鹿島の18歳FW染野唯月が堂々とプロデビュー
鹿島アントラーズがJ1再開初戦となる4日の第2節で、川崎フロンターレとのアウェーゲームに臨み、1-2で敗れた。今季はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフ、ルヴァンカップ、サンフレッチェ広島とのJ1開幕戦(0-3)に敗れ、公式戦3連敗スタートとなっていたが、この日も勝利をつかむことができなかった。この一戦で尚志高から鹿島入りした高卒ルーキーFW染野唯月が途中出場でプロデビュー。決定機2度を演出するなど、堂々としたプレーで画面の向こうにいるファンを魅了した。
無観客で行われた再開初戦。整列入場はなく、集合写真ではソーシャルディスタンスを保つなど“ウィズコロナ”のなかで行われた歴史的な一戦だった。鹿島は元日本代表DF内田篤人が先発メンバーに名を連ね、今季初出場。歓声はなく、ベンチの声が響く異様な雰囲気のなか、試合は序盤から動いた。
前半2分、川崎がチャンスを作る。左CKからつなぎMF家長昭博がゴール前へボールを入れると、右サイドから走り込んだDF谷口彰悟がダイレクトで右足を合わせて先制した。前半30分には2失点目。直後にオウンゴールで1点を返し、前半は1-2で折り返した。
後半は徐々に鹿島がペースをつかみ、猛攻を仕掛けた。そして、同27分に染野が途中出場。最前線に入った染野は同40分に見せ場を作り出した。左クロスをペナルティーエリア内で受け、右足を強振するもバーをたたいてしまいゴールには収まらず。直後の同41分には、カウンターから飛び出した染野がペナルティーエリア内で仕掛けて倒されるもノーファウルだった。無観客の試合ではあったが、思わず報道陣からも感嘆の声が漏れるほどのプレーを披露した染野は初々しくデビュー戦を振り返った。
「デビューできて嬉しいし、自分の持ち味のシュート打てたのは良かったのかなと思いますけど点を取れなかったのは課題になっていくと思うので、シュートの意識を高めていきたい」
指揮官も大絶賛 「いい才能を持っている選手」
公式戦4連敗スタートとなった鹿島だが、18歳の活躍は希望の光。川崎ゴールを脅かす存在感にザーゴ監督も大絶賛だった。
「いい才能を持っている選手。練習の中でも集中して要求したことをやろうとしている姿勢に意欲を感じられるし、しっかり磨いて指導して計算できる選手になってくれれば。今日もプレー時間は30分ぐらいだけど、決定的な仕事を演出した。これからいい成長曲線を描いていければ」
令和の“新怪物”として期待される染野。デビュー1年目からイレギュラーな中断や超過密日程が強いられるが、ネットを揺らす日はきっと近いだろう。