日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年6月2日日曜日

◆鹿島・鈴木優磨、怒りまくっているのに実は冷静に相手を分析…横浜Mキューウェル監督との言い合いも力に(中スポ)



鈴木優磨


【大塚浩雄のC級蹴球講座】
◇1日 サッカーJ1第17節 鹿島3―2横浜M(国立競技場)

 鹿島のFW鈴木優磨(28)は実に面白いストライカーだ。ボールを持っていないときはめちゃくちゃ熱い男なのだが、ボールを持った瞬間に冷静なプレーヤーに変身する。そのギャップと変わり身の速さが魅力的で、この日は特にそれが顕著だった。

 横浜Mベンチ前のタッチライン際ではキューウェル監督と激しく言い合っているし、露骨なファウルを受ければ相手選手に激高。さらに、イエローカードを出さない主審には不満をぶちまける。

 普通、あれだけエキサイトすると自分を見失ってプレーも駄目になりそうなものだが、鈴木は違う。敵、味方、ボール、ゴール、スペース。見るべき5つのものが実によく見えていた。局面を一気に変えてしまうサイドチェンジのパス、味方の動きに合わせた絶妙のパススピード、相手の急所をえぐるようなパスを何本も繰り出し、チャンスをつくり続けた。

 後半12分には、MF名古のクロスがこぼれたところに詰めて、同点ゴール。さらに、後半29分、勝ち越しゴールの起点となる。ボールを受けると斜め前で動き始めたMF知念に絶妙のタイミング、そしてパススピードでパスを繰り出した。受けた知念は中央に切れ込み、さらに逆サイドのDF濃野にラストパス。これを濃野が鮮やかに決めた。

 ピッチの隅々まで鈴木はよく見ている。キックの精度も高く、味方が受けやすいパスを出す。2点目の起点になったことに関し、「後半トップ下に入って、(横浜Mの)喜田選手の周りは前半から空いているなと思っていたし、そこにこなかったら前向けるし、きたら広大なスペースが空くというのを把握していた。あそこで引っ張るか、引っ張らないかの駆け引きはしていた。うまくはずせて真ん中がポッカリ空いたと思う」と鈴木。あれだけ怒りまくっているのに、実は冷静に相手を分析していたのだ。

 そういいながら鈴木は「誰かにあおられたおかげで、力がいっぱい出た。誰だか忘れたんですけど…。(キューウェル)監督ともやり合っていた? 誰だったかな? 全然覚えてないです。ただ、絶対勝ってやる、点取ってやると心に決めていた。ぼくはそういうタイプ。言ってくれてすごい力がでた。誰だか忘れたけどね」とニヤリと笑った。

 そういえばキューウェル監督もオーストラリア代表の激アツエースストライカーで、日本代表を苦しめていた。そんな闘将とやりあいながら、それを力に変えてしまう。それも鈴木優磨という激アツストライカーの魅力だ。

 ◆大塚浩雄 東京中日スポーツ編集委員。ドーハの悲劇、94年W杯米国大会、98年W杯フランス大会を現地取材。その後はデスクワークをこなしながら日本代表を追い続け、ついには原稿のネタ作りのため?指導者C級ライセンス取得。40数年前、高校サッカー選手権ベスト16(1回戦突破)




◆鹿島・鈴木優磨、怒りまくっているのに実は冷静に相手を分析…横浜Mキューウェル監督との言い合いも力に(中スポ)

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