小笠原満男の「40」番を志願
鹿島アントラーズは1月22日、新体制発表会を開催。2年半ぶりにベルギーのシント=トロイデンから復帰した鈴木優磨は、会見冒頭で、「全タイトルを取るために帰ってきました」と宣言した。
欧州挑戦で得たものについては、「あっちで経験したのは、練習でも必ず勝ちたがる。ひとつの勝負へのこだわりが凄く強い」と感じ、「練習でできないことは試合でもできない」と、トレーニングから真剣勝負にこだわり、「メンタル面ではすごく成長した」と実感しているという。
合流間もない鹿島でも「練習からバチバチやれていて、いい選手が揃っているという印象」と上々のスタートを切れたようだ。
そんな鈴木は新シーズン、鹿島3年目から背負い、ベルギーに渡っても身に着けていた背番号「9」ではなく、クラブのレジェンド小笠原満男が鹿島再加入後に背負ってきた「40」を身に纏う。
「(鹿島に)帰ってくるのが決まったなかで、一番プレッシャーがかかる番号は何か考えたとき、このクラブに一番タイトルをもたらしてきた人の背番号ではないかと。責任と覚悟を持って背負いました」
また、個人の目標について聞かれると、「二桁得点を必ず取るということ。今回復帰したのはまた優勝するためという大きな目標がある。そのために優勝するようなプレー、チームに必要な勝つためのプレーをしていきたい」と語った。
根底にあるのは、アカデミー時代から見続けてきたクラブの姿だ。
「鹿島アントラーズは常にJリーグを引っ張ってきたクラブ。僕が小さいころから見てきた鹿島は、いつもどのタイトルも獲ってきたクラブ」
常勝軍団の復活のために「もう一度そこに行けるように全力で頑張ります」と意気込む鈴木は、「言葉で言うとアレですが、汚いプレーはサッカーの一部。勝っている中で時間を稼ぐプレーなどは、(先輩たちの)背中で見てきた。それを体現して、背中で見せていきたい」と、クラブに息づく勝利への執着心をプレーで示していく覚悟だ。
6年ぶりのタイトル奪還へ、クラブの伝統を知る鈴木が最前線からチームをけん引する。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)
◆「背中で見せていきたい」鈴木優磨が語る鹿島の伝統「全タイトルを取るために帰ってきました」(サッカーダイジェスト)