ページ

2017年8月16日水曜日

◆ジーコ氏 殿堂レリーフに笑顔「日本で評価されて非常に光栄」(スポニチ)


スルガ銀行チャンピオンシップ   浦和1―0シャペコエンセ ( 2017年8月15日    埼玉 )


 元日本代表監督のジーコ氏が、試合前に日本サッカー殿堂入りの記念レリーフを贈呈された。昨年の掲額式典には出席できなかったため、1年遅れで日本協会の田嶋会長から祝福を受けた。

 鹿島でJリーグ草創期を支えるなど大きな功績を残し、今回のシャペコエンセ来日にも一役買った。14日には「殿堂に選ばれたのは非常に光栄だ。自分の全てを出し尽くした日本で評価をされたことは大きな喜び」と感慨を語っていた。


ジーコ氏 殿堂レリーフに笑顔「日本で評価されて非常に光栄」


◆ジーコ氏、日本代表へ提言「ホームではリスク冒し勝ちにいけ」(報知)




 サッカー元日本代表監督のジーコ氏(64)が14日、都内のJFAハウスでスポーツ報知の独占インタビューに応じた。06年ドイツW杯出場に導いた経験から、現職のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)に2つの提言を行った。勝てばロシアW杯出場が決まるアジア最終予選、オーストラリア戦(31日・埼玉)。起用について「コンディション重視」と断言。そして「リスクを負ってでも攻めろ」と指南した。(聞き手・構成、斎藤成俊、内田知宏)

 ジーコ氏は日本代表監督を務めていた05年6月8日、中立地のタイ・バンコクで行われた北朝鮮戦で2―0で勝利し、06年ドイツW杯出場を決めた。イランにアウェーで敗れたが、最終予選を通じてホームでは全勝。1試合を残して、世界最速でW杯出場切符を手にした。

 「自分のやり方のことを話せば、ここ一番で全部勝ってきた。それはどうやったか。簡単に言えば、攻撃的にやった。攻撃的にいかないと相手もびびらない。いろいろな監督がいて、いろいろな考え方があるから、私の考えが絶対正解かといったらそうとは言えないけど、それが自分のやり方で、ホームでは全部勝った」

 大事な試合では選手に細かいことを求めた。

 「ちょっとしたことで勝敗が決まるとよく選手に言っていた。ちょっとしたミスで点が入る。いつもの倍くらい集中しろと。セットプレーやスローインでも集中を切らすな。ふぬけの選手がシュートに対して背を向けたらコースが変わって、入ってしまうこともある。そういう一瞬が命取りになる。集中を倍にしろ。そして、相手のミスを絶対に見逃すなと言いましたね」

 ハリル・ジャパンも「ここ一番」の試合を迎える。31日のオーストラリア戦。勝てばロシアW杯出場が決まるが、引き分け以下では2位以内確保も不透明な状況になる。FW大迫勇也(1FCケルン)、FW本田圭佑(パチューカ)が負傷中で、選手選考も難しい状況にある。ジーコ氏は「日本の全部の試合を見ていない」と前置きをした上でこう提言した。

 「今一番いいコンディションの選手を使うべき。若手とかベテランとか関係なく、大事なのは今のコンディションだ」

 かつてハリル監督は出場機会に恵まれない本田、香川真司、清武弘嗣(C大阪)を先発で起用し続けた。コンディション重視への起用に変化しつつあるが、実績重視の采配が、予選を通して背水から抜け出せない状況を生み出したともいえる。日本代表監督時代、自らも海外組を重用していたジーコ氏。クラブや各国代表で監督経験を積んだ今、念を押すように「状態重視」を提言した。

 「今自分がオーストラリアの監督だったら決してリスクを冒さない。日本のアウェーでは負けなきゃいいと考える。最後がホームでタイ戦。日本戦は引き分けでオッケーで、最後に勝てばいいという状況にある。自分が監督だったら相手のミスを誘いながら、すきを見て攻めていく戦い方を選ぶ。引き分けでオッケーという戦いだ」

 後ろ重心で試合に入ってくることが予想されるオーストラリア。その相手に日本はどう立ち向かっていくべきか。

 「今回は絶対勝ち点3を取らなきゃいけない。勝ち点1差で三つどもえ(日本、オーストラリア、サウジアラビア)。まず日本はここである程度リスクを冒してでも勝ち点3を取りにいかなきゃいけない。ホームでやるわけだし、今は自力で決められる状況だからね。すべてを利用して勝ちにいく必要がある。絶対に勝つという強い気持ち。すべて出してこれで決めるしかないという気持ちで誠心誠意、全力で挑んでほしい」

 今年2月、偶然パリのレストランでハリル監督に会い、ワインとビールをおごってもらったというジーコ氏。「いい人ですよ」というハリル監督へ、最後に「一丸となってこのシチュエーションを乗り越えてほしい」とエールを送った。

 ◆ジーコ・ジャパンのドイツW杯アジア最終予選 初戦はホームで北朝鮮に2〇1で白星発進。第2戦は敵地でイランに1●2と予選唯一の黒星を喫したが、その後バーレーンに2連勝。迎えた2005年6月8日の北朝鮮戦は当初、平壌で開催予定だったが、3月の試合で北朝鮮の観客が暴徒化したため、中立地タイでの無観客試合となった。日本は中田英寿、中村俊輔、三都主の主力を欠く中で2〇0で勝利し、開催国ドイツを除き出場決定第1号となった。

ジーコ氏、日本代表へ提言「ホームではリスク冒し勝ちにいけ」

◆ジーコ氏に怒られる? 鹿島「9戦連続無敗」でストップ(zakzak)


試合に敗れがっくり肩を落とす鹿島イレブン(蔵賢斗撮影)

 ジーコ氏の古巣、J1鹿島が13日の川崎戦(等々力)で1-3とまさかの完敗。無敗記録が「9戦連続」で止まった。

 J1第22節きってのビッグマッチで、5日前に前売りチケットが完売。鹿島は5月31日に前任者の石井正忠監督を解任したが、コーチから昇格した大岩剛監督(45)就任後10戦目にして初黒星となった。

 「相手のすさまじいプレッシャーに押されたが、後半(42分に)1点返したことを評価したい」とは大岩監督だが、内容的に全くいいところがなかった。来日中のジーコ氏は公式行事があって観戦できなかったが、現役時代に「とにかくプロは負けてはダメだ。ジャンケンでも勝て!」と厳命していただけに、近日中に鹿島イレブンには“説教部屋”へお誘いがかかるかもしれない。

ジーコ氏に怒られる? 鹿島「9戦連続無敗」でストップ

◆川崎戦の布陣変更は失敗だったのか。大岩監督の挑戦で見えた鹿島の伸びしろ(サッカーキング)




2017.08.13 19:00
等々力陸上競技場
川崎フロンターレ 3 終了 1 鹿島アントラーズ

 あえて敗者にスポットを当てたい。

 13日の明治安田生命J1リーグ、川崎フロンターレが鹿島アントラーズを3―1と打ち砕いた一戦。攻守とも縦に縦にベクトルが向かった川崎の、いい面ばかりが目立った90分間だった。

 もっとも、鹿島が鹿島らしくなかったのも事実。逆襲が十八番だ。敵地でパスを回されるのは想定済みだから、いつも通りに前半を耐え忍べていたら勝機は巡ってきたかもしれない。

「異変」は40分頃に起きた。

 大岩剛監督が大きな身ぶり手ぶりで指示。ボランチの三竿健斗を最終ラインに下げ、代わりに西大伍、山本脩斗を前にせり出させた。チームが頑なに貫く伝統の4バックから、3バックへの移行。

 決断は裏目に出た。ボランチ周辺に隙間が生じ、そこを使われて前半アディショナルタイム、後半開始早々に失点。72分にはお株を奪われるような逆襲から3点目を献上した。

 布陣変更の意図やいかに。大岩監督の記者会見に耳を傾ける。「支配される時間が長く、変化を与えたかった。ただ、やり慣れないせいか、ボールをうまく動かせなかった。やっぱり、こういうレベルの高いゲームではなかなかうまくいかないということを、僕自身、考えさせられました」。練習で試してはいたが、選手が「戸惑っていた」とも振り返った。結果的に3バックは小さくない敗因となった。

 でも、この挑戦と失敗、長い目で見れば前向きにとらえていいと思う。

 与えたかった「変化」について、大岩監督は「前線に人数をかけたかった」と説明した。後手に回っていたサイドの選手配置を高めに設定し直し、相手の裏を取る狙い。後半に入ると、3バックの並びを入れ替えて中央の三竿健を右へ。組み立てに秀でる三竿健を、より押し込まれていたサイドに移し、やはり守勢を攻勢に反転させようと試みた。

 攻められて守りを固めるのではなく、攻め返すことでピンチの芽を摘む。目には目を、歯に歯を、の発想。唯一の得点は三竿健が右から入れたクロスによってもたらされた。

 1カ月前、引き分けたFC東京戦後の記者会見がよみがえる。大岩監督は言っていた。「堅守速攻といううちのカラーを持ちながらも、もっと攻撃的に、もっと得点に固執して、もっとリスクを冒してもいいと思っている」。選手としてコーチとしてクラブに籍を置いて15年目の45歳が発した言葉なだけに、意外で、興味深かった。

 4―4―2の堅守速攻は不変。勝利から逆算して現実的に事を運ぶ。そうやって国内19冠を積み上げ、昨年末のFIFAクラブワールドカップで準優勝も果たした鹿島の何たるかを、大岩監督は知り尽くしている。知り尽くしたうえで妥協しない彼が「もっと攻撃的に」と描いていた形の一つが3バックなのだろう。名古屋グランパスでアーセン・ヴェンゲルの薫陶を受け、ジュビロ磐田で黄金期を過ごした大岩監督だ。理想は高い。

 就任後の不敗記録が9戦で途切れ、試合後のミーティング。「慢心があったかも」と自身の責任を認め、選手に語りかけたという。「原点に立ち返って、チーム一丸となって戦おう」

 足元が揺らいでいないのは、さすが。だからこそ、もう一度、いつかどこかで再挑戦してみてほしい。らしさを失わないまま、勝負どころで練り上げた3バックに転じて波状攻撃を仕掛けられるようなチームになったら。持ち前のしたたかさに、押しの強さが加わったなら。

 鹿島の新たな可能性が広がる。

文=中川文如


川崎戦の布陣変更は失敗だったのか。大岩監督の挑戦で見えた鹿島の伸びしろ


◆首位譲らん!鹿島DF植田 攻守で“任せろ”連敗阻止を誓う(スポニチ)


植田 直道 5

 首位キープに向け、鹿島DF植田が攻守でのフル回転を誓った。

 前節は川崎F戦に敗れて10戦ぶりの黒星。「3失点して悔しい思いもしたけど、それを次につなげないといけない。次の清水戦は本当に大事」と19日の清水戦での連敗阻止を誓った。3月のアウェー戦では失点に直結するミスを犯した後、執念のヘディングゴールを決めて逆転勝利に導いた。「今回はしっかりと自分の仕事(守備)をしつつ、攻撃参加もできればいい」と力を込めた。

首位譲らん!鹿島DF植田 攻守で“任せろ”連敗阻止を誓う

◆【コラム】3バック変更の奇策も不発…川崎に黒星を喫した常勝軍団、守備の要・昌子が思うこと(サッカーキング)


昌子源

 9日の明治安田生命J1リーグ第21節ヴィッセル神戸戦を2-1で逆転勝ちし、セレッソ大阪を上回ってJ1首位に返り咲いた鹿島アントラーズ。中3日で挑む13日の敵地・川崎フロンターレ戦も連勝し、ガッチリとトップの座を固めたいところだった。夏場の過密日程ではあったが、大岩剛監督は土居聖真と遠藤康を入れ替えた以外、同じメンバーで手堅く試合に入った。

 ところが、この日の彼らはゼロトップとも言える川崎の流動的な攻めに苦しんだ。序盤からボールを回され、一方的に押し込まれる展開が続く。「川崎とやる時はいつもこんな感じ。予測通り」と守備の要・昌子源は努めて冷静になろうとしていたが、川崎のベテラン・中村憲剛の方は「今までやってきた相手より中盤の穴が大きかった。ボールがボンボン入るし、前も向けるし、それに戸惑ったところはあった」と驚きを覚えたという。

 高温多湿のコンディションの中、守勢に回り続けていたら、体力消耗は避けられない。その悪循環が前半ロスタイムの1失点目につながる。家長昭博のラストパスを阿部浩之がスルーし、大島僚太がファーから飛び込んだのを止めようとした西大伍が自らのゴールに蹴り込んでしまうという不運な失点が生まれてしまったのだ。



「あそこで0-0で終わっていたら違う後半になっていた。本当にもったいなかった」と昌子は悔しさをむき出しにした。

 悪い流れを断ち切るべく、大岩監督は前半終了間際から3バック移行の姿勢を示しつつあったが、後半からは完全に3バックを採用。「鹿島が伝統の4(バック)を捨てるとは思わなかった」と中村にも衝撃を与える奇策で立て直しを図ろうとした。が、それが逆に混乱を招き、後半開始1分の46分に阿部に早々と2点目を奪われる。その後、しばらくは落ち着いたかと思われたが、72分にはカウンターから家長に3点目を献上。5月19日のホームゲームに続く川崎戦3失点を喫する羽目になった。終盤に鈴木優磨が1点を返したものの、大岩監督体制初黒星。何とか首位だけは守ったものの、常勝軍団とは思えない守備の脆さを露呈することになった。

「奪われ方が悪くて1、2失点目をやられて、2失点目はエウシーニョ選手に行って抜かれて、守りが一歩一歩ズレた結果、阿部さんがフリーになった。3失点目も僕が入ったばかりの(小林)悠君に対応して、家長君にヤス(遠藤)さんがついたけど、あそこは余っていたナオ(植田直通)に行かせるべきだった。家長君のシュートは後ろから見ても左足だと分かったし、ヤスさんに左を切らしてナオがフォローするとか、タテに来たところをナオが見るとか、そういうコンビネーションや声1つで解決できた。それは彼だけの責任ではないから、僕からもしっかり伝えないといけない」と途中からキャプテンマークを背負った昌子は自戒を込めて反省点を口にした。鹿島の最終ラインを統率する者にはそれだけの強いリーダーシップが求められるのだ。

 その重責は日本代表でも同じ。2週間後に迫った8月31日の2018 FIFAワールドカップアジア最終予選の天王山・オーストラリア代表戦(埼玉)を視野に入れ、吉田麻也(サウサンプトン)とセンターバックを組むであろう彼はより強い存在感と統率力を示す必要があるだろう。



 実際、今回の川崎戦はオーストラリア戦を想定するうえで非常にいいレッスンになったはず。昨年10月のアウェイ戦(メルボルン)、今年6月のFIFAコンフェデレーションズカップ(ロシア)を見ても分かる通り、アンジ・ポステコグルー監督率いる現オーストラリアは、丁寧にパスをつなぎながら攻撃を組み立てるスタイルを志向する。川崎ほど小気味いいボール回しや流動的なポジションチェンジはないだろうが、日本が回される時間が長くなるのは確かだ。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が必要に応じて4バックから3バックや5バックに布陣変更する可能性が皆無とも言い切れない。しかも、宿敵にはティム・ケーヒル(メルボルン・C)というスーパージョーカーがいる。あらゆるシナリオを想定し、最適な対処法を瞬時に判断し実践できなければ、今回の川崎戦と同じ轍を踏むこともあり得るのだ。

「鹿島のやり方、代表のやり方があるんで、僕はどうこう言えないですけど、回してくる相手にもメリットデメリットがあると思う。回しているチームの方が疲れないだろうけど、回し続けていたら焦れて、絶対にスキが生まれる。今日の川崎も前半30分くらいからちょっとずつイラついて、谷口(彰悟)君、奈良(竜樹)君がかなり前に攻撃参加するようになってきたんで、狙い通りの形になりつつあるなと感じていました。そこでウチがカウンターから1点を先に取れていたら、結果は違っていた。そういうスキをモノにできるかどうか。そこが重要だと思います」と昌子は勝負を分けるポイントを改めて強調した。

 川崎との一戦で3失点を食らった教訓を次の大舞台で生かさなければ意味がない。森重真人(FC東京)が長期離脱している今、常勝軍団の守備の要に託されるものはかつてないほど大きい。昌子源にはこれまでのサッカー人生で蓄積してきた全てを出し切るべく、しっかりと気持ちを切り替え、前に進んでほしいものだ。

文=元川悦子

【コラム】3バック変更の奇策も不発…川崎に黒星を喫した常勝軍団、守備の要・昌子が思うこと