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2017年11月28日火曜日

◆ケルン大迫を地元紙が酷評「見る影もない」…開幕13戦未勝利、11敗目(サッカーキング)


大迫勇也

 ブンデスリーガ第13節が24日から26日にかけて各地で行われ、フランクフルトFW鎌田大地がレヴァークーゼン戦で第6節以来となる出場を果たしたが、チームは0-1で敗れた。日本代表MF長谷部誠は出場機会がなかった。

 鎌田は後半途中に投入され、今季3試合目の出場を記録。しかし地元紙『Frankfurter Rundschau』は、フィジカル面も含めてまだブンデスリーガのレベルにないことを指摘し、「効果のない交代起用」と厳しい評価を下した。

 日本代表DF酒井高徳がキャプテンを務めるハンブルガーSVはホッフェンハイムにホームで3-0と快勝。酒井はフル出場を果たした。ベンチスタートのFW伊藤達哉には出番が回ってこなかった。

 また、日本代表FW大迫勇也のケルンはヘルタ・ベルリンに0-2で敗れ、今シーズン初勝利はまたもお預けに。11敗目を喫し、勝ち点「2」で最下位に沈んだままだ。

 大迫は先発出場したが、地元紙からは揃って「5」の低い点数を突き付けられ「サッカーというよりかくれんぼ」「見る影もない」と、酷評されている(ドイツ紙の採点は最高1点、最低6点)。

 各選手の採点と寸評は以下の通り。

■鎌田大地
対レヴァークーゼン(0-1●)68分に途中出場
『Frankfurter Rundschau』紙
採点:「Schwachelnd」(低調/5点相当)
寸評:「ブンデスリーガで足がかりをつかむまで、それほど時間はかからないだろう。しかし、連係が取れておらず、タフさもない。効果のない交代起用だった」

■酒井高徳
対ホッフェンハイム(3-0〇)フル出場
『Hamburger Morgenpost』
採点:「3.5」
寸評:「これまでに比べるとパスミスが格段に減った。キャプテンのパフォーマンスは堅実だった」

■大迫勇也
対ヘルタ・ベルリン(0-2●)先発出場、72分交代
『Koelner Stadt-Anzeiger』
採点:「5」
寸評:「サッカーというよりはかくれんぼに近かった。見せ場も乏しく、攻撃にインパクトを与えられなかった」

『EXPRESS』
採点:「5」
寸評:「見る影もなかった」

ケルン大迫を地元紙が酷評「見る影もない」…開幕13戦未勝利、11敗目

◆サッカー界平均年俸、9.5億円でマンUを抜き世界1位に浮上したクラブは…(フットボールチャンネル)


バルセロナ

 世界のスポーツチームを対象とした選手の給料の統計調査によれば、現在のサッカー界で選手の平均年俸額が最も高いサッカークラブはバルセロナだという。イギリス「スポーティング・インテリジェンス」社が26日付で調査結果を公開した。

「グローバル・スポーツ・サラリー・サーベイ(GSSS)」と名付けられたこの調査の2017年版では、男子は7つのスポーツ、17リーグにおける計348チームが調査対象。日本のJリーグやプロ野球も調査対象に含まれている。その調査結果によればバルサの選手の平均年俸は約858万ドル(約9億5500万円)でサッカー界の1位、全体の4位となっている。

 サッカー界の2位(全体5位)はパリ・サンジェルマン(PSG)の約841万ドル(約9億3600万円)。レアル・マドリーが約809万ドル(約9億100万円)で3位(全体9位)に続いている。

 バルサ、PSG、マドリーの3つのサッカークラブを除けば、全体の上位21チーム中18チームをNBAのチームが独占している。サッカー界からは全体の23位にマンチェスター・ユナイテッド、24位にマンチェスター・シティ、27位にバイエルン・ミュンヘン、32位にユベントス、39位にチェルシー、48位にアーセナルが続いた。

 昨年の調査からの順位変動としては、大型補強を実行したPSGがサッカー界6位から2位(全体35位から5位)と大きく順位を上げたのが目立つ。ユナイテッドは昨年のサッカー界1位から4位(全体4位から23位)へと大きく後退した。為替レートの変動の影響もあり、イングランド勢は軒並み順位を下げている。

 Jリーグのクラブでは、アジア王者となった浦和レッズが平均年俸約37万6000ドル(約4190万円)で全体の264位に位置しているのが最高順位。267位にヴィッセル神戸、269位にセレッソ大阪、270位にFC東京、272位に鹿島アントラーズと続いている。Jリーグ勢上位の平均年俸額はイタリア・セリエAで最も低いクロトーネ(全体263位)や、MLS(メジャーリーグサッカー)の多くのクラブなどと同程度となっている。

【了】

サッカー界平均年俸、9.5億円でマンUを抜き世界1位に浮上したクラブは…

◆鹿島のチームスポンサー・リクシル、社屋でPV大応援(サンスポ)


鹿島のチームスポンサー・リクシル、社屋でPV大応援

 明治安田J1第33節第1日(26日、鹿島0-0柏、カシマ)J1鹿島のチームスポンサーの住宅設備メーカー、LIXIL(リクシル)は26日、東京・大島の社屋でパブリック・ビューイングを実施した。優勝の瞬間を見届けようと社員やその家族ら約200人が、応援用Tシャツを着て大型スクリーンで観戦。シュートのたびに大歓声が上がったが、試合は引き分けに終わった。家族で参加した同社社員の高橋英二さんは「惜しい場面がたくさんありました。優勝は勝って決めてほしい」とリーグ制覇を心待ちにしていた。

鹿島のチームスポンサー・リクシル、社屋でPV大応援

◆鹿島アントラーズの目指すファンディベロップメント〜スマートスタジアム化とその先へ〜(サッカーキング)




 今年の夏、鹿島アントラーズのホームスタジアムである茨城県立カシマサッカースタジアムは大きく生まれ変わった。Jリーグとの協業で高密度Wi-Fi網「Antlers Wi-Fi」が設置され、「スマートスタジアム」としての第1歩を踏み出したのだ。来場者が多く賑わうスタンド及びコンコース、また待機列の出来る各ゲート近辺を確実にカバーするため、そのアクセスポイントは455を数える。この高密度Wi-Fi網を活用して、今夏から様々な取り組みを実施。「Antlers Wi-Fi」にアクセスした来場者のみが楽しめる、専用ポータルサイト「Antlers Wi-Fi Portal」では試合ハイライトやゴール集、そして当日の試合前解説や試合後フラッシュインタビューなどの動画コンテンツの充実化を図った。また当日のアクティビティーでもARやVRなど、高密度Wi-Fi網が設置されているからこそ、来場者が快適に楽しめるコンテンツを増やした。



 Jリーグのデジタル戦略の一環として推進される「スマートスタジアム化」だが、アントラーズにとってはそれは決して”目的”ではない。ご存じの通り、アントラーズのホームタウンは鹿嶋市を中心とする鹿行地域だが、高齢過疎化も進み、スタジアムを中心とする50km圏内の人口を比較すると他のJ1クラブとの差は圧倒的だ。そのため、集客の半分は首都圏のサポーターに頼らざるを得ないところだが、その交通手段は自家用車、または高速バスが中心となる。そしてカシマスタジアムへの平均アクセス時間は100分を超え、主要J1クラブの平均の2倍。これに高速バスの待ち時間や渋滞待ちなどを入れると、往復で実に8時間を超える”旅”を経てスタジアムへ駆けつけるサポーターも多くいる。





 ここまでして、ともに戦ってくれるサポーターを、カシマスタジアムでいかにもてなすか。来場体験の充実と来場者の満足度を最大限に高めることこそが、クラブの”目的”であり、「スマートスタジアム化」はその”手段”に過ぎない。来季へ向けて、現在、アントラーズが取り組んでいるのは年間指定席と駐車場が付随されている、ファンクラブの最高グレードであるSOCIOメンバーとファンクラブ限定のシーズンチケットの販売拡大。特に駐車場の権利も有するSOCIOメンバーからは、「着いてからの駐車場の心配もなく、確実に観戦できることが大きなメリット」という声が多く聞こえる。過去20年以上、地元行政や関係各所と取り組み続けているアクセス問題が、短期的に改善されることは期待できない。その状況下で、2〜4時間というカシマスタジアムでの滞在時間を楽しんでもらい、「また来よう」と思ってもらえるか。来場者に対するメールマガジンでのフォローアップなど、試合日以外でのアプローチも重要になってくる。時間とおカネを使ってもリピートしてもらえる、”夢の舞台”THE DREAM BOXの実現へ向け、アントラーズとカシマスタジアムの挑戦は続く。







鹿島アントラーズの目指すファンディベロップメント〜スマートスタジアム化とその先へ〜

◆鹿島か川崎か…いよいよ優勝が決まるJリーグのMVP争いも気になる!(週プレNEWS)


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サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第23回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、鹿島アントラーズと川崎フロンターレの優勝争いが続き、いよいよ最終節を迎えるJリーグ。長かったシーズンを振り返り、MVPは誰がふさわしいのかを考える。

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Jリーグは12月2日の最終節でシーズンも締めくくり。鹿島と川崎の優勝争いが続いているけれど、MVPは誰が相応(ふさわ)しいかと考えると、なかなか難しい1年だった。MVPはやっぱりシーズンを通じて試合に出て、インパクトも残した選手にあげたいからね。

鹿島は金崎夢生が目立ったけれど、試合に出ていない時期が少しあった。土居聖真もチームにとって本当に気の利いた活躍を見せてくれたけれど、MVPとなると、もう少しインパクトがほしいかもしれない。

そう考えると、鹿島では昌子源がベストだ。これまでセンターバックでMVPを獲ったのは1994年のペレイラ(東京ヴェルディ)や2004年の中澤佑二(横浜F・マリノス)、2006年の闘莉王(当時浦和、現・京都)がいるが、昌子は彼らに劣らない存在感を見せてくれた。

川崎フロンターレからのMVPなら、候補者は中村憲剛や大島僚太、谷口彰悟もいるけれど、やっぱり小林悠だろう。キャプテンで得点も19ゴール(11月27日現在)。間違いなくシーズンを通じてチームを引っ張っていた。

大島は終盤にケガをしたからやや難しいが、谷口はよく頑張っていたし、日本代表に呼ばれてもおかしくないレベルだから、彼がMVPになったらハリルホジッチ監督にもアピールになるけどね。

ルヴァンカップで優勝したセレッソ大阪なら杉本健勇か山口蛍か。杉本は今季、ゴール数は増えたし、ひと皮もふた皮もむけて成長を見せてくれた。ただJリーグで優勝できなかっただけに物足りなさは残る。数字の部分で攻撃の選手よりもわかりにくいけど、やっぱりセレッソからMVPとなれば山口蛍だろう。日本代表でもそうだけど、中盤の守備の部分で彼の存在感は大きい。

これまで、比較的中盤の選手がMVPを獲っている。去年が中村憲剛(川崎)で、その前が青山敏弘(広島)。2014年が遠藤保仁(ガンバ大阪)で、2013年が中村俊輔(横浜FM/当時)、2009年が小笠原満男(鹿島)、2007年がポンテ(浦和)。セレッソが優勝していれば文句なしに山口だったかもしれないけれど、どうなるか。

ベテランでいえば、浦和の阿部勇樹はMVPに相応しい選手だ。リーグ戦で早々に優勝争いから脱落したけれど、中盤でプレーしても守備ラインに入っても存在感が際立っていたね。35歳であれだけのプレーができるのは凄い。阿部がいなかったら、ACL優勝はなかったといっても過言ではない。

浦和は興梠慎三も候補のひとりだ。30歳であの速さと強さがあって、安定感はNo.1。Jリーグの得点王争いは興梠と小林悠、杉本健勇の3選手の誰が手にするか最終節までわからないけれど、仮に興梠が得点王になって、川崎が優勝だったら小林悠がMVPでもいいんじゃないかな。

やはりゴールというのはわかりやすい指標だ。逆に守備の選手はちゃんと試合を見ていないとそのすごさがわかりにくい。GKは過去に楢崎正剛がMVPになった1回しかないからね。

鹿島か川崎か…いよいよ優勝が決まるJリーグのMVP争いも気になる!

◆【山本昌邦チェック】鹿島、試合終盤の勝負強さ際立つ(報知)




 ◆明治安田生命J1リーグ 第33節 鹿島0―0柏(26日・カシマスタジアム)

 鹿島はストロングポイントの右サイドで西、遠藤、金崎らが絡み、いくつか決定的な形を作った。だが、柏の日本代表GK中村のファインセーブもあった。先制したら、ここまで負けなし。最後の15分に限ると、得点が18、失点が1。試合終盤の勝負強さは際立っている。

 残りの試合数が1試合多い川崎との勝ち点差は5に縮まったが、鹿島の優位は揺るがない。29日の浦和―川崎戦の行方は分からないが、鹿島にとっての明確な目標は、最後に1勝すること。それを成し遂げられる能力もあり、経験値の高い選手もいる。足踏みしたが、鹿島有利は変わらない。(スポーツ報知評論家)


【山本昌邦チェック】鹿島、試合終盤の勝負強さ際立つ

◆鹿島ドローで“試合無しV”再浮上 本拠サポため息(ニッカン)




<明治安田生命J1:鹿島0-0柏>◇第33節◇26日◇カシマ

 首位鹿島アントラーズが0-0で柏レイソルに引き分け、2年連続9度目の優勝は持ち越しとなった。試合のない29日に、2位川崎フロンターレが浦和レッズに引き分けるか負ければ決まり、J1史上初の“試合なしV”の可能性が再浮上した。8月9日から首位に立ち、一時は2位と勝ち点8差をつけたが、12月2日のジュビロ磐田との最終戦までもつれれば重圧となりそうだ。セレッソ大阪は来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフ(PO)に出場できる3位以内が確定した。

 後半48分23秒。勝てば優勝の状況の中、引き分けを告げるホイッスルが鳴り、鹿島の選手たちはうなだれた。09年以来のチケット完売で3万6080人をのみ込んだスタジアムの歓声もため息に変わった。大岩監督もMF小笠原主将もホーム最終戦セレモニーまでベンチから立ち上がれない。DF昌子は「全員がホームで勝って決めたかったから残念」。国内主要タイトル19冠すべてに関わってきた強化担当の鈴木常務取締役も「大敗した気分」と最高の決定舞台を逃したショックを隠しきれなかった。

 CK13本。シュート23本。後半14分にCKを頭で合わせるも、バーに阻まれた昌子は「どれか1つでも入ってくれればということが届かなかった」。ACLによる変則日程で、鹿島だけ3週間空いた大一番。同22分にドリブルやフェイントでDF3人をかわしたMFレアンドロがゴール前に3人がフリーでいるにもかかわらず、強引にシュートした場面も気迫の空回り。サポーターを前に昌子は「俺が守るとか、俺が点をとるとかじゃなく、このファミリーが勝てばいい。その思いでジュビロに勝ちます」と自戒を込めて約束した。

 2位の川崎Fとの勝ち点差は5。29日に川崎Fが引き分け以下なら優勝は決まるが、チームは磐田との最終戦に勝って決める思いで一致している。ここから川崎Fが連勝し、鹿島が敗れればV逸。昌子は「次はソガさん(GK曽ケ端)が決めても相手が(オウンゴールを)入れてくれてもいい。国内20冠を決めて、やっぱりまた鹿島か~と、とことん嫌われたい」。残り1戦にすべてを懸ける。【鎌田直秀】

鹿島ドローで“試合無しV”再浮上 本拠サポため息

◆優勝お預けでも、鹿島の軸はブレず。 昌子「俺が決めてやる、じゃなくて」(Number)


優勝お預けでも、鹿島の軸はブレず。昌子「俺が決めてやる、じゃなくて」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

 内容は決して悪くなかった。柏レイソルのビルドアップに対して鹿島アントラーズは高い位置から積極的にプレッシャーをかけて、クリスティアーノやディエゴ・オリヴェイラに良い形でボールを渡さない。特に後半は攻守の切り替えの早さで柏を圧倒し、計23本ものシュートを放った。

 でも、0-0の結果はやっぱり悔しい。

 いやいや、11月29日の浦和レッズvs.川崎フロンターレ戦で川崎Fが引き分け以下ならば優勝が決まる。もし川崎Fが勝ったとしても、まだ首位。最終節でジュビロ磐田に勝てば、文句なしで優勝できる。

 でも、やっぱり満員のホームで決めたかった。

 東城穣主審がタイムアップの笛を鳴らした直後、3万6080人の観衆で埋まったカシマスタジアムは、鹿島アントラーズの選手とサポーターの複雑な心境を表すように、しんと静まり返った。いつもなら選手は場内を1周してロッカールームに引き上げるが、この日はホーム最終戦。試合後すぐにセレモニーが予定されていた。

 最初に挨拶をすることになっている選手会長・昌子源は、セレモニー開始までのわずか数分の間で、懸命に考えていた。優勝に足踏みした状況で、目の前のサポーターと、背後に並ぶチームメイトに、どんな言葉で自分の思いを伝えるべきか。

模範的な挨拶の後に続けた、刺激的な発言。

 場内アナウンスで名前が呼ばれ、スタンドマイクの前に立ったディフェンスリーダーは、まっすぐに前を向いて語り始めた。まずは、1年間チームを支え続けてくれたファン・サポーターと、スポンサーへの感謝。続いて、アウェーでの最終節・ジュビロ磐田戦で「必ず勝ちます」という決意。

 ここまでは“模範的”な挨拶だった。スタンドから大きな拍手を受けると、表情が一層引き締まった。意を決したような顔で、言葉を続ける。

「俺が守ってやる、俺が決めてやるじゃなくて、このチームが勝てばいい。このファミリーが勝てばいい。この気持ちでジュビロ戦、必ず勝ちます。こうして口で言うのは簡単です。ピッチの上でその姿勢を見せたいと思います」

「俺が決めてヒーローに」と思うと決まらない。

 自分の思いを素直に表現する昌子らしい直球勝負の挨拶。ただし捉え方によっては、この日のチームの戦いぶりへの不満にも聞こえる。だから、試合後の取材エリアで真意を尋ねた。

「あの挨拶の内容で、僕が何か言われるのは全然問題ないんで。だから、あえて言いました。とにかくチームが勝ってくれればいいんです。今日のように勝てば優勝が決まる試合ともなると、点を決めた人がヒーローになる。だけど、『俺が決めてヒーローになってやる』とか、そういう気持ちばかりだと勝てない。そういうときに限って入らないんですよ。いつもならフリーの選手にパスをしている選手が、強引に打ったりすると」

 昌子が具体例として挙げたのが、66分のプレーだった。ペナルティーエリア手前でパスを受けたレアンドロが、鋭い切り返しで4人の選手を次々とかわしてゴール前に進入。しかし、シュートの角度はわずかしかない。

 中央には、金崎夢生、土居聖真、遠藤康の3人がフリーで待っている。それでもレアンドロは左足シュートを選択し、GK中村航輔に弾き出された。

 セットプレーの好機も、有効に使えなかった。CKをゾーンで守る柏は、明らかにゴール前に飛び込んでくる鹿島の選手たちを捕まえ切れていなかったが、レオ・シルバのキックは何度もニアサイドの相手に跳ね返される。ショートコーナーや、ファーサイドに大きく振って折り返すなどの工夫もなく、13度ものCKのチャンスをフイにした。

「フォア・ザ・自分」を抑えてチームのために。

 大岩剛監督が「非常に良いゲームをした」と語ったとおり、悲観する内容ではない。三竿健斗のセカンドボールへの出足、レアンドロのプレスバック、相手センターバックとサイドバックの間でパスを引き出して起点になる金崎の動き出しなど、今季の鹿島の長所を象徴する場面は随所にあった。

 ところがフィニッシュの局面では、徹底的に相手の嫌がることを繰り返す、鹿島らしい効果的な判断ができなかった。昌子はそこに「フォア・ザ・チーム」ではなく、大一番での「フォア・ザ・自分」の意識を感じたというわけだ。

「とにかくチームが勝てばいい。変な話、ソガさん(GK曽ヶ端準)がゴールを決めてヒーローになってもいいんです。そういうことを伝えたかった。セレモニーでも言いましたけど、口で言うのは簡単なんで、ピッチで、それを見せられるように頑張ります」

 12月2日、ヤマハスタジアム。有言実行を目指す男の手に、優勝シャーレは戻ってくるか。

優勝お預けでも、鹿島の軸はブレず。昌子「俺が決めてやる、じゃなくて」

◆手倉森コーチ、鹿島MF三竿健を高評価(報知)




 ◆明治安田生命J1リーグ 第33節 鹿島0―0柏(26日・カシマスタジアム)

 日本代表の手倉森誠コーチ(50)が鹿島―柏戦を視察。

 12月のE―1東アジア選手権の日本代表招集に向け、鹿島MF三竿健を「リオ五輪(代表候補)の時から見ているが、相当伸びたね」と高評価。今月の欧州遠征は浦和から5人が選ばれたが、クラブW杯出場により選外に。「いろんな選手に経験を積ませてW杯につなげていきたい」と、新勢力の発掘を示唆した。


手倉森コーチ、鹿島MF三竿健を高評価