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2018年6月19日火曜日

◆大津の“植田2世”がW杯出場のCB植田に期待すること。「どんな相手でも屈しない闘争心や向かっていく強さを」(ゲキサカ)


植田直通 大津


 熊本の名門、大津高には今年、“植田2世”と評されているCBがいる。推薦合格ではなく一般入試で大津に入学。1年時には同学年の中でも控えの存在だった。だが、貪欲に吸収しようとする姿勢と、180cm台中盤の長身、そして抜群の運動能力を持つCB吉村仁志(3年)は2年時に評価を急上昇させると、今年6月にU-18日本代表入り。今やJクラブも注目する存在となっている。

 その吉村は、W杯日本代表メンバーのCB植田直通と同じ住吉中出身。大津で飛躍して年代別日本代表の常連となり、そして鹿島入りした植田に憧れて大津へ進学した。地元が同じ吉村によると、植田は中学時代、サッカーよりもむしろ日本チャンピオンになったテコンドーで有名だったという。一方、サッカーでは無名の存在だったが、努力を重ねて階段を一歩一歩上り続けてW杯メンバー入りした。

 その植田は、吉村にとって勇気を与えてもらっている存在だ。「身近な人がW杯に出るから、自分がこの先、(植田のように)これだけ頑張ったら自分もW杯に出れるかもしれないと思います」と吉村は自分自身に期待している。

 大津時代の植田は高校ナンバー1DFと呼ばれ、3年時には主将。大津の後輩たちに伝わる植田の“伝説”があるという。「何年か前の総体の初戦の日にお腹空いたからコンビニに何か買いに行っている時に自転車で突っコケて、針縫う怪我を。それでもすぐ病院に行って縫ってもらって(包帯で)頭ぐるぐる巻きにしてそのまま試合に出たと聞いています」(吉村)。植田同様、抜群の空中戦の強さを持つ“2世”の吉村は、まだまだ接触プレーなどで痛がってしまうところがあるというだけに、怪我を怖れないプレーでゴールを守る先輩を見習っていきたい構えだ。

 吉村は自身も目指すW杯で先輩に大暴れしてもらいたいと思っている。「どんな相手でも屈しない闘争心やどんな相手でも向かっていく強さだったり、高さを活かしたセットプレーや空中戦を見たいと思います」。植田の背中を追うCBは先輩の活躍を見て、また自身の目標値を高くする。

(取材・文 吉田太郎)




大津の“植田2世”がW杯出場のCB植田に期待すること。「どんな相手でも屈しない闘争心や向かっていく強さを」




◆“半端ない”活躍で鹿児島城西の名を広めたFW大迫へ後輩たちがエール「点を決めて勝って欲しい」(ゲキサカ)



大迫勇也 鹿児島城西


「大迫勇也選手たちの代が、鹿児島城西高校の名を広めてくれた」。鹿児島の強豪、鹿児島城西高のFW上城崇斗(3年)は先輩FW大迫勇也の世代が鹿児島城西の名を全国区にしてくれたと感じている。

 08年度の全国高校選手権で、大迫を擁した鹿児島城西は初の決勝進出。1大会最多得点記録となる6試合29得点を叩き出したチームの中心にいたのが大迫だった。大迫は初戦から4試合連続2得点を含む計10得点で個人の大会得点記録を更新(76年度の首都圏開催移行後)。2ゴールを決められた滝川二高CB中西隆裕主将が試合後のロッカールームで「大迫半端ないって」と涙ながらに叫んだシーンが話題となるなど、選手権での凄さは今も語り継がれている。

 今年、鹿児島城西から横浜FMに加入したU-19日本代表候補CB生駒仁も「城西と言ったら大迫さん。シュート練習は毎日やっていたというのは聞いています」。大迫が後輩たちの意識を高め、後輩たちは“大迫後”も全国大会への出場回数を増やしている。

 今年のインターハイ予選で鹿児島城西は準優勝。大迫と同じ9番を背負った上城は2度目のW杯に臨む大迫に対して「スタメンとして出て、絶対に点を決めて欲しい」と期待する。また、大迫と同じ鹿児島育英館中出身の注目ルーキー、190cmGKヒル袈依廉(1年)も「(大迫と)中学も一緒なので、点を決めて勝って欲しいです」と世界相手に一撃を見舞ってくれることを願っていた。

 “城西の大迫”はその後、J、欧州でもサポーターを歓喜させるゴール。次は世界で“半端ない活躍“をしてその姿を後輩、そして日本のサポーターの目に焼き付ける。

(取材・文 吉田太郎)


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“半端ない”活躍で鹿児島城西の名を広めたFW大迫へ後輩たちがエール「点を決めて勝って欲しい」




◆米子北の「伝説」。世界に挑むCBへ、後輩たちがエール「昌子選手なら絶対に止めてくれるはず」(ゲキサカ)



昌子源 米子北 後輩


 日本代表DF昌子源の母校・米子北高(鳥取)の選手たちが、世界の舞台に挑む大先輩に熱いまなざしを送っている。鹿島と日本代表で見せているプレーを、W杯の舞台でも発揮してほしいと期待を寄せる。

 兵庫県出身の昌子は、G大阪ジュニアユースから2008年に米子北に進学。当初はFWだったが、その後にボランチとなり、最終的にCBで能力を開花させた。卒業後の2011年に鹿島に進んでからも着実に成長を遂げ、日本代表としてW杯のメンバーに選ばれるまでになった。

 今年度の主将であるボランチの佐野海舟(3年)は、「同じ米子北のグラウンドで練習していた方が日本代表、しかもW杯のメンバーに選ばれたのは、本当にすごい」と語る。FWだったところからCBのノウハウを学び、日本代表にまで成長したことについても、「分からないことも多かったと思いますけど、やろうと決意して、自分から学んでいったからこそ、あのレベルにまで成長されたんだと思います。いま置かれている状況で、自分からどんどん学んでいかなければいけない」と、大いに参考になっているという。

 昌子の米子北での『伝説』は、サッカー部員の間で語り継がれている。右サイドMFの葉間田累(3年)が知っているのは、同校が年に1回実施している体力テストでの逸話だ。「立ち幅跳び、ハンドボール投げ、50m走、1500m走などをやるのですが、ほとんどの学校記録は昌子選手が持っていると聞いたことがあります」。現在も持ち味の一つである身体能力の高さは、当時から際立っていたという。

 2009年、昌子が2年のときに米子北が全国総体で準優勝の好成績を残していることも『伝説』の一部。葉間田は「僕たちは昨年度の選手権でベスト8まで勝ち進むことができましたが、厳しい戦いの連続でした。全国大会で決勝まで勝ち上がるのはすごいことですし、想像がつかない」と語る。11年連続14回目の出場を決めたばかりの全国総体では、偉大な記録に少しでも近づきたい。

 プレーはもちろん、最高のお手本だ。佐野は「対人プレーがすごく強いので、どうやってボールを奪っているのか、体の使い方や駆け引きを見て、学んでいます」と語る。“相手目線”で勉強しているのは、アタッカーの葉間田。「DAZNで毎試合、鹿島の試合を見ています。昌子選手は身体能力が高いですが、状況に応じてポジションを変えるなど、細かいところもしっかりやっていて、1対1の守り方やスペースの埋め方がうまい。自分が対戦したら、こんなDFを相手にするのは嫌だろうな、と思っています」と語る。

 コロンビア、セネガル、ポーランドには、いずれも世界屈指のアタッカーがそろっているが、佐野と葉間田は「昌子選手なら絶対に止めてくれるはず。ロシアに向かって応援します!」と声をそろえる。世界の列強に立ち向かう昌子に、遠く米子から心強い声援が送られている。

(取材・文 石倉利英)


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米子北の「伝説」。世界に挑むCBへ、後輩たちがエール「昌子選手なら絶対に止めてくれるはず」




◆浦和“モヒカン・ストライカー”FWファブリシオが合流(デイリー)



ファブリシオ


 J1浦和が18日、さいたま市大原グラウンドで練習を再開した。ポルトガルのポルティモネンセから移籍したFWファブリシオ(28)が合流。汗を流した。

 ポルティモネンセでは今季リーグ戦28試合に出場し15得点の決定力が武器。「いい状況でボールを受けなかったとしても自分のフィニッシュには多くの可能性があると思っているし、難しい状況でもしっかりゴールに押し込む自信はある」とセールスポイントを口にした。

 トレードマークはヘアスタイル。正面から見ると鋭角な二等辺三角形にそびえるモヒカンだ。たとえは古いがまるでウルトラマンセブンのアイスラッガー。「2013年からだね。上に上げてセットしてから、ずっとこのスタイルなんだ。雨の中で試合をするときはオールバックにしないとダメだけどね」とニヤリと笑った。

 16年後半の半年間は鹿島でプレーした。「妻ともども、日本が大好きなんだ。短い期間だったけど、日本人の律義な心、日本人の受けている教育、安心して街で生活できるし、料理もおいしい」と言う親日派だ。

 「鹿島にいたときに対戦して、浦和のポテンシャルを多く見させてもらった。今の順位は浦和にふさわしくないと思う。自分がそこに加わることで、貢献できると思っている。少しでもこのチームの力になりたい」

 現在チーム12得点は鹿島と並んでJ1最少タイ。今季14位に低迷する大きな要因が得点力不足。その解消を、“モヒカン・ストライカー”に託す。


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浦和“モヒカン・ストライカー”FWファブリシオが合流




◆柴崎、格上コロンビア相手に輝く「なんとか得点につなげたい」(報知)



柴崎岳 ロシアW杯


 W杯の足音が聞こえてきても、MF柴崎は柴崎だった。公開された練習の15分、宙に舞うポプラの綿毛を気にすることもなく、体を温めることに専念した。「昔から決勝だから(と意識する)ということはなく、同じように臨んできたスタイル。W杯であってもいつも通り。今ある力が試合の中で出ると思っている」。自身初のW杯。その初戦は格上のコロンビアだが、自然体だった。

 格上相手に結果を残してきた。鹿島時代の16年12月18日、クラブW杯決勝のRマドリード戦で2得点を挙げた。健闘をたたえる周囲をよそに「勝てなくて悔しい」と言った。ヘタフェに移籍した17年9月16日、バルセロナ戦でゴールを記録。スペイン2強からゴールを奪った初めての日本人となったが、「相手がどことか、どんなゴールだったとかは見る人が判断すればいい」と特別視しなかった。

 強い向上心は目標の変遷にも表れる。サッカーを始めた頃は「Jリーガーになる」。青森山田中で「世界で通用する選手」に変わり、同高で「どのプレーでも勝ち、90分でひとつもミスをしない選手」になった。今も理想を追いかける一方で「そんな選手は存在しない」と知っている。世界一流が相手でも必ずどこかに突破口がある。その視点で恐れを勝ち気に変え、相手に立ち向かってきた。

 プレースタイルも合う。最大の持ち味は長い距離を持ち上がる推進力。コロンビアなど格上の相手には守勢に回る展開が予想され、日本の攻撃時には広いスペースが待ち受ける。これまでと同様、格上キラーぶりを発揮する舞台は整う。さらに、セットプレーのキッカーとしてもチャンスをうかがう。「コロンビアの特徴は頭に入れ、ルーズなところも見えている。流れの中では難しくてもセットプレーは関係ない。なんとか得点につなげたい」

 柴崎が初戦でサプライズを起こす方法として「ピッチで自分たちが置かれている状況を客観的に把握する力」を発揮することを挙げた。「ある程度、冷静な気持ちを持ちながらやることが大切。自分たちがやりたいサッカーだけでは勝てない。そこは肝に銘じてやりたい」。窮屈さや我慢を受け入れ、それらを乗り越えた先に、大番狂わせが待っている。(内田 知宏)

 ◆柴崎のスペイン2強戦での劇弾

 ▼Rマドリード戦(16年12月18日、2●4) 鹿島時代のクラブW杯決勝。1点を追う前半44分に同点弾を決め、後半7分には左足で強烈なミドルシュートを沈め、一時は勝ち越しに成功した。レアル相手の2発で知名度も上がり、翌年スペイン移籍の布石になった。

 ▼バルセロナ戦(17年9月16日、1●2) スペイン1部リーグで、ヘタフェのトップ下として先発。前半39分、ペナルティーアーク付近で浮き球を左足ボレーでたたきこんだ。スペイン1部初得点に、現地紙「マルカ」も「ボールを芸術品に変えた」と絶賛。スペイン2強から公式戦で得点を奪った初の日本人となった。




柴崎、格上コロンビア相手に輝く「なんとか得点につなげたい」




◆鹿島コンビ柴崎&昌子、プラチナ世代がW杯初先発へ(ニッカン)



柴崎岳 ロシアW杯


 日本代表MF柴崎岳(26=ヘタフェ)が、明日19日のW杯初戦コロンビア戦で先発することが確実になった。関係者によると、17日までの非公開練習で主力組のボランチで固定された。柴崎と鹿島に同期入団したDF昌子源(25)にも先発の可能性が浮上。ともに「プラチナ世代」(92年生まれ)で、同世代がW杯で先発するのは初めて。ようやく台頭した次世代の主軸たちが、夢舞台に並び立つ。

   ◇   ◇   ◇

 柴崎が先発を勝ち得た。パラグアイ戦では効果的な縦パスを通し、相手守備を乱すスイッチを入れた。鍵を握るセットプレーのキッカーとしても、FKからチーム3点目となるオウンゴールを誘発。スペインで磨く質の高さを示し、西野ジャパン初勝利に貢献した。

 勢いそのまま、コロンビア戦で長谷部とダブルボランチを組む。非公開調整を終えた柴崎は「いい準備ができたのでピッチで出すだけ。自分のサッカー人生も日本サッカーも変わるかもしれない、大きな大会という自覚はある。ただ、特別な気持ちは持たずにプレーしたい」と静かに語った。

 大舞台で力を発揮してきた。中学も高校も全国大会の決勝に進んだが「普段の試合も決勝も気持ちが変わらないスタイル」。世界にスケールアップしても同じだ。16年のクラブW杯決勝ではRマドリードから2得点。昨年もリーグ戦でバルセロナから得点した。「特別なことは何もしない。いつも通り」。その積み重ねで夢のW杯に行き着いた。

 その柴崎と、鹿島に同期入団の昌子にも先発の可能性が出てきた。パラグアイ戦の出来が評価され、病み上がりにもかかわらず、非公開練習で槙野に代わって左センターバックに抜てきされた模様。「黄金世代」を上回る願いを込め、命名された「プラチナ世代」がW杯で先発すれば初めて。しかも2人同時だ。筆頭格だった柴崎と、無名からA代表で肩を並べるまでになった昌子が新時代を築く。

 4年前は柴崎のサプライズ選出が期待されたが、ブラジル切符は届かず。W杯5大会目で初めて鹿島から代表を輩出できなかった。その時、おぼろげながらも「ロシアでは主力で」と決意した2人が、そろって先発をつかむ瞬間が明日に迫る。昌子は取材対応日ではなかったが「(期待しない)ファンに手のひら返しさせたい。それができるのは選手」と意気込んでいる。鹿島ライン、プラチナ世代コンビの2人が結果で日本を盛り上げる。【木下淳】

 ◆プラチナ世代 92年生まれで、早くから頭角を現した柴崎に加え宇佐美貴史、宮市亮らが代表格。09年のU-17W杯ナイジェリア大会で、ネイマールを擁するブラジルに敗れはしたが気後れすることなく撃ち合った試合(2-3)は語り草。79年生まれの小野伸二、稲本潤一ら「黄金世代」との比較から、「プラチナ」になったとされる。武藤嘉紀、昌子源、杉本健勇もそうで、93年、早生まれの大島僚太、遠藤航も同世代。



鹿島コンビ柴崎&昌子、プラチナ世代がW杯初先発へ