[12.22 クラブW杯3位決定戦 鹿島0-4リバープレート アブダビ]
鹿島アントラーズにとって今季公式戦60試合目となるラストゲームは南米王者を相手に4失点の完敗に終わった。2大会ぶり2度目の出場となったクラブW杯は4位終戦。DF内田篤人は「南米の選手、チームと対戦すると、カウンターとゴール前の質が違うなといつも思う」と率直に振り返った。
鹿島のシュートは3度、クロスバーに阻まれた。チャンスがなかったわけではないが、決めるべきところで決めてくるリバープレートの決定力はさすが。「今日はチャンスもあり、ピンチもあり。ゴール前の質は南米だなと。“南米だな”で片付けられないけど、やっぱり日本が勝つためには最後の3分の1だと思う」と冷静に分析した。
内田にとっても、Jリーグ復帰1年目のシーズンが終わった。今季、7年半ぶりに鹿島に復帰。15年6月に右膝を手術した影響でドイツでは最後の3年弱でわずか公式戦3試合の出場にとどまっていたが、今季は公式戦60試合のうち24試合に出場した(うち先発は18試合)。その内訳はJ1が34試合中12試合(うち先発7試合)、ACLが14試合中4試合(すべて先発)、ルヴァン杯が4試合中2試合(すべて先発)、天皇杯が5試合中3試合(すべて先発)、クラブW杯が3試合中3試合(うち先発2試合)だった。
「2年ぐらい休んで、アスリートとしては一度死んだ身」。今季も何度か負傷離脱を経験し、連戦を避けるなどフルタイムでチームに貢献することはできなかったが、それも想定内。「もっとやらないといけないけど、今の自分ではこれがいっぱいいっぱいかなと思う」。自分の身体と相談しながらシーズンを戦い抜いてきた。
だからこそ、来季はもっとチームの助けになれるという手応えもある。「今年は4分の1ぐらいしか出ていないかもしれないけど」と内田は言うが、実際には40%の試合に出場し、30%の試合に先発した。「それを4分の2にするのか、4分の3にするのか。もちろん4分の4出られればいいけど、そこは何となく目標を満さん(鈴木満常務取締役強化部長)と話した」。復帰1年目でクラブ悲願のタイトルであるACLを制し、クラブW杯にも出場した。自身の完全復活、そして鹿島でのさらなるタイトル獲得へ、「シーズンを通して戦える体をつくらないと」と早くも来季を見据えていた。
(取材・文 西山紘平)
◆「一度死んだ身」鹿島復帰1年目の内田篤人が積み上げた『24/60』の数字(ゲキサカ)