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「次はこうしよう、ああしようっていう引き出しが増えた」
[J1リーグ第27節]鹿島1-1札幌/9月28日/カシマ
「札幌もしっかり対策をしてきた印象があります。うちのキーマンの(土居)聖真だったり、セルジーニョに厳しくいっていたので」
1-1の引き分けに終わった札幌戦を、内田篤人はそう振り返る。この日は守備に重きを置いて戦っていた札幌は、たしかに局面の勝負ではタイトなディフェンスで鹿島の選手たちを苦しめていた。
“当事者”の土居も、札幌の執拗なマークに手を焼いたことを認める。
「びっくりしましたね。ひとりかわしても、2人、3人にマークされているみたいな感覚でした。ちょっと面食らってしまった。(札幌の)ボランチの選手はほとんど僕にマンツーマンでついていましたし」
キープしようとしても、背後から激しいチャージを受けて、ボールコントロールもままならない。得意のターンも思うようにできずにいた。
「なかなか良い形を作れなかった」
そう反省を口にする土居だが、0-1で迎えた50分、勝点1をもぎとる同点弾の場面では、しっかりと仕事をこなした。
センターサークル付近でボール奪取に成功したブエノのクリアに反応。この時もマークにつかれていたが、キープせず、ワンタッチで近くにいる小泉慶に落とす。そこからの流れで、セルジーニョの同点ゴールが決まった。
「唯一、点になったところで、小泉にいい形につながる落としができたので。今日に関しては、ああいうプレーをもっと増やしたかった」
自分の思い通りにプレーできる回数は少なかった。人数をかけて自分を止めに来る相手に対して、どう対処するか――課題がまたひとつ見つかったとも言えるが、それとは異なる感情も手応えもある。
「良い意味で捉えれば、“危ない選手”って思われていたはず。そこはポジティブに考えて、激しく来る相手に対して、次はこうしよう、ああしようっていう引き出しも増えた。もっともっと上手くなって、向上していければ」
苦しんだ分、間違いなく得るものもあった。それを糧にして、土居はさらに“危ない選手”になっていく。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
