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2018年12月22日土曜日

◆鹿島完敗 涙の内田「この経験を無駄にしては…」(ニッカン)



内田篤人 Atsuto.Uchida


<クラブ・ワールドカップ(W杯):鹿島1-3Rマドリード>◇準決勝◇19日◇アブダビ

白い巨人の壁はやはり高かった。初戦で逆転勝ちした勢いそのままに臨んだ鹿島アントラーズだったが、2年前の同大会決勝で敗れたレアル・マドリードとの再戦は、1-3というスコア以上の完敗だった。あまりの無力さにDF昌子源(26)は膝に手をつき放心し、19歳のFW安部裕葵(ひろき)は人目をはばからず泣きじゃくった。22日の3位決定戦では、南米王者のリバープレート(アルゼンチン)と対戦する。

パススピード、展開の速さ、決定力、試合巧者ぶり。クラブ・ワールドカップ連覇中の欧州王者は、全てにおいて一枚も二枚も上手だった。2年前は互角以上の奮闘で世界を驚かせた鹿島だが、今回は点差以上の実力差で惨敗。いつもは強気のFW安部も「プレーしていてきつすぎて、苦しすぎて…」と号泣し、それを見たDF内田も「俺らが子供みたいだった」ともらい泣きした。

力の差は歴然だった。立ち上がりこそ、連戦と移動疲れで「ウオーミングアップ感覚だった」(昌子)相手を攻め立てたが、負傷のFW鈴木の不在も影響し、決定力に欠いた。相手に合わせペースを落とした鹿島に対し、前半30分過ぎからエンジンのかかってきた欧州王者は、素早いパス回しで鹿島イレブンを翻弄(ほんろう)。同44分にDFマルセロとのワンツーで抜け出したFWベールに先制を許すと、後半8分、同10分と立て続けにベールに決められ、突き放された。

2年前の大会には開催国王者として出場し、決勝の舞台で欧州王者と渡り合った。延長の末に敗れはしたが、世界との距離が縮まったかに見えた、日本サッカー界に可能性を感じさせた一戦だった。アジア王者として迎えた再戦の機会だったが、遊ばれるように走らされ、後半33分にFW土居が一矢報いるのがやっとだった。DF昌子は「正解が見つからなかった。球際で食らいつく姿を見せたいけど、それすらできなかった」と肩を落とした。

それでも間違いなく、この悔しさは糧になる。DF内田は「若い選手はこの経験を無駄にしちゃいけない。このままやっていたら追いつけないと思ったはず」と完敗に意味を見いだした。再び世界にリベンジする日を、日本中が待っている。




◆鹿島完敗 涙の内田「この経験を無駄にしては…」(ニッカン)