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2019年9月14日土曜日

◆苦手克服を期する鹿島、独走態勢に入りたいFC東京。キーマンの白崎凌兵と室屋成が語る首位攻防戦(GOAL)



白崎凌兵 Ryohei.Shirasaki


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 9月14日の明治安田生命J1リーグ第26節で2位・鹿島アントラーズと首位・FC東京の直接対決が行われる。両者の勝ち点差は4ポイント。鹿島が勝てば優勝争いは混とんとし、FC東京が勝てば優勝に大きく近づく一戦となる。

 タイトルの行方を左右する今季最大の注目マッチとなることは間違いないだろう。そのビッグマッチを控え、両チームはいかなる心境にあるのか。鹿島MF白崎凌兵とFC東京DF室屋成。マッチアップが予想される両チームのキーマンが決戦を前に、DAZN配信の『Jリーグプレビューショー』で意気込みを語っている。


■鹿島が警戒するのはFC東京の2トップ


 優勝を見据える両者にとって落とせない一戦。まさに大一番だ。両者のリーグ対戦成績は、鹿島が19勝8分10敗と勝ち越しているものの、直近ではFC東京が3連勝中。引き分けを含めても、FC東京が6戦無敗を継続中で、鹿島が最後に勝利したのは2016年3月まで遡ることになる。

 今季、清水エスパルスから完全移籍で加入し、鹿島にとって欠かせない存在になりつつある白崎凌兵は、FC東京の印象を次のように語る。

 「前線の2枚で点を取って、チーム全体でしっかり守るというイメージですね。ボールを保持して相手を崩してというよりは、奪ってショートカウンターの印象です」

 とりわけ警戒しているのは、永井謙佑とディエゴ・オリヴェイラの2トップだという。4月に行われた前回対戦でも、この2人にゴールを決められ、敗戦を喫している。

 「やっぱり2トップじゃないですか。2枚で決めきっちゃうという。1点取っちゃえば守備には自信を持っているはずだから、引き込んで、手堅くカウンターで追加点を狙う。それが向こうのイメージだと思うので、先制点は重要になると思います」

 では、どのようにFC東京の攻撃に対抗するのか。白崎は「コンパクトさ」をキーワードに挙げる。

 「守備の選手だけに任せるんじゃなくて、中盤の選手もプレスバックが必要だし、2トップだけじゃなく高萩(洋次郎)選手とかもフリーでボールを持たせたらいいパスを裏に通してくる。だから、いかに厳しくボールホルダーに行けるかってところも、2トップを抑えるポイントになる。チーム全体としてコンパクトに戦うことが重要になると思います」


■室屋が話す鹿島の強みとは


 対するFC東京の室屋成は今季、首位を快走するチームの戦いについてこう分析している。

 「何もないようなシーンから得点を奪えるようなチームになってきたなという印象があります。去年は自分も攻撃に関与して、結構リスクを負って得点を狙いに行く形が多かったですけど、今季は前の選手だけで攻撃を完結してくれることが多くなったのかなと思います」

 鹿島に対しては「すごく調子が良くて、組織として勝つためのプロセスをしっかり作れているチーム」という印象を持っており、なかでも気を付けたいのはサイド攻撃だという。

 「サイドバックがどんどん高い位置に入ってきて、2人でサイドを崩す形を作るのが上手いと感じる。サイドハーフの協力なしでは抑えられないので、組織として上手く守らないといけない」

 室屋個人としては、鹿島は相性の良い相手だ。鹿島戦にはこれまでに6試合に出場し、5勝1分と負けなし。昨年にプロ初ゴールを決めた相手も、鹿島だった。

 「無茶苦茶強いチームなので、得意という気持ちはないですけど、気合いの入り方、倒したいという気持ちは強くなりますね」

 その強い気持ちこそが、今回の決戦でも室屋のパフォーマンスに影響を与えそうだ。


■白崎と室屋のマッチアップもこの試合の焦点に





 右サイドバックを務める室屋と、左サイドハーフを務める白崎は、同サイドで対面することになる。この2人のマッチアップもこの試合の見どころとなるだろう。

 室屋は白崎のプレースタイルについて、次のように認識している。

 「縦にはあまり来ない選手なので、相手のサイドバックとの距離感を見ながら、詰めるところは詰めていきたい。スペースを開けたらミドルシュートを持っている選手なので、入ってきたところでつぶしに行ったりとか、そういう駆け引きがすごく大事になってくるのかなと思います」

 一方の白崎は、室屋対策をこう明かす。

 「前に走ってくるランニングが彼の特長だと思います。相手を走らせないポジショニングだったり、彼に仕事をさせないことが大事な役割になるのかなと思います」

 勝ち点4差でFC東京を追う鹿島にとっては、まさに今季の運命を決するだけの重要な一戦となる。白崎は並々ならぬ思いでこの試合に臨む覚悟を示した。

 「この勝ち点差で、このタイミングで直接対決できるというのは、自分たちにとってはいいことだと思います。何としてでも勝たなければいけない。それだけですね」

 FC東京にとっても、勝てば優勝に大きく近づく大事な一戦だ。室屋はその大一番に向けての決意をこう口にする。

 「ここでもう一個、勢いを乗せたいなというゲームなので、絶対に勝ちたいですし、このまま勝ち続けて、優勝したいです」

 まさに今季の優勝争いを左右するビッグゲーム。勝つのは常勝軍団・鹿島か、それとも悲願の初優勝に向けて加速するFC東京か。試合は14日の19時に県立カシマサッカースタジアムでキックオフを迎える。