国内タイトルは16年のJ1優勝が最後
[J1第4節]鹿島 2-1 川崎/3月17日/県立カシマサッカースタジアム
「もうそんなになりますか。これでやっと呪縛から解き放たれるかな」
安堵の表情を浮かべたのは、鹿島アントラーズの鈴木満フットボールアドバイザーだ。鹿島の20冠に強化責任者として関わった名伯楽にとっても、長きにわたる“川崎戦未勝利”の歴史は「呪縛」とも言うべきものだったようだ。
3月17日に行なわれたJ1第4節で、鹿島はホームで川崎と対戦。前半に先制を許すも、後半にチャヴリッチと鈴木優磨が得点。2-1の逆転勝ちを収めた。リーグ戦では2015年8月以来、実に8年6か月ぶりの川崎戦での勝利だった。
2016年こそJ1リーグを制した鹿島だったが、翌年に初めて川崎にシーズンダブルの黒星を付けられて以降、完全に立場が逆転。その後は毎年のように国内タイトルを手にしてきた宿敵に対し、鹿島は18年にACLで初制覇を果たしたものの、国内無冠の時期が続いている。
今回の川崎戦でも、最終ラインの背後に出された縦パス1本から失点してしまうなど、課題は依然として残っているものの、得たものも大きかったようだ。
「(8年間未勝利は)良い記録ではないので、途切れさせることができて良かった。練習でやってきたことが出せた」(チャヴリッチ)
「川崎もいろんな状況があると思うけど、どんな状況であろうが勝てたのは非常に大きい」(鈴木)
「今日負けているようでは、優勝はないと僕は思っている。自分たちはこれからもチャレンジし続けないといけない。そういう思いを強めてくれた勝利だった」(植田直通)
「呪縛」を断ち切った川崎戦の勝利を転機に、無冠の歴史にも終止符を打てるか。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)
◆「やっと呪縛から解き放たれる」鹿島の名伯楽・鈴木満も安堵。9年ぶりの川崎戦勝利は大きな転機となるか(サッカーダイジェスト)