[12.2 J1第34節 磐田0-0鹿島 ヤマハ]
緊急事態となった。自力で優勝するには、勝ち点3を獲得することが絶対条件の鹿島アントラーズだったが、前半14分に右SBのDF西大伍を早々に失うことになってしまう。
前半13分、中盤でボールを受けたMFアダイウトンが凄まじい勢いでボールを運び、PA内へと進入してくる。西は体を張って突破を止めようとするが、接触した際に負傷してしまい、ピッチ上にうずくまってしまう。ピッチを離れて自ら立ち上がり歩きはしたものの、プレー続行不可能と判断されてDF伊東幸敏との交代を余儀なくされた。
大岩剛監督は、「彼は我々のキープレーヤーだし、彼の負傷が非常に痛かったのは確か」と振り返り、DF昌子源も「動揺はなかったけど、チームとして大伍くんがいないのは痛い」と話したように、不動の右SBを早い時間帯に失ったことのダメージは少なからずあった。
交代後はベンチで戦況を見守った西が、「前半はよくしのいでいたし、後半はチャンスもあった」と語ったように、前半をスコアレスで折り返して迎えた後半は、幾度となくゴールに迫った。しかし、ネットを揺らすには至らずに0-0のまま試合終了を迎え、川崎Fの逆転優勝を許してしまった。
「僕ら選手も勝つつもりでやっていたし、サポーターも勝つ応援をしてくれていたと思うけど、それを川崎フロンターレが上回った」と優勝チームに賛辞を贈りつつも、「僕の責任ですよ。ケガは必然だった。どこかに隙があったと思う」と、最後の最後でチームの力になれなかったことを悔やんだ。
(取材・文 折戸岳彦)
“痛かった”アクシデント…わずか14分で負傷交代の鹿島DF西「僕の責任」