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2022年12月21日水曜日

◆【鹿島】アカデミーサポートクラブ創設に寄せて。柳沢敦ユース監督と小笠原満男TAが語り合う“育成年代”での大切なこと(サッカーマガジン)






鹿島アントラーズは、スクールからユースまでのアカデミーを対象としたファンクラブ「アカデミーサポートクラブ」を創設し、2023シーズンの会員を募集している。育成年代の選手たちを支援するアカデミーサポートクラブ発足に際し、アカデミーで指導する柳沢敦ユース監督と小笠原満男テクニカルアドバイザーが、それぞれの体験談を踏まえながら育成年代について語り合った。


アカデミー生の支援を目的とする「アカデミーサポートクラブ」


 2023シーズン、鹿島がアカデミーの支援を募るためのファンクラブを新設する。その名も「アカデミーサポートクラブ」。会費はアカデミーの活動・強化資金として活用され、会員にはアカデミーの活動を伝えるデジタル会報誌「ACADEMYFREAKS」や各カテゴリーのチームの試合動画が特典として配信される。

 そんな鹿島のアカデミーで指導にあたっているのが、クラブの一時代を築き、日本代表としても数々の国際大会で活躍した柳沢敦氏と小笠原満男氏だ。現在、柳沢氏はユースチームの監督を務め、小笠原氏はテクニカルアドバイザー(TA)としてアカデミー全体を俯瞰しながら、ともに自らの経験を育成年代の選手たちに伝えている。

 アカデミーサポートクラブ創設にあたり、“未来のアントラーズの主役”となり得る選手たちに与えるメリットとは何か。鹿島のアカデミーを引っ張る2人に聞いた。


「まずは選手を成長させてあげたい」「答えばかり与えても成長は止まる」


――今回、アカデミーサポートクラブが発足することになりました。お二人が育成年代の選手たちに指導する上で心掛けていることはどんなことですか?

柳沢 やはりより高いレベルを目指すチームを作らなければいけないと思っています。継続的な部分としては、試合に勝つこと、そしてそのためには個の部分に特化して選手を成長させて育てていくこと。そこは試行錯誤しながらやっているところです。

小笠原 そうですね。まずは選手を成長させてあげたい。そのために勝ちたいし、勝たせてあげたい。プリンスリーグもIFAリーグもそう。それと、もっと選手をタフに強くたくましくしていかないとチームの勝利につながらないことを感じました。トップの主役になるために、日本一のチームになるために。フィジカル的にもメンタル的にも、より強い人間、チームを目指していく必要があると思っています。

柳沢 満男はよく選手1人ひとりにアプローチしてくれているよね。僕自身は全体を見ようという意識でやっているけれど。

小笠原 そうですね。ヤナさん(柳沢ユース監督)は監督の立場なので、自分としてはさまざまな種類のボールを蹴ることだったり、トラップ、ターン、ヘディング、ボールの奪い方、守備の対応、クロスへの対応など、技術的なところを主に指導しています。トップに近づけるためにどうしていくか。そこを第一に考えて自分なりに伝えているところです。

柳沢 僕たちが答えばかりを与えていても選手の成長は止まってしまう。自分で考えて、工夫して、成長していけるような自主性を身につけさせなければいけません。


「代表に選ばれ続けることが大事」「成功体験でグッと成長できた」


――育成年代において“井の中の蛙”とならないよう、さらに上のレベルを知ることの重要性はお二人ともよく話されています。改めて年代別日本代表に参加した当時、どんな刺激を受けましたか?

小笠原 年代別日本代表で受けた刺激は、すごくありました。自分は東北の高校(岩手県・大船渡高校)だったので、東北ではある程度できていたことが、代表に行ったらもう全然ダメで……。本山(雅志)、中田(浩二)、遠藤ヤット(保仁)とか、すごい選手がたくさんいて、試合に出られずに帰ってきたこともありました。「もっと頑張らなきゃな」っていう刺激を常にもらっていました。ヤナさんは自分とは正反対で、エリートですもんね?

柳沢 いやいや(笑)。僕のときは戸田(和幸)や船越(優蔵)が、一つ上の代のツネさん(宮本恒靖)やヒデさん(中田英寿)たちのチームにも入っていたし、“エリート”といえば東京や千葉、静岡の選手たちでした。僕は富山の田舎から代表に行って、静岡から来た選手たちの輪に入っていけないタイプだったことを覚えているよ。そいつらに「ピッチの上では絶対に負けたくない」みたいな根性で必死にやっていたね。

小笠原 田舎者は、最初は下に見られますよね(苦笑)。

柳沢 そうだね、下に見られる(苦笑)。やっぱり、代表は東京や千葉、静岡の選手が多かったから。でも、認められてくると、だんだんと周りの選手からパスが来るようになって、ピッチ外でも最初は「なんだよ、富山県人」くらいだったのが、「おお、富山ってどんなところなんだ?」って僕の地元に興味を持たれるようになってね(笑)。彼らに比べると、田舎の高校生だった僕たちは大人しいほうだったよね。

小笠原 本当に自分たちは大人しいほうでした(笑)。でも、ヤナさんは18歳でフル代表に行きましたよね?

柳沢 ああ、B代表ね。

小笠原 高校生でB代表ですよ。タイのキングスカップに参加したんでしたっけ?

柳沢 そうだね。キングスカップのB代表に入ってから、毎回、呼ばれるようになったかな。一つの試合がきっかけとなって大きく成長できたりもするので、代表に選ばれ続けることが大事だと思っていた。

小笠原 自分は、代表に呼ばれてもベンチだとか、トルシエ監督(当時)に怒られたり、ワールドカップでも3分くらいしか出場できなかったりと、あまりいい思いはしていませんでした(苦笑)。でも、そのたびに悔しさを味わって、チームに帰ってから「彼らを絶対に超えてやる」と思って練習に取り組めました。だから、ヤナさんが言うように代表に呼び続けてもらえたことで得た経験は大きいです。

柳沢 やっぱり、継続的に代表に呼ばれて、その年代の世界大会を経験することはすごく大事だよね。満男も僕もU-17ワールドカップからオリンピック、そしてワールドカップまで全部経験しているから、世界大会を経験することはとても大事だと思っています。

小笠原 自分もワールドユース選手権(現U-20ワールドカップ)で準優勝して、その成功体験でグッと成長できた気がします。育成年代では、一つひとつの成功体験の積み重ねが大きな成長につながる。今のアカデミーの選手たちにも高いレベルの経験をしてもらいたいし、常に「まだ自分は足りない」と気がつけるような環境を用意してあげたいですね。


「応援してもらいながら選手を育てていければ」「彼らの成長する姿をぜひ見てもらえれば」


――鹿島のアカデミーでも継続的に各年代の代表活動へ参加する選手がいます。

柳沢 アントラーズユースでは、下田栄祐(3年・2023シーズンのトップチーム昇格内定、いわきFCへ育成型期限付き移籍予定)や松本遥翔(1年)、徳田誉(1年)が継続的に年代別日本代表に呼ばれているけれど、もっともっと頑張ってほしいね。

小笠原 徳田は点を取っているけれどベンチが多かったり、下田もレギュラーかと言ったら、まだそこまでではない印象です。2人とも、まだ代表チームの主力にまではなっていないだろうし、悔しさを味わうことのほうが多いかもしれないですね。

柳沢 確かに、現状ではそうかもしれない。僕自身、少しずつ代表に呼ばれるようになって、キングスカップでちょっと目がかかってからは毎回呼ばれるようになった。一つの試合をきっかけに、大きく変化させてくれたりするもの。そのためにはやはり選び続けてもらうということが大事になる。僕も満男もそうだったけれど、U-17から五輪、ワールドカップまでをすべて経験してきた。選手にとって世界大会の経験は成長の大きなきっかけとなる。徳田誉にしても下田栄祐にしても、継続的に呼ばれるようになってほしいし、そんな選手をどんどん輩出したいね。

小笠原 常に試合に出て活躍して、すべての大会で優勝できる。そんな全部が全部うまくいくような選手はいません。サッカーの世界はそんなに甘くはない。だけど、時には成功体験も大事だと思うので、いろいろな経験を積みながら成功体験もつかんで、育成年代の選手たちはその能力をグッと伸ばしてほしいな、という思いがあります。

柳沢 僕たちは、未来のアントラーズの主役となり、なおかつ日本代表を引っ張っていけるような選手を育てていけるようにしたいね。

小笠原 そこが目標ですね。ファン・サポーターの皆さんには、未来のアントラーズの選手たちとなるアカデミーの子たちを見守ってもらうことで、選手たちの刺激になるし本気度も上がる。トップに昇格したときの楽しみにもつなげてもらえればと思います。

柳沢 この「アカデミーサポートクラブ」に加入すれば、その情報を得ることができるんだよね。

小笠原 そうですね。まずこうやってトップを目指すアカデミーの選手たちを知ってもらえる機会ができたということがありがたいですよね。土日はトップチームの試合と重なることも多いので、動画配信もあるので実際のプレーをチェックしてもらって、彼らの成長する姿をぜひ見てもらえればと思います。

柳沢 とてもありがたい機会をいただいたので、これを機にいろいろな方々にアントラーズアカデミーをもっと知ってもらって、より応援してもらいながらいい選手を育てていければと思います。世界的にもアカデミー出身の選手が数多く輩出されているなか、鹿島でも同じようにトップチームへ輩出していきたいし、ファン・サポーターの皆さんには「アカデミーサポートクラブ」を通じて選手たちの成長の過程を見守ってもらいながら、ともに育てて成長を応援していただけるとうれしいです。


「2023アカデミーサポートクラブ」会員募集中!


会費:5,000円(税込)
会員有効期間:2023年1月1日(日・祝)~12月31日(日)
※SÓCIO、シーズンチケット、フリークス、ジュニアの各カテゴリーと掛け持ちでご入会いただけます。






◆【鹿島】アカデミーサポートクラブ創設に寄せて。柳沢敦ユース監督と小笠原満男TAが語り合う“育成年代”での大切なこと(サッカーマガジン)





◆鹿島がDFブエノと契約満了、リーグ戦通算35試合1得点「ファミリーの一員であることに変わりはない」(超WORLDサッカー!)









鹿島アントラーズは21日、DFブエノ(27)の契約満了を発表した。

ブエノは、ブラジル出身で、千葉国際高校から2014年8月に清水エスパルスに入団した。

2015年にはヴィッセル神戸へと期限付き移籍。2016年に鹿島へと完全移籍した。

鹿島では多くの出番を得られないと、2018年には徳島ヴォルティスへと期限付き移籍。J2で15試合に出場し1得点を記録すると、2019年は鹿島に戻り、J1で17試合に出場し1得点を記録。しかし、2020年は出番がなく、アトレチコ・ミネイロへと期限付き移籍していた。

2021年に復帰もJ1で1試合に出場。今シーズンは7試合でプレーしたが、退団となった。

鹿島ではJ1通算35試合1得点を記録していた。

ブエノはクラブを通じてコメントしている。

「選手、スタッフ、フロント、また、どんな状況下でも応援し続けてくださったサポーターの方々に、この場を借りて感謝の言葉を伝えたいと思います」

「このクラブで過ごした年月は幸せな時間であり、自分が離れたとしてもファミリーの一員であることに変わりはないので、常に応援し続けます。ありがとうございました」




◆鹿島がDFブエノと契約満了、リーグ戦通算35試合1得点「ファミリーの一員であることに変わりはない」(超WORLDサッカー!)


◆J1鹿島、町田MF佐野海舟を完全移籍で獲得 オーバートレーニング症候群も告白(FOOTBALLZONE)






6月中旬からチームとは別で調整


 J2町田ゼルビアは12月21日、MF佐野海舟がJ1鹿島アントラーズへ完全移籍ですることを発表した。クラブからのコメントで「オーバートレーニング症候群」を患っていたことも告白している。

 2019年よりFC町田ゼルビアへ加入した佐野は、現在22歳。4シーズン戦い、J2リーグ合計116試合8得点を記録している。2022シーズンは第20節まで先発出場を続けていたが、それ以降欠場が続き、7月にクラブから腰痛のためチームとは別で調整していることが明かされていた。結果、同シーズンそれ以降出場は叶わず、シーズンを終えることとなっている。

 そんな最中、新シーズンからJ1鹿島へと渡ることが決まった佐野は、クラブ公式コメントで「オーバートレーニング症候群」を患っていたことを告白した。佐野が記したコメント全文は以下のとおり。

「2022シーズンもFC町田ゼルビアへのご支援・ご声援ありがとうございました。この度、鹿島アントラーズに移籍することを決めました。ファン・サポーターの皆様 パートナー企業の皆様 株主の皆様 町田市の皆様 そして、FC町田ゼルビアに関わる全ての皆様 4年間、サポートありがとうございました。

 高校からFC町田ゼルビアに加入し本当に沢山の経験や成長をさせて頂きました。FC町田ゼルビアでJ1に昇格したいという気持ちがありましたが、自分のこれからのキャリアを考えこの決断をし、挑戦することにしました。ここで1つ、皆様に伝えたいことがあります。

 今シーズン途中にチームを離脱しました。それは腰痛もありましたが、オーバートレーニング症候群という病気になっていました。このことを公表するかはとても迷いましたが、公表しようと思った理由はたくさんの人達のおかげで、自分は戻ってくることができたからです。そして、そのたくさんの人達への感謝の気持ちを伝えたいと思うと同時に自分と同じ状況の人たちの力になりたいと思ったからです。

 自分が戻ってこれる環境を常に作ってくれていた監督やチームスタッフ、そして選手の皆さん。試合前に横断幕を掲げて、いつも暖かい声をかけてくださったファン・サポーターの皆さん。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。そして同じ状況を経験した事がある方々とたくさんお話をさせて頂き色んな素晴らしい活動があるという事も知れました。

 同じ経験をしていた人達に救って頂いたように 今度は自分がサッカーや様々な活動を通して、元気や勇気を与えれるように頑張りたいと思っています。最後にFC町田ゼルビアというクラブのこと。そしてFC町田ゼルビアのファン・サポーターの皆さんと町田という地が大好きになりました。

 これからもFC町田ゼルビアを応援していますし、皆さんに自分の活躍が届くように頑張ります。4年間本当にありがとうございました。いってきます!」

(FOOTBALL ZONE編集部)





◆J1鹿島、町田MF佐野海舟を完全移籍で獲得 オーバートレーニング症候群も告白(FOOTBALLZONE)





◆J1鹿島がピンポイント補強! J2インターセプト王の町田・佐野海舟を獲得「タイトルを獲ることに貢献できるよう戦います」(日テレNEWS)






サッカーJ1・鹿島アントラーズは21日、J2・町田ゼルビアのMF佐野海舟選手(21)を獲得したことを発表しました。

2022年シーズンは開幕戦から20試合連続でフル出場していたものの、疲労性の腰痛で長期の療養を行い6月の公式戦以降は出場から遠ざかっていました。

佐野選手はJ2で1試合平均のインターセプト数は0.7回でリーグ1位。1試合平均タックル数は3.1回でリーグ3位と、中盤の潰し役としてチームの顔となる活躍を見せていました。

今月鹿島は、三竿健斗選手がサンタ・クララ(ポルトガル1部)へ完全移籍することを発表。

相手の攻撃の芽を摘む、鹿島伝統の『背番号6』が抜けた中、ピンポイントで町田の『背番号6』佐野選手を補強することに成功しました。

佐野選手は「このたび、FC町田ゼルビアから加入することになりました佐野海舟です。鹿島アントラーズという伝統のあるクラブで、1試合でも多くの勝利とタイトルを獲ることに貢献できるよう戦います。よろしくお願いします」とコメントしています。





◆J1鹿島がピンポイント補強! J2インターセプト王の町田・佐野海舟を獲得「タイトルを獲ることに貢献できるよう戦います」(日テレNEWS)


◆上田綺世が今夏のベルギー移籍を回想「正しい選択だった」…リーグ再開に向けては「準備はできている」(サッカーキング)






 サークル・ブルッヘ所属の日本代表FW上田綺世が、2022-23シーズン再開への意気込みを語った。19日、ベルギーメディア『Nieuwsblad』がコメントを伝えている。

 今夏に鹿島アントラーズからサークル・ブルッヘに加入した上田。加入当初は適応に苦しんだものの、ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)第6節で移籍後初ゴールを記録すると、その後は得点を量産。シーズン中断までに公式戦18試合に出場し8ゴールを挙げる活躍を見せた。ベルギーでの活躍が評価された同選手はFIFAワールドカップカタール2022に臨む日本代表メンバーにも選出。グループE第2節のコスタリカ代表戦ではスタメン出場を飾った。

 世界の大舞台を経験した上田は「ベルギーではフィジカル面がより重視されるので、調整が必要でした」と加入当初を振り返りつつ、「今はもうプレー環境にも慣れましたし、以前より効率良くプレーできていると思います。W杯のメンバーに選ばれたのも、ヨーロッパでの経験があったからだと思っています。このクラブが自分にとって正しい選択だったとカタールで実感することができました」とコメント。続けてシーズン再開への意気込みを次のように示した。

「カタールから日本へは戻らず、直接ブルッヘに戻りました。サークル(・ブルッヘ)での重要で忙しい1週間が待っていますし、元々そのような合意を結んでいました。火曜日にはヘントとのカップ戦がありますし、金曜日のメヘレン戦でリーグは再開されます。すぐに戻ってきた代わりに来週には7日間の休暇をもらうことになっています」

「W杯の熱気が漂う国から落ち着いた雰囲気のブルッヘに戻ってきたので、慣れるまでには少し時間がかかりましたね。でも、すぐに仕事に戻る必要がありましたし、トレーニングにも合流しました。そのおかげで先週の土曜日のムスクロンでの試合ではゴールを決めることができました。続けていくための準備はできています」





◆磐田補強禁止で急転鹿島入り…東京国際大FW師岡柊生「自分らしいというか、そんなに重く捉えていない」(ゲキサカ)






[12.18 インカレ3回戦 東京国際大0-2桐蔭横浜大 流通経済大学龍ケ崎フィールド]

 FW師岡柊生(4年=日本航空高/鹿島内定)は、応援スタンドで必死になって声援を送っていた。初戦の高松大戦は途中出場でゴールを決めていたが、痛めていた内転筋の状態が思わしくなく、3回戦の戦いを前にドクターストップがかかったのだ。

「悔しかったですけど、今日は声を出すしかなかったので、そこではやり切ったのかなと思います」

 東京国際大は桐蔭横浜大に0-2で敗戦。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、師岡の大学サッカーも終わった。

 師岡のジュビロ磐田への入団内定が発表になったのは今年8月だった。新潟や大宮への練習参加もした中で、「裏に抜け出したらいろんなボールが出てくる」というMF遠藤保仁らのハイレベルなプレーに衝撃を受けたことなどで、入団を決めた。

 しかし思いもよらない知らせが、約2か月後に届くことになる。国際サッカー連盟(FIFA)から、21年に磐田に加入したFWファビアン・ゴンザレスの契約を巡って、今後2回の登録機関において、新規選手の登録が禁止されてしまったのだ。磐田は23シーズンの新加入選手を獲得できなくなった。

 師岡はその影響をもろに食らうことになった。磐田から獲得できなくなった旨を伝えれたのは、FIFAの発表の1週間ほど前。「ジュビロからは入ることは出来るけど、試合に出られないと説明されました」。特別指定選手の登録を行っていればまだ可能性はあったようだが、師岡はそれもされていなかった。

 磐田からは海外のクラブを紹介するという提案があったというが、色々な人に相談する中で、やはり国内でプレーすることを選択。幸いにもJ1複数クラブを含む5クラブほどが獲得に関心を示してくれたことで、国内への思いはより固まっていった。

 そんな中で鹿島の動きは早かった。FIFAの発表があった翌日には、練習参加なしで正式な獲得オファーが届いたのだ。「正直J2からスタートだと思っていたので、それが一気にJ1の上位クラブ。これまでもあまり強いチームでやってこなかったので、心配はありました」。

 しかしこのオファーを断る理由もなかった。そして「運命」を感じることにもなった。同い年のDF関川郁万は、小学校、中学校のチームメイト。「当時から別格で手の届かない存在」だったという関川だが、中学卒業から8年の時を経て、再びチームメイトになることになった。「連絡したら、『運命しかないな』という返信だった。一緒にJリーグを優勝を目指したいです」。

 もう頭は鹿島に切り替わっている。磐田からは、改めて今回の件の謝罪があったことを明かすが、「シュウが決めたことは応援するよ」と優しい言葉も貰ったという。「こういうことになったのも自分らしいというか、そんなに重くは捉えていないです」。笑顔が吹っ切れていることを何よりも物語る。這い上がってきた男が、常勝軍団の一員になる。

(取材・文 児玉幸洋)





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