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2017年9月16日土曜日

◆デザインマンホール人気 全国名所や名産品モチーフ(茨城新聞)


石岡など県内4市 カード発行、納税返礼品も

大勢の人が訪れたデザインマンホールの展示会=県庁

全国の名所や名産品をモチーフにした「デザインマンホール」が人気だ。近年は「マンホーラー」と呼ばれる愛好家などの間で、各地の特徴的なマンホールを訪ね歩いたり、ふたの図柄を由来とともに紹介する「マンホールカード」を収集したりするのが、ひそかなブームとなっている。県内でも地元ならではの“ご当地マンホール”が増え、水戸市など4市がカードを発行。中でも、石岡市はカードの図柄となったマンホールのふた2種類の実物をふるさと納税の返礼品に採用し、注目を集めている。

▽火付け役
ブームの火付け役となったのは、国土交通省や日本下水道協会などでつくる「下水道広報プラットホーム」が昨年4月に配布を始めたマンホールカード。郵送などは行わず、指定の場所でしか無料配布しないのが、「マニア心」をくすぐり、カードを集めるためのツアーも人気となる。

今年8月までに全国191自治体が計222種類のカードを発行。県内でも水戸、石岡のほか、つくば、鹿嶋の4市が計5種類(石岡市のみ2種類)を発行。水戸市の図柄は、中央に市のマスコット「みとちゃん」が描かれ、つくば市は、筑波山と宇宙船などをモチーフとした。鹿嶋市は、Jリーグ1部・鹿島アントラーズのエンブレムを基調にデザインした。

各市とも配布は手渡しのみとしており、カードを手にした人たちが観光名所や飲食店などに足を延ばすことによる「経済効果」にも期待している。

▽予想以上
石岡市のカードは、「石岡のおまつり」を象徴する幌獅子(ほろじし)と、筑波山、市の花「ユリ」、市の木「シイ」の葉と実をモチーフにした2種類。現在、在庫切れか残りが少ないため、ともに増刷を予定している。

6月には、マンホール2種類の実物のほか、実物と同じ製法で造ったミニチュア版の「マンホールコースター」を市ふるさと納税の返礼品に追加。実物は各35万円と高価なため、寄付は実現していないが、「問い合わせも多く、予想以上の反響」(同市)。

一方、コースター(寄付額1万円)は実物と比べると安価なため、これまでの寄付は3件と上々の滑り出し。同市は「納税が集中する年末から年度末にかけて、申し込みが増えるのでは」と期待する。

▽ガルパンも
県庁2階の県民ホールで13日まで開かれたデザインマンホールの展示会。県内35市町村などが設置する計45枚のふたがずらりと並び、熱心な見学者が連日訪れた。

かっぱが描かれた牛久市のマンホールに見入っていた土浦市の主婦、大月瞳さん(32)は「実家のある牛久にマンホールを探しがてら、帰省してみたい」と笑顔を見せた。

デザインマンホールの魅力は徐々に認知されつつあり、大洗町も今月8日、人気アニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」にちなんだマンホールを設置。今後も県内各地でデザイン性に富んだマンホールやカードが増えそうだ。(小室雅一)


デザインマンホール人気 全国名所や名産品モチーフ


【参考】