◆◆サッカーダイジェスト / 2019年9月26日号
「“次に代わりで入ってくる選手”、って思わないこと」
[J1リーグ26節]鹿島2-0FC東京/9月14日/カシマ
8月の中旬、4-0で勝利した栃木との天皇杯3回戦で途中出場し、しばらく負傷離脱していた内田篤人が約4か月半ぶりの戦列復帰を果たす。
だが、その後はリーグ戦でも、ACLでも、ルヴァンカップでも、ベンチ入りはするものの、思うように試合に出られずにいる。
今節のFC東京戦でも、メンバー入りするが出場の機会は訪れなかった。2-0の完勝劇をピッチの外から見守った。
主戦場の右SBでフル出場したのは、今夏の新戦力、小泉慶だった。最後は足がつるほど精力的に動き回り、チームの勝利に貢献。そのパフォーマンスについて、内田は「対人が強いし、サボらない。今日なんか見ていても、俺はサボろうかなと思うところでも、慶はしっかりと頑張る」と称賛していた。
内田は「チームも勝っているし、(メンバーを)そんなに大きく変える必要はないと思う」と持論を述べる。自身の気持ちについて聞けば、「出たいよ」と正直に話してくれた一方で、「出たいけど、俺は別に若手ではないから。試合に出たい、このままではダメだ、とは思わない」と、余計な焦りはないようだ。
それは、必ず自分が必要とされる時が来ることや、その時が来たらチームの力になれることを信じて疑わないからだ。
「俺が出る時は、タイトルがかかっていたり、ちょっと負けた時かな」
そう予測している内田は、味方の負傷離脱なども想定してスタンバイしつつ、出番が回ってきた時の心構えについて、独特の表現で次のように語る。
「“次に代わりで入ってくる選手”、って思わないこと。自分は試合に出て当然だ、と。そういう選手が結果を残すべき」
今は控えかもしれないが、戦闘モードには入っている。自分は“代わり”ではない。ベンチにいながらも、レギュラーとしてのプライドを持つ。連戦が続くチームの一員であればそうあるべきだ、ということなのだろう。今の鹿島に「サブの選手はいない」とも言う。そんな選手の集まりが、4冠(J1リーグ、ルヴァンカップ、天皇杯、ACL)という偉業を達成する唯一のチームだと考えているのかもしれない。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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