長く追跡してきた選手だが、最近はいい存在感を出している。レポートが毎週あがってくるが、しっかりとボールを奪い取れるいい選手だ。手元に呼んで、グループのなかで見てみたい」
ハリルホジッチ監督の言葉からも、フランス語で「決闘」を意味する『デュエル』の体現者として、遅咲きの花を咲かせようとしている永木に大きな期待をかけていることが伝わってくる。
イラク、オーストラリア両代表と対峙した10月シリーズこそ出番はなかったが、11月シリーズで再びメンバー入り。迎えた11日のオマーン代表との国際親善試合で、永木は待望のデビューを果たした。
舞台はアントラーズのホーム・カシマスタジアム。ボランチで先発した永木は後半23分までプレーし、果敢なボール奪取と前への推進力から、FW大迫勇也(ケルン)が前半にあげた2ゴールに絡んだ。
「代表はそれほど遠い場所ではないと思っていますけど、だからといって代表のことばかり意識しても仕方がない。要はどれだけ所属クラブの力になれるか。ひたむきに頑張っている姿を見てもらえれば、必ずチャンスは巡ってくると思っています」
フロンターレの下部組織でプロを目指していた少年時代から、年代別の代表に無縁だった永木の口癖だ。それでも、地道に積み重ねてきた努力は嘘をつかない。28歳でのA代表デビューを、永木はこう振り返る。
「レベルがさらに高い選手たちとプレーするなかで、意識も変わりました。やっているサッカーは鹿島とは違うし、代表はより縦と横を意識しないといけませんけど、鹿島でも落とし込めるところは落とし込んでいます。ボールを奪う力や球際の部分を評価されて代表に呼ばれたと思っているので、そういう強さをもっている選手からさらに学んで、自分の特徴をさらに伸ばしていきたいですね」
■「3位の僕たちに失うものは何もありません」
今シーズンのアントラーズはファーストステージを制し、チャンピオンシップ出場権を獲得した。しかし、その後に心のエアポケットに陥ってしまったのか。セカンドステージは一転して不振に陥る。
開幕戦から黒星がかさみ、最後は4連敗を喫して11位に甘んじた。それでも一発勝負となるチャンピオンシップ準決勝へ向けて、全員がメンタルをしっかりと切り替えて、伝統の勝負強さを取り戻した。
後半5分にエース金崎夢生が決めたダイビングヘッドによる先制弾を、身上とする激しい守備で危なげなく守り切ったフロンターレ戦は、浦和レッズが待つ決勝へ向けて、永木に新鮮な驚きを与えてもいた。
「タイトルを獲っている選手が多いし、そういう選手が要所を締めてくれる。なので、タイトルを獲れるような雰囲気があるんです。浦和レッズは本当に強いチームで、セカンドステージでもほとんど負けていません。誰が出ても同じサッカーをしてくるけど、だからこそ準決勝のような気持ちのこもった試合をする。
年間総合順位で3位の僕たちにとっては、失うものは何もありませんからね。準決勝で久しぶりの勝利を味わえたことはすごくよかったし、第1戦を僕たちのホームで戦えることも含めて、この流れを自分たちのアドバンテージにしていきたいですね」
これを縁と呼ぶのかもしれない。アントラーズは2010年7月14日に永木がJリーグデビューを果たしたときの相手であり、場所も29日夜に決勝第1戦のキックオフを迎えるカシマスタジアムだった。
そして、ボランチを組む小笠原は、永木が長く憧れの存在としてそのプレーを追いかけてきた選手。万感の思いを胸の奥に秘めながら、自身にとってはプロ入り後で初のタイトルがかかる大一番に臨む。
◆M—1決勝進出!カミナリ「優勝して“茨城芸人”になる」(東スポ)
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/623246/
漫才日本一を決める「M―1グランプリ2016」(テレビ朝日系で12月4日午後6時30分から放送)で同日の決勝進出を果たしたカミナリ(竹内まなぶ=28、石田たくみ=28)が決戦を前に本紙のインタビューに答えた。茨城県鉾田市出身の2人は、Jリーグの鹿島アントラーズとともにダブル優勝して「茨城を盛り上げる!」と宣言。さらに「優勝して“茨城芸人”となり、茨城県にテレビ局を作る!」と壮大な夢を語った。
――事務所の先輩にサンドウィッチマン、永野らがいる
たくみ:サンドの伊達さんは今年の夏、お客さんの前で「こいつら今年、M―1に行きますから」と言ってくれました。
――去年と同じ形式ならサンドの富澤が審査員
まなぶ:他よりは2~3点くらい多くしてくれますかね(笑い)。
――サンドはM―1で優勝しているが、敗者復活戦からなので、実は準決勝は突破してない
たくみ:そうなんです! 僕らは準決勝を通過したので、サンドさんを超えました(笑い)。
まなぶ:サンドさんにも永野さんにもお世話になってます。サンドさんには技術、永野さんには気持ちを教わりました。
――永野に技術は教わってない?
まなぶ:あの人の芸はマネできないので。
――2人は茨城県鉾田市出身の幼なじみ
たくみ:決勝進出が決まって、磯山さやかさんが「同じ鉾田市出身」ってツイートしてくれて、うれしかったです。
まなぶ:磯山さんに存在を知ってもらえたら、鉾田市では一生ナメられないと思います。
たくみ:いつか共演できたらいいですね。
――漫才も茨城なまりが特徴
たくみ:そんなになまりを意識しているわけではないんですが、自然にしゃべろうとしたら茨城なまりが出るんです。
まなぶ:僕はサッカーやっていたので、鹿島アントラーズの大ファン。
――鹿島は今、Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝を戦っている。29日の初戦は浦和に0―1で敗れた
まなぶ:CS決勝第2戦が12月3日でM―1の決勝が4日。鹿島と僕らが両方優勝したら、茨城がすごく盛り上がるでしょうね。
――来年は“茨城芸人”としてブレーク
たくみ:茨城出身の男性芸人で、多分一番有名なのがピースの綾部祐二さん。でも来年4月にニューヨークに行かれるので“茨城芸人の枠が空くな”と思ってます。
まなぶ:綾部さんの枠、狙ってます。ルックスはかないませんけど。
――“茨城芸人”としてやりたい仕事は?
まなぶ:鹿島の試合のテレビ中継にゲストとして出て、副音声でしゃべりたい。
たくみ:何で副音声なんだよ?
まなぶ:リラックスしてしゃべりたいから。
――M―1で優勝したら、アントラーズの番組に呼ばれるかも
まなぶ:でもアントラーズの番組ってあるかな? 実は茨城県にはテレビ局がないんです。
たくみ:関東の他県には全部あるのに、茨城はラジオしかない。だから優勝したら、茨城県にテレビ局を作りたいですね。
まなぶ:総務省と話し合います! もし茨城テレビができたら僕ら、一生食えますね。“茨城芸人”として朝、昼、晩と出演します。
――頭を思いっきり叩くツッコミが印象的ですが、かなり痛い?
まなぶ:笑いが起きると痛くないけど、スベると痛みを感じます。
たくみ:オーディションとか、お客さんがいないと痛いらしいです。
――普段はすごく仲がいいとか
たくみ:はい、他の芸人が引くくらい、常に一緒にいます。仲の良さがアピールポイント。
まなぶ:仲が悪いコンビとか信じられないです。
たくみ:まあ舞台で相方を叩きまくってるので、ホントに仲が悪かったらヤバイでしょ(笑い)。
☆カミナリ=ボケの竹内まなぶ(1988年9月16日生まれ)とツッコミの石田たくみ(1988年7月6日)のコンビ。2011年結成。グレープカンパニー所属。茨城なまりと、たくみがまなぶの頭を思い切り叩く“どつきツッコミ”が特徴。今年の「M―1グランプリ」で初の決勝進出。決勝の出番は2番目だが「永野さんが『2番はいいよ!』と言ってたので、多分いいんでしょう」。
◆ライバル大迫の活躍で出場減のケルンFW「ねたむ気持ちはまったくない」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204487-204487-fl
ケルンに所属する日本代表FW大迫勇也は加入3年目ですっかり攻撃陣に欠かせない存在となった。その一方でレギュラーの座から遠のき、本職での起用も減っているFWシモン・ツォラーが、ドイツ紙『ビルト』で大迫とのライバル関係について語っている。
ツォラーは大迫と同様、2014年夏にケルンに加入した。半年後に古巣カイザースラウテルンにレンタル移籍したことで、実際にケルンでスタートラインに立ったのは去年の夏。そして、2015-16シーズンは大迫(リーグ戦14試合先発出場、1ゴール)と並ぶ出場機会(同14試合先発出場、6ゴール)を得ており、今季もライバル同士のスタメン争いが予想されていた。
しかし今季の第12節消化時点で、ツォラーが出場した10試合中スタメンに名を連ねたのはわずか2回。開幕節での途中出場を除き11試合連続スタメン出場の大迫に大きく差をつけられてしまった。
ツォラーはインタビューで「ダービー(ボルシアMG戦)では出場機会がなかったことを残念に思う。そう思っていなければ、職業を間違えて選んだということだろう」と認めつつ、「基本的にはここで幸せだよ」と心境を明かしている。また自身が好むポジションについて聞かれると、このように返答した。
「そこでは今、大迫勇也がプレーしているんだ。それも本当にうまくやっている。勇也をねたむ気持ちはまったくないよ。彼が以前、どれほどの批判を受けたのか僕は覚えているからね。その中央のポジションは僕が自分のキャリアで一番プレーしてきた位置だけど、僕は左や右でもプレーできるし、それらでは走りで(ケルンのゲームに)テンポを加えることを試みているんだ」
FWとしてゴール数といった目に見える数字こそ残せていない大迫だが、今季からはより攻撃的な位置で起用され、そこで見せた好パフォーマンスにより周囲の評価が一変している。その裏には、チームのエースストライカーであるFWアントニー・モデストとの良好な関係以外に、ツォラーら同僚たちとの健全な競争もあるのかもしれない。
◆岡山豊川「評価変える」C大阪戦勝利でJ1昇格狙う(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1746023.html
J2岡山FW豊川雄太(22)が1日、昇格プレーオフ(PO)決勝C大阪戦(4日、金鳥スタ)で1年の集大成を見せることを誓った。
この日は岡山市内で約1時間半汗を流した。6位岡山の攻撃のキーマン豊川は、4位C大阪相手に「今までやってきたことをやるだけ。思う存分出したい。点を取るイメージはある。周りはセレッソが上だと思っているし、その評価を変えたい」と、下克上に燃えた。
今季、鹿島から期限付き移籍で加入。負傷やU-23(23歳以下)日本代表で不在だった期間を除いて38試合に出場し、10得点挙げた。豊川は「発見や課題が見つかった1年だった」。特に「試合に出続けたのは大きなこと。自分の特長を出せばしっかりチャンスを作れると分かった」と、成長を実感した。
規定により、引き分けではリーグ戦上位のC大阪の昇格が決まってしまう。岡山には勝利しかない。22歳FWは「(C大阪戦は)内容が悪くても勝つことが大事。勝つことだけを意識したい」と力強かった。
◆「完璧だった」アントラーズ。自らの 手の及ばぬところで誤算は起きた(Sportiva)
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2016/12/01/___split_31/
ホーム&アウェーの戦いにおいて、重要なカギを握るのが、「アウェーゴール」のルールだ。
ホーム&アウェーの2試合を戦い、どちらかが1勝1分け、あるいは2勝となれば、その時点で勝負に決着がつく。だが、互いに1勝1敗、あるいは2分けに終わった場合には、得失点差で勝負が決まるのだが、得失点差でも並んだ場合にはアウェーゴール、すなわち、アウェーゲームで奪ったゴールが多いほうが勝ちとなる。
例えば、Aチームが第1戦をホームで戦い、Bチームに1-0で勝利。続く第2戦、Bチームのホームで戦い、Aチームが1-2で敗れたとする。
この場合、勝敗はともに1勝1敗。総得点2総失点2も同じなので、得失点差はともに0。ここまではまったくの互角なのだが、アウェーゴールがAチームには1点あるのに対し、Bチームは0点。つまり、アウェーゴールの差によって、この対戦はAチームの勝ちとなるのだ。
サッカーの世界では、一般的なホーム&アウェーの戦い。そこでは、勝敗ももちろん重要だが、アウェーゲームでゴールを奪えるか否かが、非常に大きな価値を持つのである。
J1の年間王者を決めるJリーグチャンピオンシップ決勝の第1戦。鹿島アントラーズのホーム、カシマサッカースタジアムで行なわれた試合は、J1年間勝ち点1位の浦和レッズが、同3位の鹿島に1-0で勝利した。
少々前置きが長くなったが、だからこそ、鹿島にとっては、単なる1敗という以上に痛い敗戦だった。
ホームで戦う鹿島にしてみれば、先勝して第2戦に臨めるのがベスト。だが、先に述べた通り、まずは浦和にアウェーゴールを許さないことが重要だった。鹿島のセンターバック、DFファン・ソッコは「ホームではゼロに抑えたかったが、それができずに残念だった」と語る。
ファン・ソッコとセンターバックのコンビを組むDF昌子源もまた、「ゼロ(無失点)が重要な意味を持つ試合。アウェーゴール(の価値)を考えると、うちがゼロにするのは大きかった」と悔やむ。
鹿島はこの試合、総じてうまく守っていた。昌子が「みんなが浦和の戦い方をわかっていることが重要だった」と話したように、浦和の攻撃をよく分析していた。
浦和の攻撃の組み立て役であるMF柏木陽介には、MF永木亮太がマンツーマンに近い形で張りつく。当の柏木は「永木は前に強い。かなり激しくこられたので、きれいに崩そうとするより、まずは球際で負けないことを考えた」と話す。
鹿島が浦和のパスワークを寸断すべく、激しく中盤でボールを奪い合った試合は、その結果、両チームともにシュートチャンスがほとんど生まれなかった。前半に関して言えば、シュート数は浦和が2、鹿島はゼロ。「すごく堅い試合だった」(昌子)ゆえんである。
「第1戦はホームゲームだったので、最低でも相手に得点を奪われない形にしたかった」
試合後、鹿島の石井正忠監督もそう語っていたが、試合展開次第では「第1戦は0-0の引き分けでもOK。勝負は埼玉スタジアムでの第2戦」という思いもあっただろう。
ところが、昌子が「PK以外は完璧だった。そんなにやられる雰囲気はなかった」と話したように、思わぬところに落とし穴が待ち受けていた。
後半56分、右サイドでパスを受けた柏木がゴール前にクロスを入れると、ボールに向かって動き出した浦和のFW興梠慎三と、後ろから追いかけた鹿島のDF西大伍が接触。つまずくように興梠が倒れた瞬間、レフリーの笛が鳴った。
このファールによって得たPKを浦和のキャプテン、MF阿部勇樹が冷静に決めて先制。鹿島はあまりに痛いアウェーゴールを与えてしまったのである。
昌子が言うように、鹿島がやられる雰囲気はまったくと言っていいほどなかった。ファン・ソッコは「前半は意図した通り、相手の攻撃をコントロールしてインターセプトを狙うことができたが、後半は少し体力が落ちて、前半ほどタイトにいけなくなった」と振り返ったが、とはいえ、致命的な破たんをきたすほどに、鹿島の選手たちの動きが悪くなっていたわけではない。
率直に言って、PKのジャッジはかなり際どいものだった。
まったくのミスジャッジとは言えないまでも、一般的な判定基準で言えば、ノーファールでも何ら不思議はないプレーである。少なくとも鹿島側に立てば、納得し難いプレーであることは間違いない。
さらに言うなら、鹿島が承服できないジャッジは、これ以外にも数多くあったはずだ。鹿島はこの日のレフリーと非常に相性が悪かった。判定の正誤はともかく、鹿島の選手がボールを奪いにいくたびに笛を吹かれ、守備から攻撃につなげるという意味では、なかなかリズムに乗れなかったのは確かだ。
鹿島にしてみれば、手を尽くしたものの、自分たちの手の及ばないところで誤算が起きた、というところだろう。
いずれにしても、第1戦を落とした鹿島は、第2戦を2点以上取ったうえで勝利することが逆転優勝への条件となった(鹿島が1-0で勝利すると、勝敗、得失点差、アウェーゴールのすべてで両チームが並ぶが、その場合はJ1年間勝ち点1位の浦和が優勝となる)。第1戦のように手堅く試合を進めているだけでは、勝利を手繰り寄せることはできない。
しかしながら、鹿島は自ら試合を動かすことを決して得意とはしていない。自分が先に動くのではなく、相手が先に動かざるをえない状況を作って、そのスキを突く。そんな憎らしいまでの老獪さが、鹿島の持ち味である。
むしろ第2戦では、浦和が点を取りに出てこざるをえない状況を作りたかったはずだが、実際はまったく逆の展開になってしまった。それほどまでに、ホームでの1失点が鹿島に重くのしかかる。
まさかの誤算。無類の勝負強さを誇る常勝軍団が、苦しい立場に立たされた。
◆鹿島ブエノ沈痛 死亡者名簿に友「隣の部屋だった」(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1745616.html
ブラジル1部シャペコエンセの選手らが乗っていたチャーター機墜落事故で、「サッカーの王様」ペレ氏ら多くの関係者から追悼するコメントが相次いだ。
ボタフォゴのU-20(20歳以下)チームで同僚だったDFジメニス選手の名を死亡者名簿で見つけた鹿島DFブエノは「寮で隣の部屋だったので、いつも話していた。悔しい。つらい」と話した。
◆鹿島ピンチ!エース金崎 左足首捻挫でCS決勝第2戦欠場の可能性(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/12/02/kiji/K20161202013830510.html
明治安田生命JリーグCS決勝第2戦 鹿島―浦和 (12月3日 埼玉)
年間勝ち点1位の浦和と第1ステージ王者の鹿島が激突する、Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝の第2戦が3日、埼玉スタジアムで行われる。ホームで行われた第1戦に0―1で敗れた鹿島が優勝するためには2得点以上での勝利が条件だが、エースのFW金崎夢生(27)が左足首を捻挫していることが判明。エース不在の可能性が浮上し、暗雲が垂れ込めた。
決戦を前に鹿島が窮地に追い込まれた。1日は完全非公開で調整を行ったが、金崎は練習終了前に練習場から姿を消していた。クラブハウスに戻って治療を受けていたもようだ。関係者によると左足首を捻挫し、試合出場は厳しい状況だという。
金崎は29日のCS第1戦の後半ロスタイムに、槙野の足に左足が掛かって転倒。しばらくうずくまり、試合後は左足を引きずりながら無言でスタジアムを後にした。翌日30日のリカバーには参加せず、左足首を包帯で固定してクラブハウス内を歩く姿があった。
金崎は前日30日に「大丈夫」と笑顔で話していたが、回復は思わしくなかった様子だ。チームはホームの第1戦に0―1で敗れ、優勝するには第2戦で2得点以上して勝つことが絶対条件。FW陣の中で今季チーム最多リーグ10得点の27歳が欠場すれば大ピンチだ。
土居と組む2トップの代役には赤崎、鈴木、ファブリシオが浮上。筆頭候補の赤崎は2カ月前から元日本代表FWの柳沢コーチに頼み、居残りでシュートの猛特訓を受けてきた。「最後点を取れたら、いいシーズンに変えられる」。リーグ2得点に沈んだ悔しさを、大一番にぶつけると気合を入れた。
第1戦で敗れたチームがCSを制した例は過去になく、加えてエースが負傷した。しかし、柴崎が先発復帰する可能性があり、誰も諦めてはいない。右肩の負傷で第1戦を観客席から観戦した鈴木は言った。「もう点を取るしかない状況で、次は確実に自分の力が必要だと思っている。(肩が痛くても)やるしかない」。この試練を乗り越えた先には、味わったことのない歓喜がきっと待っている。
◆鹿島、“白鹿”で勝つ!今季9勝4分け1敗“幸運の白ユニ”で美酒浴びる(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161202/jle16120205040001-n1.html
Jリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦が3日、埼玉スタジアムで行われる。第1戦(カシマ)に敗れた鹿島は1日、カシマスタジアムで完全非公開練習を実施。白いユニホームを着用するアウェーでは今季(リーグ戦)9勝4分け1敗。幸運の“白鹿パワー”で逆境をはね返す。一方、敗れても1失点までなら優勝が決まる浦和は、日本代表GK西川周作(30)が“必勝ネイル”で出陣する。
幸運の“白鹿”が下克上を呼び込む。決勝第2戦に向け、鹿島は完全非公開で練習。施設周辺には警備員が立ち、関係者以外の立ち入りを完全ブロックした。10月に日本代表が同じ施設を使用して行った非公開練習を上回る厳戒態勢だった。
「珍しいことはやっていない。石井さんのメッセージだと思います。本気なんだということは浦和にも伝わると思う」
DF昌子はニヤリ。石井監督が練習を非公開で行うのはこれが初。異例の措置を敷いた狙いはチームの決戦ムードをあおるためだが、浦和側に警戒心を抱かせる効果も生まれる。
心理戦でのプラス要素は戦闘服にもある。今季の鹿島はアウェー用の白いユニホームを着用してリーグ戦で負けたのはわずか1度(9勝4分け1敗)。6月11日には埼玉スタジアムで浦和を2-0で撃破。兵庫・辰馬本家酒造の名酒「黒松白鹿」(1・8リットル、税込2298円)の由来で、古代中国で縁起がいいとされている“白鹿パワー”の効果は、第1ステージですでに証明されていた。
年間勝ち点で上位の浦和にアドバンテージがある上に、赤いユニホームで臨んだ鹿島はホームの第1戦を0-1で落とした。逆転Vには2点以上を奪った上での勝利が必要。圧倒的不利だが、「早い段階で先制できれば、メンタル面も含めて展開が変わる」とMF永木。
年間勝ち点2位の川崎を下した11月23日のCS準決勝に続く下克上を狙う鹿島。“白鹿”となって奇跡を起こす。 (清水公和)
白鹿伝説
古代中国では白い鹿は1000年以上生きると考えられていたといい、長寿の象徴として皇帝に愛されたという伝説がある。1662年(寛文2年)からの歴史を持つ辰馬本家酒造は、「縁起のいいものですから」と鹿島に向けてエール!? を送っていた。
◆鹿島、逆転へ初の非公開練習「集中力高める」(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1745619.html
鹿島は逆転優勝へ、今日1日の練習を完全非公開にすることを決めた。15年7月の石井監督就任後、初めて。
クラブ幹部は「2点が必要な集中力を高める狙いもある」と説明した。前日の試合後に体調不良で病院に直行していたMF遠藤も復帰。「めまいがして深夜1時半まで病院で寝かせてもらったけど、もう大丈夫」。第2戦へ「逆に割り切って攻められる」と切り替えていた。
◆鹿島CS制覇へ非公開練習「特別な試合」石井監督(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1746061.html
Jリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦浦和戦(3日、埼玉)で逆転優勝を狙う鹿島は1日、15年7月の石井正忠監督(49)就任後初の完全非公開練習を本拠カシマスタジアムで行い、気持ちをさらに高めた。
約2時間の練習では、セットプレーでのサインの確認なども入念に行ったという。石井監督は「特別な試合だと思ったので。集中力や気持ちを高めることなど、理由はすべてですね」と話し、「効果があったかは結果次第。結果を求めたい」と、逆転優勝に必要な2点以上奪っての勝利に力を込めた。
ホームで0-1と敗れた第1戦では惜しい場面でシュートを決めきれなかったFW土居聖真(24)は「非公開練習には、石井監督からのメッセージを感じた。自分たちの戦う姿勢は変わらないが、気持ちを持っていくための1つの手段だったと思う。とにかく2点以上とって勝つこと。それしかない」。DFリーダーの昌子源(23)も「一段と空気が張り詰めたトレーニングができたと思う。それを結果につなげたい。道具を運んでくれるかた、汚れたジャージーなどを洗濯してくれるかた、ピッチの芝を管理してくれるかた、鹿島を支えてくれるすべての人のために、優勝して恩返ししたい」と闘志を燃やした。【鎌田直秀】