フットボール批評issue09【電子書籍】
アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)本大会出場を懸けたプレーオフは19日に行われる。2連覇を狙うJ1鹿島はホームでニューカッスル(オーストラリア)と対戦。18日は鹿嶋市内で最終調整し、190センチの生え抜きセンターバック(CB)、町田浩樹(21)の先発が濃厚となった。J1広島は本拠地にチェンライ(タイ)を迎える。
頭一つ抜けている190センチの長身。鹿島の大型CB、町田がアジアの舞台でデビューを飾る。
「しっかりと相手を潰していく。身長差はないし、ヘディングではね返していく」
ACLのプレーオフは負けたら終わりの一発勝負。出番が回ってきそうな21歳は、緊張の面持ちで主将のDF内田らと汗を流した。相手は体格で上回るオーストラリア勢。昨季J1で8試合出場にとどまり、ACL出場経験がない町田を“狙い撃ち”にする可能性もあるが、空中戦なら望むところだ。
「プレーで期待に応えないと。(昌子)源君らがいなくなって『鹿島が弱くなった』と言われたくない」
日本代表のCBに名を連ねる昌子源(トゥールーズ)、植田直通(セルクル・ブリュージュ)はともに欧州へ移籍。犬飼も万全とはいえず、町田に定位置をつかむ好機が訪れた。
生まれ持った才能を兼ね備える。今季J1のDF登録で190センチの大台超えは、191センチの立田悠悟(20)=清水=と2人だけ。W杯に2度出場した吉田麻也(30)=サウサンプトン=も189センチ。さらに町田は、独特の間合いを持つ左利きでもある。
「失点しなければ負けない。最終ラインを統率してチームをまとめ、しっかりと勝って本戦にいきたい」
秋田豊、岩政大樹ら日本代表の歴代CBを輩出した常勝軍団。鹿島での定位置確保は代表への登竜門ともいえる。2020年東京五輪世代の町田にとって、今季の開花は来年につながる。ACL連覇は2004、05年のアルイテハド(サウジアラビア)の1度だけ。史上2クラブ目の快挙に向け、若武者が先陣を切る。(一色伸裕)
鹿島・大岩監督
「準備してきたことを表現する。昨年のチャンピオンということは抜きにして試合に集中したい」
町田 浩樹(まちだ・こうき)
1997(平成9)年8月25日生まれ、21歳。茨城・つくば市出身。鹿島ユース時代の2015年に高円宮杯U-18チャンピオンシップで優勝し、16年にトップチーム昇格。同年5月のナビスコ杯(現ルヴァン杯)磐田戦で公式戦初出場、18年7月のリーグG大阪戦で初得点。J1昨季8試合2得点。同通算10試合2得点。190センチ、80キロ。
ACLプレーオフ
ACL1次リーグは東地区、西地区があり、両地区とも計16チームが4チームずつ4組に分かれる。本大会出場が12枠、残り4枠はプレーオフ。東地区の日本は本大会2(昨季J1優勝、天皇杯優勝)、プレーオフ2(J1の2、3位)の最大4チームが参加。今回プレーオフに回った鹿島は勝てば、1次リーグで慶南(韓国)などとE組、広島は元日本代表MF本田圭佑のメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)などとF組に入る。