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2022年8月17日水曜日

◆カシマで前代未聞のサウナイベント「参加者半数はサポーター以外」鹿島サポが起こした地域創生(REALSPORTS)






昨年あたりから「サウナブーム」が広まっている中、サッカースタジアムでの「ととのう」体験というのを、これまで誰が想像できただろうか――。鹿島アントラーズが指定管理者として運営管理を行っているカシマサッカースタジアムで、前代未聞のサウナイベント「IBARAKI SAUNA FES Vol.1 IN カシマサッカースタジアム」が今年6月に開催された。地域活性化に向けてさまざまな取り組みを行う中、このサウナフェスを主催した石川聖さん、大里望さん、菊池優さんの3人に、スタジアムでサウナをやる試みについて話を聞いた。


(インタビュー・構成=池田タツ、写真=くりゆ|茨城ウェディングフォトグラファー)


なぜスタジアムでサウナ? 鹿島アントラーズが抱える「地域課題」とは


――今回カシマサッカースタジアムでサウナイベントを開催するきかっけとなったのは、石川さんのアイディアだったそうですが、どんな経緯だったんですか?

石川:私は茨城県内で茨城の地のものを使用した藁焼き料理屋を経営しており、他にイベント運営やコーチング業を行っております。茨城県出身でサウナが好きなんですよね。今アウトドアサウナがブームになっている中、『茨城県をサ県に』とかかげて活動しています。私も鹿島アントラーズを昔から応援しています。その中でアントラーズコミュニティ×サウナみたいなことができないかという相談を大里さんにしました。今回の主催者の3人である私、大里さん、菊池さんはもともとサウナ好きでつながっていたというのもありまして。

――そもそもなぜスタジアムでサウナをやろうと思ったんですか。

大里:石川さんに企画のアイディアをいただき、彼が発起人となり石川さんが主導となってプロジェクトが進んでいきました。

石川:最初は今年の3月に私からアントラーズコミュニティ×サウナで何かやれないかという話をしました。その時はカシマサッカースタジアムでサウナをやることを目的としていたわけではなかったのですが、企画の中でいつかカシマサッカースタジアムでもテントサウナできたら面白いよねという話はありました。活動をしている中で、スタジアムでサウナができる可能性は十分にあるということがわかりました。株式会社KXの菊池さんはクラブとの距離も近いので、もう少し具体的に調べてほしいとお願いしました。

菊池:これはいけるかもしれないという予想はありました。そもそもクラブやこの地域が抱える課題のひとつとして「スタジアムの利活用」というのが大きなテーマとしてありました。カシマサッカースタジアムは鹿島アントラーズが茨城県から指定管理を受けて運営しています。現在、カシマスタジアムの敷地内でスポーツクラブやエステなどを併設したカシマウェルネスプラザや、アントラーズ スポーツクリニックという医療施設などの経営もやっています。

プロサッカーの試合では年間30日程度しかスタジアムは使われていません。それ以外の335日をどのように活用していくべきかがまだ見つかりきっていない中で、どうしていこうかという議論は常にしております。また地域としてもスタジアムが地域の交流拠点になるべきだと思っていたので、私からも(サウナイベントを)スタジアムでやるのはどうかという話をさせていただきました。

――そもそもKXはどんな会社なのですか?

菊池:まず社名のKは鹿島のK。Xは最近では「DX」という言葉で親しみ深いトランスフォーメーションの意味のXと、掛け算の「×(かける)」のコラボレーションの2つの意味を含めています。KXは鹿島アントラーズと一緒に地域課題に取り組んでいます。代表は鹿島アントラーズの社長でもある小泉が兼任していますが、アントラーズやメルカリとは資本関係はなく、小泉個人の会社です。

――改めて鹿島アントラーズが抱える地域課題について教えてください。

菊池:鹿島アントラーズのホームタウンである鹿行地域は全体で見るとどんどん人口が減っており、課題先進地域といわれています。鹿島臨海工業地域の衰退もすでに始まっていて、鹿島アントラーズのもともとの経営母体であった日本製鉄(旧住友金属)の高炉が2024年度末までに一基廃止されます。高炉が一基廃止されると1万人の雇用に影響があるといわれています。核家族だと想定した場合3〜4万人の人口が失われる可能性があり、鹿嶋市は6万8千人の街ですから大ダメージになりえます。

今まで企業城下町として栄えたこの地域も新しい産業への移行が必要な時期にきています。観光都市としての発展や再生可能エネルギー都市への移行など。そのために、茨城県全体の課題ともいえるブランディング向上を鹿行地域全体として掲げ、促進させていくべきだと考え実行に移し始めています。




参加者の約半分は鹿島アントラーズファン以外


――スタジアムイベントで地域に人を呼びたいというのが根底にあったんですね。ただ、実際スタジアムでサウナをやるにあたり乗り越えるべきハードルが結構ありそうですが、どういったところが大変でしたか?

菊池:地域のステークホルダーが、アウトドア・テントサウナに対してのイメージをまだあまり持っておらず、説明に時間がかかった印象です。企画の説明や当日のイベントの導線設計を綿密にすることで、スタジアム運営チームや消防署など地域の方々の不安を少しでも取り払おうことを強く意識しました。

――カシマサッカースタジアムはもともとスタジアムグルメでもガスを使えるスタジアムですからね。

菊池:火が使えるスタジアムというのはスタジアムの利活用でも大きなアドバンテージになると考えていました。ですので私はそもそもスタジアムで火を使って何かできないかというのを考えていました。これは他のスタジアムにはない強みだなと。

――イベントを告知してからすごい反応でしたよね。

大里:午前50名、午後50名で100名募集したんですが、本当に100人も集まるのかわれわれも懐疑的でした。しかしふたを開けてみたら3日で完売しました。想定よりもニーズが高かった。参加者にアンケートを取ったところ7割が県外からのお客さんでした。『スタジアムでサウナって、なんて企画なんだ!』と思ってくれた方がたくさんいらっしゃったようです。また、アウフグースを行う熱波師の方もキャスティングできていたので、おかげでサウナ好きにも刺さる企画になりました。鹿島アントラーズもサッカーも知らないけど、スタジアムでサウナって面白いから行ってみようという参加者も多かったようです。

もともとは鹿島アントラーズファン界隈で盛り上がるイベントを実施したいという想いと、地域課題の解決として地域外からも人を呼び込みたいという想いがあったのですが、実際には後者のほうが大きく達成できた形になりました。“カシマ”の食材を使った「はまぐりラーメン」を提供して、地元の美味しいものも知ってもらえたので、そういった手応えはあります。

「あなたは鹿島アントラーズファンですか? という問いに対する回答に『はい』が50%を切った

――今回は「スタジアムでサウナ!」っていう企画一発だけで持っていく形じゃなくて、先ほどあった「はまぐりラーメン」や、プロの熱波師を呼んできたりとコンテンツも充実していました。サウナが好きな人にちゃんと評価されたいという狙いはしっかりしていましたよね。

石川:そこはかなり考えて設計しました。先ほど話したように前提には地域課題の解決があるので、まずはカシマの知られていない魅力を伝えたいというのがありました。「はまぐりラーメン」は必ず素材は地のものを使うこと。それで地域に少しでもお金が落ちるようにしたいと考えていました。食事の提供も地元で釣宿をしている方々にスタッフとして入ってもらって作ってもらいました。

菊池:石川さんも飲食店を経営されているので、本来であれば石川さんの会社のリソースを使うこともできましたが、私たちの思いを汲み取ってくださり、今回は「はまぐりラーメン」を提供することになりました。

大里:熱波師としては、"Aufguss Professional Team"という日本全国のサウナ施設で活躍されているプロの方々をお呼びし、盛り上げていただきました。そこは石川さんのコネクションのおかげです。またその他お呼びした方としては鹿島アントラーズサポーターから熱波師になった方もいらっしゃいます。“カシマ産の熱波師”ということでぜひ呼びたかったんです。





クラブも地域もサポーターも変わり続けなければいけない


――県外から多く来たとのことですが、一番遠くからだとどこから来た方がいましたか?

菊池:福岡から来た方がいらっしゃいました(笑)。

――話を聞いていると企画の設計からイベント実施後のアンケートだったり、運営されている方がめちゃくちゃ優秀だからこそ、ここまで大成功したんだなという感想を持ちます。

菊池:優秀というより、カシマには危機感を持っているサポーターが多いのかなと思います。鹿島アントラーズがこの30年の歴史を積み重ねることができたのは勝ち続けることができたから。ここからさらなる歴史を築き上げていくためには、クラブも地域もサポーターも変わり続けなければいけないという意識を強く持っているはずです。

今回のサウナイベントも「盛り上がってみなさんに楽しんでいただくということ」が第一義ではありますが、なんのためにやるのかといったら、課題が多く、今後が危ぶまれる地域に新しい兆しを見出さなきゃいけないというビジョンがあります。「課題を解決するためには仮説検証が必要、だからちゃんとアンケートを取らなきゃいけないよね。」という話は自然と出てきました。最終的にはイベントを通じてご来場いただいた方に宿泊していただき、地域の経済効果につなげたいなどの想いもあったので。

大里:今回のイベントのように、カシマの地域課題解決にチャレンジする仲間としては、石川さん、菊池さん以外にも、2020年に開講したアントラーズビジネスカレッジに参加していたビジネスマンも多くいます。彼らもカシマをなんとかしたいという想いがあり、アントラーズビジネスカレッジを起点とした人とのつながりが一つの層になっていて、それはクラブにとっても資産と捉えられるのかもしれません。


継続していかないと地域ブランディングの向上にはつながらない


――今後に向けて考えていることを教えてください。

大里:昨今のサウナブームの力は予想以上に大きかったです。もともとサウナが好きで集まった3人ですが、サウナは目的ではなく、一つの手段としてもっと人を呼び込んでいきたいですね。サポーター同士ってサッカーやクラブの話は当然しますが、それ以外の話や拡がりがなかなかなかったりする中で、共通の好きなもので盛り上がれるものっていいじゃないですか。それはサウナであったり、他のものでもいいのかなと思っています。サポーター同士のコミュニケーションが活性化されれば、スタジアムの雰囲気が良くなってチームが強くなっていくということもありえるんじゃないかと。カシマの外から来てくれる人を増やすこともそうですし、鹿島アントラーズのカルチャーの中にいる人たち同士のつながりも強まるといいですね。

菊池:今回のイベントはスタジアムの利活用という点では大成功だったと思います。ただ、これは今後継続していかないと地域ブランディングの向上にはつながりません。例えば、「サウナができるスタジアム」というブランディングはやり続けることでついてくるもの。今後は『イベントを起点にカシマに宿泊してもらう』というところもしっかり達成したいですね。カシマは都内から良くも悪くも日帰りできてしまう。試合の翌日にイベントをやることで宿泊につながるかという仮説を立てていたのですが、ほとんど宿泊にはつながりませんでした。理由は鹿島アントラーズの試合を見てサウナにも来ましたという方がほとんどいなかったので。だから試合とサウナの接続は課題です。

あとは来てくれた方と地域の接点をもっと増やしたいですね。今回来てくれた方がカシマ・鹿行地域をどれだけ周遊してくれたかというと、そこには大きな伸びしろがあります。イベント自体は成功しましたが、地域課題解決という意味ではこれからです。それは街側の問題として十分な宿泊施設がなかったり、試合後どうやって街を巡るのかという準備やコミュニケーションができていなかったり。今回イベントをやったことで、それがより可視化されたので、イベントを続けながら課題も解決してきたいと思っています。

<了>






◆カシマで前代未聞のサウナイベント「参加者半数はサポーター以外」鹿島サポが起こした地域創生(REALSPORTS)


◆元鹿島・上田綺世に「ハードワークするが…」サークル監督が欠点指摘(FOOTBALL TRIBE)






 サークル・ブルッヘ所属の日本代表FW上田綺世(23)は、起用法を巡って議論の対象となっている。その中、サークル・ブルッヘのドミニク・タールハンマー監督が同選手のセンターフォワード適性について見解を述べた。15日、ベルギー紙『ヘット・ラーツテ・ニウス』が指揮官のコメントを伝えている。

 上田綺世は先月1日、明治安田生命J1リーグの鹿島アントラーズからサークル・ブルッヘへ完全移籍。練習試合でゴールをマークするなど結果を残したが、先月24日のジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)開幕節・ウェステルロー戦では、本職ではないトップ下で先発起用されていた。

 また30日の第2節・アンデルレヒト戦でも、トーゴ代表FWケビン・デンキー(21)の途中出場したタイミングで前線1トップからトップ下へポジションを変更。今月7日の第3節・スタンダール・リエージュ戦では後半キックオフからトップ下でプレーしていた。

 ただ今月13日の第4節・KVメヘレン戦では、「4-2-3-1」の前線1トップで先発出場。シュートこそ放ったものの、味方選手からほとんどパスも貰えず、75分に途中交代している。

 そんな上田綺世について、タールハンマー監督は「アヤセはハードワークするが、本来のポジションではフレッシュさに欠ける。彼にとって日本でのプレーすることとは全く違うが、彼には潜在能力があると確信している」と語っている。

 また『ヘット・ラーツテ・ニウス』は「サークル・ブルッヘは4試合でほとんどチャンスを作れず、1ゴールしかあげていない。(サークル・ブルッヘでのレンタル期間を終えて、レンジャーズへ完全移籍した)ラビ・マトンドの代わりがいない」と前線のクオリティ不足を指摘。

 「新戦力のエミリオ・ケーラーはKVメヘレン戦で途中出場したが、ジュピラー・プロ・リーグのクラブ相手には弱すぎることを示しただけだ。前線1トップではケビン・デンキーよりもウエダの起用が優先された。しかし、彼は鹿島アントラーズ在籍時の統計が予測するような火力を見せることはなかった」と、上田綺世のパフォーマンスに厳しい評価を与えている。




◆元鹿島・上田綺世に「ハードワークするが…」サークル監督が欠点指摘(FOOTBALL TRIBE)


◆J1月間ベストゴールは鹿島FWエヴェラウドの圧巻バイシクル弾!!「自然にできたプレーでした」(ゲキサカ)






 Jリーグは16日、7月度のJ1リーグ月間ベストゴールを発表し、鹿島アントラーズFWエヴェラウドのセレッソ大阪戦(7月6日、第20節)でのゴールが選ばれた。

 エヴェラウドは2-3で1点を追うC大阪戦の後半44分、FW鈴木優磨がそらしたボールをゴール前に走り込みながら受けると、ボールを巧みに浮かせながらペナルティエリア左に侵入し、果敢なバイシクルシュート。ふわりと浮き上がったボールがGKの頭上を超えてファーポスト脇に吸い込まれ、劇的な同点ゴールとなった。

 選考委員からは「『あの角度から』『あの体勢から』のオーバーヘッドでのゴール。その技術も素晴らしいが、ゴールへの執着心や勝利への執念を強く感じるゴールであった」(窪田慎二委員)、「見る者を驚嘆させるゴール。100回トライしても入らないようなシュートをねじ込んだ」(宮本恒靖委員)、「見る者の度肝を抜いた超絶の"ビシクレタ"。ボールを浮かせて守備者の頭上を破るシャペウから軽やかに宙を舞った傑作。しかも角度のないところから逆サイドへねじ込んだ」(北條聡委員)と絶賛の言葉が続いた。

 エヴェラウドは「子どもの頃から遊びでボールが浮いた時にオーバーヘッドをしていたことが体に染みついていたので、(あの場面では)自然にできたプレーでした。自分のキャリアの中でオーバーヘッドは何本か決めていますが、おそらくあのゴールは一番きれいなゴールだと思います」とした上で「今シーズンの残りの戦いに向け、選手全員が目指すべきゴールをしっかりと意識して取り組めば、タイトルを手にすることができると思います。皆さんが期待をしている結果を出すため、全身全霊をかけて戦っていきます」と意気込みを語っている。

 J2ではロアッソ熊本のMF杉山直宏が7月24日の第28節ツエーゲン金沢戦の後半6分に決めたゴール、J3ではY.S.C.C.横浜のMF松井大輔が7月9日の第16節ヴァンラーレ八戸戦で決めたゴールが選ばれている。 








◆J1月間ベストゴールは鹿島FWエヴェラウドの圧巻バイシクル弾!!「自然にできたプレーでした」(ゲキサカ)





◆岩政大樹監督の初陣に勝利した鹿島。中村憲剛氏は同世代監督の勝利に「一体感みたいなものをすごく感じた」 | やべっちスタジアム(DAZN)







【国内サッカー・ニュース】DAZNの『やべっちスタジアム#85』では、解説者の中村憲剛氏が今節の気になったチームを紹介。岩政大樹監督が就任した鹿島アントラーズに対し、初戦の感想を口にした。


今週は解説の中村氏とともに週末のカードを振り返り。その中で、気になったチームとして中村氏が挙げたのが鹿島だ。

鹿島は先週、優勝争いから一歩遠ざかった中でレネ・ヴァイラー監督との契約解除を発表。加えて、岩政コーチを監督に昇格させることを発表した。

大きな注目を集めた今節。鹿島はアビスパ福岡に対して戦術的にも内容的にも相手を上回り、オウンゴールとFWエヴェラウドのゴールで2-0の勝利を収め、暫定ながら再び2位に浮上した。中村氏は岩政監督の初陣に対し、「ついに同世代の監督が出てきたか」と喜びを示しつつ、初戦の感想を口にした。

「注目を集めた中で勝ち切りましたし、ゴールの後の一体感みたいなものは試合を見てすごく感じた。ここから終盤戦に向けてどれくらい上がっていくかはすごく興味深いです。(初陣は)一回しかないですから。新監督でデビュー戦みたいなものですから」

試合後には「僕の初陣だという話は一つもしていなかったですけど、選手たちがそういう思いを持ってプレーしてくれていたことは感じていましたし、それはもしかしたらサポーターの方も、クラブのみんなもそうですね。だから、一番、僕が負けられない状況できつかったですね(笑)」と笑顔で語った岩政監督。新たなスタートを切った鹿島が、岩政監督の下、優勝を手にすることができるか注目だ。


◆【鹿島】「すごく重要なこと」鈴木優磨が語った、岩政新監督がもたらした変化とは?(サッカーダイジェスト)






「やっている選手たちは楽しかった」


 鹿島アントラーズは8月14日、J1リーグ25節でアビスパ福岡と対戦。オウンゴールと終了間際のエヴェラウドの得点によって2-0で勝利を収めた。

 23節の横浜戦、24節の広島戦で今季初の連敗を喫していた鹿島は、8月8日にレネ・ヴァイラー監督の退任と、岩政大樹コーチの昇格を発表。福岡戦が岩政体制での初戦だった。

 試合後の会見で指揮官は、「(初戦で勝利できたことは)嬉しさよりも、ホッとした部分が強い」と明かした。今季は開幕直後から“代行”として指揮した経験はあるものの、「代行時は、逃げ道があったような部分もあったが、(福岡戦では)プレッシャーを感じてもいた」とし、試合の前々日までは眠れない日もあったが、前日練習までに良い準備と良いトレーニングができて「昨夜は眠れた」ようだ。

 先制点のオウンゴールを誘発した鈴木優磨も、「今週は非常に良い練習ができた。(岩政)大樹さんが、福岡はこう来るから、こうしようなど対策を練っていた。自信を持って試合に臨んだなかで、(岩政監督が)言うとおりの展開が起きていた。やっている選手たちは楽しかった」と熱弁した。

 試合では運に助けられた部分もあり、27分には福岡のジョン・マリのヘディングシュートがポストを叩くシーンなど、「怖さを感じた時間もあった」(鈴木)と認めた一方で、想定内の相手の攻撃にピッチ内では混乱することもなく、ゲームを進められたという。

 さらに鈴木は、新体制での変化も口にする。

「前半1対0で終わった時も、新しいアントラーズを見せようと話をしていた。昔のアントラーズなら守りに行って、1-0という形が多かったけど、俺らがこれから創るアントラーズでは、2点、3点と奪って相手をもっと制圧しようと大樹さんも言っていた」と新監督のビジョンに選手たちも呼応。「そこでエヴェ(エヴェラウド)の追加点が取れたのは、チームとして大きなポイントだった」とチームの前進に手ごたえを感じたようだ。

 変革のエネルギーになったのは選手一人ひとりの気持ちの変化だったという。

「今の俺らに必要だったのは、戦術もそうだけど、信頼されるということ。そこを今日の試合でも感じたし、その人のために頑張りたいと力を発揮できた。大樹さんが監督になって、どの選手も自分が重要な戦力だと感じられるようになった。これはすごく重要なこと」

 岩政監督就任からわずか1週間。今はまだほんの少しの変化かもしれないが、鈴木の言葉からは、正しい道を歩んでいる喜びが溢れ出ていた。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)





◆【鹿島】「すごく重要なこと」鈴木優磨が語った、岩政新監督がもたらした変化とは?(サッカーダイジェスト)