ページ

2018年9月10日月曜日

◆鹿島山本2発「こぼれてこいと」SBが攻撃で存在感(ニッカン)



山本脩斗 Shuto.Yamamoto


<YBCルヴァン杯:川崎F1-3鹿島>◇準々決勝第2戦◇9日◇味スタ

そこに左サイドバック(SB)の山本脩斗がいた。

1点目はまだ分かる。セットプレーで残っていた。相手のクリアをつないでMF遠藤康が持った瞬間、タイミング良くDFの裏を取った。「(遠藤)ヤスがあそこの角度で持ったら見てくれる。うまく抜け出せましたし、うまく当てることもできた。感触的には行ったかなと」。前半28分に頭で、貴重な先制ゴールを挙げた。

2点目は、なぜ、そこにいたのだろうか。右サイドからの攻撃。遠藤と右SBの内田、FW鈴木と枚数をかけていた。最後はMF永木亮太が中に送る。MF安部裕葵がGKと競り合い、ボールはパンチングではじかれた。ペナルティーエリア内のこぼれ落ちたその場所に、山本はフリーでいた。

「右サイドから行っているのが分かっていましたし、自分のマークもついていなかった。中も同数ぐらいで、何か来そうだなという感じがあった。『こぼれてこい』と。うまくタイミング良く行けた」。

前半37分の貴重な追加点。ホームの第1戦は1-1で引き分けており、アウェーでの複数得点はすなわち、引き分けでも突破を意味する。これが鹿島に勢いをもたらした。「誰が脩斗さんの2点を予想していたかな。同じ(SBの)ポジションだけど、ああやってスルスルって上がっていくのはやっぱ、すごいよね」。DF内田篤人も感嘆の声を上げた。まさに33歳の嗅覚だった。

左SBが攻撃で示した存在感。一方で、右SBの内田は守備で一役買っていた。最初に円陣を組んだときは「難しいゲームは向こうの方なんだから、こっちは普通にやればいいよ」と声を掛けた。後半早々にPKで1点を失ったときも全員を集めて「2-2でもいいんだから普通にやろう。ここは我慢しなきゃダメだ」と諭した。

「真ん中2枚がどっしり構えてっていう雰囲気がないなって思った。第1戦を見たときに。ワンちゃん(DF犬飼)だったり、マチ(DF町田)だったり、昔の(大岩)剛さんや岩政さんみたいにたくさん経験があるわけじゃないけど、鹿島のセンターバックって、Jリーグのほかのチームとは違うと思うんだよね、オレは。それを助けたいと思った。DFラインをしっかり締めようと」。

今季から復帰した背番号2は、みんなに声を掛け、自らは体を張り、ときには芝生をたたいてまで悔しがる背中を見せて、引っ張った。第1戦で「フワッとしていた」と感じた守備陣に、気迫という名の“雰囲気”をもたらした。「アントラーズの伝統という姿を見てきて、せっかくこのチームに戻ってきたんだから、下に伝えなきゃもったいない。自分がやらなきゃいけない仕事だと思っているんでね。こういう難しい試合でも、鹿島らしさ(を出せた)というか。オレが上の人を見てきたプレーを、そのままやっているだけですけど」。

今季、Jリーグではなかなか波に乗れない常勝軍団だが、ルヴァン杯は強敵川崎Fを勝ち抜いた。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も天皇杯も残る。まだ、どの大会のタイトルも、可能性は消えてはいない。山本は「なかなかうまくいかない試合もありましたけど、こういう勝利によってまた次のステージに行ける。また試合は続く。自分たちらしいサッカーを、練習からしっかり取り組んで頑張りたい」と口にした。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
Clear 比嘉愛未写真集 [ 舞山秀一 ]
価格:3024円(税込、送料無料) (2018/9/10時点)


◆鹿島山本2発「こぼれてこいと」SBが攻撃で存在感(ニッカン)