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2021年3月13日土曜日

◆【J1採点&寸評】鹿島3-1湘南|先発抜擢に一発回答のアタッカーがMOM。途中出場のベテランMFも高評価(サッカーダイジェスト)






鹿島――4バックはいずれも及第点以上の出来


[J1第3節]鹿島3-1湘南/3月10日/カシマ

【チーム採点・寸評】
鹿島 7
黒星スタートとなった開幕戦の汚名を返上。失点ゼロに抑えれば喜びも倍増したはずだが、勝点3の上積みは何より好転のきざしだ。

【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 6
ピンチらしいピンチがなく安定していたが、クリーンシートまであとわずかのところで失点を喫し、悔しさをあらわにした。

DF
22 広瀬陸斗 6.5
荒木の2点目をアシスト。エリア内に走り込む13番に、置きにいくようなパスがとてもクールだった。

DF
39 犬飼智也 6.5
相手FWを背後から厳しくチェック。足を伸ばしてボールを突っつき、空中戦でも引けをとらなかった。

DF
28 町田浩樹 6.5
右CKのチャンスで、ダメ押しとなるチーム3点目を強烈ヘッドで決める。1点を返された直後だけにグッと重みが増した。

DF
14 永戸勝也 6.5
持ち前の攻撃力だけではなく、1対1の守備やクロス対応など、高い集中力と注意力を見せた。勝ちたいという気持ちがビシバシ伝わってきた。

MF
20 三竿健斗 6
攻から守への切り替えが速く、次々に相手カウンターの芽を摘んだ。ときには長い距離を並走し、ゴールに対して角度のないほうに追いやった。

MF
6 永木亮太 6(72分OUT)
前半終了間際に絶好機を掴むもゴールにならず、頭を抱えた。「決めたかった!」という内なる声が聞こえてくるようだった。


鹿島――「コンディションは今ひとつ」のエースは…





MF
7 ファン・アラーノ 5.5(72分OUT)
足もとのテクニックには唸るものがある。だが、ボールにパワーを伝えられず、せっかくのシュートチャンスをフイにしていたのは残念。

MAN OF THE MATCH
MF
13 荒木遼太郎 7(72分OUT)
チームを勝利に導く2得点に「今、すごく調子がいい!」と笑みをこぼす。スタメンに抜擢したザーゴ監督も拍手喝采だ。

FW
8 土居聖真 6.5(79分OUT)
キレキレのドリブルで何度も好機を創出。先制点は「やや持ちすぎか?」と思われるような土居のしつこい仕掛けが奏功した。

FW
9 エヴェラウド 5.5(79分OUT)
「コンディションは今ひとつ」と本人が正直に打ち明けているとおり、トップフォームには程遠い。シュートもわずか1本に終わる。

途中出場
MF
11 和泉竜司 6.5(72分IN)
ゴールに向かって左側の“和泉ゾーン”に入ると、やはりひと味違う。試合の流れを見ながらメリハリの効いたプレーが目立った。

MF
4 レオ・シルバ 6.5(72分IN)
オフサイドの判定によってゴールは取り消されたものの、ボール奪取から縦パスを送り、50メートル近くを駆け上がった一連のパフォーマンスは圧巻だった。

MF
27 松村優太 6(72分IN)
サイドでのドリブルや裏に抜け出すフリーランニングなど、所々で危険な香りを漂わせた。あとは、いかに結果につなげるか。

MF
25 遠藤 康 6.5(79分IN)
短いプレータイムの中で、きわどいシュートを放ったり、右CKから3点目をアシストしたり、効率のよい働きぶりはお見事。

FW
19 染野唯月 ―(79分IN)
アディショナルタイムを含めると、およそ15分間ピッチに立ったが、ひときわ輝くプレーは見せられなかった。

監督
ザーゴ 6.5
「チャンスが多かった前半にもっと決めておくべきだった」と振り返りつつも、今、一番欲しい結果を残して終始ご満悦だった。


湘南――古巣対決となった山本は悔しい内容に


[J1第3節]鹿島3-1湘南/3月10日/カシマ

【チーム採点・寸評】
湘南 5
立ち上がり3分の失点によって出鼻をくじかれた。後半に持ち直し、一矢報いたものの勝点を奪うまでには至らず、開幕3連敗と苦しい状況が続く。

DF
16 山本脩斗 5
昨季までの7シーズンを過ごした古巣との対決に心躍ったが、「やりたいようにやられてしまった」と悔やんだ。







◆【J1採点&寸評】鹿島3-1湘南|先発抜擢に一発回答のアタッカーがMOM。途中出場のベテランMFも高評価(サッカーダイジェスト)





◆今季アントラーズは強し。だが本当に「打倒・川崎の一番手」なのか(Sportiva)






 鹿島アントラーズの評判がいい。

 今季J1開幕を前に(当サイトも含めて)多くのメディアで順位予想が行なわれていたが、鹿島を優勝候補に推す声が非常に多かったのだ。

 いわば、川崎フロンターレ連覇阻止の筆頭候補。それが鹿島の下馬評だった。

 ところが、そんな高評価にもかかわらず、鹿島はJ1開幕戦で清水エスパルスに1-3の逆転負け。しかも、優勢に進めていた試合で75分に待望の先制点を奪いながら、その後のわずか10分間で3点を失うという、およそ試合巧者の鹿島らしからぬ負け方だった。

 それだけにJ1第3節の湘南ベルマーレ戦では、鹿島の真価――打倒・川崎の筆頭候補にふさわしい力を備えているのか――が問われていた。

 たかが1試合に負けただけで、真価が問われるというのも大袈裟な気はするが、昨季もスタートの出遅れ(開幕4連敗)が響き、優勝争いに加われなかったことを考えると、悪い流れは早めに断ち切っておきたい。

 ルヴァンカップのグループリーグ初戦では、サガン鳥栖を3-0と一蹴したものの、J1第2節のガンバ大阪戦が中止(相手チームの新型コロナウイルス感染による)になったため、リーグ戦はこれが2試合目。開幕戦に続くホームゲームということもあり、鹿島にとっては負けが許されない試合だったと言ってもいいだろう。

 はたして結果は、3-1の勝利。内容的に見ても、特に前半は湘南にほぼ何もさせず、主導権を握ったまま、危なげなく勝ち点3を手にした。

「この試合に勝ちたいという鹿島の気持ちがインテンシティの高い球際やスプリントに出ていて、それに屈した局面が多かった。戦術うんぬんより、それが一番(の敗因)だった」

 湘南の浮嶋敏監督もそう語り、素直に負けを認めるしかなかった。

 鹿島がいかにチームとしてうまく機能していたかは、奇しくもシーズン序盤で両チームが対戦した昨季の試合(J1第6節)と比較すると明らかだ。

 昨季の対戦では、ホームとアウェーの入れ替わりこそあれ、主導権を握っていたのは湘南だった。鹿島はボール保持率では大きく上回るものの、パスワークのテンポは上がらず、単調な攻撃を繰り返すばかり。むしろ危ういカウンターを受ける場面も多かった。

 結局、試合は後半にCKから決勝点を奪った湘南が1-0で勝利。

「自分の考えでは、やっていることは間違っていないと思うので、しっかり取り組んで結果につなげたい」

 試合後、鹿島のアントニオ・カルロス・ザーゴ監督が口にしたそんな言葉も、少なからず強がりに聞こえたものだ。

 しかし、現在の鹿島は、当時とは明らかに異なるチームになっている。

 選手同士の距離感は格段によくなり、リズムよく選手が立ち位置を変え、パスをつなぐ。そればかりでなく、ボールを失ったあとの守備への切り替えも速く、しかも効率よく奪い返すことに成功していた。

 ザーゴ監督の言葉を借りれば、「私が監督に就任し、(1年目の)昨年はチームを作っていた」のに対し、「今年は土台ができている」。まだペナルティーエリア内をどう攻略するかについては課題が残るが、チームとしての基本的なボールの動かし方、奪い返し方が確立されてきたことは間違いない。

 若い選手が台頭してきているのも、頼もしい材料となっている。

 この日2点を決めたMF荒木遼太郎は、開幕戦に続く2試合連続ゴール。「自分の結果も大事だが、チームのために走って、これからも戦い続けたい。自分のゴールは周りの選手のおかげ」と言葉は控えめだが、ボールを持ったときの落ち着きと余裕はふてぶてしさすら感じさせるほどで、19歳とは思えないものだ。

 また、24歳のMF三竿健斗が昨季からキャプテンを務め、21歳のGK沖悠哉が最後尾からチームを支える。Jリーグ屈指の常勝軍団は、抜かりなく新陳代謝を図り、同時にチームの強化を進めている様子がうかがえる。

 現在の強さと、将来の伸びしろ。なるほど、今季の鹿島が高い評価を受けるのも納得である。

 とはいえ、現時点での力関係では、鹿島は川崎に劣ると言わざるを得ない。言い換えれば、今の川崎はそれほどに強い。

 今季の鹿島が高い評価を受けるのも、単純な実力の比較というより、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)がないという"付帯条件"があってのことだ。誰もが、川崎が明らかに強いことは承知のうえで、「もし川崎を倒すとしたら」の注釈付きで評価しているというのが実際だろう。

 確かに鹿島は、ボールの動かし方や奪い返し方が確立されてきた。しかし、そこでの完成度ならば、川崎に一日の長がある。というより、数段上だろう。

 湘南戦を見ていても、せっかく素早い守備への切り替えから高い位置でボールを奪い返しても、ビッグチャンスをフイにしてしまうケースが目立った。おそらく川崎なら前半のうちにもう2、3点取って勝負をつけ、後半さらに加点して大勝。そんな試合にしていたはずだ。

 2-0から1点を失ったあと、すぐさま取り返して3-1にしたあたりは、さすがとも言えるが、そもそも2-0から1点を失ってしまうところに、脆さがあるとも言える。3点目を決めたDF町田浩樹が「素直に喜べる感じでもない。自分が得点したことより、1失点したことのほうが気にかかっている」と言うのもうなずける。

 しかしながら、開幕4連敗を含め、最初の6試合を1勝5敗でスタートした昨季の鹿島は、終わってみればACL出場圏内にあと一歩の5位。その上げ幅は驚くほどに大きく、時間の経過とともに急激にチームとして形になっていった。(川崎にはACLも待ち受けている)長いシーズンが進んでいけば、現時点では及ばずとも、ライバルとの差を縮める可能性は十分に秘めている。

 加えて言えば、昨季チーム得点王のFWエヴェラウドや前出の荒木の他、MFファン・アラーノ、DF永戸勝也、広瀬陸斗ら、主力に今季鹿島での2年目を迎える選手が多いことも、チームとしてのさらなる成熟と上積みを期待させる。

 ザーゴ体制2年目を迎えた今季、Jリーグが誇る常勝軍団は、確かな足取りで王者・川崎を追いかけている。




◆今季アントラーズは強し。だが本当に「打倒・川崎の一番手」なのか(Sportiva)





◆鹿島19歳荒木2戦3発「吉兆」10代10発の勢い(ニッカン)







鹿島アントラーズの高卒2年目、19歳のMF荒木遼太郎が、開幕から2戦3発と勢いに乗っている。

東福岡高から加入した1年目の昨季は26試合に出場し2得点をマークしたが、今季は開幕2戦で早くも昨季を超え、J1通算得点も5点に伸ばした。02年1月29日生まれで、今季が19歳シーズン。史上7人目の10代でJ1通算10ゴールを狙えそうな勢いだ。

過去6人の達成者うち5人が日本代表としてワールドカップ(W杯)に出場。しかも欧州4大リーグのいずれかでプレー経験があるという「吉兆」の快記録だ。今季中に5点を追加すれば、鹿島では背番号13の先輩FW柳沢がマークした20歳2カ月というクラブ最年少到達記録を塗り替えることにもなる。

◆J1通算10ゴール到達の年少記録

宇佐美貴史(G大阪)19歳1カ月26日
城  彰二(市 原)19歳2カ月0日
中田 英寿(平 塚)19歳7カ月6日
小野 伸二(浦 和)19歳7カ月18日
松波 正信(G大阪)19歳8カ月30日
稲本 潤一(G大阪)19歳11カ月28日
小川慶治朗(神 戸)20歳2カ月1日
鎌田 大地(鳥 栖)20歳2カ月17日
柳沢  敦(鹿 島)20歳2カ月20日
中村 俊輔(横 浜)20歳2カ月26日

最年少の19歳1カ月でJ1通算10ゴールに到達したFW宇佐美はブンデスリーガの強豪バイエルン・ミュンヘンでプレーし、18年W杯ロシア大会に出場。続く19歳2カ月で達成したFW城は98年W杯フランス大会にエースとして出場し、その後は日本人として初めてスペイン1部リーグ(バリャドリード)でゴールを決めた。

「黄金世代」と呼ばれたMF中田、小野、稲本は02年W杯日韓大会で日本初の16強進出の原動力となり、中田はセリエA、プレミア、小野はオランダ、ブンデス、稲本はプレミア、ブンデスなどでも活躍した。

日本代表MF鎌田は10代で10ゴールを逃したものの、鳥栖で歴代8位となる20歳2カ月の若さで達成。現在はブンデスリーガのアイントラハト・フランクフルトで主力としてチームの攻撃をけん引する。

J1レベルで若いうちに高い決定力を示した選手はステップアップを遂げるケースが多いだけに、常勝鹿島の19歳アタッカーの今後にも期待がふくらむことになる。

2得点を挙げた10日の湘南戦では高い技術が光り、チームに今季初勝利をもたらした。ザーゴ監督は「将来的には日本代表を目指してほしい」と期待を寄せる。10代で10ゴールという「通過点」を決めた先に、さらなる飛躍が待っている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


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◆鹿島19歳荒木2戦3発「吉兆」10代10発の勢い(ニッカン)


◆鹿島ザーゴ監督「1日でも早く」新外国人合流心待ち(ニッカン)






鹿島アントラーズのザーゴ監督(51)が12日、13日のホームでのサンフレッチェ広島戦に向けオンライン取材に応じ、新外国人選手の早期合流を心待ちにした。

現在、政府が緊急事態宣言の全面解除後、来日できていないプロ野球、Jリーグなどの外国人選手の入国を容認する検討に入っている。鹿島ではブラジル人のMFピトゥカ、MFカイキが合流できていないが、早期来日への期待が高まる。指揮官は「クラブが非常に投資をしてくれて獲得した」とした上で「僕自身は1日でも早く来日してほしいという部分はある。アントラーズだけでなく全サッカークラブ、野球、その他のスポーツでも外国人が来て活躍することが非常に重要な部分になる。政府の方針に従うしかないが、僕自身はその日が1日でも早まってくれないかなと強い希望はあります」と思い述べた。

2人の外国人選手は、現地のフィジカルコーチとオンラインで練習を積み、日本のナイターの試合を観戦するなど、チームの情報を共有している。だが、ザーゴ監督は「来日してから隔離期間があるという話ですし、来日しても1カ月ぐらいは体力戻すまでに時間がかかってしまう」と、公式戦出場には時間を要することを明かした。

新外国人の合流はまだだが、チームは昨季から大幅なメンバーの変更もなく、昨季からの積み上げを武器にリーグ戦は1勝1敗。ルヴァン杯でも好発進している。指揮官は、快勝した前節の湘南ベルマーレ戦を「やるべきことをして勝利を手にした。ラストパスの部分で改善点はあるが、全体的を振り返ると結果に等しい内容を示した」と手ごたえを口にする。次節の広島戦に向け「90分の集中力、注意力で一瞬たりとも隙を与えないことをやらないといけない」と語気を強め「ホームの試合を無駄にしてはいけない」と必勝を掲げた。




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◆鹿島・ザーゴ監督「試合をマネジメントできるようになっている」 広島戦での先手必勝誓う(スポニチ)






 J1鹿島のザーゴ監督(51)が、“先手必勝”を誓った。チームは12日、あす13日のホーム広島戦に向けて鹿嶋市内で調整。今季はここまで公式戦3試合すべて先制点を挙げており、指揮官は「昨年はよく先制されて追いかける展開が多かった。しっかり自分たちが作った最初のチャンスを決めきることによって、試合をマネジメントできるようになっている」と手応えを口にする。

 一方で対する広島も、無得点に終わったルヴァン杯の清水戦を除き、リーグ戦はここまで3試合でいずれも先制点を挙げている。リーグ戦3試合で6得点を誇る相手に、ザーゴ監督は「相手は平均身長も高くセットプレーが強い印象。大事なのは試合の入り方。90分間集中力を切らさず、隙を与えてはいけない」と警戒を強めた。

 先月27日のリーグ開幕から続いたホームでの3連戦最後となる。「今はもうとにかくやるべきことをやり続ける。特にホームの試合は我々が圧倒的な主導権を持って戦わないといけない。先制点を取ることによって、自分たちが賢くマネジメントできると思う」と、先制点の重要性を説いた。


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◆鹿島・ザーゴ監督「試合をマネジメントできるようになっている」 広島戦での先手必勝誓う(スポニチ)


◆【鹿島vs広島プレビュー】ホーム戦連勝で勢いに乗りたい鹿島…広島は無敗継続で上位キープを目論む(サッカーキング)






■鹿島アントラーズ 守備面にいくつかの課題を抱えるも、チーム状態は上向き


【プラス材料】
 第2節はガンバ大阪に新型コロナウイルス感染者が出たため延期に。アクシデントに見舞われた中でも、ホームで行われた前節の湘南ベルマーレ戦を3-1でしっかり勝ちきった。JリーグYBCルヴァンカップでは勝利しているものの、リーグ戦はこれが今季初勝利。昨季は開幕でつまづき、優勝争いに絡めなかった経緯があるだけに、すぐに勝ち点3を手にできたことはチームにとってプラス材料になる。

 湘南を序盤から自陣に閉じ込めるなど、合格点を与えられる試合内容だった。2年目のMF荒木遼太郎が2得点を決めたことで、チームの勢いが増すことは間違いない。攻撃時のセットプレーの精度も向上している。

 昨季は開幕節で黒星を喫したサンフレッチェ広島を、今季はホームで叩いて上昇気流に乗りたいところだ。

【マイナス材料】
 リードを奪った後の試合運びに不安がある。開幕節の清水エスパルス戦は1点を取った後に3失点。湘南戦では2点リードした後、相手に押し込まれる場面が増え、セットプレーから得点を許した。前からプレスをかけることとブロックを敷いて対処する選択が、前と後ろで合っていない印象だ。センターバックのDF町田浩樹も「そこを合わせていかないと」と反省点に挙げている。

 セットプレーからの失点、セットプレーのこぼれ球を拾われての失点が2試合で起こっており、守備時のセットプレーにも課題を残す。序盤戦ではチームを問わず起こりやすい要素であるものの、優勝を目指すうえでは早期に解決しておきたいところだ。

文:totoONE編集部


■サンフレッチェ広島 未完成ながら攻撃面が好調。連戦のダメージが気がかり


【プラス材料】
 開幕節、第2節と引き分けの連続、しかも先制した後に追いつかれるというサンフレッチェ広島らしからぬ展開だったが、前節の北海道コンサドーレ札幌戦でようやく今季初勝利を挙げた。攻撃の内容も良く、自分たちで試合の主導権を握り、3人目の動きも有効に使いながらチャンスを作っていた。FWジュニオール・サントス頼みではなく、チームとしての主眼をもって相手の守備を崩したことも大きな収穫と言える。

 また、第2節の横浜F・マリノス戦に続いて札幌戦でも、デザインされたセットプレーからしっかりとゴールを奪えているのも大きい。3試合で6得点と、まだまだ新システムが機能しきっていない中でゴールを奪えていることは未来への希望だ。

 全員が執念の守備を見せて勝利をもぎとった札幌戦が持つ意味は、メンタル面でも大きいと見る。

【マイナス材料】
 札幌戦は前半の途中から相手にセカンドボールを拾われ、苦しい展開に。横浜FM戦もそうだったが、相手に一度ペースを握られると、そこから押し返すのが難しい状況に陥る。速攻が広島の持ち味だが、それ一辺倒になってしまうと相手も対応し、急展開ばかりになって疲労が蓄積してしまう。ペースメイカーが必要だが、新システムへの対応に追われているからか、選手たちの多くがチーム全体を見渡す視野を持てていない。

 また、連戦の中でケガ人も増えてきており、コンディションを整える時間もない。城福浩監督は札幌戦で大きくメンバーを入れ替えてきたが、この試合で長い時間プレーした選手の疲労は大きく、鹿島アントラーズ戦での起用は微妙。新戦力の台頭に期待したいところだが……。

文:紫熊倶楽部 中野和也




◆【鹿島vs広島プレビュー】ホーム戦連勝で勢いに乗りたい鹿島…広島は無敗継続で上位キープを目論む(サッカーキング)


◆【鹿島】ホームで難敵を破って公式戦3連勝へ。ザーゴ監督「一瞬たりとも隙を与えないこと」(サッカーマガジン)






3月12日、鹿島アントラーズのザーゴ監督が練習後のオンライン取材に応じた。10日のJ1第3節湘南ベルマーレ戦で今季のリーグ戦初勝利を挙げ、勢いそのままに中2日でのサンフレッチェ広島戦に臨む。指揮官は現在のチーム状態を明かし、次戦への思いを語った。


広島を警戒。「セットプレーで強さを発揮している」


 今季の開幕戦は逆転負けを喫したが、その後のルヴァンカップで今季初勝利を挙げ、続くJ1第3節湘南戦でリーグ戦での初白星を手にした。「やるべきことをやって、勝利を手にすることができた。改善が必要なところもありますが、全体的に振り返ると結果(勝利)に等しい内容を示したと思います」と、ザーゴ監督はチームの出来に胸を張った。

 今季は開幕早々から連戦を強いられるが、「それをどう乗り越えていくのかということをマネージメントしていきたい」と指揮官は話す。そのためには、「全選手が(試合で)使える状態にいてほしい」と言うように、ケガなどでの離脱者が出ないことが重要だ。オフシーズンに新型コロナウイルスに感染し、チームへの合流が遅れたレオ・シルバについては「だいぶ状態が上がってきていて、先発でも使える」と明かす。「みんなで準備ができれば」と、ザーゴ監督はチーム全員の力で連戦を乗り切る考えだ。

 次節で相対するのは広島。昨季はリーグ開幕戦で0-3と敗れ、シーズン後半戦にはホームで1-0と接戦をものにした相手でもある。「監督が代わっていなくて、選手も大幅に変わっていない。非常に守備的な部分もあったり、セットプレーで強さを発揮している部分もある。平均身長が高いチームでもある」と警戒を強める。

 ただ、「今シーズンは2戦2勝を目指してやっていきたい」とザーゴ監督。「我々のこの3試合は、内容的にも状態が上がってきているし、非常に良い。大事なのはホームでのしっかりとした試合の入り方と、90分間の集中力、注意力を持続させて一瞬たりとも相手に隙を与えないこと。それができれば、おのずと勝ち続けていけるでしょう。このホームの試合を無駄にしてはいけません」と、カシマスタジアムでの広島戦勝利へ全力を注ぐ。

 タイトル獲得へシーズン序盤から勝利を積み重ねるべく、3月13日はホームで難敵を迎え撃つ。




◆【鹿島】ホームで難敵を破って公式戦3連勝へ。ザーゴ監督「一瞬たりとも隙を与えないこと」(サッカーマガジン)