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2021年10月24日日曜日

◆【鹿島】上田綺世が語った選手、クラブ、サポーターの関係「その現状を変えられるのがプレーヤーであり――」。3戦連発、FC東京に勝利(サカノワ)






ACL出場権争いに踏み止まる勝利。リーグ4位13ゴールに伸ばす。


[J1 33節] FC東京 1-2 鹿島/2021年10月23日14:03/味の素スタジアム

 J1リーグ鹿島アントラーズがアルトゥール・カイキと上田綺世のゴールで、FC東京に2-1の勝利を収めた。ホームチームは渡邊凌磨がスーパーボレーを突き刺してみたものの、これで先制された試合は10連敗となった。

 鹿島の上田はリーグ3試合連続ゴールで、リーグ4位となる13得点に伸ばした。

 その試合後の取材、最近起きたサポーターのトラブルなどを受けての思いを問われた。すると23歳のストライカーは少し考えて、次のように語った。

「僕らプロの立場なので、一選手でありながら、クラブとサポーターの関係が大事であることも分かっていて、そこには歴史があります。

 鹿島は勝ってきたからこそ、今の結果が、クラブも、サポーターも、上手くいっていない状況だと受け止めています。僕らプレーヤーは、その現状を変えられるより近い立場であり、そこでサポーターは一番ストレスがかかり、もどかしさを覚えていると思います」

 そのように「クラブ」を構成する中で、結果が残せていない時、サポーターが最もジレンマにかられているのではないかと感じ取っている。

「そうすると、何か僕らにそれを示さないといけない、とアクションがあった。よくない行為もあったと思いますが、それを含めて鹿島アントラーズ。それを変えられるのも、体現できるのも僕らなので、サポーターどうこう、クラブどうこうよりも、まず選手が試合に勝たないと、どんなに綺麗なサッカーをしても仕方ない。今日は相馬監督からも何がなんでも勝つサッカーをしようと言われ、それを出せました」

 あらゆる“要素”で構成されているのが鹿島アントラーズであり、その中で、自分のやるべきこと、できることは何か――それは目の前の試合で、目の前のプレーで勝ち、勝利のためゴールを決めること(絡むこと)。上田はそこに集中すると誓う。

 この日は土居聖真とのコンビも冴えた。上田は「お互いの特長を理解しているからこそ息が合っています。僕が推進力を持って背後へ出るところを、(土居)聖真くんが生かしてくれました」と頷いた。

 ACL出場権争いには何とか踏み止まっている。上田のゴールで、鹿島に勝点と勇気をもたらしたい。


◆【鹿島】上田綺世が語った選手、クラブ、サポーターの関係「その現状を変えられるのがプレーヤーであり――」。3戦連発、FC東京に勝利(サカノワ)





◆【鹿島】上田綺世「変えられるのは選手だけ」の強い思いで決勝点。「どんなにきれいなサッカーをしてもしょうがない」(サッカーマガジン)






鹿島アントラーズが意地と覚悟の勝ち点3だ。10月23日の明治安田生命J1リーグ第33節FC東京戦では、不格好であろうとなんだろうと、勝利に執着してゴールへと迫った。多くのチャンスの中心であり続けた上田綺世が追加点。3戦連発のこの一撃が決勝ゴールになった。

■2021年10月23日 明治安田生命J1リーグ第33節(@味スタ/観衆11,172人)
FC東京 1-2 鹿島
得点者:(F)渡邊凌磨
    (鹿)アルトゥール・カイキ、上田綺世


「一発で決められれば良かったんですけど」


 勝たなければならない試合だった。

 10月2日の横浜FC戦で敗れ、一部ファン・サポーターがくすぶる不満を表面化させ、目標である3位争いで足踏み。だから、3週間後の再開マッチとなったこのFC東京戦では、勝つことに執着した。相馬直樹監督は「今日はどうしても勝利が必要なゲーム」と力を込めて語った。そのために自陣からでも早く前にボールを送り届けることを優先した。「もう一度、自分たちの重心を前に置きたいと考えたときに、ボールが後ろにあるよりも、前に運べるような展開を作りたかった」からだ。

 その受け手が、上田綺世なのだった。

「どんなにきれいなサッカーをしてもしょうがないので、今日は相馬(直樹)監督からもあったように、なにがなんでも勝とうと、この準備期間でやってきました」

 味方が顔を上げるたびに上田や土居聖真が前線で動き出してボールを引き出す、という繰り返し。18分にはペナルティーエリアの中で左に流れてディエゴ・ピトゥカからの縦パスを引き出して中央へ送り、土居の絶好機を導いた。37分にはペナルティーエリア内の右でファン・アラーノからのパスを受けてシュート、逆サイドに流れたところを土居が突っ込んで触ったが左に切れていった。55分にも再び狭いスペースでファン・アラーノのパスを受けて狙うがわずか右へ。ラフなキックが続く大味な攻撃の中でも、ビッグチャンスを作り続けた。

 前半のアディショナルタイムにセットプレーからアルトゥール・カイキがヘッドで決めて先制。追加点がほしかった。65分にそれを上田が実現する。

 右サイドで相手の連係ミスからボールを奪い、レオ・シルバが素早く右前へ。ファン・アラーノがさらに縦にボールを走らせると、受けた土居はマイナスへ。そこに上田がいた。右足のワンタッチフィニッシュはDFにブロックされるが、はね返ったボールが左足の前にこぼれた。キックフェイントを一つ挟む余裕を見せながら、左足できっちりと蹴り込んだ。この10分後に1点を返されたから、これが決勝ゴールになった。

「カウンターでみんな力強く前に出ることができていました。僕はちょっと遅れていたんですけど、(アルトゥール)カイキがファーに入ってくれたので、マイナスが空きました。一発で決められれば良かったんですけど、そのあとも良いところにこぼれてきて決めることができました」

 フィニッシュの瞬間にほんの一拍置いたことで、DFの重心を先に動かした。とても落ち着いて相手の動きを見極めていた。

 3戦連発は「意識していなかった」と平常心だが、「(現状を)変えられるのは選手だけ」の覚悟が左足の力強いフィニッシュに込められていた。

取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE


◆【鹿島】上田綺世「変えられるのは選手だけ」の強い思いで決勝点。「どんなにきれいなサッカーをしてもしょうがない」(サッカーマガジン)





◆鹿島・上田綺世 3戦連発!11月W杯最終予選へ“大迫代役”猛アピール(スポニチ)






明治安田生命J1第33節   鹿島2―1FC東京 ( 2021年10月23日    味スタ )


 明治安田生命J1リーグは23日、各地で5試合が行われ、鹿島はアウェーでFC東京を2―1で下しACL出場圏内となる3位浮上へ望みをつないだ。1点リードの後半20分に東京五輪代表FW上田綺世(あやせ、23)が自身初の3戦連発で追加点。視察した日本代表の森保一監督(53)の前で、来月のW杯アジア最終予選メンバー入りにアピールした。湘南は山口智監督(43)就任後6試合目で初勝利を挙げ、16位に浮上した。

 その瞬間、森保監督の視線をくぎ付けにした。1点リードで迎えた後半20分。エリア中央で待ち受けた鹿島のFW上田が、FW土居のマイナスパスを右足で合わせる。一度は相手MF青木にはじかれたが、こぼれ球を冷静に左足で突き刺した。

 「自分の中で一呼吸置いて、しっかり枠を捉えて打とうという意識だった。ワンテンポ遅らせて、落ち着いて打てたので決められたと思う」。そう振り返る追加点は自身プロ入り初の3戦連発。日の丸を引き寄せる“御前弾”となった。

 日本代表は来月にW杯アジア最終予選2戦(11日ベトナム戦、16日オマーン戦)を控えるが、エースFWの大迫勇也(31=神戸)は負傷の影響で参加は不透明となっている。今季リーグ4位の13得点で、直近8戦7発と驚異的なペースで得点を挙げてきた上田が“代役”として招集される期待も高まる。

 上田自身は「自分のクラブでの活躍なくして代表はない。まずはチームの状況を第一に考えて、チームのために尽くせれば」と自然体を強調した。27日にはタイトルがかかる天皇杯準々決勝の川崎F戦と、重要な一戦も控えている。目の前の試合に集中した先に、代表切符はあるはずだ。


◆鹿島・上田綺世 3戦連発!11月W杯最終予選へ“大迫代役”猛アピール(スポニチ)





◆鹿島上田綺世3戦連続弾「自分の意識の転換が大事」直近8戦7発の量産態勢(ニッカン)






<明治安田生命J1:東京1-2鹿島>◇第33節◇23日◇味スタ

鹿島アントラーズがFW上田綺世(23)のプロ初の3戦連続ゴールなどで東京を下し、来季ACL出場圏の3位以内へ望みをつなげた。

日本代表の森保一監督(53)が視察する中、上田は後半20分に左足でネットを揺らし自己シーズン記録も13得点に更新。初の3戦連発には「あまり意識していなかった」と苦笑しながらも、直近で8戦7発の量産。「安定した出場時間と毎試合の課題克服、自分の意識の転換が大事なのかな」と話した。

2日の前節は最下位の横浜FCに敗れ、サポーターの怒りが爆発。上田は「暴動は良くない」としながらも「僕らは選手として現状を変えられるが、一番遠いのはサポーター。今の感情だと思う」と理解を示した。「相馬監督からもあったように準備期間に何が何でも勝つことをやろう、とやってきた」と続けた。

27日の天皇杯・川崎フロンターレ戦へ「この先の鹿島につながるタイトルを絶対にもぎ取りたい」と誓った。


◆鹿島上田綺世3戦連続弾「自分の意識の転換が大事」直近8戦7発の量産態勢(ニッカン)





◆値千金の先制ヘッド!! 勢いもたらした鹿島MFカイキ「大きな勝利になったと思う」(ゲキサカ)






[10.23 J1リーグ第33節 FC東京 1-2 鹿島 味スタ]

 貴重な先制点となった。ネットを揺らしたのは鹿島アントラーズMFアルトゥール・カイキだった。

 0-0のまま進んだ前半アディショナルタイム。右サイドでFKの好機を得ると、MFディエゴ・ピトゥカから正確なボールがゴール前に届けられる。「ゴールに向かうようなインスイングのボールを(ファン・)アラーノ選手やピトゥカ選手と練習している中で、今回はピトゥカ選手から良いボールが上がってきた」。

 ニアサイドで誰よりも早く落下点に入ったカイキは、打点の高いヘディングで叩き込んで先制点を記録。「タイミングよく入り込めた」と白い歯を見せた。

 後半20分にFW上田綺世の追加点で突き放したチームは、FC東京の反撃を1点に抑えて2-1の勝利。ACL出場権争いに生き残るために貴重な勝ち点3を獲得した。

「チームとして3位以内に入る目標を掲げている中で、一つの大きな勝利になったと思う」と振り返りつつも、「今後も継続してやっていくことが大事だと思う」と次戦以降に視線を移した。

(取材・文 折戸岳彦)


◆値千金の先制ヘッド!! 勢いもたらした鹿島MFカイキ「大きな勝利になったと思う」(ゲキサカ)





◆鹿島らしい勝負強さでACL出場権に望み 相馬監督「チーム1つになった」(ニッカン)






<明治安田生命J1:東京1-2鹿島>◇第33節◇23日◇味スタ

鹿島アントラーズはFC東京を2-1で下し、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏へ望みをつなげた。

10月2日の前節は最下位の横浜FC戦にホームで黒星を喫したが、約3週間の準備期間で気持ちを切り替え、鹿島らしい勝負強さで勝ち点3を積み上げた。相馬直樹監督の一問一答は以下の通り。

-試合の総括

相馬監督 たくさんのサポーターに駆けつけていただいた。前節、横浜FCさんのゲームでは、皆さんに悔しい思いをさせてしまった。我々としたら少し情けない試合をしてしまった。我々を信じて一緒に戦ってくれて感謝したい。そのエネルギーが我々の今日の勝利につながったと思います。ゲームは、お互いに勝ちを意識した、ゴールや背後を狙う縦にスピーディーな展開、球際が激しいゲームになった。いい状態でボールを拾った方が、前向きな攻撃の形を作れる流れだった。非常に風があったので。前半は我々が風上、後半は風下。前半は背後に落とされる嫌なボールがあった。我々が風に乗って素早く攻め込むことが出来た。五分の展開だったが、前半のいい時間帯にセットプレーでしたが点を取れた。相手にとってはすごく嫌な、我々にとっては勇気をもらえるゴールだったと思う。時間帯を含めてすごく良かった。後半は守りに入るのでなく、もう1点取りに行こうと。後半は東京もエネルギーが非常に高かったが、その時間を少し乗り越えられたときに、我々のカウンターからいい形で追加点を奪うことが出来ました。2点目を取れたこと。追いつかれずに終われれば3点目のチャンスもあったかと思う。そこが取れれば、もあったが、選手たちが勝ちたい気持ちを表現してくれたと思う。選手1人1人が手をつないで、チーム1つになったゲームだった。準備の中でもそう言った部分を感じ取った部分もありましたので、それをしっかり表現できて勝ちにつなげられた。今後につなげられるゲームだった。次、天皇杯があるが、そこに向けていい準備をしたいと思います。

-前半は鹿島にしては珍しいロングボールの連発だった。

相馬監督 東京さんも、かなり前からボールを奪いに来るのはある程度、想定できたことが1つ。もう1つはもう1度、自分たちの重心を前に置きたいと。ボールが後ろにあるより、前に運べるような展開。その中で相手の圧力があると、間でつなぐより、圧力がかかってる分、多少、一つ飛ばした展開になりましたが、目的とすれば、自分たちの前にポイントをつくりたい。戦うという部分を意識した時、どこかでつなぐ中で、本当に相手を上回り切れればいいですが、きれいにというか、かっこよくというか、そっちがどうしても優先してしまう。今日は本当に、我々にとっては勝利がどうしても必要なゲーム。そういうなかで、立ち上がりはああいった形で前へ重心を持っていった。


◆鹿島らしい勝負強さでACL出場権に望み 相馬監督「チーム1つになった」(ニッカン)


◆上田綺世が3戦連発で鹿島アントラーズが上位追走! D・オリヴェイラ負傷交代のFC東京は3連敗(GOAL)






【Jリーグ(J1)結果】明治安田生命J1リーグは10月23日に第33節が開催。味の素スタジアムではFC東京と鹿島アントラーズが対戦した。


明治安田生命J1リーグは23日、第33節のFC東京vs鹿島アントラーズが行われた。

勝ち点46の9位・FC東京と勝ち点53の6位・鹿島による一戦。FC東京はディエゴ・オリヴェイラや永井謙佑、高萩洋次郎ら、鹿島は上田綺世や土居聖真、ファン・アラーノらを送り出した。

試合はFC東京が永井のスプリントを生かした積極的な入りを見せ、3分にはその長いが右サイド深いところから中央に折り返し。高萩が合わせたが枠を外れる。

鹿島は幾度かセットプレーからチャンスを作ろうとするがなかなか決定機を生まれず。序盤はFC東京がやや多くゴールに迫る構図で進行していく。20分には上田がボックス手前中央から右足を売り抜いたが、得点には繋がらない。

そのままスコアが動かずに推移する一戦。FC東京にアクシデントが発生した。序盤のセットプレーで脚を痛めた様子だったD・オリヴェイラがプレーを続けていたものの、自ら座り込んでしまいプレー続行不可能に。35分に渡邊凌磨との交代を強いられた。

すると37分、巧みな動き出しでファン・アラーノのパスを受けた上田がボックス右からシュートを浴びせる。FC東京DFにブロックされたところに土居が反応して右足の先でわずかに触れるが、押し込むことはできなかった。

試合は前半ATに動く。鹿島が右サイド浅い位置でFKを獲得するとキッカーはディエゴ・ピトゥカ。左足で高めのクロスを蹴り込むと、高く飛び上がったアルトゥール・カイキが頭で先制点をマークした。




リードして折り返した鹿島はハーフタイム中に三竿健斗に代えてレオ・シルバを投入して中盤での支配力を高めていく。49分にはボックス手前右に駆け上がったL・シルバが早速ミドルシュートを浴びせたが枠をわずかに外れた。

65分、試合の主導権を握り続けている鹿島がカウンターを繰り出す。ボックス右に抜け出した土居の折り返しを受けた上田がダイレクトシュートを浴びせたが、一度はFC東京DFがブロック。それでもこぼれ球に上田が自ら反応し、リーグ戦3戦連発4点目となる得点を決めた。

FC東京は66分に高萩と青木拓矢に代えて三田啓貴と東慶悟を起用し、攻勢を強めていく。すると75分、ボックス右に入り込んだ中村拓海がクロスを供給したところ、渡邊凌が反応。右足でボールをしっかりと捉える美しいボレーシュートを繰り出し、点差を1点に縮めた。

追い付かれまいとする鹿島は土居とA・カイキに代えて荒木遼太郎と和泉竜司を投入。攻撃的なカードを切ってさらに得点を目指しに行く。

終盤にかけてもチャンスを作っていく鹿島だったが、スコアが動かないまま試合が終了。この結果、鹿島は勝ち点を「56」として5位・名古屋グランパス(勝ち点57※今節未消化)との勝ち点差を暫定で「1」としている。一方、FC東京は4試合未勝利で3連敗を喫した。

■試合結果
FC東京 1-2 鹿島アントラーズ

■得点者
FC東京:渡邊凌磨(75分)
鹿島:アルトゥール・カイキ(45+1分)、上田綺世(65分)



◆【J1採点&寸評】FC東京1-2鹿島|MOMは先制点を挙げたA・カイキ。一矢報いた渡邊凌は及第点の評価(サッカーダイジェスト)






FC東京――勝負強さの点で鹿島に劣る


[J1第33節]FC東京1-2鹿島/10月23日/味の素スタジアム

【チーム採点・寸評】
FC東京 5.5
2CB+中盤の3枚回しをベースにボールを保持して攻めつつ、その中盤の参加で守備も安定させる戦い方自体は洗練されてきたが、試合前テーマに掲げていた球際などの本質で勝ちきれず、勝負強さの点で鹿島に劣った。この内容を維持しながらルヴァンカップ準決勝やリーグの横浜FC戦のような気迫を示したい。


鹿島――D・ピトゥカはチームの心臓という印象


[J1第33節]FC東京1-2鹿島/10月23日/味の素スタジアム

【チーム採点・寸評】
鹿島 6.5
アダイウトンら個の力を活かしたFC東京の攻撃は、強調したグループの守備で防ぎ、丁寧に試合を進めてチャンスを待った。ACL出場権を得られる3位以内を目指すには負けられない一戦を、最後はエースの一撃でモノにした。

【鹿島|採点・寸評】
GK
31 沖 悠哉 6
9分にイージーミスでピンチを招きかけたが、直後の青木のシュートは阻止。盛んに最終ラインの背後を衝いてくる永井や髙萩にも動じなかった。1失点はやむなし。

DF
32 常本佳吾 6
大外を走るアダイウトンには無理に1対1で勝とうとせず冷静に対応。並走で動きを制限するなどして、刈り取りはCB陣に任せ、終始落ち着いた守備が出来ていた。攻撃参加時のクロスも悪くない。

DF
33 関川郁万 6
永井、アダイウトンといった高速FW陣には落ち着いて対応。ただ失点の場面ではCB陣のうち1枚は永井とコースを見るのではなく、アダイウトンか渡邊凌のシュートを妨ぎたかった。

DF
28 町田浩樹 6
関川をフォローしながらラインをコントロール。フィードを送りゲームを下支えする役割を果たした。失点場面は町田からの声掛けで周囲を動かしたかったところ。

DF
2 安西幸輝 6
攻撃面ではインパクトを残せなかったものの、最終ラインの一員として勝利に貢献。中村拓など相手の右サイドを掴まえられればさらに良かった。

MF
20 三竿健斗 6.5(HT OUT)
落ち着いた読みでインターセプトするなど悪い出来ではなかったが、前半45分間のみの出場で交代。アクシデントによるものか。

MF
21 ディエゴ・ピトゥカ 6.5
FKで先制点をアシスト。2列目からドリブルで持ち上がり攻撃を牽引し、守備でも良いプレッシャーを見せてチームの心臓という印象を強くした。実に頼もしい。


鹿島――豪快なシュートをネットに突き刺した上田





MF
7 ファン・アラーノ 6.5(83分OUT)
先制点を決めたA・カイキとは流れの中でもパスがつながり、攻撃ユニット全体で点を獲りに行こうとする意思がうかがえた。

MAN OF THE MATCH
MF
17 アルトゥール・カイキ 6.5(76分OUT)
先制ゴールを決めたほか、57分のカウンターではJ・アラーノに決定的なパスを送った。「2週間の取り組みが実った」と語る試合後会見での嬉しそうな表情が手応えを物語っていた。

FW
8 土居聖真 6.5(76分OUT)
18分と37分にあった前半2度のシュートチャンスを決められなかったが、2点目のアシストで面目躍如。J・オマリをしっかりと抑えて的確なクロスを送った。ゴールへの執念がなした場面だった。

FW
18 上田綺世 6.5
20分のシュートはジャストミートせず、55分のシュートは右サイドネット。しかし65分、1度は撃ち損じながらもストライカーらしい豪快なシュートをネットに突き刺した。サポーターの不満も承知して現状を変えようとする意欲の表われか。

途中出場
MF
4 レオ・シルバ 6(HT IN)
ズバッと要所を衝くパスや強烈なミドルシュートはさすが。交代直後から積極的な雰囲気を作った。中盤から前にブラジル籍選手が多いなかで連係も良かった。

MF
13 荒木遼太郎 ―(76分IN)
80分、83分と二度あったチャンスのうち、どちらかを決めておきたかったが、悪くない出来。自分たちがボールを持ち相手陣内に食い込むための尖兵の役目を果たし、結果として攻め込まれる時間を減らした。キープ力が冴えていた。

MF
11 和泉竜司 ―(76分IN)
80分のカウンターの場面ではドリブルでチャンスを作り、ラストパスを荒木に供給。アシストがついていたかもしれない場面だった。

FW
19 染野唯月 ―(83分IN)
J・アラーノとの交代で出場。終盤、相手が攻勢に出るなかで自分たちの矢印を前に向ける役割だが、もう少し自身でボールに絡みたかった。

監督
相馬直樹 6.5
長いボールを蹴って競り合いの展開に持ち込み、あるいは自陣で相手攻撃陣を食い止めつつ試合を進め、不利な状態を作らなかった。セットプレーで先制し、カウンターで加点。攻撃陣の組み換えも含め、勝つためのすべを徹底して結果を手に入れた。 

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

取材・文●後藤 勝(フリーライター)


◆【J1採点&寸評】FC東京1-2鹿島|MOMは先制点を挙げたA・カイキ。一矢報いた渡邊凌は及第点の評価(サッカーダイジェスト)