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2018年4月21日土曜日

◆【Jリーグ25周年の群像】内田篤人、右太もも裏の違和感で戦線離脱も想定内 「そういうものをごまかしながらやっていく」 日本復帰、決断の理由とは(zakzak)





★鹿島DF・内田篤人(2)

 内田篤人(30)は2月25日、清水エスパルスとの今季開幕戦に右サイドバックとして先発し、後半39分までプレーした。2010年5月以来のJ1復帰だったが、この試合を最後に、内田篤人の名前は鹿島アントラーズの先発メンバーから忽然と消えた。

 ドイツで長期離脱を引き起こした古傷の右ひざではない。右太もも裏の違和感が原因だった。

 内田にとっては想定内。2月14日に上海申花(中国)相手のACLグループリーグ初戦に先発フル出場した後、「これからは筋肉系のケガとかが、多少あると思うよ。小さいのがね。そういうものを適当にごまかしながらやっていくしかないんじゃないのかな」と予告していた。

 2015年6月に右ひざの手術を受け、懸命にリハビリを続けてきたが、ドイツの古豪シャルケから2部のウニオン・ベルリンに移ったその後の2年半で、ピッチに立ったのはわずか3度だけだった。

 一方、今年1月に復帰した鹿島では、宮崎キャンプ中の練習試合からコンスタントにプレー。もし体が悲鳴を上げるとしても、それは久しぶりに右ひざが機能している反動で、周囲の筋肉が驚いているからだと自らに言い聞かせてきた。

 「何かいま、『デュエル』って流行っているんでしょう? オレは昔からずっとやっていることだけどね」

 「デュエル」とは、フランス語で「決闘」を意味し、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ前監督が掲げたキーワードだった。それに唐突に言及したあたり、代表を意識していた証しだが、右太もも裏の違和感が消え、4月14日の名古屋グランパス戦で戦列復帰を果たす直前の同9日、ハリルホジッチ前監督は電撃的に解任された。

 「どうなんだろうね。協会の判断だし、代表に呼ばれていたわけでもないから、オレがどうこう言う話ではないと思う」

 監督交代に関しては言及を避けたが、西野朗新監督の就任であらゆる選手にチャンスが広がるのでは、という問いには、「それはあるでしょう」と答えた。

 「見てくれると思うよ。やれるということが分かれば、気にはしてくれると思う」

 鹿島で活躍していれば、西野監督は振り向いてくれるはずと努めて前を向く。そもそも、内田が鹿島復帰を決断したのは、なぜだったのか。(スポーツジャーナリスト・藤江直人)


【Jリーグ25周年の群像】内田篤人、右太もも裏の違和感で戦線離脱も想定内 「そういうものをごまかしながらやっていく」 日本復帰、決断の理由とは



◆ジーコ監督の部屋に「呼ばれ続けた男」久保が落選(ニッカン)






<W杯メンバー選考の真相(5)>

 どうしてもFW久保竜彦を諦めたくなかった。「日本人離れ」。身体能力の高い選手を表現する決まり文句だが、ジーコ監督の印象では、それをはるかに超えるものが久保にはあった。無理な体勢からシュートを決めるバネ、カンガルーのようなジャンプ力、爆発的な瞬間スピード。現役時代にファンタジスタとしてセレソン(ブラジル代表)の攻撃陣を動かした指揮官は、久保の高い身体能力にほれ込んでいた。

 しかし久保の調子が上がらない。長年腰と両足首の痛みで苦しんできた。大きなケガなら諦めもつく。サッカーができないほどではなく、痛み止めで紛らわせ、テープで固めればピッチには立てる。06年の久保はその繰り返しだった。

 ブラジルでは、セレソンを人格者として待遇する。何かを教え込むのではなく、選手個々が持っているものを代表で出してもらうことを重視する。02年日韓大会で指揮したトルシエ監督の管理主義とは正反対の路線。ジーコ監督も日本代表の選手たちを人格者として扱った。合宿中でもグラウンドを離れると、強制するものはほとんどない。

 しかし久保だけは例外だった。2月の国内合宿ではほぼ毎晩、宿舎ホテルの部屋に呼び、コンディションをチェックした。部屋に呼ばない日は食事会場に残して話した。久保は口べたで、指揮官の問いに「はい、いいえ」の返事が多く、ジーコ監督の困った表情は複数のスタッフに目撃されている。4年間でジーコ監督の部屋に呼ばれた選手はほとんどいない。「久保さんはもう当確だね」と嫉妬する選手もいた。メンバー発表直前の合宿でも、ドクターやトレーナーを交えた久保へのチェックを続けた。

 当時は、事前の準備作業や所属クラブへの仁義などもあり、メンバー発表前日までには、現場から日本協会へ選手リストが上がっていた。しかしジーコ監督は「まだ考えたい選手がいる。ギリギリまで考える」とリストを渡さなかった。仕方なく、日本協会は各クラブに電話を入れ「ワールドカップ(W杯)メンバーは当日、テレビで確認してください」と連絡した。当日はプレスリリース作成や各クラブへの連絡のため、会見場の裏に急きょ事務局を設け、ジーコ監督の声を拾って、23人のリストを作成した。

 熟考を重ねた指揮官が選択したのは、久保ではなく、背格好が似ているFW巻誠一郎だった。落選が決まり、久保は「そりゃもう、残念です」とぼそっと言った。しかしジーコ監督の熱意は十分感じ取った。「(体に)不安があり、100%でやれる状態じゃなかった。ジーコ監督の判断も仕方ない」と小声で続けた。

 W杯メンバー選考で過去にも驚きの結果はあるが「サプライズ」の言葉が広まったのは、この時が初めてだった。【盧載鎭】(おわり)


ジーコ監督の部屋に「呼ばれ続けた男」久保が落選




◆失点に絡んだ19歳を庇う鹿島DF内田篤人「俺も何度も失点に絡んでるし」(ゲキサカ)






[4.21 J1第9節 川崎F4-1鹿島 等々力]

 ベテランに一瞬の隙を狙われた。鹿島アントラーズは後半19分、MF永木亮太のFK弾で1点差に追い上げたが、その1分後に失点。後半20分、DF小田逸稀がGKに出したバックパスが緩くなったところをMF中村憲剛が見逃さず、ボールを奪取。そのまま3点目を押し込まれた。

「1点取り返してここからというときに、ああいう中途半端なプレーは反省しないといけない」。東福岡高出身の小田はプロ2年目。リーグ戦はこれが2試合目の先発だった。失点シーンでは中村の動き出しが「見えていなかった」と声を落とし、「今日の試合は誰が何と言っても自分のせいだと思っています」と自身を責めた。

 右サイドバックで後半21分までプレーしたDF内田篤人は失点に絡んだ19歳を庇った。「あいつは本当によくやってる。19歳であんだけ家長さんやブラジル人に食いついて、よくやってる」。まだ経験が少ない中、逆サイドで奮闘した小田をそう称え、「DFってああいうもんだから。俺も何度も失点に絡んでるし。反省して次がないようになっていく」と続けた。

「俺がミスったときも(小笠原)満男さんとかソガ(曽ヶ端準)さんは全然文句を言わなかった。チーム全体の責任ということでチャラにして、次やったら坊主(笑)」。自身のエピソードを振り返りながら、「そういう軽い気持ちでいいんだよ」と将来有望な左サイドバックにエールを送った。


失点に絡んだ19歳を庇う鹿島DF内田篤人「俺も何度も失点に絡んでるし」



◆鹿島、ペース取り戻せず 大岩監督「前半、後半立ち上がりの失点がゲームの行方決めた」(サンスポ)





 明治安田J1第9節第1日(21日、川崎4-1鹿島、等々力)鹿島は昨季のJ1優勝を譲った相手に苦杯を喫した。立ち上がりに失点してペースをつかまれ、最後まで取り戻せずに大敗。大岩監督は「前半の立ち上がり、後半の立ち上がりの失点が大きく、ゲームの行方を決めた」と肩を落とした。

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は日本勢で唯一1次リーグを突破したが、J1は中位に甘んじる。今季復帰した内田は「僕は4冠を目指すチームに来たはず。これでは駄目だ」と活を入れた。



◆西野新監督が視察、内田篤人「意識はしてたんだけど、難しすぎたね」(ゲキサカ)





[4.21 J1第9節 川崎F4-1鹿島 等々力]

 サポーターからはブーイングではなく声援が送られた。鹿島アントラーズは今季ワーストとなる4失点を喫し、昨季優勝を譲った川崎Fに完敗。順位は8位から暫定11位に後退した。前後半に立ち上がりで失点。後半19分に1点を返したものの、後半20分に3点目を献上。後半32分にはDF昌子源が退場となり、万事休した。

 2試合連続で先発出場したDF内田篤人は後半21分に途中後退。「身体的には90分いけた」というが、「戦術的な交代だと思いますけど。こういう展開になると難しい。(前に)いったらカウンター食らうし、やれることは限られちゃう。サイドバックってそういう地味なポジションなんですよ」と自嘲した。

 攻守がかみ合わなかった。攻撃は単調になり、守っては奪われ方、崩され方が悪かった。「優勝争いするなら攻撃か守備かどちらかだけ極めればいい。優勝するなら両方必要。守備も攻撃もかみ合わないと優勝できない」。経験から持論を説いた内田は昨季J王者を分析し、「Jリーグの中でもパス回しだったり、攻撃のクオリティは群を抜いている。攻撃人でいえばこのレベルは他にいないんじゃない?」と唸った。

 日本代表の新監督に就任した西野朗氏が視察に訪れた一戦。不動の右サイドバックに君臨していた内田は15年3月を最後に代表から遠ざかっているが、西野監督は就任会見で「過去の経験、実績、プラスここ1か月の状況を正確に見極めたい」と選手選考の基準を説明。3度目のW杯へ、大逆転のメンバー入りが期待されている。

「西野監督を意識していたか」と聞かれると、「意識はしていたんだけど、それ以上に難しすぎたね、ゲームが」と吐露。苦しい試合展開の中、アピール成功とはならず、「先に点を取られて押し込まれて、阿部選手をつかむのと、車屋選手もこういう展開になったら自由に動けちゃうからね。難しいよね」と落ち着いた口調で話した。


西野新監督が視察、内田篤人「意識はしてたんだけど、難しすぎたね」




◆鹿島大敗もサポーター激励「もう我慢しかない」内田(ニッカン)






<J1:川崎F4-1鹿島>◇第9節◇21日◇等々力

 これまで、肩を落とす試合ではブーイングを浴びていた鹿島アントラーズの選手に、サポーターからかけられたのは励ましの声援だった。DF内田篤人は言った。「やっぱり、苦しいのはみんな苦しい」。昨季、最終節で逆転優勝をさらわれた宿敵に、屈辱的な大敗を喫した。4失点は14年5月10日以来4年ぶり。当時も、等々力で川崎フロンターレが相手だった。

 やはり、課題の立ち上がりだった。開始5分に左サイドから攻められ、GKとDFの間に鋭いクロスを送られた。懸命に足を出したMF三竿健斗に当たって、今季3度目のオウンゴールで早くも先制を許してしまった。問題はオウンゴールの多さではない。内田は「(3度とも)全部えぐられて、ニアで触る形。オウンゴールが悪いというよりも、崩され方が悪い」と分析した。

 果敢にいかなければいけない後半も、立ち上がりの2分に追加点を許した。同19分に、途中出場したMF永木亮太のFKが壁に当たって入り、追い上げムードが高まったが、今度はその1分後。DF小田逸稀のGKへのバックパスが中途半端となり、川崎FのMF中村憲剛にさらわれた。失点の形、タイミングはどれも良くなかった。

 後半32分にはDF昌子源が2枚目の警告を受けて退場。そしてFW大久保嘉人に駄目押しを許した。大敗だった。

 大岩剛監督は「前半、後半の立ち上がりの失点が痛かった。それが流れを決めてしまった」と話した。前節の名古屋戦で勝ちきり、つかみかけた流れをまた、失う敗戦。

 「90分行きたかったが(交代は)戦術的なものだと思う」と話す内田は「戦術もあるだろうし、運もあるだろうし、これだけという理由じゃない。どうやったら勝てるかとかはないから。もう我慢しかない。我慢、我慢。ひたすら」と言い聞かせた。


鹿島大敗もサポーター激励「もう我慢しかない」内田



◆川崎、鹿島を寄せ付けずリーグ戦5試合ぶりの白星…攻撃陣が爆発し4ゴール!(サッカーキング)


川崎フロンターレ


2018.04.21 16:00
等々力陸上競技場
川崎フロンターレ 4 終了 1 鹿島アントラーズ

 明治安田生命J1リーグが21日に行われ、川崎フロンターレと鹿島アントラーズが対戦した。

 昨季のリーグ優勝を争った両チーム同士の対戦。王者・川崎は大島僚太の代わりにエドゥアルド・ネットをスタメンに選び、2位に終わった鹿島は前節初出場を飾った小田逸稀を引き続きピッチに送り出した。

 試合は早速動く。5分、敵陣中央左寄りでボールを持った谷口彰悟から、ペナルティエリアすぐ外フリーで待っていた家長がパスを受ける。そのまま縦に突破し中央へグラウンダーのクロスを上げると、三竿健斗のオウンゴールを誘発し、川崎が先制に成功した。

 前半終了間際に鹿島がペースを掴んだが、ハーフタイムを跨いで川崎がテンポを取り戻す。47分、ペナルティエリア中央に入ってきたエドゥアルド・ネットが、阿部浩之のからのパスを受けてDFをかわす。倒れ込みながらGKの逆を突いたシュートを放ち、追加点を奪った。

 その後FKから失点するも、直後の65分に小田の軽率なバックパスに対して詰めていた中村憲剛がボールを奪い、冷静にゴールに流し込んだ。

 さらに81分、途中出場した大久保嘉人がペナルティエリア内で家長昭博からのスルーパスを受けると、右足でゴールに流し込み試合を決定付けた。

 試合はこのまま終了し、川崎がリーグ戦5試合ぶりの勝利を挙げ、勝ち点を「15」に伸ばした。

【スコア】
川崎フロンターレ 4-1 鹿島アントラーズ

【得点者】
1-0 5分 三竿健斗(オウンゴール)(川崎フロンターレ)
2-0 47分 エドゥアルド・ネット(川崎フロンターレ)
2-1 64分 永木亮太(鹿島アントラーズ)
3-1 65分 中村憲剛(川崎フロンターレ)
4-1 81分 大久保嘉人(川崎フロンターレ)


川崎、鹿島を寄せ付けずリーグ戦5試合ぶりの白星…攻撃陣が爆発し4ゴール!



◆2018明治安田生命J1リーグ 第9節(オフィシャル)





明治安田J1 第9節

屈辱の4失点。鹿島、等々力で大敗。

J1第9節、等々力での川崎フロンターレ戦。鹿島は前後半の立ち上がりに失点を喫し、2点を追う苦しい展開を強いられた。64分に永木のFKで1点差 に迫ったものの、直後に痛恨の3失点目。77分には昌子が2枚目のイエローカードで退場となり、数的不利に陥った。81分には4失点目を喫し、1-4と屈辱の黒星を喫した。

5月20日まで続く怒涛の連戦、鹿島はなかなか勢いに乗ることができていない。3月31日の公式戦再開から公式戦4試合勝ちなし、そして14日の名古屋戦で掴んだ重要な勝ち点3。しかし17日、水原三星を迎え撃ったホームゲームでは0-1と完封負けを喫した。既にラウンド16進出を決めていたとはいえ、グループ首位通過を逃す結果に。久々にチャンスを得た三竿雄斗やプロ初先発の山口らが奮闘したものの、敗戦という結末に悔しさを滲ませていた。

それでも健斗は「ミスが出ても、カバーし合ってやっていければいい」と前を向いていた。見据える先には、等々力での90分があった。昨季の最終節、忘れもしないあの結末。シーズンダブルを食らった屈辱。全ての思いをぶつけて勝ちに行く、極めて重要なアウェイゲームが待ち受けている。「本当に強い気持ちを持って戦いたい」。そう言って、背番号20はスタジアムを後にした。

翌15日の午後練習から、チームは準備を進めてきた。試合前日にはセットプレー練習に加えて紅白戦を実施。選手たちは攻守の連係を改めて確認し、勝利だけをイメージしてボールを追った。最終調整を終え、植田は「連勝していくための一戦」と決意を述べている。



昨季は2試合とも3失点を喫して敗れた。指揮官は攻守両面において「選手間の距離が一つのキーワードになると思う」と展望。水原三星戦から6名の先発変更を施し、「良いパフォーマンスを出せていた」名古屋戦と同じ11人を先発リストに並べた。GKはクォン スンテ、最終ラインは内田と植田、昌子、小田が並ぶ。ボランチは健斗と小笠原のコンビで、2列目には中村と土居。そして前線では、フル稼働を続ける鈴木と今季5得点の金崎が虎視眈々とゴールを狙う。またベンチには、GKの川俣、犬飼、伊東、西、永木、金森、山口が座る。



湘南戦とFC東京戦に続いて、等々力のビジタースタンドもアントラーズレッドの情熱で埋め尽くされた。青空の下、そして今季一番の暑さに見舞われながら、背番号12は時間を追うごとにボルテージを高めていく。SPIRIT OF ZICO、そして無数の横断幕とフラッグが選手たちを鼓舞する。ホーム側スタンドの声が聞こえないほどの情熱、声量が等々力の青空を切り裂いていた。



16時3分、キックオフ。熱烈なサポートを背に受けて、立ち上がりからアグレッシブな姿勢を打ち出したい鹿島だったが、最初の歓喜はホームチームのものだった。5分、ペナルティーエリア左奥からグラウンダーのクロスを入れられると、クリアを試みた健斗のスライディングがオウンゴールに。0-1。早くもビハインドを負う展開となってしまった。

勢いに乗った川崎Fに対し、鹿島は劣勢を強いられる時間が続いた。7分にはペナルティーエリア左側から強烈なシュートを許し、15分にはエリア右奥からの攻撃でピンチを迎える。相手のシュートに植田が反応すると、コースが変わったボールが枠に飛んだものの、スンテが間一髪のスーパーセーブ。抜群の安定感でゴールマウスに立ちはだかる守護神は今日も、最後尾からチームを支え続けていた。





なかなか前線で起点を作れずにいた鹿島だが、20分経過後はボールポゼッション率を高めて川崎Fを押し込んでいった。21分にはペナルティーエリア左側での激しいボディコンタクトから鈴木が粘り、グラウンダーのクロス。金崎が飛び込んだものの、わずかに届かなかった。25分には右サイドから金崎がクロスを上げ、ファーサイドの土居が反応。左足で鈴木を狙ったラストパスはしかし、精度を欠いてシュートを演出できなかった。





一貫しない判定基準、次第に秩序と平静を欠いていくピッチの上で、選手たちは激しいボディコンタクトを繰り返しながら勝利への気迫を体現していた。終盤15分はペナルティーエリア内に進出するプレーも増え、セットプレーでもゴール前へ迫った。だが、ゴールネットを揺らすことはできず。1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。



ロッカールームからピッチへと姿を見せた選手たちへ、アントラーズレッドのビジタースタンドが大きなコールを送り届ける。ともに戦う背番号12が待つ、ゴールへ——。反撃を期して、後半のキックオフを迎えた。

だが、鹿島はまたも立ち上がりに失点を喫してしまった。ペナルティーエリア内でのパス交換からエドゥアルド ネットに追加点を決められ、0-2。警戒しなければならない時間帯に守備網を突破され、ビハインドがさらに重くのしかかってしまった。

攻めるしかない鹿島は、2トップの鈴木と金崎が縦横無尽にピッチを駆け、体を張ったポストプレーを繰り返して突破口を見出そうと腐心した。54分にはペナルティーエリア手前から金崎が右足で狙う。57分には永木がミドルゾーンに投入され、気迫に満ちたハードタックルとスプリントで活力をもたらした。

そして64分、鹿島に光明をもたらしたのは背番号6だった。後方からの攻撃参加で相手のファウルを受け、ペナルティーエリア左手前で得たFK。永木がゴールを狙ったボールは壁に当たってコースが変わり、そしてネットを揺らした。1-2。勝利への渇望を体現し続けたファイターの今季初得点で、鹿島が1点差に迫った。



だが、走路は瞬く間に暗転してしまった。直後の65分、ペナルティーエリア内でボールを持った小田のバックパスを奪われて失点。鹿島は再び2点を追うこととなった。J1デビュー2戦目の若武者は攻守に体を張り続け、臆することなく「勝利のために」戦い続けていたが、痛恨のミスから追加点を許してしまった。

再び負った、2点のビハインド。大岩監督はすぐさま手を打った。66分、西と伊東を同時に投入。右サイドで縦関係を形成した2人は高い位置でパス交換の起点となり、川崎Fの守備ラインを深くまで押し込んだ。70分には西のスルーパスから伊東が最終ラインの背後を取り、クロスを供給。オープンな展開へと推移する中で、選手たちはとにかくゴールだけを目指して走り続けた。





しかし、さらなる逆風が待ち受けていた。77分、カウンターを受けて突破を阻止した昌子に警告が提示される。32分に続いて、この日2度目。レッドカードとともに、鹿島はチームリーダーを失ってしまった。2点ビハインド、アウェイ、そして数的不利。極めて苦しい状況に身を置くこととなった。それでも、永木が、金崎が、鈴木が、鬼神のごとく気迫をみなぎらせてピッチを駆け続ける。それが鹿島のユニフォームを纏う責務であり、それがなければ鹿島ではない。







結末は屈辱としか表現し得ないものだった。81分に4失点目を喫し、等々力に水色の歌声が響き渡る。それでもビジタースタンドは最後の最後まで、大音量のコールをピッチへ降り注ぎ続けていた。1-4。失意の選手たちを大きなチームコールが出迎える。次なる戦いは中3日でのホームゲームだ。25日、J1第10節で神戸をカシマに迎え撃つ。奮起するしかない。這い上がっていくしかない。



【この試合のトピックス】
・永木が今季初得点を記録した。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・シンプルにボールを動かして、相手の背後を上手く使おう。
・セットプレーの時、もっと駆け引きをして自分たちからアクションをおこそう。
・勝つ為に後半45分、最初から戦おう!

川崎フロンターレ:鬼木 達
・勢いをとぎらせず、落ち着いてサッカーをしていこう。
・守備は声を掛け合い、コンパクトな形で。
・攻撃の背後のスペースを意識して。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
観ての通り、前後半の立ち上がりに喫した失点が非常に痛かった。この試合の行方を決めてしまったと思う。ただ、選手にも伝えたが、10人になっても最後の最後まで戦い続けたことは評価している。

Q.失点の場面で、アントラーズのDFは最後にボールウォッチャーになってしまったように思うが?

A.まだ映像で観ていないが、フリーランニングや背後への進入に対してついていけなかったと分析している。川崎Fのストロングポイントは試合前からしっかりと注意をしていたが、選手たちがフリーにしてしまったことは反省しないといけない。


川崎フロンターレ:鬼木 達
多くのサポーターが後押ししてくださって、選手たちが勇敢に戦って結果が出たことが本当に嬉しい。細かい話はあまり多くはしなかった。「とにかく気持ちの部分を出そう」と送り出して、それを最後までやってくれた。球際だったり、前へ進むことだったり、自分たちがやるべきことを最後まで突き詰めてやってくれた。1点を返されてから下を向かずにすぐに取り返したことがすごく大きかった。そういうメンタル面のタフさを継続して、次につなげたい。


選手コメント

[試合後]

【伊東 幸敏】
ビハインドだったので「ボールを預けて前に行け」という指示だった。途中から入ったからには、何かを変えなければいけなかった。攻撃を活性化できればと思っていた。

【内田 篤人】
前後半の立ち上がりの失点は崩され方が同じだった。相手が引いても、うちが動かない。頑張ってはいるけど、噛み合っていない。

【永木 亮太】
立ち上がりの失点が多い。同じ失敗を繰り返している。これ以上、繰り返してはいけない。自分が入った時は2点のビハインドだったので、健斗に守備を任せて縦関係でプレーした。次の試合がすぐに来るので、みんなでやっていくしかない。

【土居 聖真】
課題の立ち上がりに失点してしまった。注意していなかったわけではないし、ミーティングでも、試合前もハーフタイムにも言っていた。それでも失点してしまったことには何か原因がある。逸稀は良くやっていた。失点は逸稀だけの責任ではなく、チーム全員の責任。

【小田 逸稀】
今日は全て自分のせい。1点を取り返して、ここからという時に中途半端なプレーをしてしまった。反省しないといけない。


2018明治安田生命J1リーグ 第9節



◆ACLでの疑問…「Jリーグの巨人たちはどこで間違ってしまったのか?」(Qoly)





Jリーグから4チームが参戦した今年のACL。だが、決勝トーナメントに進出したのは、鹿島アントラーズだけ。

そんななか、『foxsports』は「ACLグループステージにおける6つの疑問」という特集記事を配信。Jリーグ勢についての疑問もあったのだが、それ以外の5つはこんな感じだった。

Jリーグの巨人たちはどこで間違ってしまったのか?

「これまで6度の(ACL)王者を輩出しているJリーグ、日本はACL史上において韓国に次いで2番目に成功している国だ。
よって、今季ラウンド16に進めたのが4チーム中1つだったことは、アジアにおける誇り高いフットボール国家のひとつ(である日本)にとっては残念な結果だ。
ただ、日本のクラブたちはこの大陸最高の大会にそれほど真剣でなかったように見える。
Jリーグの優勝賞金のほうがACLよりもはるかに儲かるということに、その多くが起因している。
最終的には、クラブ側に大会を優先順位付けする権利がある。
だが、セレッソ大阪や川崎フロンターレのようなクラブが、ベストチームを組める試合で完全なるリザーブチームだったのは残念だった。
結果的に、ノックアウトラウンドにおいて日本のために戦い続けるのは鹿島アントラーズだけになった。
チームには昌子源、鈴木優磨、三竿健斗ら質のある選手たちがおり、もし次の対戦相手が上海上港であるという事実がなければ、まだ相当なインパクトをもたらせたかもしれない」

鹿島はオスカルやフッキらを擁する上海上港との対戦が決まっている。グループステージでは川崎を撃破するなど首位通過した相手にどこまで立ち向かえるか。


ACLでの疑問…「Jリーグの巨人たちはどこで間違ってしまったのか?」

◆J屈指の名将、日本再上陸。浦和新監督、オリヴェイラ。ブラジルで“渡り鳥”も…その監督像とは?(フットボールチャンネル)


浦和レッズは19日、オズワルド・オリヴェイラ氏の新監督就任を発表した。浦和は今月2日に堀孝史前監督との契約を解除してから、大槻毅監督が暫定的にチームの指揮を執っていた。かつて鹿島アントラーズを率いて数々のタイトルを獲得した名将はどのような人物なのだろうか。

優れたモチベーター



 2002年にヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)を制してから数年、鹿島アントラーズはタイトルから見放されていた。第一次トニーニョ・セレーゾ政権が2005年に終わり、翌年から引き継いだパウロ・アウトゥオリ体制も1年で幕を閉じた。

 そして、オズワルド・オリヴェイラがやって来た。開幕5戦勝ちなしと出遅れたが、終盤にかけて猛烈な追い上げを見せる。残り5試合の時点で首位・浦和レッズとの勝ち点差は「10」あった。だが、鹿島は怒とうの9連勝を達成。浦和は最終節で横浜FCに敗れ、最後の最後で順位が逆転し、鹿島が奇跡を起こしたのだった。

 初年度のリーグ制覇はあまりに劇的だったが、ここから鹿島は常勝軍団の力を誇示することになる。2008年、2009年もリーグ優勝を果たすのだ。連敗を喫することもあるなど、数字上は圧倒的に強かったわけではない。しかし、勝負所の強さは尋常ではない。大一番で輝き、最後に笑うのは鹿島だった。

 1993年に開幕したJリーグにおいて、J1で3連覇を成し遂げたのはオリヴェイラ監督時代の鹿島だけである。

 またオリヴェイラ監督が鹿島を率いた5年間で、チームは毎年、国内タイトルを一つは獲得している。選手のクオリティも高く、伝統的に勝負強さが際立つチームではある。主力が年齢的な成熟期に入ったことも大きかったかもしれない。とはいえ、個性的な面々を強固な集団として束ねたのはこのブラジル人指揮官だろう。

 選手の家族にビデオレターを依頼し、試合前に流すことでイレブンの気持ちを一気に上げるなど、オリヴェイラ監督は優れたモチベーターでもあったという。そうした点も踏まえ、彼の手腕は「オズの魔法使い」と形容された。

ブラジル代表も育てた

 当時の鹿島はクラブの十八番であるサイド攻撃や鋭いショートカウンターを軸に強さを発揮。ボールを持たせれば流麗なコンビネーションを見せ、守備も簡単には崩れない。結果論ではあるが、前人未到の3連覇達成も納得といったところである。

 母国ブラジルでは、コリンチャンス、サン・パウロ、フラメンゴ、サントスなど名門クラブの監督を歴任。そのキャリアの中で、カカーやロビーニョといったスターも指導してきた。また2000年にはコリンチャンスを率いてFIFAクラブ世界選手権で優勝している。

 ただ、鹿島からブラジルに帰国してからは思うような結果を残せていない。2013年にリオ・デ・ジャネイロ州選手権のタイトルを獲得したものの、就任と解任を繰り返す形でクラブを渡り歩いている。今年2月に解任されたアトレチコ・ミネイロでは、メディアとの関係悪化がブラジルメディアで報じられていたようだ。それでも、率いたクラブは名門ばかり。国内でも評価されている証ではないだろうか。

 浦和でも結果が出なければ懐疑的な目を向けられるだろうが、今は期待感のほうが大きいのではないか。

 浦和の中村修三GMはクラブの公式HPでコメントを発表している。

「監督選定の基準は3点ありました。1点目は、タイトル獲得経験があること、2点目は、日本をよく知っていること、そして3点目は、これまで目指してきた強くて魅力あるチーム作りを行える人材であることです。さらにオリヴェイラ監督は情熱と厳しい規律を持って指導してくださる方ですから、大槻監督が立て直してくれたチームを、今後、さらに改善してくださる人物だと考えています」

 またオリヴェイラ監督は、「力強い応援に後押しされるこの素晴らしいチームの指揮をとる機会をいただき光栄に思います。高いモチベーションをもって結果をもとめ、みなさんと共に戦いたいと思います」とコメントを発表。日本で新たなキャリアを築くことを楽しみにしているようだ。

 鹿島時代に国内タイトルを全て獲得した名将は、新天地でどのような采配を見せるだろうか。初陣は25日、明治安田生命J1リーグ第10節・柏レイソル戦となる。

【了】


J屈指の名将、日本再上陸。浦和新監督、オリヴェイラ。ブラジルで“渡り鳥”も…その監督像とは?



◆リーガで奮闘する乾貴士、柴崎岳の強みとは? 宮澤ミシェル氏が“DF目線”で解説!(サッカーキング)




 4月21日に行われるリーガ・エスパニョーラ第34節で、乾貴士が所属するエイバルと柴崎岳が所属するヘタフェが対戦する。リーガ史上初の日本人対決実現に向けてスペインで奮闘中の乾と柴崎は、対戦相手のDFにとって脅威を与える存在となっているのか。現役時代にセンターバックとしてプレーし、現在はWOWOWのリーガ解説として活躍する宮澤ミシェルさんが“DF目線”で両選手の強みを考察した。

インタビュー・文=国井洋之 取材協力=WOWOW

■DFにとって厄介な選手とは?

——日本人選手2人についてお話を聞く前に、まずは守る側の選手、DFの思考についてうかがいます。DFは普段どんなことを考え、どんなメンタリティでプレーしているものなのですか?

 DFには個人でやれることと、チームが機能して初めてやれることがあります。自分たちの前の選手、つまり前線や中盤の選手たちがどう機能するかによって、最終ラインの守り方も変わってくるんです。前のプレスが効いていれば、後ろはやるべき仕事が整理されるので勝負しやすくなる。ところが前が機能していないと、後ろの仕事が増えて後手を踏むわけです。そういう意味では守りはチームありきですね。「後ろが弱い」と言われるチームの大半は、チーム全体の守備が機能していないということが多いと思います。

——ご自身が現役の頃、相手にどんなプレーをされるのが嫌でしたか?

 すり抜けるのがうまいタイプ、ポストプレーヤータイプ、ドリブラータイプ……いろいろなタイプの選手がいますけど、相手の特徴は試合前にある程度分かっているわけですから、それに対していかに自分をアジャストさせていくかが重要になります。「前を向かせないように」とか「左足を使わせないように」とか、「右サイドに逃がしておいたほうがいい」とか……。相手の長所を知って、いかに潰していくかの作業ですね。

——事前に相手の情報を得て、選手ごとに守り方を決めていくと?

 そうです。ただ、もちろん自分だけでなく、「中盤はこう守ってくれ」というような周りとの擦り合わせも必要です。先ほど言ったように、DFは周囲の助けがない状態では対応のしようがないですからね。例えば、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)と対戦する時は、ボランチの選手に「(ラモン)ディアスの最初のパスコースだけは切ってくれ」と指示していました。最初のパスコースを切られると相手は動き直しますから、DFとしては時間的な余裕が生まれるんです。

 ただ、一流選手を相手にしていると、こちらが準備していたものを上回ってくることがある。当時よく対戦していたスキラッチ(元ジュビロ磐田)はそういう選手でしたね。彼を右サイドでプレーさせると面倒なことになるので、僕は常に自分から見て左側をケアしていた。すると、彼は左側に引っ張るだけ引っ張って、こちらが出ていったタイミングでスッと右側に入ってくるんです。スキラッチはスピードがあるので、一度すり抜けられるともう追いつけない。そういうプレーをされた時にDFは「コイツは危険だ」と感じるわけです。

——現在のリーガで「この選手とはやりたくない」という選手はいますか?

 (リオネル)メッシや(クリスティアーノ)ロナウドはもう別次元ですけど、例えばバレンシアのロドリゴなんかは嫌な選手ですね。彼の斜めに入ってくる動き、この「斜めの動き」がDFにとっては一番厄介なんです。自分でついていくのか、味方に受け渡すのかの判断がとても難しいですし、ついていった結果、自分が空けたスペースを使われたりすることもある。そこにタイミング良く縦パスを入れられたらDFは終わりです。僕自身、現役時代に一番嫌だったのはスッと斜めに入ってきて一瞬のスピードで裏に抜けるタイプでした。

■乾は繊細なボールタッチ、柴崎は独特のサッカー観が武器

——DF目線のお話を踏まえた上で、乾選手についてうかがいます。DFにとって「乾貴士の一番厄介なところ」はどこだと思いますか?

 まずボールコントロールの部分、技術がしっかりしているのが大きいですね。相手に「下手だな」と思われるのと、「上手だな」と思わせるのとでは、DFの対応も全く変わってきますから。さらに言うと、乾選手は数多くボールに触れるタイプですよね。彼のようにボールタッチが細かいタイプは、DFから見るとタックルの仕掛けどころがなくて非常に守りにくいんです。ボールを常に自分のコントロール下に置いているから、間合いを詰めてもクッと角度を変えて逃げられてしまう。DFとしては迂闊に飛び込めない状況です。

 ヨーロッパの選手たちは間合いが広いので、「ここなら届かないだろう」というところにも足が伸びてくる。でも、ドイツとスペインで揉まれてきた乾選手は、どこにボールを置いておけば相手に届かないかを感覚的に知っているんです。だから、相手の重心を見てフェイント一つでグンと入っていける。タイミングを外すだけでいいんです。代表戦で日本に帰ってきた時も、そういうプレーで相手を振り切っていました。

 ただ、最近は難しくなっている部分もあります。恐らく対戦相手のミーティングでは「あのアジア人には気をつけろ」という指示が出ていて、しっかりと対策されているんだと思います。そういう中でDFにとってより怖い選手になるためには、ボールを中に運ぶプレーを増やしていくことが大事だと思います。リーガに来たばかりの頃はそれができていたんですが、相手に読まれ始めたのもあって、最近は外一辺倒になっている気がします。その点は少し物足りないですね。

 乾選手はいいクロスを入れているし、外のゾーンで勝負した時はチームでも絶対的な存在だと思います。でも、一皮剥けるためには、もっと中に切れ込んでいくプレーでアピールしてほしい。中に切れ込んでいくプレーはDFにとって絶対に嫌なんです。ミスを恐れず、もっとエゴイスティックにやっていいと思います。

——では、柴崎選手はどうでしょう? 「柴崎岳の一番厄介なところ」はどんなところですか?

 普通の選手には見えていないパスコース、そういうものが見えている選手はDFにとって怖い。「ここに出るだろう、ここで出すだろう」という予測とは違うコースやタイミングでパスが出てくる。これはDFにとって一番厄介なんです。

 彼のあのサッカー観は、誰もが持っているものではないし、教わって身につくものでもない。柴崎選手にはそういう特別な感覚が備わっていると思うんです。だから見ていて面白い。サッカーでは「3人目の動き」が重要だと言いますけど、柴崎選手の場合は2人目をすっ飛ばして、いきなり3人目の選手にパスを出してみたりする。そうやって自分のプレーで周囲を動かす力があるんです。

 今は出場機会が限られていますけど、とにかくボールを呼び込んで、さばいて、自分でゲームを作ってしまうぐらいの感覚でやってほしいですね。守備一辺倒のチームではそれは難しいかもしれないけど、ヘタフェは決して悪いチームじゃない。あのチームならできると思います。どこでボールをもらって、どうやってペナルティーエリアに近づくのか。パスなのか、ドリブルなのか。自分でやるのか、味方をうまく使うのか。とにかく自分は中心選手なんだというプライドを持って、自分の持ち味を発揮できるやり方を見つけてほしいです。

——4月21日にはリーガ初の日本人対決が実現するかもしれません。どんなところを楽しみにしていますか?

 ようやくリーガにもこういう時代が来たなと思いますし、見る側としては最高ですね。どちらか一方が活躍するのではなく、2人とも存在感を示してほしい。2人はタイプこそ違いますが、ゴールに絡む仕事という点では役割は一緒ですし、どんなアピールをしてくれるのか楽しみです。彼らが出るか、出ないかで見る側のテンション、僕のテンションも大きく変わってくるので、ぜひ2人の対決を見たいですね。


リーガで奮闘する乾貴士、柴崎岳の強みとは? 宮澤ミシェル氏が“DF目線”で解説!

◆鹿島小田、初の連勝へ「戦う姿勢で勢いもたらす」(ニッカン)





 宿敵に勝って今季初の連勝を。

 鹿島アントラーズの21日の相手は昨季最終節で逆転優勝をさらわれた川崎フロンターレ。リーグ戦の対戦で4戦勝ちなし(3連敗)と苦しむ相手だけに、リーグ初出場の第8節名古屋グランパス戦でDAZN週間ベストプレーヤーに選ばれたDF小田は「ハンパない相手。1人1人の質が高い。でも、勝てば自分もハンパなくなれる。戦う姿勢で勢いをもたらすのが持ち味。ガツガツ行きたい」と若者らしく誓った。


鹿島小田、初の連勝へ「戦う姿勢で勢いもたらす」




◆鹿島“原点回帰”で今季初連勝へ!土居「一瞬でも隙見せない」(スポニチ)


明治安田生命J1第9節 鹿島―川崎F ( 2018年4月21日 等々力 )





 鹿島が21日、敵地の川崎F戦に臨む。

 昨季は終盤の2戦で1得点でも決めていれば川崎Fを上回って優勝できていた。FW土居は「去年知ったその悔しい気持ちが薄れてはいけない」と言い「一瞬でも隙を見せた方が苦しい展開になる」と試合を見据えた。「一人一人がやるべきことをやろう」と選手ミーティングで話し合った後に4試合ぶりの白星を挙げた14日の名古屋戦と同じ11人で臨むことが濃厚。“原点回帰”の姿勢で、今季初連勝へ挑む。


鹿島“原点回帰”で今季初連勝へ!土居「一瞬でも隙見せない」




◆鹿島・鈴木「借り返す」 21日因縁川崎戦(サンスポ)






 アジア・チャンピオンズリーグの水原(韓国)戦から中3日で敵地、川崎戦(21日)に臨む鹿島は19日、約30分の軽めの調整を実施した。昨季は最終節で逆転Vを許し、ホーム、アウェーともに黒星を喫した相手。FW鈴木は「借りを返さないといけない。勝てば(流れが)くると思う。得点という結果を出したい」と雪辱を誓い、ゴールを宣言した。(鹿嶋市)


鹿島・鈴木「借り返す」 21日因縁川崎戦




◆【鹿島】植田、「悔しさが確実に残っている」西野監督&関塚技術委員長も視察へ(報知)





 鹿島は20日、茨城・鹿嶋市内で川崎戦(21日・等々力)に向けて調整した。川崎は昨シーズンの最終節で勝ち点を並ばれ、得失点差で優勝をさらわれた因縁の相手。直接対決でも2戦2敗6失点と苦戦した。大岩剛監督(45)は「当然、あの悔しさはチームみんなが持っている」と語り、DF植田直通(23)も「(悔しさが)確実に残っている。相手を自由にやらせず、1対1の局面で負けないようにしたい」と誓った。

 また、同戦には日本代表の西野朗監督(63)、関塚隆技術委員長(57)の“二大巨頭”が駆けつける予定。DF昌子源(25)、植田直通(23)、内田篤人(30)、MF三竿健斗(22)、FW金崎夢生(29)ら先発予定の代表候補勢をチェックする。


【鹿島】植田、「悔しさが確実に残っている」西野監督&関塚技術委員長も視察へ



◆鹿島植田が闘志、因縁川崎F戦で悔しさ「ぶつける」(ニッカン)





 鹿島アントラーズが因縁の川崎フロンターレ戦へ今季初めて前節と同じメンバーで臨む可能性が高まった。これまでけが人や体調不良で毎節、先発が入れ替わっていたが、DF内田、MF小笠原らが変わらず出場する見込み。

 昨季は2試合とも3失点して敗れた上に、逆転優勝もさらわれた。DF植田は「昨年負けた相手だし、優勝を譲ってしまった相手でもある。悔しさは確実に残っている。ぶつけたい」と力を込めた。


鹿島植田が闘志、因縁川崎F戦で悔しさ「ぶつける」




◆昨季優勝争いを演じた川崎Fと鹿島の熱きバトル再び。ここが巻き返しを図る好機だ【プレビュー/J1第9節】(GOAL)





明治安田生命J1リーグ第9節が21・22日に開催される。等々力陸上競技場では21日、6位・川崎フロンターレが、8位・鹿島アントラーズを迎える。

明治安田治生命J1リーグは15連戦の真っただ中だ。前節から中3日、もしくは中2日というタイトなスケジュールで試合が続いている。21・22日には第9節の9試合が開催。等々力陸上競技場では21日、川崎フロンターレと鹿島アントラーズが対戦する。昨季首位の川崎Fと2位の鹿島はともに今季、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を戦ってきたが、川崎Fはグループステージで敗退し、鹿島はラウンド16に進出と明暗が分かれた。

■公式戦6試合勝ち星がない川崎F

川崎Fの直近の試合は18日、ACLグループステージ第6節の蔚山現代戦。ホーム・等々力でのグループステージ最終節は前半、MF鈴木雄斗、長谷川竜也が決めて2点を奪ったものの、後半に追い付かれて2-2のドローに終わった。J1王者として臨んだアジアの戦いは、グループF最下位での敗退という屈辱的な結果となった。

この試合を含めて川崎Fは公式戦6試合白星がない。勝利は3月18日の第4節・名古屋戦(1-0)までさかのぼる。この間、第5節・広島戦(0-1)では試合終盤にパトリックの一撃で敗れ、続く第6節・横浜FM戦(1-1)、第7節・C大阪戦(1-2)では、ともに先制するも失点を喫し、勝ち点3を逃している。リーグ前節・仙台戦は公式戦5試合ぶりの無失点に終わったものの、本来の持ち味であるはずのビルドアップと攻撃力が相手に抑えられ、スコアレスドローに終わった。

この試合の川崎Fは前半、1トップの知念慶にボールを預ける形に終始。「鬼さん(鬼木達監督)もハーフタイムに言っていましたが、蹴りたくない。蹴るのは、僕らのサッカーではないので」と、知念が振り返ったように、「相手(川崎F)の良さである中盤を消しにいくことをチームとしてやった」(MF野津田岳人)と仙台の術中にハマり、自分たちの形を出し切れず。後半はFW大久保嘉人が投入され、主導権をつかんだ時間帯もあったものの、最後までゴールを揺らすことはできなかった。C大阪戦でFW小林悠が負傷し、戦列を離れているが、FW齋藤学がACL蔚山戦で先発出場して先制点を演出するなど、調子が上向きなのは朗報か。いすれにしても総力戦になることは間違いない。

■鹿島、対川崎Fの対戦成績は不利だが…

対する鹿島は17日のACL第6節で水原三星とホーム・県立カシマサッカースタジアムで対戦。0-1で敗れてグループH首位の座を水原に譲ったものの、2位で日本勢唯一のラウンド16進出を決めている。リーグ戦では8位に沈んでいるが、前節で名古屋に2-0で勝利を収め、公式戦5試合ぶりの白星を挙げた。試合は、10分にFW鈴木優磨ののクロスをFW金崎夢生が決めて先制。88分には再び金崎。相手DFからボールを奪うとFW山口一真に展開し、裏に抜けて山口からのパスを受け、相手GKとの1対1を制し、ダメ押しの2点目を決めた。金崎は今季リーグ戦で鹿島が挙げた6得点のうち5得点を決めるなど好調で、得点ランク首位タイにつけている。また、この名古屋戦で負傷離脱していた右サイドバックの内田篤人が復帰。2月25日の第1節・清水戦(0-0)以来、7試合ぶりに先発出場し、77分間プレーした。

リーグ戦での通算対戦成績は川崎Fが14勝5分9敗と大幅な勝ち越し中。また、直近のリーグ戦での対戦も川崎Fが3連勝中だ。 とはいえ、昨季、リーグ終盤戦で激しい優勝争いを繰り広げた両者の一戦だけに試合の行方は占うのは難しい。ともにここで勝ち点3をつかみ、上位進出の足掛かりとしたい。 試合は21日16時に等々力陸上競技場でキックオフ。チケットは完売、熱き戦いになることは間違いない。

■J1第9節 試合日程

4/21(土)
13:00 清水エスパルス vs FC東京(アイスタ)
14:00 ベガルタ仙台 vs ジュビロ磐田(ユアスタ)
14:00 サンフレッチェ広島 vs サガン鳥栖(Eスタ)
16:00 浦和レッズ vs 北海道コンサドーレ札幌(埼玉)
16:00 川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ(等々力)
16:00 横浜F・マリノス vs 湘南ベルマーレ(日産ス)
16:00 ヴィッセル神戸 vs 名古屋グランパス(ノエスタ)
19:00 ガンバ大阪 vs セレッソ大阪(吹田S)

4/22(日)
16:00 V・ファーレン長崎 vs 柏レイソル(トラスタ)

昨季優勝争いを演じた川崎Fと鹿島の熱きバトル再び。ここが巻き返しを図る好機だ【プレビュー/J1第9節】



◆【川崎vs鹿島プレビュー】川崎は知念、守田ら若手の先発が濃厚…雪辱を期す鹿島はベテランの働きに注目(サッカーキング)



■川崎フロンターレ 前節で負傷した大島は出場回避か、小林も欠場濃厚



【プラス材料】
 ミッドウィークの蔚山現代戦はターンオーバーで戦ったため、主力は連戦を回避することができた。過密日程で主力の多くは疲労の色が濃かっただけに、フレッシュな状態でゲームに臨めるというのが何よりの明るい材料だ。

 リーグ前節に引き続きFW知念慶やMF守田英正といった若手の先発が濃厚で、「自分たちの良さを出して欲しい。うまくフォローしてあげれれば」と、ベテランのMF中村憲剛は期待を口にする。

 昨季、最後まで優勝を争った鹿島にはリーグ2戦2勝と直接対決では連勝している。2戦ともに3得点を挙げて攻撃陣が爆発したことも特徴で、ここ最近、得点の湿りがちな攻撃陣にとっては改善のきっかけにしたい一戦となる。

【マイナス材料】
 ここ4試合で2得点と、チーム全体が得点力不足に苦しんでいる。前節はシュート4本で無得点。ただそうした現状にも「グループの組み合わせ、個々の生かし方もあるけど、そこを掴めていないところはある。そこがクリアになれば、思い切ってできる回数も増えてくると思う」と、MF阿部浩之は冷静だった。決定機の回数も少なく、攻撃陣が思うように噛み合わなかった。得点力の改善といきたい。

 チームにとって痛いのは、前節で脇腹を負傷したMF大島僚太、左ふくらはぎの負傷で前節を欠場したFW小林悠がともに出場が難しいところだ。チームの中心選手である二人を欠いた状態で臨む中で、どれだけチームのパフォーマンスを落とさずに戦えるか。

文:いしかわごう

■鹿島アントラーズ 名古屋戦で先発の小田は合格点を与えられるプレー




【プラス材料】
 ACLグループステージの水原三星戦で0-1と敗れ、中3日で迎える川崎戦。過密日程に負傷者続出が重なり、メンバーをやりくりするだけでも苦労するなか、リーグ前節の名古屋戦で先発したDF小田逸稀は得意な対人守備で完封勝利に貢献するなど、合格点を与えられるプレーを見せた。こうした若く、出場機会の少なかった選手の活躍は、チームの活性化にもつながり、勢いをもたらすことは今までの歴史が証明している。

 また、相手は昨季最終節で逆転優勝を許した川崎。選手たちは雪辱を果たす思いでピッチに向かう。連戦の疲労があるのも事実だが、鹿島はこういう試合で勝ってきた歴史があるのも事実。単純な物差しでは測れない大一番になる。

【マイナス材料】
 DF内田篤人、DF西大伍らが実戦に戻りつつあるが、依然として負傷者が多い状況が続く。メンバーを入れ替えて臨んだ水原三星戦を落としたことも、前向きにはなれない要素だ。普段、出場機会が少ない選手がピッチにいたとはいえ、単純なミスが多く、連係面でも未熟さ、自信のなさが伺えた。

 昨季の雪辱を期す川崎戦でも結果が得られなければ、チームに出口の見えない停滞感が漂い始める可能性もある。大岩剛監督を始めとするコーチングスタッフ、選手らは必死な思いで、現状打破に向けて試行錯誤を続けているが、この切迫感が試合でどう出るか。経験豊富で、状況判断に優れるMF小笠原満男、内田がどうチームを導くかが、カギを握る。


文:totoONE編集部

【川崎vs鹿島プレビュー】川崎は知念、守田ら若手の先発が濃厚…雪辱を期す鹿島はベテランの働きに注目