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2018年5月6日日曜日

◆大迫勇也、恩師との再タッグの可能性は消滅か…フォルトゥナ幹部は「実現は難しい」と否定的(GOAL)




去就報道が騒がれ始める大迫。フォルトゥナは新天地とはならない模様。

ケルンに所属する日本代表FW大迫勇也は、フォルトゥナ・デュッセルドルフ移籍は実現しないようだ。地元紙『ウェストドイチェ・ツァイトゥング』が伝えた。

1部昇格を決めたフォルトゥナだが、先日には2部降格となるケルンから大迫をも獲得するとの報道が浮上していた。原口元気や宇佐美貴史の完全移籍での獲得が実現した場合、すでに住居をデュッセルドルフに置く大迫にとって、隣町のクラブは馴染みやすいとの理由から移籍の可能性が高いと伝えられていた。

しかし、フォルトゥナのロベルト・シェーファー取締役は3日、同選手の獲得を目指していないことを強調。「オオサコと(フリードヘルム)フンケルは以前、1860ミュンヘンで一緒によい仕事をしていたね」と大迫とフンケル監督との関係に触れながら、「だが我々にとって実現は難しい」と再会の可能性を否定している。

大迫はケルンと2020年までの契約を残すも、その中には降格時に行使可能となる契約解除条項が盛り込まれているとされる。報道では、これを行使するための設定額は「比較的安価」と見られるも、同選手が求める年俸がフォルトゥナにとってネックとなることが指摘されている。


大迫勇也、恩師との再タッグの可能性は消滅か…フォルトゥナ幹部は「実現は難しい」と否定的

◆「ジーコの負けず嫌いはハンパなかった」。 本田泰人はその魂を継いだ(Sportiva)




遺伝子 ~鹿島アントラーズ 絶対勝利の哲学~(11) 
本田泰人 前編

◆新連載・アントラーズ「常勝の遺伝子」。 生え抜き土居聖真は見てきた(Sportiva)
◆土居聖真「ボールを持つのが 怖くなるほど、鹿島はミスに厳しかった」(Sportiva)
◆中田浩二「アントラーズの紅白戦は きつかった。試合がラクに感じた」(Sportiva)
◆中田浩二は考えた。「元選手が 経営サイドに身を置くことは重要だ」(Sportiva)
◆スタジアム近所の子供が守護神に。 曽ヶ端準とアントラーズの幸せな歩み(Sportiva)
◆曽ヶ端準「ヘタでも、チームを 勝たせられる選手なら使うでしょ?」(Sportiva)
◆移籍組の名良橋晃は「相手PKに ガックリしただけで雷を落とされた」(Sportiva)
◆名良橋晃がジョルジーニョから継ぎ、 内田篤人に渡した「2」への思い(Sportiva)
◆レオシルバは知っていた。「鹿島? ジーコがプレーしたクラブだろ」(Sportiva)
◆「鹿島アントラーズは、まさにブラジル」 と言い切るレオシルバの真意(Sportiva)


 5月2日、V・ファーレン長崎をホームに迎えた鹿島アントラーズは、前半4分に鈴木優磨のゴールで、先制点を獲得したものの、18分に同点弾を許してしまう。30分に金崎夢生が追加点となるPKを決め、勝ち越すことができたが、後半は長崎に押し込まれる時間が長く続いた。それでも得点を許さず、試合終了を迎え、4試合ぶりの勝利を飾った。

「ものすごく時間をかけて話し合い、練習でもコミュニケーションをとってきたなかで、今日は自分たちがやりたいようにやれた部分もあったけれど、失点もそうですし、やられる部分もあった。押し込まれる時間帯というのは、今までもたくさんあった。そういう時間帯でも、自分たちがどっしりと構え、無失点でやってきたという自信が僕らにはある。それを取り戻すというか、そういう戦い方もできるようにしたかった。

 そういう意味で、今日の後半だけを見れば、あれだけ押し込まれても失点がなかったのは、良い点だったと思う。もちろん、改善するところも出てきたので、そこを修正し、もっとレベルアップしたい」

 植田直通が試合をそう振り返った。

 4月28日の対横浜F・マリノス戦で、0-3と敗れたあと、大岩剛監督は「継続しなければいけないことと、守備面でやり直さなくちゃいけないことがある」と語っている。アウェー戦では、4月21日の川崎フロンターレ戦でも4失点を喫していることを考えれば、守備の修正は当然のことだろう。

 そういう意味では植田の言葉通り、長崎戦の後半は相手にボールを持たれても、慌てることなく、守り切れた。しかし、三竿健斗は「後半はラインが下がってしまい、プレスにいけないところもあった。主導権を握った守備をしなくてはならない」と語っている。

 久しぶりの勝利となったが、選手たちに安堵感は見られなかった。今季ホームでは負けていないが、アウェー戦では未勝利という現実は変わらない。

 小笠原満男の一言が、選手たちの思いを伝えていると思った。

「久しぶりの勝利ですね」というこちらの問いかけに、小笠原は吐き捨てるように言った。

「たかが1勝」

 そのスタンスが鹿島アントラーズの矜持(きょうじ)なのだろう。

 中2日で迎えるホームでの浦和レッズ戦で勝利し、連勝しなければ、長崎戦の勝利の意味がないこと選手たちは自覚している。遠藤康が言う。

「楽しみなぶん、勝たなくちゃいけないという気持ちが強い」

 すでにチケットは完売。かつて鹿島の指揮官として3連覇を成し遂げたオズワルド・オリヴェイラ監督率いる浦和をホームに迎える大一番は、鹿島の意地を賭けた試合になる。

*    *     *




 ジーコからキャプテンマークを引き継ぎ、そのスピリッツの継承者として、鹿島アントラーズの歴史の礎(いしずえ)を築いた本田泰人。帝京高校から本田技研入りしたものの、本田技研がJリーグ入りしないことを表明し、監督の宮本征勝、コーチの関塚隆とともに鹿島入りし、2006年鹿島で現役を引退した。 

――鹿島アントラーズの母体となる住友金属がJリーグ入りを果たしたとき、本田さんをはじめ、本田技研からは、黒崎久志(当時の登録名は比差支)さん、長谷川祥之さん、内藤就行さん、入井和久さん、千葉修さんなど多くの選手が鹿島の一員となりましたね。

「本田技研がJリーグに参加しないことになり、キーちゃん(北澤豪)や石川康などが早々にJリーグに参加するクラブへ移籍を決めるんだけど、『急ぐことはないだろう』と残っていたのが僕らだった。当時、すでに宮本さんは本田を離れていたんだけど、1992年に鹿島の初代監督に就任することが決まり、それを機に移籍することになった」

――当時の本田技研はJSL(日本サッカーリーグ)で上位争いをするようなクラブでしたが、アントラーズの母体となる住友金属は2部リーグ。不安はなかったのでしょうか?

「当然ありました。でも、ジーコがいるというのは大きかった。僕にとってのアイドルですからね。ジーコのもとで、ジーコとサッカーができるチャンスはそうあるものじゃないでしょう? 

 そして、クラブハウスやスタジアムの完成予想図なんかを見せてもらって、『こんなに環境のいい場所でサッカーができるのか』という気持ちにもなった。それと鹿嶋という土地も僕には魅力的だった。だって、工場があるくらいでほとんど何もないような場所。遊びに行くところもないし、サッカーに集中するしかない環境だったから」

――とはいえ、今まで日本のトップリーグでプレーしていたわけですし、レベルの違いやカルチャーショックのようなものはありませんでしたか? 
「もちろんありましたよ。(宮本)監督もそれを感じていたのか、体力作りと基礎練習が長く続きました。本田技研時代もシーズン前のキャンプでは1カ月くらい同じようなことをやっていましたが、その後は徐々に戦術練習へ移るんです。でも、鹿島ではそれが2カ月くらい続きました。ジーコはこのなかでプレーしていたのかと思うと、逆にすごさを感じました」

――住友金属組、本田技研組、そのほかにも日産やNTTからの移籍加入選手でスタートしたアントラーズが、まとまっていく過程というのをどんなふうに感じていましたか?

「やはりジーコという象徴がいたことは大きかった。何より勝利に対するこだわりの強さは強烈だったし、チームは家族なのだから、まずはチームのことを考えるということを選手たちに求め、選手もそれに応えようと必死でした。技術的に劣るなら、走力で補うとか、できることに全力を尽くす。それがプロだと。

『チームのために』というのは本田技研時代に宮本さんもよく話されていたことでしたし、いろんなクラブから集まってきた選手たちがまとまるうえで重要なポイントになったと思います。年齢的には本田技研組の選手はみんな若かったけれど、僕らが中心にならざるを得ないという覚悟はありました」

――1993年のJリーグ開幕前にイタリア遠征がありましたね。

「はい、あの遠征が非常に大きかったと思います。あそこでチームとしての戦術を徹底的にトレーニングしたんです。初戦はセリエCのクラブとやって引き分けられたけれど、続くクロアチア代表戦には1-8と大敗。激怒するジーコの姿は今でも思い出せます。

 翌日からはとにかく守備練習。4バックとアンカーの僕の5人で、カウンターを受けた形をひとつひとつ整理していくんです。もうヘトヘトでしたね。何度も何度も繰り返し、ゼーゼー言いながら(笑)。いつ終わるともわからない。翌日もまた同じ。どんどん疲労もたまりました。僕のキャリアのなかでも一番キツイ練習でした」

――その成果がインテルとの練習試合でドローという結果に繋がりましたね。

「向こうはトップチームだったから自信になりますね。そういうクラブと(練習試合を)セッティングできるのもジーコだからこそ。オフの日にミラノ観光していたら、(パオロ・)マルディーニ(※)が声をかけてくれたんですよ。『君たちはジーコのクラブの選手か?』って。いっしょに写真まで撮ってもらった。本当に自分たちが恵まれた環境なんだ、ジーコとチームメイトなんだと実感しましたね」




――インテル戦の結果に対して、ジーコはどんな反応だったのでしょうか?

「褒めてもらえた。ジーコはね、いいと思ったこと、頑張ったことに対しては、すごく褒めてくれるんですよ。『お前、できるじゃないか!』って。これはよく話す話ですが、ショートパスのミスに対してはメチャクチャ怒るんだけど、ミドルパスやロングパス、チャンレジしたパスに対するミスについては、『問題ない。よいチャレンジだ』と言ってくれる。そういう人なんです」

――ジーコのハットトリックもあり、開幕戦(1993年5月16日、対名古屋グランパス)を5-0で勝利したアントラーズは、そのままファーストステージ優勝を果たします。

「あの開幕戦は僕にとっても思い出深い一戦です。初戦を勝てたことでの安堵感が生まれたし、勢いがついたのは間違いないですから」

――鹿島が数多くのタイトルを獲得する強豪クラブとなったのも、あの優勝があったからだと思います。

「僕も自分は負けず嫌いだとは思っていたけれど、ジーコのそれはハンパなかった。どんなことであっても勝負事に負けると不機嫌だったし、勝てば大喜びする。その姿は、常に勝利へのこだわりを僕らに示してくれた。ジーコがアントラーズに植えつけてくれたものです。

『サッカーは勝たなければ、評価されない。プロならば勝たなくちゃいけない。24時間サッカーのことだけを考えろ』って、よく言われましたね。24時間は無理だろうと思ったりもしたけれど、年齢を重ねるとその意味が痛感できた。勝たなければお客さんは来ない。サポーター、ファンに喜んでもらえるよう、ファンサービスもちゃんとやらなくちゃいけないと、サインをするスペースを作ったり……。すべてがサッカーのため、チームのために繋がっているんです」

――そんなジーコに最も強く教わったことはなんでしょうか?

「個人として活躍すればそれでいいという気持ちは、絶対にダメだということですね。常にチームとして何ができるかを考えろと。チームはファミリー、サッカーは団体競技でチームスポーツだと。わずかひとりでも好き勝手にプレーしたら、勝てない。それを日々、ジーコから叩き込まれた。そして、キャプテンを務めるようになってからは、今度は僕が若い選手たちにそれを伝えました。いつも”チーム、チーム”と厳しく言っているから、怖がられていましたね(笑)」

(つづく)


「ジーコの負けず嫌いはハンパなかった」。本田泰人はその魂を継いだ

★オズワルド・オリヴェイラ絶叫2008&2009(日刊鹿島アントラーズニュース)








◆【鹿島】3連覇時の指揮官率いる浦和から勝利 語り継がれる07年“魂のミーティング”(報知)





 ◆明治安田生命J1リーグ第13節 鹿島1―0浦和(5日・カシマスタジアム)

  両手をポケットに突っ込んだままピッチを見つめる恩師を横目に、勝利の笛を聞いた鹿島の大岩剛監督(45)は両拳を突き上げた。かつて選手として07~09年の3連覇に貢献し、11年には新任コーチとして師事したオリヴェイラ監督率いる浦和から勝ち点3をつかみ取った。大岩監督は「素直にうれしいことです」と勝利をかみ締めた。

 エースFW金崎はPKを沈めて日本人トップタイの6点目を決めた。温厚な性格のMF三竿健は鬼の形相で両手を振り上げ、鹿島のゴール裏サポーターをあおった。DF昌子と植田の代表コンビもお互いのミスをカバーし合いながら奮闘。「優勝する上で、絶対に負けられなかった」と昌子。MF小笠原、DF西の両ベテランはセカンドボールに猛然と駆け出し、左右からの“同時スライディング”でボールを外にかき出した。GK曽ケ端も好守を連発し存在感を発揮。11人全員が勝利に執念を見せる強い鹿島が帰ってきた。

 鹿島に語り継がれるミーティングがある。逆転優勝をかけた07年の最終節・清水戦前。オリヴェイラ監督は語りかけた。「10年後、大岩は白髪が増えている。岩政(大樹)はビール腹。田代(有三)はヘディングのしすぎで頭がおかしくなり、内田(篤人)は引退試合をする選手になっているだろう。そんな君たちは、10年前に成し遂げた劇的優勝を思い出す。まさにその日が今日。みんなで歴史を作るんだ」

 清水を3―0で下し、V1を達成。その後の3連覇につなげた。そんな伝説の07年も、今季同様に開幕当初は苦戦。13節終了時は今季よりも下の9位だった。それでも終盤の9連勝などで大逆転優勝を成し遂げた。

 “魂のミーティング”から10年あまり。満員の会場で、クラブの偉人が指揮を執る浦和を下しての白星。エースが決勝点を奪い、しぶとい試合運びで90分を終えて今季初の連勝と、今後に弾みのつく勝利を手にした。「常に勝ちを続けていく」と大岩監督。鹿島の逆襲が始まる。(岡島 智哉)


【鹿島】3連覇時の指揮官率いる浦和から勝利 語り継がれる07年“魂のミーティング”




◆浦和オリヴェイラ監督がエスコート役!? “教え子”の敵将も感謝「全てに影響を受けた」(Football Zone)


浦和・オリヴェイラ監督(左)と鹿島・大岩監督(右)は、試合後に互いを称えあった【写真:Getty Images】


7年ぶりのカシマスタジアムで古巣と対戦も0-1で敗戦「眠れない夜もあった」

 J1浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督は、古巣対決となった5日の鹿島アントラーズ戦で0-1と敗戦を喫した。悔しい結果となったなか、試合後には和やかな雰囲気で記者会見に臨み、鹿島時代の教え子である敵将・大岩剛監督をエスコートする一幕もあった。

 前半25分に鹿島FW金崎夢生に与えたPKの1点を守り切られた浦和だが、オリヴェイラ監督は「はっきりその場面は見ていない」と言及。「選手があれだけ抗議するのだから、厳しいジャッジだったのだろう。(前節の)川崎フロンターレ戦では、我々にPKが与えられていいいくつかの場面で笛はなかった。基準が一定していないのではないだろうか」と、リーグ全体の判定基準に疑問を呈した。

もっとも、その表情は終始穏やかなものだった。それは「素晴らしく動きのある試合であり、両チームがゴールを狙ってプレーし続けた。結果だけが内容を反映していないアンフェアなものだった。後半は完全に支配して押し込んでいたから」。決定機を作り出しながらゴールだけが奪えなかった試合に対し、一定の満足感がある様子だった。

 また、7年ぶりとなったかつての本拠地カシマスタジアムでのゲームにも、感慨深いものがあったようだ。

「このスタジアムで鹿島と対戦すると考えれば、眠れない夜もあった。ただ、私は20クラブ以上で指揮して、どのクラブとも対戦した。いつかは、過去に指揮したクラブとの対戦は訪れるものだから、プロとして戦った」

「オズとの関係は、近くにいても、遠くにいても、大きなものがある」

 会見が終わると、オリヴェイラ監督は旧知の記者に握手を求め、「私の本を書いてくださった方もいますね」などと話しながら、なかなか会見場を後にしなかった。ホームチームの監督会見が控えていた状況に、鹿島のスタッフが苦慮していると「私がゴウ(大岩監督)を呼んできましょう」と廊下に出てエスコートする一幕も。そして「素晴らしい選手であり、素晴らしい監督であり、素晴らしい人間です」と、大岩監督をアピールして笑顔で去っていった。

 大岩監督は戸惑いつつも笑顔で握手を交わし、オリヴェイラ監督について「恩人であり、尊敬する人物であり、全てに影響を受けた。今日という日があって、いろいろな感情があるのは幸せ。オズ(オリヴェイラ監督)にも感謝したい。彼との関係は、近くにいても、遠くにいても、大きなものがある」とこちらも感慨が深そうに話していた。

 鹿島のホームで実現した名将の古巣対決は、ピッチ上では非常に白熱した激しい戦いが繰り広げられた一方で、試合後は互いを称え合うものになった。両監督にとって、キャリアの中でも思い出深い一日になったのは間違いのない。



◆浦和オリヴェイラ監督、古巣・鹿島との再会に喜びも「眠れない夜があった」(GOAL)





浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督が、PKを献上したファウルの判定について疑問を呈した。

かつて鹿島アントラーズを率いたオズワルド・オリヴェイラ監督が5日、浦和レッズの指揮官として県立カシマサッカースタジアムに帰ってきた。

「このスタジアムで鹿島と対戦する日が来る。そう考えると眠れない夜もありました。しかし、過去に指揮を執ったクラブとの対戦はいずれ訪れるものです。プロらしく自然に挑もうと思っていました」

明治安田生命J1リーグ第13節で実現した鹿島と浦和の一戦は、0-1で浦和の敗戦。オリヴェイラ監督は「素晴らしい動きのある試合だった」と称賛するも、「結果のみが内容を反映していなかった」と嘆いた。

その言葉通り、ゲームは拮抗した内容だった。双方ともに効果的な攻撃を仕掛け続け、双方ともに固く守った。PKによる1点が明暗を分ける結果となり、指揮官は判定基準に疑問を投げかける。

「(PKを与えた場面は)選手たちがあれだけ抗議するということは、厳しい判定だったということです。この前の川崎フロンターレ戦(J1第12節、浦和が2-0で勝利)でも同じような場面がありましたが、その時は笛が吹かれなかった。基準が一定していないことが問題だと思っています」

しかし、最後には鹿島の地へ戻ってこられた喜びを語り、「また再会できて本当にうれしいです。皆さん、本当にありがとうございました」と笑顔を見せた。


浦和オリヴェイラ監督、古巣・鹿島との再会に喜びも「眠れない夜があった」

◆鹿島 恩師の前で連勝「気持ちが試合に出ていた」(毎日新聞)





○鹿島1-0浦和●(5日)

 鹿島にとって特別な一戦だった。浦和を率いるオリベイラ監督は2007年からリーグ3連覇など鹿島の黄金期を築いた恩師だ。昌子は「全員の気持ちが試合に出ていた」。意地を見せ、今季初の連勝だ。

 球際で激しくぶつかり、緊迫感のある攻防となった。先制は前半25分。パスで崩して得たPKを金崎が決めた。後半は浦和の逆襲に押し込まれる展開が続いたが、粘り強く耐えた。普段より集中力が高く気持ちの入った試合運びにGK曽ケ端は「それはいつもやらないといけないこと」と振り返りつつ「我慢強くやれば点は取れるチームだと思うから」。オリベイラ監督も「チャンスを作ったが鹿島もいい守備をしていた」と古巣をたたえた。

 ここまで苦しい戦いが続いた両チーム。欲を言えばもっと上位でぶつかりたかったが、耐えて逃げ切るゲーム運びに「これが鹿島の強み。久しぶりにこういう勝ち方ができた手応えがあった」と永木は話す。何かを取り戻す一勝となったなら、価値は一層大きい。【大島祥平】


鹿島 恩師の前で連勝「気持ちが試合に出ていた」




◆鹿島曽ケ端の恩返し 恩師オリベイラ浦和から初連勝(ニッカン)





<明治安田生命J1:鹿島1-0浦和>◇第13節◇5日◇カシマ

 試合後のインタビューで話す守護神の声はかれていた。それは大岩監督も、多くの選手も。GK曽ケ端は「いつもこんな感じですよ」と笑い飛ばした。それだけ声を掛け合い、カバーし合った。鹿島アントラーズの今季初の連勝は全員でつかみ取った。

 相手は浦和レッズ。何より、かつての指揮官だったオリベイラ監督がいる。「勝ってうれしい要素が、より一層多い」とDF昌子は話していた。その思いを全員が共有していた。浦和のエース興梠に渡ったボールは昌子が防ぎ、昌子がペナルティーエリア内で奪われた場面では曽ケ端が体を張った。

 「カバーの意識がみんなあった。それがたまたま僕だったというだけ」。好セーブが目立っても、守護神は意に介さない。なぜならGKは「ちっちゃい仕事しかない」という思い。ただ、猛攻に耐えるという小さな仕事をいくつも積み重ねて、PKによる1点を守り抜いた。MF永木は「あれができるのが鹿島の強み。久しぶりにこういう勝ち方ができた」と胸を張った。

 オリベイラ監督の下で3連覇に貢献した守護神は38歳。いまだ存在感を放つ。今季初の連勝は前節の曽ケ端のリーグ戦初出場から始まった。7年ぶりに再会した同監督を「相変わらず格好良かった」と言ったが、曽ケ端も負けてはいない。【今村健人】


鹿島曽ケ端の恩返し 恩師オリベイラ浦和から初連勝




◆鹿島 金崎ブーイングなんの、初連勝導くPK弾!運動量キラリ(スポニチ)


明治安田生命J1第13節 鹿島1-0浦和 ( 2018年5月5日 カシマ )





 鹿島を今季初の連勝に導いたのはFW金崎のゴールだった。

 MF永木の巧みなターンから奪ったPK。浦和サポーター側のゴールに向かい、大ブーイングが降り注ぐ中で短い助走から左隅に蹴り込んだ。前節の長崎戦に続くPKでの得点は貴重な決勝点。今季公式戦10点目、浦和との公式戦に限れば通算9戦7発で6連勝となり、「勝てて良かった」と笑みを浮かべた。後半は浦和に攻め込まれる場面も増えたが、ブロックを敷いてボールの奪いどころを定め、統一された守備で隙を与えなかった。金崎は後半ロスタイムまでカウンターで攻め上がってゴールを狙うなど、持ち味の豊富な運動量も光った。


鹿島 金崎ブーイングなんの、初連勝導くPK弾!運動量キラリ



◆難敵を退けて今季初の連勝!鹿島MF永木亮太「勝てて疲れが吹っ飛んだ」(GOAL)




鹿島アントラーズが今季初の連勝を達成した。浦和レッズ戦に先発出場したMF永木亮太が激戦を振り返った。

鹿島アントラーズMF永木亮太が、5試合ぶりに先発出場を果たした。

鹿島は5日に行われた明治安田生命J1リーグ第13節で、浦和レッズにホームで1-0と完封勝利。2連勝で暫定7位に浮上し、9日に行われる大一番のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の上海上港戦に弾みをつけた。

この試合で左サイドハーフとしてスタメン入りした永木は、24分にPA内で巧みなターンを見せると、青木拓矢にファウルを誘発。倒されてPKを獲得した。PKを得たシーンについて永木は「カットインしていくことは、試合前から考えていたので、その中で(土居)聖真がワンタッチですごくいいボールくれて、相手が重心左にいっていたので、ターンして左足でダイレクトで打とうかなというイメージだった。そこでうまくファウルをもらえてPKにつながった」と説明。そして、このPKを金崎夢生がきっちり決めて、鹿島がリードを奪った。

「相手がレッズということもあって、みんな力が入っていた」と振り返る永木は、「自分たちの今の順位を考えても負けることができない試合だったので。今年まだ連勝もしていませんでしたし、そういった意味でも今日の試合に懸ける気持ちはみんな強く持っていました」と浦和戦への並々ならぬ思いを吐露。

さらに、この試合では本職ではない左サイドハーフでの出場となった。「不安はすごくありましたけど、まずは守備から入って、足が動くところまで頑張ろうっていう気持ちで臨みました」と冷静沈着に答えた永木。攻め込まれる時間が続いたものの、ゼロに抑えられたことは「鹿島の強み」であると語った。

「久しぶりにこういう勝ち方できたなっていう手応えがある。その試合に自分が出られたことと、こういう勝ち方ができたということは、どちらも自分の中では前向きに捉えています。試合はきつかったですけどね。でも、勝ててその疲れが吹っ飛びました」

永木の活躍もあって、ホームで連勝を飾った鹿島。ACLラウンド16の戦いを挟んで、次節は20日にホームでベガルタ仙台と対戦する。


難敵を退けて今季初の連勝!鹿島MF永木亮太「勝てて疲れが吹っ飛んだ」

◆チケット完売!! 注目の一戦は鹿島に軍配…オリヴェイラ監督率いる浦和撃破で今季初の2連勝(ゲキサカ)




[5.5 J1第13節 鹿島1-0浦和 カシマ]

 J1は5日に第13節を開催し、県立カシマサッカースタジアムでは鹿島アントラーズと浦和レッズが対戦。前半25分にFW金崎夢生のPKで鹿島が先制すると、そのまま逃げ切って1-0の完封勝利を収め、今季初の2連勝を飾った。

 ホームの鹿島は2日に行われた前節長崎戦(○2-1)から先発4人を入れ替え、FW土居聖真、MF永木亮太、MFレオ・シルバ、DF西大伍らがスターティングメンバーに名を連ねた。一方、前節川崎F戦(○2-0)でオズワルド・オリヴェイラ監督就任後、初白星を獲得した浦和は 同試合から先発1人を入れ替えてFW武藤雄樹らを先発起用した。

 07年から11年まで鹿島を率い、07年からJ1リーグ3連覇へと導いたオリヴェイラ監督が浦和の新監督に就任して、かつてのホームスタジアムへと戻ってきた注目の一戦は、全席種完売となって迎えた。

 前半15分に鹿島がフィニッシュまで持ち込むが、金崎のパスを右サイドで受けたMF遠藤康のシュートはGK西川周作の守備範囲に飛んでしまう。一方の浦和は同19分、MF柏木陽介が蹴り出した右CKが直接ゴールを襲ったものの、GK曽ヶ端準に弾き出されてしまった。同21分には鹿島がゴール前でFKの好機を得ると、永木が直接狙ったシュートが枠を捉えたが、横っ飛びした西川に右手1本で阻まれてしまう。

 スコアが動かないまま試合が進むと、前半24分にPA内で永木がMF青木拓矢のファウルを誘って鹿島がPKを獲得。キッカーを務めた金崎がきっちり蹴り込み、ホームの鹿島が先制に成功した。1点のビハインドを背負った浦和は同28分、右サイドを駆け上がった武藤の折り返しにFW興梠慎三が飛び込むが、右足で合わせたシュートは西にブロックされてしまう。さらに同36分には敵陣PA内でDF昌子源からボールを強奪したMF橋岡大樹が至近距離からシュートを放つも、距離を詰めた曽ヶ端にストップされてしまった。

 前半アディショナムタイムに興梠の落としに反応した長澤のミドルシュートが曽ヶ端の正面を突くなど、1-0と鹿島がリードしたまま後半を迎えると、同2分に浦和が好機を創出。しかし、DFマウリシオのスルーパスに反応した武藤の右足シュートは曽ヶ端に右手1本で阻まれてしまう。さらに同7分、右サイドの橋岡が打ち込んだパスを柏木がダイレクトで流し、PA内に侵入した興梠が右足で狙うも、これも曽ヶ端にストップされてしまった。

 すると後半15分に浦和ベンチが動き、柏木に代えてMFマルティノスをピッチへと送り込む。鹿島ベンチも同17分に動き、土居に代えてFW鈴木優磨を投入。さらに浦和は同23分にMF宇賀神友弥に代えてFW李忠成を投入して、状況を打開しようと試みる。同31分には鹿島がゴールを脅かすが、PA外から金崎が放ったシュートは西川に弾き出されてしまった。

 浦和は後半32分、長澤に代えて最後のカードとしてMF阿部勇樹を投入。しかし同37分に興梠のパスからPA内の阿部が放ったシュートがゴール右に外れるなど、その後も同点ゴールは生まれず。逃げ切った鹿島が1-0の完封勝利を収めた。

(取材・文 折戸岳彦)


チケット完売!! 注目の一戦は鹿島に軍配…オリヴェイラ監督率いる浦和撃破で今季初の2連勝

◆鹿島・昌子ヒヤリ…ミス反省(サンスポ)






 明治安田J1第13節第1日(5日、鹿島1-0浦和、カシマ)鹿島の日本代表DF昌子が冷や汗をかいた。前半36分、DF安西からのパスの処理を誤り、ボールを逸失。相手に奪われ、ピンチを招いたが、GK曽ケ端の好守に救われた。昌子は「左でパスを受けたかったが、右にきた。あとで意思確認はした」と反省。その後は気を引き締め、5試合ぶりの完封勝利を収め「優勝のためにもう負けられない。連勝を伸ばしていきたい」と意気込んだ。


鹿島・昌子ヒヤリ…ミス反省




◆「試合を台無しにしそうに…」昌子が勝利の喜び以上に反省した一つのミス(ゲキサカ)





[5.5 J1第13節 鹿島1-0浦和 カシマ]

 完封勝利を喜ぶよりもピンチを招いたミスを悔やんだ。鹿島アントラーズのDF昌子源が「一つのプレーで試合を台無しにしそうになった。そこは反省しないといけない」と振り返ったのは、1-0で迎えた前半36分のシーンだった。

 高い位置からプレッシャーをかけてくる浦和に対し、DF安西幸輝はバックパスを選択。自陣PA内でボールを受けた昌子だったが、トラップがわずかにズレたところを浦和MF橋岡大樹に奪われ、フィニッシュに持ち込まれた。シュートは至近距離でGK曽ヶ端準がビッグセーブ。あわや失点の場面を38歳の大ベテランに救われた。

 しかし、その後はチーム全体が高い集中力を保ち、球際でも激しく戦った。昌子も読みの鋭いインターセプトを見せるなど奮闘。危ない場面はあったが、要所要所で体を張り、浦和に反撃を許さなかった。

「浦和とやるときは基本、(興梠)慎三さんを意識してやっている。チーム全体として無失点で終えられたのは良かった」。前半7分にはMF長澤和輝のパスからFW興梠慎三に裏を取られかけたが、カバーに戻った昌子がCKに逃れた。「慎三さんともう一人走っていたけど、浦和のエースは慎三さん。必ず慎三さんに出てくると思って、もう一人は捨てて慎三さんを気にした」と胸を張った。

 浦和を率いたのは07年から11年まで鹿島を指揮し、就任1年目からリーグ3連覇を達成するなど6つのタイトルを獲得したオズワルド・オリヴェイラ監督だった。オリヴェイラ体制最終年の11年に米子北高から鹿島に入団した昌子は「僕のことを覚えているのかなと思ったけど、(試合前に挨拶したときに)名前を呼んでもらってうれしかった」と笑みをこぼし、「鹿島のことをよく知っている人。やりにくさはあったけど勝てて良かった」と、自分自身の成長もしっかりと見せた。

(取材・文 西山紘平)


「試合を台無しにしそうに…」昌子が勝利の喜び以上に反省した一つのミス



◆鹿島が今季初連勝 守備陣が連係し浦和の猛攻しのぐ(ニッカン)





<明治安田生命J1:鹿島1-0浦和>◇第13節◇5日◇カシマ

 1人がミスをしても誰かがカバーをすれば、大火事にはならない。それを証明した試合だった。鹿島アントラーズが宿敵浦和レッズの猛攻に耐えて、今季初めての連勝を飾った。

 前半36分。DF安西幸輝がDF昌子源にバックパスをした。その距離が近すぎた。安西に詰めていた浦和MF橋岡大樹にそのままついてこられた。昌子はボールを蹴ることができず、ペナルティーエリア内で奪われた。「試合を台なしにしそうになった」(昌子)と決定的なピンチが生まれかけたが、そのときのGK曽ケ端準の飛び出しは、速かった。橋岡のシュートを至近距離で体に当てる。こぼれて再び相手に渡った球は、三竿健斗らが追う。

 曽ケ端は言う。「カバーの意識がみんなあったと思いますし、それがたまたま僕だったというだけ。多くの場面でみんなが、周りをよく見えた良い対応が多かったと思います」。

 その場面ではミスをした昌子だが、前半7分の浦和のエース興梠慎三の飛び出しには、好判断のスライディングで防いだ。「もう1人走っていたと思いますけど、浦和のエースですし、必ず慎三さんに出てくるんだろうと思って、もう1人の方は捨てて、慎三さんばかり気にしていました」。

 後半はあえて前線から追わずに、守備のブロックを敷いて猛攻に耐え抜いた。その堅い守備は、鹿島らしさでもある。2列目の左の中盤に入って追い回したMF永木亮太は「あれができるのが鹿島の強みだと思っています。久しぶりにこういう勝ち方ができたなって、自分の中では手応えがある」と胸を張った。

 相手のオリベイラ監督は、鹿島を5年間率いて、3連覇にも導いた元指揮官。その相手に、3万3000人超のサポーターも強烈なブーイングで、鹿島イレブンの背中を後押しした。「サポーターの力がどれほど力になるか、今日の試合でまた1つ証明できたと思います」。昌子はそう言って、感謝していた。


鹿島が今季初連勝 守備陣が連係し浦和の猛攻しのぐ



◆鹿島が今季初連勝、対浦和で公式戦6連勝 大岩監督は反省「前に出ていく力も必要」(デイリー)





 「明治安田生命J1、鹿島1-0浦和」(5日、カシマサッカースタジアム)

 鹿島は前半25分にFW金崎のPKで先制。この1点を守り切って、5試合ぶりの完封でリーグ戦今季初の連勝を飾った。浦和戦は16年のチャンピオンシップ決勝から公式戦6連勝となった。

 大岩監督は「90分通して言えばいいところと悪いところが出た。強度の高いゲームになった。リードしている分、後ろに重たくなるところが多かった。盛り返すためには前に出て行く力も必要」と冷静に振り返った。

 次戦はアジア・チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦。「日本の代表としてしっかりとこの2試合を戦って次に向かいたい」と抱負を述べた。

 浦和はオリベイラ監督にとって、かつて率いた鹿島との一戦だったが、白星で飾れなかった。


鹿島が今季初連勝、対浦和で公式戦6連勝 大岩監督は反省「前に出ていく力も必要」




◆鹿島、金崎の1点を守り抜く…浦和のオリヴェイラ監督は古巣凱旋も勝利飾れず(サッカーキング)





2018.05.05 17:00
県立カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズ 1 終了 0 浦和レッズ

 明治安田生命J1リーグ第13節が5日に行われ、鹿島アントラーズと浦和レッズが対戦した。

 先にスコアボードを動かしたのは、ホームの鹿島アントラーズだった。25分、ペナルティエリア内で仕掛けようとした永木亮太が倒されてPKを獲得。これを金崎夢生が冷静に左隅に流し込み、先制点を奪った。

 今度は浦和にチャンスが訪れる。36分、鹿島が自陣ペナルティエリア内でボールを回そうとし、昌子源がキープ。そこにプレスをかけた橋岡大樹がそのままボールを奪い、GKと1対1となりシュートを放つ。しかし、これは飛び出てきた曽ヶ端準にセーブされ、同点には至らない。

 76分、追加点を狙いたい鹿島はが攻め立てる。敵陣ペナルティエリア外右サイドでボールを受けた金崎が切り返しで相手のマークを外すと、左足でシュートを放った。しかし、相手GKのビッグセーブに阻まれてネットを揺らすことはできなかった。

 その後浦和の勢いのある攻めを守りきった鹿島がリーグ戦2連勝。一方の浦和は、オズワルド・オリヴェイラ体制初のリーグ戦連勝とはならなかった。

【スコア】
鹿島アントラーズ 1-0 浦和レッズ

【得点者】
1-0 25分 金崎夢生(PK)(鹿島)


鹿島、金崎の1点を守り抜く…浦和のオリヴェイラ監督は古巣凱旋も勝利飾れず




◆2018明治安田生命J1リーグ 第13節(オフィシャル)





明治安田J1 第13節

鹿島、満員の聖地で浦和を撃破!金崎が値千金のPK弾、曽ケ端がビッグセーブ連発!

満員の聖地で、鹿島が力強く連勝街道を走り始めた。J1第13節、浦和レッズをカシマスタジアムに迎え撃つと、25分に金崎がPKを突き刺して先制に成功。後半は押し込まれる時間が続いたが、曽ケ端が安定感抜群のセービングでゴールを死守した。1-0。会心のウノゼロを演じ、かけがえのない3ポイントを掴んだ。

3日前の長崎戦、鹿島は鈴木と金崎のアベック弾で2-1と競り勝った。わずか1勝に終わった4月を経て、もがき苦しんだ先に掴み取った3ポイントだった。劣勢を強いられた後半の試合運びなど、修正点が多々あったことは確かだ。それでも昌子は「苦しい中で、全員の力で掴んだ勝利だと思う」と前を向き、三竿健斗は「今は勝つことが何よりの自信になる」と、聖地で掴み取った白星の価値を語っていた。

雨中の聖地に響き渡った勝者の歌声。アントラーズファミリー全員で喜びを分かち合う至福の時を、再び迎えるために――。勝利だけを目指し、選手たちは翌日の午後からトレーニングを再開した。ゴールデンウィークのクラブハウスには多くの背番号12が駆け付け、チームの士気を高めていく。青空に恵まれた試合前日はミーティングをした後、セットプレー練習を入念に実施。チケット完売の大一番へ、集中力を高めていった。遠藤は「良い雰囲気の中で、良い試合をしたい」と前置きしつつ、「でも、勝たないと意味がない」と決意を語っていた。

毎年、大いなる注目度とともに幕を開けるビッグマッチ。意地と気迫をみなぎらせて勝利を掴みに行く90分を前に、大岩監督はもう一つの因縁について口を開いた。「彼の下で現役を引退したし、アントラーズのスタッフにもなった。恩師のような存在で、指導者として受けた影響は大きい」。浦和の指揮官は、オズワルド オリヴェイラ。黄金時代を築き上げた名将と、敵として初めて対峙する一戦だ。幾多もの感情が去来する中、しかし揺るがない思いはただ一つ。何としても、勝ちたい――。

中2日で臨むホームでの連戦、指揮官は4名の先発変更を施した。右サイドバックに西を指名し、ボランチの一角にはレオ シルバを起用。左サイドハーフには永木を配し、前線の一角には土居を指名した。ゴールマウスに立ちはだかるのは前節に続いて曽ケ端、最終ラインは西のほか、植田と昌子、安西が並ぶ。ボランチはレオとともに健斗がコンビを組み、攻撃陣は遠藤と金崎が先発出場。虎視眈々とゴールを狙う。そしてベンチにはGKのクォン スンテ、伊東、犬飼、小笠原、ペドロ ジュニオール、鈴木、山口が座る。

青空に恵まれた鹿嶋は、朝早くから熱気に満ちていた。大一番を前にした高揚感に包まれた聖地を、アントラーズレッドの背番号12が続々と埋め尽くしていく。ボルテージが高まり、そして迎えた開場。スタジアムへ到着したチームバスに大きなチームコールが注がれ、キックオフが迫るにつれて緊張感がピッチを覆っていった。GK陣、そしてフィールドプレーヤーがウォーミングアップに姿を現すと、割れんばかりのコールが鳴り響いていた。

17時3分、キックオフ。ホイッスルを聞くと、金崎と土居はボールを戻さずにパス交換から突破を狙う。己を己の力で上昇気流に乗せるべく、アタッカー2人が得点への意欲を示してみせた。満員の聖地で、激闘の火蓋が切って落とされた瞬間だった。

開始直後から、意地と意地がぶつかり合う激しい展開となった。鹿島は3試合ぶりにピッチへ帰還した土居が最終ラインの背後を狙い続け、プレスの始点としても献身的に走り続けた。背番号8を推進力として、鹿島が浦和を押し込んでいった。7分にはペナルティーエリア内へスルーパスを通されたが、シュートの寸前に昌子がスライディング。身を投げ出してゴールを死守し、クリーンシートを保ってみせた。



鹿島はミドルゾーンで出足の速いプレスを繰り返し、セカンドボールをことごとく確保した。レオと健斗が対人の強さを見せ、左サイドハーフに入った永木も大車輪の活躍を披露。背番号6は守備意識の高さと絶え間ない上下動で、鹿島に活力を注ぎ込んでいた。右サイドの遠藤と西も持ち前のパスワークでタッチライン際を制圧し、左サイドバックの安西は前へ前へと仕掛ける姿勢で脅威を与えていた。



あらゆるエリアで強度の高いボディコンタクトが繰り返され、一瞬の隙をも許されない濃密な攻防が繰り広げられた。緊張感が張り詰めるピッチで、鹿島が少しずつ得点の予感を漂わせていく。15分には、ペナルティーエリア右手前から遠藤が左足で狙う。21分にはエリア左手前からのFKを永木が狙う。いずれも結実しなかったが、浦和への圧力を高めていたことは明らかだった。



そして、25分。待望の瞬間が訪れた。ペナルティーエリア右側で相手のクリアを拾った土居がワンタッチでパスを通すと、永木が相手のタックルを受けて倒される。判定はPK。キッカーは鹿島のエースだ。金崎夢生、渾身の右足シュート。ゴールネットが揺れる。ビジタースタンドが沈黙する。アントラーズレッドが沸騰する。1-0。鹿島が均衡を破ってみせた。





リードを奪った鹿島は、浦和にボールポゼッション率を高められる時間が続いた。ロングボールを多用しながら両サイドを広く使ってくるビジターチームに対し、しっかりと集中力を保って応戦。36分には最終ラインでのミスからボールを失い、至近距離からシュートを打たれる場面もあったが、百戦錬磨の守護神が鹿島を救った。今季のJ1では2試合目の出場となった背番号21は、安定感抜群のシュートストップを繰り返し、浦和の希望をことごとく打ち砕いていく。1-0。鹿島はリードを保ったまま、ハーフタイムを迎えた。





アントラーズレッドのスタンドへと攻める後半、鹿島は開始早々にピンチを迎えた。自陣でのボールロストからカウンターを受け、ペナルティーエリア左奥へ進出される。次の刹那、鋭いシュートが鹿島を襲う。だが、曽ケ端の前では無力だった。渾身のセーブがビジタースタンドを沈黙させる。52分にも似た位置からシュートを打たれたが、またも背番号21が弾き出した。



リードを保つ鹿島だが、なかなか前線で起点を作れずに押し込まれる時間が続いた。大岩監督は62分に鈴木を投入し、迫力満点の突破で反撃を期す。65分には左サイドからクロスを上げられてニアサイドで合わせられたが、健斗が必死のカバー。「駆け引きで前に入られたけど、諦めずに追った」と振り返る、気迫に満ちたシュートブロックを見せた。





1点リードのまま、残りは15分。鹿島は機を見たカウンターに活路を見出し、76分には左サイドを安西が突破してチャンスを演出した。ドリブルでのカットインからラストパス、そして金崎が左足で狙う。枠を捉えた一撃はしかし、相手GKに阻まれてしまった。続く79分にもショートカウンターからペドロが突破し、安西が左足を一閃。またも弾き出されてしまったが、「積極性を一番大事にしたい」という背番号32の果敢なチャレンジはピッチ上で煌めきを放っていた。







緊迫した時間が続く。リードを死守すべく、鹿島は全選手が集中力を保ち続けた。87分には小笠原がピッチイン。勝利への決意を体現し続ける闘将はアディショナルタイム、西とのダブルスライディングを敢行。鬼気迫るプレーでチームを鼓舞する。そして直後、待望の瞬間が訪れた。勝利を告げるホイッスルが鳴り響く。アントラーズレッドが沸騰する。1-0。鹿島が満員の聖地で勝ち点3を掴んでみせた。



聖地を包む歓喜、そして次なる戦いへの決意。中3日、みたび迎えるホームゲームはAFCチャンピオンズリーグのラウンド16第1戦だ。上海上港を迎え撃ち、“前半90分”に臨む。ついに始まるノックアウトステージ、その初戦――。アジアの頂へたどり着くために、アントラーズファミリーの総力を結集して挑む。



【この試合のトピックス】
・J1での浦和戦は昨季の第10節から3連勝。ホームでは昨季の第32節に続いての勝利を収めた。公式戦は2016年のJ1チャンピオンズシップ決勝第2戦から6連勝となった。
・昌子がJ1通算150試合出場を達成した。
・金崎が2試合連続得点を挙げ、今季J1での得点数を7に伸ばした。
・土居が3試合ぶりの先発復帰を果たした。
・西が今季のJ1で2試合目の先発出場を果たした。4月7日の第6節湘南戦以来だった。
・永木が今季のJ1で3試合目の先発出場を果たした。4月11日の第7節FC東京戦以来だった。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・自分たちのゴール前では、シンプルなプレーをしよう。
・前半は狙い通りの守備が出来ていた。後半も全員で連動し、これを続けていくこと。
・ボールを奪ったあと、奪われたあと、セットプレーや全てのプレーにおいて切り替えを早くしよう。


浦和レッズ:オズワルド オリヴェイラ
・自分たちにとって、内容の良いゲームになっている。
・逆転するためには相手をよく見てプレーしよう。
・中盤でのボールの奪い方に注意しよう。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
前半、狙い通りというか、選手たちが非常にいいアクションを起こしてくれた。非常にいい前半だった。後半は相手の圧力、ボールの動かし方に受け身に回ってしまった。それをしのいだことは非常に評価できる。しかし、もう少し自分たちでボールを握ったり、意図的に追い込むような守備ができれば、さらにいい90分になったのではないかと思う。

Q. 浦和の右サイドへの対応はかなり準備して臨んだか?

A. 相手のストロングポイントであるので、そこは選手の選出も含めて、非常に意識して対応した。

Q. 今季初の連勝となったが?

A. 連勝は率直にうれしい。しかし、これまでもいい試合をして落としてしまった試合、引き分けてしまった試合が多々あり、勝てない試合があった。連勝にとどまらず、今後も勝ち続けていきたい。すぐにACLもある。選手はこの連戦のなか非常によく頑張ってくれている。総力戦で、目の前の試合を勝っていきたい。

Q. オリヴェイラ監督と対戦した感想は?

A. オズワルドは、個人的には非常に大きな存在。恩人であり、尊敬する人物。彼からいろいろな影響を受けている。今日という日があって、いろいろな感情を自分が感じることができるのは、幸せなこと。皆さんに感謝したい。オズワルドにも感謝したい。彼との関係は、近くにいようが、遠くにいようが、強いものがある。

Q. 曽ケ端選手が出場して連勝となったが、曽ケ端選手に期待したこと。今後、スンテ選手とどう使っていくことを考えているか?

A. 彼のパーソナリティや実力はご存知の通り。たまたまこのタイミングで試合に出ることになったが、彼は落ち着きを与えてくれる存在であり、当然それを求めて起用している。これは、日ごろのレベルの高い競争があるからこそ、自信を持って送り出すことができる。2人に敬意を表したい。2人はチームにとって欠かせない選手。今後の起用も競争があってのこと。ACLでは上海上港をしっかり分析して、どちらを起用するか考えたい。

Q. ケガ人が戻ってきて手応えを感じているか? また、途中交代したレオ シルバ選手のケガの状況は?

A> レオ シルバは検査が必要な状況で、現時点では把握していない。ケガ人が戻ってきて、当然戦力が充実し、選手のチョイスは非常に悩むところがある。目の前の1試合にかける気持ちと、連戦のなかでの戦いを考えて、しっかりとプランを立てたい。まだ何人かケガ人がいる。全員が同じレベルでプレーできる環境をいち早く整えたい。


浦和レッズ:オズワルド オリヴェイラ
すばらしい、動きのある試合だったと思う。両チームとも、ゴールを狙ってプレーし続けた。結果のみが、内容を反映していないように感じている。なぜなら、浦和のほうがゲームを支配していて、相手のハーフに常に押し込んでいたから。PKの場面は、私自身はその場面をしっかり見ていたわけではない。選手たちがあそこまで抗議するのだから、厳しい判定だったのだと思う。川崎F戦で我々にも同じようなシーンがあり、その際は笛が吹かれなかった。基準が一定でないところに、少し問題があると感じている。


選手コメント

[試合後]

【曽ケ端 準】
みんなの気持ちが入った試合だった。こういう試合を続けていければと思う。素晴らしい雰囲気の中で試合をすることができて良かった。今後もしっかりと意思統一をしながら試合を進めていきたい。

【永木 亮太】
ホームゲームだし、今の順位を考えても絶対に負けられなかった。相手は浦和だし、懸ける気持ちは本当に強かった。久々にこういう勝ち方ができたので、前向きに捉えている。

【昌子 源】
良い形で先制できた後、自分のプレーで台無しになりかねないところだった。しっかり反省して次に活かしていきたい。良い雰囲気で試合をすることができた。サポーターがどれだけ力になるのかを証明できた試合だったと思う。

【遠藤 康】
もっと攻撃的に行ければいいけど、連戦の中でできるサッカーが限られるという面もある。でも、もっとやれるチームだと思うし、まだまだやらないといけない。切り替えて、次のACLに向けて準備をしていきたい。

【三竿 健斗】
先制点を取れて、守備も組織的にできた。良い試合をできたと思う。個人としては良くなかったけど、やれることをやろうと割り切ってプレーできた。サポーターも浦和に対して強い気持ちを持って臨んでいただろうし、僕たちだけの戦いではなかった。これからも一緒に戦っていきたい。


2018明治安田生命J1リーグ 第13節