ページ

2017年7月19日水曜日

◆柴崎 ヘタフェ移籍 念願スペイン1部、いばらの道も「やれる」(スポニチ)




 6月でスペイン2部テネリフェとの契約を満了した元日本代表MF柴崎岳(25)が、同1部ヘタフェに移籍することが決まった。同クラブが17日に発表した。21年までの4年契約で、関係者によると、年俸は1億円。21日に本拠地コリセウム・アルフォンソ・ペレスで入団会見が行われる。

 夢舞台にたどり着いた。現地での発表を受け、柴崎は18日に古巣・鹿島のクラブハウスを訪問。「やれるところとやれないところはあるけど、(1部で)やれると思ってます。(スペインでのプレーは)楽しい」と、クラブ幹部に胸のうちを語った。スタッフ、元チームメートが「明るくなった」と口をそろえるほど25歳の顔は充実感に満ちていた。

 スペイン1部移籍は念願だった。テネリフェの入団会見では「できるだけ長くトップレベルでプレーしたい」と最高峰のリーグへの思いを隠さず吐露。移籍当初こそ適応に苦しんだが、後にリーグ戦12試合に出場して1得点2アシストを記録するなど評価を上げた。

 テネリフェでの1部昇格はかなわなかったが、終盤の鮮烈なプレーが“個人昇格”に結びついた。ヘタフェとは6月の1部昇格プレーオフ決勝で対戦。2アシストを記録した。レバンテ、アラベス、マラガ、セルタ、ベティス、エスパニョールなど複数の1部クラブが移籍先候補として報じられる中、関係者によると、ヘタフェが「対戦して最も嫌な選手だった」と柴崎を高く評価。正式オファーにつながった。

 移籍が発表されると、テネリフェの地元からは厳しい声も聞かれた。情報サイトの記事の書き込み欄には「恥を知れ。テネリフェの昇格を阻んだチームに行くなんて」「降格しろ。一年中プレーできなくなれ。裏切り者」との言葉が続いた。ファンの怒りの大きさは柴崎がテネリフェにとって不可欠な存在だった証拠だった。

 新シーズンは8月第3週に開幕予定。「スペインは自分を成長させられる場所」。そこでは昨年12月のクラブW杯決勝で2得点したレアル・マドリードや、バルセロナなどの強豪との対戦も待ち受ける。批判も承知のうえでの移籍。決断が正しかったことを証明するためにもピッチで答えを出す。

 ▼青森山田高・黒田剛監督 朝に本人から報告が来て“決まりました”と。さらに上のチームにいくためにはステップアップになるだろうし、ホッとしています。ああいった天才肌が日本代表に入ってほしいし、呼ばざるを得ない活躍をしてほしいです。

 ▽ヘタフェCF 1983年創設。ホームタウンはマドリード州ヘタフェ。04〜05年に1部初昇格。昨季初めて2部に降格したが、昇格プレーオフ決勝でテネリフェを下し1年で1部復帰を果たした。1部最高位は09〜10年の6位。06〜07年、07〜08年にスペイン国王杯準優勝。本拠地はアルフォンソ・ペレス(1万7393人収容)。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/07/19/kiji/20170718s00002020402000c.html