日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年9月15日日曜日

◆鹿島期待の17歳FW徳田誉が“内田超え”最年少ゴール!! 日本代表GKからの劇的同点弾も浮かれず「もう1点取って大歓声を…」(ゲキサカ)






 徳田は幼少期から応援に訪れていたという聖地カシマスタジアムでのメモリアルゴールに「小学生の頃から応援する側で、いろんな選手のゴールを見てきた。自分がゴールを決めた時、ファン・サポーターの方々が喜んでくれて、それは素直に嬉しかった」と喜びも口にした。


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◆鹿島期待の17歳FW徳田誉が“内田超え”最年少ゴール!! 日本代表GKからの劇的同点弾も浮かれず「もう1点取って大歓声を…」(ゲキサカ)





[9.14 J1第30節 鹿島 2-2 広島 カシマ]

 逆転優勝に向けて負けが許されない首位・サンフレッチェ広島との大一番、鹿島アントラーズを救ったのは17歳の若きストライカーだった。FW徳田誉は後半29分、1-2のビハインドで途中投入されると、同37分に豪快なターンからの右足シュートでプロ初ゴールを記録。17歳209日のクラブ史上最年少ゴールがチームに勝ち点1をもたらす劇的な同点弾となった。

 この日の鹿島は1-2の後半開始時から3-4-2-1のオプション布陣を採用。徳田は同29分から1トップでピッチに立った。現在の正式な立場は鹿島ユースの3年生。だが、来季からのトップチーム昇格が決まっており、すでに2種登録選手としてJ1リーグ戦3試合の出場経験を持つ中、首位を迎えた大一番で最も早い時間帯に投入された。

 するとこの交代策が奏功した。徳田は投入直後から186cmの長身を活かした迫力ある動き出しで相手に脅威を与えると、後半37分に大仕事。ペナルティエリア左に流れたFW鈴木優磨からのパスをゴール前で受け、相手を背負いながら前を向くと、鋭く右足を一振り。グラウンダーのシュートをファーポスト脇に流し込み、値千金の同点ゴールを沈めた。

「負けている状況だったのでゴールしか見ていなかったし、常にシュートを狙っていた。自分の中で打てる形が来たなと思ったので、迷わず振り抜くだけだった。身体もうまく入れることができたし、ファーストタッチもシュートを打てるところに置けた。迷わず打つだけだった」(徳田)

 Jリーグ屈指の相手守備陣との駆け引きでも違いを見せた。トラップ時には元日本代表DF佐々木翔を背負う形となったが、「すごく身体が強くて苦労したけど、自分のポジションに入ったら負けない自信を持っていた」と体幹はブレず。またフィニッシュでは細かいステップで日本代表GK大迫敬介のテンポを崩しており、「自分の中でのリズムがあって、それを実行できた」というセンスが光った。

 そんな17歳209日でのJ1リーグ初ゴールはクラブにとって内田篤人氏が2006年に樹立した17歳359日を抜く史上最年少記録。J1リーグ全体でも森本貴幸(当時東京V)、MF久保建英(当時横浜FM)に続く年少3位の大記録となった。

 徳田は幼少期から応援に訪れていたという聖地カシマスタジアムでのメモリアルゴールに「小学生の頃から応援する側で、いろんな選手のゴールを見てきた。自分がゴールを決めた時、ファン・サポーターの方々が喜んでくれて、それは素直に嬉しかった」と喜びも口にした。

 もっとも、その表情は浮かなかった。続いた言葉は「次はあの声援を勝利のため、もう1点取って大歓声というのを目標に、今日の悔しさを活かしていけたら」というもの。試合後、17歳の胸にあったのは得点後にも訪れた決勝ゴールのチャンスを決められなかったこと、その結果、首位・町田との勝ち点差を9に広げられたことへの悔しさだった。

「もう1点、もう2点と取れたシーンもあると思うので、そこは次もっとゴールを取れるようにやっていきたい。優勝に近づくために勝たないといけない試合だったので、決めきれなかったところも含めて責任がある。悔しい気持ちが率直にある」

 自身のクラブ史上最年少ゴールにも浮かれる様子はない。「今回こうして最年少ゴールを決めることができたけど、自分たちより下の世代にもいい選手がいる。いずれ抜かれることは間違いない」。そう口にした徳田は今季1年生ながら高円宮杯プレミアリーグEASTの得点ランキング首位に立つ後輩FW吉田湊海の名も挙げながら、「湊海だったり、その他にもたくさんの優れたFWがいる。そこは意識せずにやっていけたら」と冷静に前を見据えていた。

 むしろ最年少ゴールという栄誉は徳田にとって、17歳という若さで期待の起用を続けてくれたクラブへの恩返しでもあった。

「ユースから初めて高校生のうちにトップに参加させてもらって、試合にも絡ませてもらっている。そこはポポヴィッチ監督にもすごく感謝しないといけない部分。自分の力だけでないいろんな人のサポートがあって試合に出られているし、こうやってゴールも取れた。そこはすごく感謝しないといけない」

 だからこそ、その思いは今後の成長と結果で示していく構えだ。

 試合後にはFW鈴木優磨、MF三竿健斗らから「おめでとう」といった祝福の言葉をかけられた一方、「ここで満足せずに」というメッセージも送られたという徳田。今季は鈴木、三竿の他にもMF柴崎岳、DF安西幸輝、DF植田直通ら欧州挑戦も含めた経験豊富な選手たちがチームの中核を担っており、彼らから学ぶものは大きいという。

「間違いなく練習の中では彼らが違いを見せているし、自分が盗まないといけない部分。みんな厳しい部分は厳しいのでとても勉強になる。また常に謙虚にやっている姿勢も年上の選手から見て感じる部分がすごくある。自分もそういうふうになっていかないといけない」

 そうした選手たちに時には厳しい要求もされている中、徳田がトライしているのはフィニッシュ以外の取り組み。「ボールを収めるところ、ゴール前の部分は得意にしているけど、それ以外のところ、もっとボールに関わったり、もっと周りを使ったり、周りにうまく使われたりというコンビネーションにまだまだ課題がある。それをもっとやっていかないといけない」。記念すべき初ゴールだが、いまや一つの通過点。この先にあるレギュラー争い、そして鹿島のエースの座に向け、努力を続けていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)



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