ページ
▼
2017年3月8日水曜日
◆柴崎岳が加入のテネリフェを知る5つのポイント。島の場所、クラブの歴史は? 過去にはあの名将も指揮(フットボールチャンネル)
この冬、鹿島アントラーズから柴崎岳が移籍したことでその名を知られるようになったテネリフェ。しかし、これまで日本人選手とは縁もないため、日本のサッカーファンには馴染みのないクラブでもある。果たして、テネリフェとはどんな過去を待ち、過去にどんな選手・監督が所属していたのだろうか。柴崎のデビュー前に、知っておくべき5つのポイントを紹介しよう。
柴崎が移籍したテネリフェとは?
この冬、鹿島アントラーズから柴崎岳が移籍したことでその名を知られるようになったテネリフェ。しかし、これまで日本人選手とは縁もないため、日本のサッカーファンには馴染みのないクラブでもある。
果たして、テネリフェとはどんな過去を待ち、過去にどんな選手・監督が所属していたのだろうか。柴崎のデビュー前に、知っておくべき5つのポイントを紹介しよう。
【島の場所】アフリカの方が近い!? スペイン本土からは1800km
テネリフェ島はカナリア諸島最大の都市で、島全体の人口はおよそ90万人。テネリフェが本拠地を置くのは、この島の北東にある最大都市サンタ・クルス・デ・テネリフェだ。この島はスペイン最高峰のテイデ山(標高3718メートル)があることでも有名である。
スペインのクラブではあるが、テネリフェは本土から大きく離れている。首都マドリードから直線距離で南西に約1800キロメートル。距離的にはすぐ東にあるモロッコの方が明らかに近く、最大都市カサブランカまでの距離は約1000キロメートルである。
ゆえにテネリフェ島は、1496年にスペイン・カスティーリャ王国に征服されてからはアメリカ大陸へ向かうための中継地点として重要な意味を持ったそうだ。
【クラブの歴史】サポーターは「漁村の村人」? 近年は2部が主戦場に
スペイン2部リーグのセグンダ・ディビシオンに所属するテネリフェは、1912年に創立されたクラブで1990年代は1部の常連だったが、近年は2部を主戦場としている。最後の1部は2009/10シーズンだが、わずか1年で再び2部降格となり経営難で翌シーズンには2部で20位となって3部に降格。それでも、13/14シーズンに2部に戻ってきた。
本拠地のエスタディオ・エリオドロ・ロドリゲス・ロペスは2万4000人を収容する。クラブカラーの青と白を身につけたファンが試合のたびにスタジアムを熱くする。
クラブの愛称は青と白を意味する「ブランキアスーレス」。そのほかにファンを「チチャレロス」と呼ぶことがある。チチャレロスとは、サンタ・クルスの人という意味だが、元々はアジ(チチャロ)を主な食事とする小さな漁師の村の人に対する蔑称だったという。現在は親しみを込めてこれが使われるようになったそうだ。
最大のライバルは、現在1部で戦っているラス・パルマス。同じカナリア諸島を拠点とする2チームの直接対決は「デルビー・カナリオ(カナリア諸島ダービー)」と呼ばれる。
【2部リーグの仕組み】熾烈な昇格争い。降格は下位4クラブ
スペインのセグンダ・ディビシオンは、22クラブが参加している。
システムは多くの主要リーグと同じで、全てのチームと1シーズンにホームとアウェイで1回ずつ対戦するお馴染みの形だ。
第42節終了時点で上位2チームがプリメーラに昇格となり、下位4チームが自動降格。3位~6位の4チームは、昇格最後の1枠を懸けたプレーオフを戦う。15位のジムナスティック・タラゴナには、柏レイソルなどでプレーした元日本代表DF鈴木大輔が所属している。
テネリフェは現在3位。欲を言えば2位以内で自動昇格を決めたいところだが、2位ジローナとは勝ち点10差だ。一方で6位ヘタフェまでは勝ち点2差しかないため、少しでも調子を落とすとプレーオフ出場の権利をつかみそこねてもおかしくない状況だ。
【過去の所属選手・監督】過去にはベニテスも指揮。柴崎と鹿島時代の元同僚もプレー
過去に在籍した選手や監督に、意外なビッグネームが紛れ込んでいることにも注目したい。
監督では現ニューカッスル指揮官のラファエル・ベニテスが過去にチームを率いている。2000年から01年にかけてのことで当時のテネリフェは2部だった。ベニテスはクラブの1部昇格に貢献したあと、バレンシアの監督に就任して名声を確立している。
そのほかに元バイエルン・ミュンヘン監督のユップ・ハインケス氏、元アルゼンチン代表でレアル・マドリーのゼネラルディレクターだったホルヘ・バルダーノ氏らがテネリフェを率いていた。
1部に定着していた時期は、優れた選手も所属していた。1997~99年には元オランダ代表のFWロイ・マカーイが在籍。96/97シーズンは元ドイツ代表のFWオリバー・ノイビルがいた。98年にサンフレッチェ広島でプレーした元オーストラリア代表のFWアウレリオ・ヴィドマーは、日本に来る前のシーズンにテネリフェでプレーしている。
90~94年には元アルゼンチン代表のMFフェルナンド・レドンドが活躍。テネリフェでのプレーが認められる形で94年にレアル・マドリーへ移籍した。13/14シーズンにバルセロナを指揮したヘラルド・マルティーノも1991年に選手として所属している。
柴崎と縁のある選手では、現湘南のFWジネイにテネリフェ在籍経験がある。15~16年にかけて鹿島でプレーしたブラジル人アタッカーは、09/10シーズンにテネリフェでプレーしていた。
【現在の所属選手・監督】指揮官は元テネリフェの選手。中盤には柴崎の心強い味方?
選手の入れ替わりが激しい2部のクラブだが、チームを象徴する選手がいる。テネリフェの10番を背負うスソ・サンターナは、同クラブの下部組織で育った選手だ。2009年に一度クラブを離れるが、12年に復帰して現在は主将を務めている。
監督のホセ・ルイス・マルティもテネリフェに根付いた存在だ。選手として00年から03年に所属した現指揮官は、その後セビージャにステップアップ。故郷のマジョルカで引退したあと、15年に監督としてテネリフェに戻ってきた。
第2主将のビトーロは守備的MFで、ここまでチーム最長の出場時間を得ている絶対的な選手。柴崎のライバルというより、心強いパートナーとなる可能性が高い。そのほかMFでは、第3主将のアイトール・サンスが中盤でコンスタントに出場しているが、複数のポジションをこなせる柴崎であれば、環境への適応や連係といった面に問題がない限り十分レギュラーを張れるはず。少なくとも、クラブはそう考えて獲得に踏みきっていることだろう。
【了】
https://www.footballchannel.jp/2017/03/07/post200759/