ページ

2017年2月5日日曜日

◆2017Jリーグ DAZN ニューイヤーカップ第2戦(オフィシャル)


DAZN ニューイヤーカップ

鹿島、ニューイヤーカップ第2戦は完封負け。横浜FCに敗れる。

鹿島が完封負けを喫した。JリーグDAZNニューイヤーカップ 宮崎ラウンドの第2戦で横浜FCと対戦すると、スコアレスで迎えた後半立ち上がりに先制ゴールを許す。ルーキーの小田や安部を含め、8名の交代枠を使い切った鹿島は、最後までゴールを奪うことができなかった。0-1と完封負けを喫し、ニューイヤーカップは1勝1敗となった。

1月22日から27日にかけてタイキャンプを実施し、31日からは宮崎でトレーニングを積んでいる鹿島。実戦を繰り返す中でコンディションと戦術理解度を高めていく試みを続け、2日にはニューイヤーカップの初戦で長崎と対戦した。石井監督が「特に前半は身体が重そうだった」と振り返る通り、まだ万全とは言えないものの、前後半に1点ずつを決めて2-0と快勝。新背番号9での初戦で先制ゴールを決めた鈴木、そしてレオ シルバからのスルーパスを受けて冷静にゴールネットを揺らした金崎と、“決めるべき人”が決めて大会初戦を白星で飾った。

勝利から一夜明けた3日、チームは2部練習を実施した。午前中はコンディション調整を目的とした負荷の軽いメニュー、そして午後には白熱のマッチアップが繰り返されたセットプレー練習や実戦形式のトレーニングを行い、集中力を高めていった。全体のメニューを終えた後も、シュートやクロスのトレーニングなど、それぞれが自らのレベルアップを期してボールを蹴る姿が見られた。タイキャンプと合わせて3試合を消化し、少しずつ開幕へ近づいていく中で、ポジション争いは日々激化している。石井監督は「宮崎での残り2試合を戦ってみて、どういうメンバーになるのか、少しずつ固まっていくと思う」と語った。

宮崎キャンプ5日目、長崎戦から中1日で迎える一戦。充実の選手層を誇るチームを率いる石井監督は「どういう組み合わせが良いのか、試合をやってみないと分からない部分がある。このような試合を通して選手を見極めていきたい」と語った。各選手が自身の状態を高める段階であると同時に、競争の場にも身を置いている。熾烈なポジション争いが、チームに刺激を与え続けている。

指揮官は2日前の長崎戦から、先発メンバーを7名変更。GKにクォン スンテ、最終ラインは右から伊東と昌子を起用した。町田と三竿雄斗、そしてボランチの一角に入る三竿健斗と前線の赤崎は2試合連続の先発入り。健斗のパートナーは小笠原、2列目には遠藤と田中が並んだ。そして赤崎と2トップを組むのは、新加入のペドロ ジュニオール。鹿島での初先発となった。またベンチには、GKの川俣、植田、レオ シルバ、久保田、レアンドロ、土居、金森、そしてJリーグ新人研修を終えて合流したばかりの小田と安部も名を連ねている。



曇り空の下、KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場は穏やかな天候に恵まれた。今大会唯一の週末開催ということで、スタンドには数多くの観客が詰めかけた。メインスタンドだけでなく、ゴール裏にも背番号12の姿が。シーズンインを待ちわびたサポーターの熱い応援が、ピッチへと降り注がれた。

14時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は開始早々の2分、遠藤が最終ラインの背後へ蹴り込んだフィードにペドロが反応。パスはつながらなかったものの、積極的に相手の裏を狙う姿勢を示した。5分にも、遠藤からのパスを赤崎がスルーし、ペドロが絡むという連動した攻撃を見せ、新戦力とのコンビネーションが熟成しつつあることを感じさせた。



立ち上がりから攻勢をかけ、セカンドボールを拾って横浜FCを押し込んでいった鹿島は10分、ペドロが右サイド深くからクロスを上げてチャンスを作り出したものの、合わせる選手がおらず、シュートまで持ち込めない。最初の決定機は12分、田中がペナルティーエリア左側からグラウンダーのシュートで枠を捉えたものの、相手GKに弾き出されてしまった。

最終ラインの背後を狙う意識を持ち続け、赤崎やペドロの飛び出しから攻勢をかける鹿島。19分には、結果的にこの試合最大のチャンスが生まれる。右サイドをオーバーラップした伊東のクロスに赤崎が反応し、完璧なタイミングでヘディングシュートを放つ。鮮やかな攻撃で得点が決まったかと思われたが、至近距離からの一撃は相手GKに阻まれてしまった。

20分以降は拮抗した展開となった。鹿島は横浜FCのセットプレーからピンチを迎える場面もあったが、スコアレスのまま試合は推移していく。初出場となったスンテは最後尾から日本語と英語を織り交ぜて指示を出し、安定したセービングを見せていた。前半は0-0で終了した。













石井監督はハーフタイムでスンテの交代を決定。移籍発表から約1週間、加入前には負傷を抱えていたという新守護神候補は、デビュー戦で45分間のプレータイムを与えられて完封を果たした。そして後半開始時から、川俣がピッチに立った。

均衡を破って主導権を握りたい鹿島だったが、後半開始早々に出鼻をくじかれてしまう。47分、左サイドを完全に崩されて深い位置からクロスを上げられると、中央でフリーになっていたイバにボレーシュートを決められた。







今季4試合目で、先制点を奪われたのは3回目。ビハインドを負った鹿島は反撃を期すが、なかなかシュートの形を作り出すことができない。53分、雄斗の左CKからファーサイドへ流れたボールに反応した健斗が放った右足ボレーは、ゴール前の相手DFにブロックされてしまった。





石井監督は62分、安部と金森をピッチに送り出して攻撃陣を入れ替え、活性化を図る。さらに68分にはレアンドロを右サイドハーフに、そして小田を左サイドバックに配した。左サイドで縦関係を形成することとなったルーキーコンビの安部と小田は、積極的な突破を繰り返してフレッシュな風を送り込んでいく。ミスをしても縦へ縦へと仕掛ける姿勢は、チームに新たな刺激を与えたに違いない。

0-1のまま、試合は終盤へ。石井監督は79分に土居と久保田を、82分にはレオ シルバをピッチに送り出して交代枠を使い切った。前線が金森と土居、2列目にレアンドロと安部、ボランチに久保田とレオが並び、新加入選手の多くが揃ってピッチに立つこととなった。

84分、安部が輝きを放つ。左サイドでボールを持つと、スピードを上げてドリブルでカットイン。そして次の瞬間、鮮やかなスルーパスを金森に通してみせた。わずかに飛び出しが早かったという判定でオフサイドになったが、大いなる可能性を感じさせたワンシーンだった。













鹿島は最後までゴールが遠く、同点に持ち込むことができなかった。試合は0-1で終了。ニューイヤーカップ第2戦は完封負けという結果に終わった。しかし試合後、石井監督は「自分たちからアクションを起こすという点では前回の試合よりも良かった」と、一定の評価を口にした。次戦は2日後、福岡との対戦となる。結果を受け止め、課題と向き合い、チームはトレーニングを続けていく。



【この試合のトピックス】
・クォン スンテが加入後初先発初出場を果たした。
・ペドロ ジュニオールが加入後初先発を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


横浜FC:中田 仁司


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
Q.試合を振り返って

A.負けてしまったが、自分たちからアクションを起こすという意味では前回の試合よりも良かったと思う。

Q.あと1試合が残っているが?

A.次の試合でも今日以上のパフォーマンスを出せるように、しっかりとやっていきたいと思う。

横浜FC:中田 仁司



選手コメント

[試合後]

【町田 浩樹】
後半はチームとして入り方が悪かった。耐えたかったし、失点したくなかった。引いた相手に一発でやられてしまった。相手の思うつぼだったと思う。

【昌子 源】
全体として、勝ちたいという姿勢があまり見られなかった。球際でほとんど負けていた。自分も含めて、非常に情けない試合だった。

【遠藤 康】
動きがバラバラになってしまった。でも、負けてはいけない試合だった。この試合を糧に、次は勝たないといけない。

【安部 裕葵】
他の選手が疲れている中で、自分のところで仕掛けないといけないと思っていた。相手がファウルで潰してきたところで、ワンタッチでマークを剥がすようなこともできないとダメだと思う。

http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51950