FIFAクラブワールドカップで開催国王者のアル・アインが、オセアニア王者、アフリカ王者、南米王者を次々に退けて決勝に進出した。そんなアル・アインにおいて躍進の立役者に相応しい活躍を見せているのは、24歳のブラジル出身アタッカー、カイオだ。
14年から16年までの3シーズンをJリーグの鹿島アントラーズで過ごし、外国籍選手として史上初の「Jリーグベストヤングプレーヤー」を受賞するなど日本でも名の知れた存在である。22日に行われるレアル・マドリーとの決勝を前に、カイオは何を思うのか。『Goal』のインタビューで、決勝に向けて、そして同じくクラブW杯に出場している古巣・鹿島について語った。
■リーベルに勝つわけない。それが「モチベーションになった」
――決勝進出おめでとうございます。リーベル・プレート戦の勝利はこのクラブの歴史上で最も重要な勝利の一つでした。
そうだね!リーベル・プレートのようなチャンピオンと対戦できるのは非常に特別だったよ。とてもやりがいがあった。それに勝利することができてとても嬉しいよ。準決勝ではすべてを尽くして戦った。決勝に進出できて幸せだよ。
――もしかすると、リーベル・プレートはアル・アインを甘く見ていた?
そうは思わないね!実際に彼らはとても強かった。最初のゴールを決めた後、逆転されてしまったし…。でも、僕たちはそれ以上の強さを見せることができたよ。僕が言えることは、試合に勝てて嬉しいということ、ゴールを決めることができたということ、そしてチームの勝利に貢献できたということだけさ。
――強力なライバルを相手にプレッシャーのかかる試合の中で成長を見せてくれました。
いいチームと対戦することは素晴らしいことさ。リーベルは全員が素晴らしい選手で、彼らと試合することはスペクタクルなことだったよ。でも、僕は落ち着いていた。自信と勝ちたいという願望があって、最終的にはそれを叶えることができたよ。
――決勝に到達しましたが、アル・アイン強さの秘密は何でしょうか?
僕たちがベストを尽くしたこと。それ以上の秘密はないよ。確実に言えるのは、フィールドを去る前にすべてを出し尽くしたということだ。それが僕たちにアドバンテージを与えるんだ。そして、ファンの支えがあったというのも真実だよ。さらに、多くの人たちがアル・アインが勝つわけないだろうと思っていることもモチベーションになった。それさえもが僕たちを強くしたんだ。
■「鹿島は僕の古巣。試合のときは応援していたよ」
――レアル・マドリーとの決勝までに、どのようにコンディションを整えますか?
うーん…。3試合をほぼ連続で戦ったから、正直疲れている。だから決勝までには回復したいね。戦える状態になるように、家族とともに過ごしてサッカー以外のことも考えたりしながら、決勝戦になったら集中するよ。
――多くのアル・アインファンが、決勝のアブダビに来ると思いますか?
もちろん!すべての人が来てくれたらいいね。レアル・マドリーとの決勝戦なんて、最低でも全員が行かなければいけないよ(笑)。真面目な話だけど、彼らが僕たちをサポートしてくれたら、いいゲームができるよ。
――決勝では、レアル・マドリーのような強敵が良かったですか?それとも(古巣の)鹿島がよかったですか?
もうレアル・マドリーに決まっているし、それで満足だよ。重要なのは、僕たちも同じように決勝に進出したということ。だけど、鹿島は僕の古巣だし、彼らの試合のときは応援していたのも事実さ。
――レアル・マドリーの最終ラインには、カルバハル、セルヒオ・ラモス、ヴァラン、マルセロが控えています。
僕は右に入るだろうから、前にはおそらくマルセロがいるだろうね。彼とは同郷だし、会って話をして、ハグしたいよ。ヴィニシウスとカゼミーロともね。
――もし、レアル・マドリーの選手1人を取り除けるとしたら、誰を選びますか?
セルヒオ・ラモスだね。彼は素晴らしいディフェンダーだ。チームを助けているし、彼はリーダーだ。彼がいなければ、僕たちにとっては少し有利に働くだろうね。
――最後に、タイトルを獲った時に何かセレブレーションをする約束をしていますか?
まだだね。考える時間がなかったからね。ただ、特別なことをする選択肢もなくしてはいないよ。
インタビュー・文=アルベルト・ピニェイロ/Alberto Piñero
構成=Goal編集部
◆「僕の古巣」鹿島への思いを語るカイオ。決勝で警戒する選手は?「彼がいなければ…」/インタビュー(GOAL)