ページ
▼
2016年11月30日水曜日
◆空席目立ったCS決勝平日ナイターのカシマスタジアム…観衆は2万3074人、集客率は56.6%(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204336-204336-fl
[11.29 チャンピオンシップ決勝第1戦 鹿島0-1浦和 カシマ]
29日、チャンピオンシップ決勝の第1戦がカシマスタジアムで行われ、浦和レッズが鹿島アントラーズに1-0で先勝した。第2戦は12月3日に埼玉スタジアムで行われる。
得点はMF阿部勇樹が決めたPKによる1点のみだったが、試合は開始直後から球際の激しさがみられるなど、今季の日本一のクラブを決める決戦に相応しい熱戦が繰り広げられた。
しかし残念ながら客席は空席が目立っていた。平日夜にカシマスタジアムで開催される試合、さらに23日に行われた準決勝の結果を受けて一般販売が25日と直前であったこともあり、戦前からチケットの売れ行きを心配する声も少なくなかった。
発表されたこの日の観衆は2万3074人で、今季のカシマスタジアムで行われたリーグ戦に当てはめると、5番目の観客数。収容人数は4万728人のため、集客率は56.6%だった。
ただし埼玉スタジアムで行われる第2戦のチケットはすでに完売。来季から1シーズン制に戻るため、“最後”となる頂上決戦は超満員で行われることが決まっている。キックオフは12月3日19時30分。NHK総合とスカパー!で生中継される。
◇CS決勝第1戦のMOMは浦和MF阿部…PK弾で勝利呼び込む(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204358-204358-fl
2016Jリーグチャンピオンシップの決勝第1戦が29日にカシマスタジアムで行われた。試合はアウェーの浦和レッズが鹿島アントラーズに1-0で勝利。Jリーグは同日、試合で最も活躍した選手に贈られるマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)として、PKで決勝点を挙げた浦和MF阿部勇樹を選出し、賞金として50万円が授与されたことを発表した。
なお、決勝第2戦は12月3日に埼玉スタジアムで開催。チケットはすでに完売したことが発表されている。
■Jリーグチャンピオンシップ決勝
[第1戦]
11月29日(火)
鹿島 0-1 浦和 [カシマ]
[第2戦]
12月3日(土)
浦和 19:30 鹿島 [埼玉]
◆好機逃した鹿島・遠藤…体調不良で取材に応じず(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112923190031-n1.html
明治安田チャンピオンシップ決勝第1戦(29日、鹿島0-1浦和、カシマ)鹿島は0-0の後半6分、この試合で唯一と言える好機を逃した。中盤でのボール奪取から速攻を仕掛け、土居が右へスルーパスを送る。完全に抜け出した遠藤が右足で狙ったが、前に出てきたGKの正面を突き、思わず天を仰いだ。
パスにダイレクトで合わせたシュートだったが、もう少し余裕を持ってもよかったか。後半35分に交代した遠藤は体調不良を訴え、取材には応じなかった。
◆鹿島MF永木、第2戦に切り替え「内容悪くない」「2点取って勝つ」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/29/kiji/K20161129013817190.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 鹿島0―1浦和 (11月29日 カシマ)
CS準決勝で年間勝ち点2位の川崎Fを下す“下克上”で浦和の待つ決勝進出を果たした年間勝ち点3位の鹿島だったが、厳しいホーム戦黒星となった。
DF西大伍(29)が2012年まで鹿島に在籍していた浦和FW興梠慎三(30)を倒して与えたPKを後半12分にMF阿部勇樹(35)に決められ、0―1での敗戦。1点を先制された直後の後半17分には、右足第5中足骨の負傷で公式戦4試合を欠場していたMF柴崎岳(24)が1カ月ぶりに試合復帰し、同20分にMF遠藤康(28)の落としから右足で強烈なシュート。5分が掲示されたロスタイム突入後の後半47分には柴崎の左クロスにMF土居聖真(24)が頭を合わせる決定機的なシーンもあったが、ゴール右に外れ、追いつくことはできなかった。
日本代表MF永木亮太(28)は「負けてしまったので切り替えていくしかない」と厳しい表情。それでも「内容自体は悪くない。自分たちは2点取って勝つしかない」と第2戦での大逆転優勝に気合を入れ直した。
◆鹿島なら逆転できる!本拠で零敗も柴崎復帰 石井監督「次に期待」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/30/kiji/K20161130013817280.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 浦和1―0鹿島 (11月29日 カシマ)
CS制覇が遠のく痛恨の失点だ。鹿島は後半12分にDF西が興梠を倒したとして痛恨のPKを献上。選手が主審に詰め寄って異議を唱えたが、判定は覆らなかった。そのPKを阿部に決められた。「判定は変わらない。失点をしてしまったので。切り替えて、次のアウェー戦に向けて準備できれば」。GK曽ケ端は潔く負けを認め、前を向いた。
PKを与えた以外は守備は落ち着いていた。ボールを持たれる時間が長かったが、MF永木が相手の司令塔・柏木のマークにつき、決定的なところでは自由にさせなかった。自陣深くに攻め込まれても最終ラインがはじき返し、前半44分のMF武藤の決定的なシュートは曽ケ端が左手一本でセーブした。DF昌子は「僕ら的には手応えを感じていた。完璧とは言わないけど、いい内容だった」と冷静に振り返った。
課題は攻撃だ。前半はシュートゼロ。一転、11本のシュートを放った後半は、後半6分にスルーパスに抜け出した遠藤がGKと1対1になりながら決めきれなかった。「ファウルを取られることが多くて、いい守備からいい攻撃につながらなかった」とFW土居。石井監督は「次の試合では攻撃を重視していきたい」と修正を誓った。
優勝するためには、第2戦で2点以上を挙げた上で勝利を収める必要がある。光明はMF柴崎の復帰だ。後半17分、公式戦5試合ぶりに2列目の左でピッチに立つと、3分後には左45度の位置から鋭いボレーシュートを放った。セットプレーではキッカーとして正確なボールを放った。具体名こそ出さなかったが、指揮官は「交代選手は予定通りの動きをしてくれた。次の試合に向けて期待できる」と手応えを語った。
CSは98、00、01年に3度制した。そのうち98年と01年は年間勝ち点で1位ではなかったが、逆転で王者になった。今年のCSは、7年ぶりのリーグ戦4連敗で第2ステージを終えて迎えた。準決勝では川崎Fを下したが、CS決勝では過去、第1戦で敗れたチームが優勝した例はない。またも苦しい状況に追い込まれたが、過去17冠の常勝軍団の心が折れることはない。「次だ次、顔を上げていこう」。試合後に整列した際、力強い曽ケ端の声が響いた。
▼CSの優勝チーム決定方法 ホーム&アウェーで90分間(前後半各45分)の2試合を行い、勝敗が決しない場合は引き分け。2試合が終了した時点で(1)勝利数(2)得失点差(3)アウェーゴール数(4)年間勝ち点1位(浦和)の順で決定。
◆鹿島、ホームで痛恨敗戦…次戦は2-0で6・11再現だ!(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161130/jle16113005020003-n1.html
明治安田チャンピオンシップ決勝第1戦(29日、鹿島0-1浦和、カシマ)ホームで0-1の敗戦。選手たちは肩を落としながらも、必死に前を見つめサポーター席にあいさつした。
「こういう(接戦の)試合は予想していた。判定は変わらないけど、いい守備はできた」。GK曽ケ端が熱戦を振り返った。前半、鹿島のシュートは0本。浦和も2本と互角の展開で後半へと折り返した。
ハーフタイムには「後半も集中しろ」とDF昌子がハッパをかけたが、6分、FW土居のパスにMF遠藤がフリーで抜け出すも、GKの好守で得点できず。逆に微妙な判定でPKを取られ、12分に先制を許した。不用意に興梠にぶつかり、PKを献上したDF西は「足も掛かっていないし、手も出していない」と納得できない様子だったが、チームはこの判定を受け入れた。
「やられたところ以外は完璧だった。第1ステージもアウェーで勝っているし、2-0なら勝てる」と昌子。鹿島が6月11日の勝利(◯2-0)の再現を狙う。 (一色伸裕)
★ハリル監督視察もミス多く渋い顔
視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督は「両チームとも緊張していたのか、決定機が少なく、パスミスも多かった」と渋い顔。試合を決めたPKの判定に関しても「私もPKには悪い思い出がある。W杯予選でもファウルを取ってもらえなかった。あまりコメントしたくない」と苦笑いを浮かべた。試合後の交通渋滞を予想して早めに会場を後にした。
◆鹿島本拠で痛い黒星「2点取って勝つしかない」永木(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1745103.html
<明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ:鹿島0-1浦和>◇決勝第1戦◇29日◇カシマ
年間3位の鹿島が同1位の浦和にホームで痛い敗戦を喫した。日本代表のMF永木亮太(28)は「点を取れるチャンスはあった。自分たちは2点を取って勝つしかない、割り切ってやるしかない」と第2戦を見据えた。
第2戦は12月3日に埼玉で行われる。延長はなく、90分終了の時点で引き分け以上なら浦和が優勝。鹿島は2点差以上を付けて勝利すれば優勝となる。2試合合計で同点の場合、アウェーゴール数で勝敗を決める。アウェーゴール数でも並んだ場合は年間順位が上位の浦和優勝となる。
◆JリーグCS決勝 鹿島、第1戦黒星(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14804289125959
J1の年間王座を争う明治安田チャンピオンシップ(CS)決勝第1戦は29日、カシマスタジアムで行い、第1ステージで優勝した鹿島(年間勝ち点3位)は第2ステージを制した浦和(同1位)に0-1で敗れた。鹿島が2009年以来7年ぶりのリーグ優勝を果たすには、第2戦で2得点以上で勝利することが条件となった。
前半は互いの厳しい守りを崩せず、0-0で折り返した。鹿島は後半12分にPKで先制を許し、その後攻勢を強めて何度も浦和ゴールに迫ったが得点を奪えなかった。
決勝第2戦は12月3日、埼玉スタジアムで午後7時半から行う。鹿島が優勝するためには敵地の第2戦で2得点以上の勝利が条件。負け、引き分け、1-0での勝利のいずれの場合は年間勝ち点1位の浦和の優勝が決まる。 (矢幡佳那子)
◆鹿島・曽ケ端、PKでの失点に「判定は変わらない。切り替えてやるしかない」(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112923330032-n1.html
明治安田チャンピオンシップ決勝第1戦(29日、鹿島0-1浦和、カシマ)鹿島のGK曽ケ端はPKで失った1点での敗戦に「(PKの)判定は変わらないです。切り替えてやるしかない」とうなだれた。チーム全体の守備は機能し、決定機は与えなかっただけに悔やまれた。
年間優勝を手にするには、第2戦で2点以上奪っての勝利が必要。「しっかり守備もして、点を取れるようにしないと」と攻撃陣の奮起を求めた。
◆PK判定に不服の鹿島DF西「足もかかってないし、手も使ってない」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204348-204348-fl
[11.29 チャンピオンシップ決勝第1戦 鹿島0-1浦和 カシマ]
試合を決定づけるジャッジだった。0-0で迎えた後半11分、浦和はMF柏木陽介が右サイドから左足でクロスボールを入れると、PA内でFW興梠慎三がDF西大伍と接触し、転倒。家本政明主審はすぐさま笛を吹き、浦和にPKを与えた。これをMF阿部勇樹が沈め、浦和が1-0で先勝。鹿島アントラーズの選手にとっては簡単に受け入れることはできない判定だった。
「僕の感覚では(ファウルは)なかった。それは興梠選手も分かっていると思う」。試合後のミックスゾーン。PKの場面について聞かれた西は判定に疑問を投げかけたうえで、「あの場面は、違う守り方もできた。僕が選択を間違えた」と、自分自身の対応を悔やみつつ、「足もかかってないし、手も使ってない。この話はこれぐらいでいいんじゃないですか」と、不満の色を隠せないままPKの話題を切り上げた。
PKの場面で真横にいたDF昌子源は試合後に映像でも確認したという。「しんどい判定だった」。そう率直に口を開くと、「苦しいジャッジが続いたけど、それは言い訳になる。うちが弱かったから負けただけ」と、自分に言い聞かせるように話した。
このシーンだけでなく、球際の競り合いでは何度も家本主審の笛が鳴った。FW土居聖真は「ファウルを取られることが多くて、いい守備からいい攻撃というリズムがなかなかできなかった」と振り返る。高い位置からプレッシャーをかけ、ショートカウンターで好機をうかがっていた鹿島にとって、たびたびファウルでプレーが止まる流れは厳しかった。
「負けてからレフェリーのことを言うと、言い訳になる」。そう繰り返した昌子だが、「だれがどう見てもジャッジは不公平だったと思う。(球際で)バチバチするシーンがあまり見られなかったし、浦和さんボールになることが多かった」と恨み節も漏れた。「それ(PK)以外は完璧だった。やられる雰囲気もなかった。あのPKは予想外だった」。そう話す表情にはやり場のない消化不良感がにじみ出た。
(取材・文 西山紘平)
◆“駆け引き”制した興梠、PK献上の元同僚DF西に掛けた言葉とは!?(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204354-204354-fl
[11.29 チャンピオンシップ決勝第1戦 鹿島0-1浦和 カシマ]
本人は「ラッキーな部分もあったかなと思う」と試合後に語った。スコアレスのまま迎えた後半11分、右サイドからMF柏木陽介が送ったクロスに反応したFW興梠慎三は、PA内でDF西大伍のファウルを誘ってPKを獲得。「FWとしては駆け引きの部分もあった」と振り返る。
柏木のクロスに対して、興梠は西の前方に構えていた。そして後方から迫った西に倒されると、家本政明主審の笛が吹かれてPKが与えられる。「そんなに激しいタックルでは、もちろんなかった」と認めた興梠だったが、「ただ、自分はボールを見ていたので、フッと力が抜けているときにポンと来たので倒れてしまった」と説明すると、「大伍と話しましたが、『お前、若いな』と言っておきました」と元同僚と言葉を交わしたことを明かした。
このプレーで得たPKをMF阿部勇樹がきっちりと沈めて先制した浦和レッズは、その後は鹿島の反撃を体を張ってしのぎ切り、1-0の完封勝利を収めた。「ディフェンスに回る機会が多かったので、レッズらしいサッカーはできなかった」。そして、自身の出来についても「前で収めることができなかった」と納得いくものではなかったようだが、「でも、後半にどうにかハードワークしてPKをもらえたので、最低限の仕事はできたかなと思う」と安堵の表情を浮かべる。
決して内容には満足できなかったものの、きっちりと結果を残した。「アウェーで勝てたのは良かったし、良いアドバンテージになったと思う」と話しながらも、「ただ、それを考えながらゲーム運びをしていたら絶対にやられると思うので、これを忘れて勝ちにいきたい」とホームで行われる第2戦に視線を移した。
(取材・文 折戸岳彦)
◆鹿島DF西 悔しいPK判定「選択肢を間違えたかな」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/30/kiji/K20161130013818450.html
明治安田生命JリーグCS決勝第1戦 浦和1―0鹿島 (11月29日 カシマ)
興梠を倒してPKを与えてしまった場面について、鹿島のDF西は「僕は今までもああいう守り方で守っていた。足もかかっていないし手も使っていない」と訴えた。一方で「違う守り方もできたのではないか。選択肢を間違えたかな」とも話し悔しさをのぞかせた。
90分間を通して浦和には26本、鹿島には22本の直接FKが与えられ、ファウルが多い試合だった。昌子は「苦しいジャッジが続いた。でもそれを言い訳にしたくない」と語った。
◆明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第1戦(オフィシャル)
http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51930
明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第1戦
PKでの1点に屈す。鹿島、ホームでの第1戦は完封負け。
7年ぶりのリーグ制覇を懸けた決勝、第1戦の日を迎えた。浦和レッズを聖地・カシマスタジアムに迎え撃った鹿島は、57分にPKで先制ゴールを許し、最後まで反撃は叶わずに0-1で敗れた。
鹿島は23日のチャンピオンズリーグ準決勝で川崎Fを1-0で破った。決勝進出のためには勝利以外は許されない、一発勝負のアウェイゲーム。制度上のディスアドバンテージを抱える中、まさに狙いどおりに試合を進めた。前半をスコアレスで終えると、50分にワンチャンスを生かして金崎が均衡を破る。その後は川崎Fの猛攻を受けたが、チーム一丸となって身体を張り、1点を守り切った。ビジタースタンドを埋め尽くし、熱いサポートを貫き通した背番号12とともに、決勝への切符を奪い取った。
決勝第1戦までの準備期間は5日間。準決勝直後に小笠原が顔色一つ変えずに語ったとおり、「まだ何も勝ち得ていない」チームは、日々集中力を高めていった。離脱していた柴崎も復帰を果たし、役者は出揃った。激化するポジション争い。リーグ制覇へ向けて定まった1本のベクトルを、「試合に出たい、そして勝ちたい」という各々の渇望と切磋琢磨がさらに強く、太くする。ビッグマッチ前特有の高揚感と緊張感に包まれながら、準備は着実に進んでいった。そして前日練習を終えて、石井監督は静かに語った。「チームは非常に良い状態にある」。
指揮官は川崎F戦から先発メンバーを1名変更。2列目に中村を起用し、攻撃陣の一角を託す。前線は金崎と土居、中盤は中村とともに遠藤が並び、ボランチでは永木と小笠原がコンビを組む。そして最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本。最後尾には曽ケ端が立ちはだかる。ベンチには、GK櫛引と植田、伊東、復帰を果たした柴崎、三竿、ファブリシオ、赤崎が控える。
日中は穏やかな青空に恵まれたカシマスタジアム。サポーターが続々と入場し、選手バスが到着した頃には日が沈み、聖地は漆黒の闇に包まれた。それを切り裂くように照らされた常緑のピッチに、アントラーズレッドの情熱が降り注がれる。ヒートアップするスタンド。ファイナルの舞台に立つ誇りと、タイトル獲得への意志を胸に。19時25分、背番号12とともに戦いの始まりを告げるホイッスルを聞いた。
立ち上がりから、ファイナルにふさわしい緊迫した展開となった。鹿島は開始早々にシュートを打たれ、浦和の攻勢を受ける形となったものの、身体を張った守備で対応。8分にはクロスからのヘディングシュートでゴールネットを揺らされたものの、最終ラインがしっかりとラインコントロールを行ってオフサイドを取った。鹿島は時計の針が進むにつれ、少しずつペースを取り戻していった。
20分頃から、鹿島は中盤でセカンドボールを確保できるようになって主導権を握る。両サイドバックの西と山本がオーバーラップする場面も増え始め、浦和を押し込んだ。ただ、セットプレーのチャンスも含めてシュートへ持ち込むことができない。中盤でのファウルも増え始め、激しいボディコンタクトの応酬となった。
鹿島は44分にペナルティーエリア左側からシュートを打たれたものの、曽ケ端がビッグセーブを見せてゴールを許さない。前半ながら3分と表示されたアディショナルタイムを終え、スコアレスでハーフタイムを迎えることとなった。鹿島は前半、シュートを打つことができなかったが、無失点で45分を終えた。
後半開始早々、鹿島はビッグチャンスを迎える。51分、最終ラインの背後でパスを受けた遠藤が相手GKと1対1になって右足で狙ったものの、シュートは阻まれてしまった。
この日最初のシュートチャンス、しかも決定機を作り出したことで、カシマスタジアムのボルテージは高まる。しかし6分後、先制ゴールは浦和のものだった。ペナルティーエリア内に飛んだクロスに対応した西が相手と接触。主審はペナルティースポットを指し示し、PKが宣告された。騒然とするスタジアム、そして放たれた阿部のボールがゴールネットを揺らした。
アウェイゴールを奪われてビハインドを負った鹿島は、62分に柴崎を投入して打開を図る。10月22日以来の出場となった背番号10はブランクを感じさせない動きで存在感を見せた。ピッチに立ってから2分後の64分、ペナルティーエリア左側から強烈なシュート。惜しくも枠の左へ逸れてサイドネットを揺らしたが、いきなりチャンスを作り出してみせた。
守りに入る浦和に対し、鹿島はボールキープ率を高めてゴールを狙っていく。73分には西がペナルティーエリア右角から強烈なシュート。77分にもオーバーラップしていた西がペナルティーエリア内で倒されたが、笛は鳴らなかった。金崎や土居も力強い突破や献身的なプレスを敢行し、必死にゴールを目指した。
石井監督は80分にファブリシオを投入し、前線を活性化して同点ゴールを狙う。85分には右CKから金崎がヘディングシュートを枠に飛ばしたが、相手GKの正面を突いてゴールには至らない。そして89分には伊東をピッチへ送り出し、右サイドからのオーバーラップに突破口を見出した。
そして、この日最後のビッグチャンスは後半アディショナルタイム。右サイドからのFKがファーサイドへ流れたところから、パスを受けた柴崎がペナルティーエリア左手前でボールを持つ。狙いを定めて放たれた浮き球のパス、反応した土居。ヘディングシュートはゴール方向へ飛んだが、しかし、枠のわずかに右へ逸れていった。
0-1。ホームでの第1戦は完封負けという結果に終わった。だが、まだ90分間が残されている。試合終了のホイッスルが吹かれた後、選手たちを出迎えるスタンドからは熱い声援が送られた。下を向く暇はない。12月3日の第2戦、埼玉スタジアムで2点以上を奪って勝利を収めること。それだけを目指して、中3日で迎える最終決戦へ準備を進めていく。勝負はまだ終わっていない。
【この試合のトピックス】
・中村が7月23日のJ1 2nd 第5節浦和戦以来の先発出場を果たした。
・柴崎が10月22日のJ1 2nd 第15節FC東京戦以来の出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半も前線から相手の選択肢を制限しながら厳しくプレッシャーをかけよう。
・自陣でもっとボールを保持して、バランスよく、自分たちのリズムを作っていくこと。
・もっと周りをシンプルに使うこと。お互いの呼吸とイメージを合わせていこう。
浦和レッズ:ペトロヴィッチ
・後半最初の15分が大事。
・慌てずに落ち着いてプレーしよう。
・走ること。
[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
第1戦、ホームゲームでもあり、最低でも相手に得点を奪われない形にしたかったが、それができず非常に残念だ。しかし、(2試合トータルの)前半が終わったという形になるので3日間をかけて、しっかり準備して第2戦に向かいたいと思う。
Q. 守りから入りたいと言っていたが、前半シュート0だったことはOKと考えていたか?
A. 守備のところでは相手を制限することができたと思うが、そこから攻撃に移るときに自分たちでボールを失ってしまう場面が見られた。その点は満足していないが、守備に関してはある程度はできていたと思う。
Q. 川崎F戦のように前からボールを奪いに行くと思っていたが、ブロックを作る戦い方をしたのか?
A. 全体の意図としては、前から自分たちでボールを奪いに行くかたちを多くしたいと考えていた。しかし相手のいることであり、そこは状況を見て選手がしっかり判断してくれたと思う。
Q. 柴崎選手が久しぶりの試合出場だったが、調子はどうか?
A. 非常にいい状態になっている。今日は負けてしまったが、第2戦に向けていい材料だと思う。
Q. 次の試合、最低2点が必要だが、どのように変化をつけるか。
A. 失点した後の戦い方が理想的。自分たちからボールを奪いに行くかたちを考えつつ、しっかり相手陣内でボールを動かす。そのために、今日、交代の選手を入れたが要望通りの動きをしてくれたので、次の試合に向けて期待が高まる。
Q. コーナーキックからチャンスが多かったが、狙い通りか?
A. それほど普段と変わらないと思う。今日はキッカーの質が非常によかったと思う。そこがチャンスに見えたと思うが、普段も同じようなかたちでやっている。今日は中に入る選手のタイミングと、キッカーの質があっていたと思う。それがさらにゴールに向かえばと思う。
浦和レッズ:ペトロヴィッチ
非常に強い2チームの対戦となり、厳しいゲームになることはわかっていた。我々にとっては日程的にも非常に難しい試合だった。11月3日のリーグ最終戦から今日まで約1カ月弱、試合が空いた。11月12日に天皇杯で川崎Fと戦った後、17日間あったが、大学生としか練習試合を組むことができなかった。長いシーズン、選手たちは緊張感とプレッシャーのなかで戦ってきた。選手たちは気持ちの面でも肉体的にもゼロに近い状態になっていた。22年間監督をやってきたが、こういったスケジュールで仕事をした経験はない。いかにチームを持っていくか、私自身、手探りのなかでの仕事だった。アントラーズは川崎Fとの準決勝を戦い、試合勘、緊張感を持って今日の試合に臨んでいた。しかし、今日のゲーム、選手たちは立ち上がりから非常に高い集中力と規律を持って戦ってくれた。特に相手の攻撃の部分ではチャンスらしいチャンスを与えることなく、コントロールできていた。しかし、我々の攻撃もうまくいっていなかった。相手のペナルティエリア付近まではボールを運べるが、そのあとのコンビネーションの質やラストパスの精度が悪く、なかなか落ち着いてプレーすることができなかった。しかし、今日の試合、1-0でアウェイで勝利できたことを、前向きにとらえたい。緊張感のある試合を経験して、第2戦を迎えられる。第2戦は落ち着いてプレーできると思う。第2戦も自分たちのサッカーに自信を持って戦いたい。そして、我々がチャンピオンにふさわしいチームであることを勝って証明したい。
選手コメント
[試合後]
【土居 聖真】
何回かチャンスもあったし、自分のヘディングシュートもあった。切り替えて、次の試合で結果を残すしかない。今日よりもさらに攻撃的にいかないといけない。2点を取って勝ちたい。
【昌子 源】
浦和のやり方をチーム全員が分かっていることが重要だった。負けたことが残念。2点目を取られると厳しくなることは分かっていた。相手はカウンターも強いが、1点で抑えることができたことを良い意味で捉えて2戦目に臨みたい。1stステージでの対戦では2-0で勝った。不可能ではない。
【山本 脩斗】
個人の1対1ではうまく対応できたと思う。相手が両ワイドに張っていたので、中を閉じてサイドでボールを取りきることを狙っていた。全体として自分たちのイメージ通りの守備ができたと思う。危ないシーンもなかった。そこから攻撃にどうつなげるか。次は2点を取らないといけない。個人としての質も高めていきたいし、どの時間帯で勝負するのかというところを、明日から石井さんを中心にチーム全体で意思統一していきたい。
【曽ケ端 準】
こういう試合なので、ある程度手堅い展開になった。プレスに行くところは前からしっかりと行けていたと思う。しっかりと球際でも戦えていたと思う。次、頑張ります。
【伊東 幸敏】
相手の背後を取ってサイドから攻めようと思ってピッチに立った。チャンスは1本あるかないかだと思っていたので、1本で勝負を決めるつもりで出場した。雰囲気は全然悪くない。チャンスはある。
【ファン ソッコ】
ホームで失点せず、0点で終わらせたかった。前半は自分たちの意図していた通りに相手をコントロールしながら守ることができた。後半は全体的に体力が落ちたところでタイトな守備が出来ずにフリーでボールを持たれる場面を作らせてしまった。2戦目に向けてコンディションを整えて臨みたいと思う。絶対に勝つという強い気持ちで戦いたい。
2016年11月29日火曜日
◆【コラム】古巣・鹿島の勝利で得たヒントと覚悟を胸に…岡山を悲願のJ1へ、岩政大樹がつなぐ“魂のバトン”(サッカーキング)
http://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20161128/521052.html?cx_cat=page1
奇跡を手繰り寄せるゴールを決めたヒーロー、FW赤嶺真吾とは全く逆の方向へ、ファジアーノ岡山のキャプテン、DF岩政大樹は突っ走っていった。両手を広げ、雄叫びを上げながら向かった先では、はるばる松本まで駆けつけた約1200人のサポーターたちが狂喜乱舞している。
冷たい雨が降りしきる中、最前列には上半身裸になって湯気を発散させている男性も大勢いる。クラブの歴史を書き換えようとしている至福の喜びを、一刻も早く分かち合いたい。熱い思いが、常勝軍団・鹿島アントラーズの最終ラインを10年間も支え、タイのBECテロ・サーサナFCを経て、岡山で自身初体験の明治安田生命J2リーグを戦って2年目になる34歳を駆り立てていた。
「とにかく次を勝たなければ、今日の勝利は何の意味もなさない。せっかく岡山の皆さんが盛り上げてくれて、勢いに乗っている状況なので。ファジ(アーノ)の歴史のひとつの区切りですよね。そういう試合になるので、良い準備をして。うーん、何とかしたいね」
サポーターに対する決意表明も込めていたのだろう。必ずJ1昇格を成し遂げてみせる、と。松本山雅FCのホーム・アルウィンに乗り込んだ、27日のJ1昇格プレーオフ準決勝。レギュラーシーズンでは勝ち点で19もの大差をつけられた3位の松本を、クラブ史上で最高位となる6位で初めてプレーオフの舞台へ臨んだ岡山が、痛快無比な下克上でうっちゃってみせた。
4分間と表示された後半のアディショナルタイムも、半分が経過しようとしていた。スコアは1‐1。このまま終われば、規定により成績上位の松本が決勝へ進む。勝利だけが求められる絶体絶命の状況で、岩政は最前線に上がっていた。自らの判断で選択したパワープレー。そこには緻密な計算が働いていた。
松本の反町康治監督は86分に、身長183センチメートルの長身FW三島康平を投入している。指示は攻守両面で187センチメートルの岩政と対峙すること。ならばと、岩政は最終ラインから離れることを決めた。
「僕が下がっていれば、三島くんに前に残られる。逆に僕が前へ出ていけば下がってくれるし、そうなれば相手はそのまま守るしかなくなる。僕が何かしようとするよりは相手を下げさせて、ゴール前をごちゃごちゃさせることで何が起こることが大事だと思ったので」
果たして、何かが起こった。それも最高の形で。敵陣の中央付近でボールを受けたMF矢島慎也が、一瞬のタメを作って松本守備陣を揺さぶってから、右サイドの裏へ走り込んでいた途中出場のFW豊川雄太へ浮き球の縦パスを送る。
マークについたMF岩間雄大と空中で競り合いながら、とっさの判断で豊川はヘディングでゴール中央へボールを折り返す。その先には「ああいう状況になっても、常に味方の動きを見てくれる」と全幅の信頼を寄せる赤嶺が、フリーの状態で走り込んでいた。
「ベンチの選手やスタッフ、サポーターの一体感を背負ったゴールでした」
仲間やサポーターへの感謝の思いを、はちきれんばかりの笑顔に凝縮させながら赤嶺が自軍のベンチ前へと疾走していく。リーグ戦は41試合で4得点と不本意な数字に終わっていた32歳のエースと交差するように、赤嶺の左側にポジションを取っていた岩政はピッチを横切る形でゴール裏へと駆け抜けていった。
「(赤嶺)真吾はなかなか点を取れなかったけど、そのなかでもケガをすることなく、1年間、体を張り続けた。こういう試合では頑張ってきたけど、なかなか結果を出せなかった選手が輝くもの。真吾が抜け出した時点で、ゴールを決めると思った」
松本との決戦を前にして、岩政は鹿島時代に可愛がった後輩、DF昌子源に電話を入れている。鹿島が川崎フロンターレを下した4日前の明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ準決勝。試合後の取材エリアで、昌子は鹿島が前人未到のリーグ3連覇を達成した、2009年12月5日の浦和レッズ戦の映像が刺激になったと告白。その中でも魂のシュートブロックでゴールを死守した、岩政の名前を挙げていた。
「今日はJ1の試合もないし、鹿島のみんなも見ているだろう、というのもあったしね。あんな記事を出されて、僕が変なプレーをして今日負けたらどうするんだと。いつも以上に緊張感がありましたよ」
鹿島黎明期のレジェンド、秋田豊から受け継いだDFリーダーの象徴、背番号「3」を託されて2シーズン目になる昌子が中心となり、川崎の強力攻撃陣をシャットアウトした一戦は、もちろんテレビで観戦していた。昌子の言葉には照れくささを感じたが、一方で古巣の戦いぶりには魂を揺さぶられた。
「鹿島のあの一戦を見て、自分の中でも思い出したことがあって。それがヒントになって今日は戦いましたので、僕からしたら、逆に彼らに感謝したいというのがありますね」
思い出したこととは何か。岩政はまるで悪戯小僧のように無邪気な笑顔を浮かべる。
「言いませんよ。来週(の決勝)がありますから。もし勝って(J1に)昇格したら、僕のコラムで書きますので楽しみにしていてください」
20日のJ2最終節でザスパクサツ群馬と3-3で引き分け、6位の座を死守した直後から「一発勝負では抑えるべきポイントがある」と言い続けてきた。鹿島時代に何度も経験した修羅場。それをくぐり抜ける術を岡山の仲間たちに伝えたいと考えていた矢先に、川崎戦を通じて鹿島が最高の手本を見せてくれたのだろう。ヒントの一端を、岩政はこう明かす。
「一発勝負で起こりうること、を想定すると分かるかもしれないですね。今日のウチには起こらず、松本には起こってしまったこと。鹿島にも起こらなかったけど、川崎には起こってしまった。そこは一発勝負の面白さなのかな、と思いますよね。戦い方を大きく変えるわけではないですけど、それでもリーグ戦とは変わってくるので、そこを少し意識させながら。多くのことを言ってもみんな頭でっかちになるだけなので、本当に抑えるべきポイントだけを、という感じです」
開幕から上位戦線につけてきた岡山は、最後の8試合を4分け4敗と未勝利で終えた。果たして鹿島もファーストステージを制しながら、セカンドステージでは最後を4連敗で終えるなど、11位に甘んじている。それでもしっかりとメンタルを切り替え、規定により引き分けでは浦和レッズの待つ決勝へ進めない準決勝で、往年の憎たらしいほどの勝負強さを取り戻した。
一発勝負で求められるのは集中力を持続させ、一瞬たりとも隙を見せないこと。その意味では決勝点の直前に、スローインの役目をフィールドプレーヤーではなく、GKの中林洋次が担った瞬間に松本は虚を突かれたのかもしれない。実際、中林はこんな言葉を試合後に残している。
「本当にたまたまでしたけど、僕が投げるわけがないと山雅さんが(足を)止めてくれたのであれば、それは奇跡(のゴール)のひとつ前に生じた油断だったと思います」
メンタルを一発勝負用のそれにしっかり切り替えたうえで、1勝1分けと優位に立ったリーグ戦での松本との対戦結果を改めて踏まえながら、岩政は準決勝で勝利するためのゲームプランを描いた。
「松本との試合は、今日のような大変な試合になる。それを覚悟しながら、ただ大きく崩される展開にはならないので、最終的にゴール前で体を張れるかどうか、というところに持っていけばいい。後半の半ばまではイーブンで行くことが、自分たちのプランでしたので」
赤嶺のアシストからFW押谷祐樹が決めた23分の先制点も、そして絶対の自信を持っていた相手CKの守備でMFパウリーニョに決められた74分の直後でも。岩政を中心に大きな幹となるプランが描かれていたからこそ、岡山は浮き足立たなかった。むしろ松本を「掌の上」で転がしていた感もある。
「(先制点は早いかな)と思ったんですけど、ちょっと松本に焦りが出たので、それはそれでよかった。後半になってまた勢いに乗って来た時に、押し返すことができなかった。それがちょっと収まったかな、と思った矢先に失点するのだから、サッカーは難しいなと思いました。がっかりはしましたけど、まあ(ゲームプランに)戻っただけなので、最後は刺すか刺されるか…というか、ウチが刺すかどうかというところで、残り5分になれば相手が下がってチャンスになると思ったので、そこを我慢しながらやろう、ということはみんなで話していました。そういうディテールを散りばめながら戦って、最後は少し上回ることができたのかなと思います」
テロ・サーサナを1年で退団した直後に、岡山からオファーを受けた。J2に初めて昇格したのが2009シーズン。2012シーズンと2014シーズンには8位に入ったが、後は二桁順位が定位置となっていた岡山から届いたラブコールの意味を、岩政自身が誰よりも深く理解していた。
「ファジは良いクラブですけど、勝たなければいけない、というところに対しての執着や覚悟がどこまであるのかと言うと、まだ足りなかったと思う。それを植えつけるために僕は呼ばれたと思っているし、それを選手たちに言い続けるためにはまず自分が良い状態で、良いプレーをしなければいけない。人間である以上は、ワイワイがやがやとうるさく言っていれば伝わるわけではないので。すぐみんなに分かってほしいことと、だんだんと分かってほしいことを分けながら、どのようなタイミングで、どのような表現で伝えるか、ということですよね」
言葉通りに2シーズン、出場停止となった2試合を除く82試合で先発のピッチに立ち続けた。特に昨シーズンは全42試合、3780分間フルタイム出場を達成。大きく、頼れる背中を介して、鹿島で培ってきた勝者のメンタリティーを伝えてきた。
岩政自身、背番号「3」を引き継いだ秋田からは、言葉では何も伝えられていない。秋田が残した実績や伝統を自分なりに解釈し、背番号とパフォーマンスに独自の彩りを添えていった。鹿島を退団する際に、岩政は公式サイトに「サッカーという世界はリレーだと思う」という言葉を残している。
秋田をはじめとする黎明期のレジェンドから託された常勝軍団という名のバトンを、昌子たちの次世代にしっかりと紡いだと自信をもって言えるからこそ、胸を張って新しい時代へ進む鹿島を去った。同じ構図が今、岡山でも描かれようとしている。
「岡山が本当に変わるのは僕がいた2年だけでなくて、僕が去ってからだと思いますよ。僕に言われたから『はい、分かりました』となるのではなく、僕がいた時にやったことを彼らが思い出すこともあるでしょうし、勝負へのこだわりというものは、そうやって少しずつチームに植えつけられていくものだと思うので。それがチームのDNAになりさえすれば、いずれはJ1に上がりますから」
もちろん、自分たちの力で勝ち取った、目の前にあるチャンスを逃す気もさらさらない。敵地で成就させた下克上とともに、12月4日に待つ決勝へと駒を進める。相手はセレッソ大坂に決まった。リーグ戦では4位につけた相手のホーム、キンチョウスタジアムが舞台となる。
今シーズンの対戦成績は1分け1敗と分が悪い。しかし、あくまでもリーグ戦におけるもので、一発勝負となればもちろんわからない。クラブ史上で最も熱くなる90分間をイメージしながら、岩政が不敵に笑う。
「鹿島でJ1を獲ることができて、タイでもタイトルを取れて、あとは岡山をJ1に上げられたら、僕はもうサッカー人生でやるべきことはないから。これでやり遂げたら、潔くこの世界を去ろうというくらいの思いでやっているので。そういう覚悟を見せたい、と思います」
舞台は整った。魂のバトンとともに、岡山を悲願のJ1へ導くために。劇的勝利から一夜明けた28日のクールダウン、そして29日のオフを経て、本格的な調整が再開される30日から岩政は大一番へ向けた心技体を練り上げいく。
取材・文=藤江直人
◆【浦和】CSは通過点…目標はクラブW杯レアル戦(報知)
http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20161128-OHT1T50238.html
◆明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ ▽決勝第1戦 鹿島―浦和(29日・カシマサッカースタジアム)
浦和が“世界基準”で10年ぶりの優勝を狙う。チームにはCS制覇の先にも大きな目標がある。これまで多くの選手が口にしてきたのが「クラブW杯決勝でRマドリードとやりたい」。この日もGK西川が「必ず優勝してその先にあるクラブW杯に出たい」と語り、MF宇賀神は「どうしても出たい大会。今の浦和のメンバーで世界と戦いたい思いはみんなが持っている」と熱い思いを明かした。
就任5年目でJ最多タイ勝ち点74を稼ぐなど成熟しつつあるペトロヴィッチ監督のサッカーが、世界でどこまで通用するのか。高みを見据えるからこそ、決勝への気負いもない。2012年まで鹿島に在籍したFW興梠も「勝負強さはどこのクラブと比べてもずば抜けている」と警戒しつつ、「(古巣に)空回りすることが多かったので平常心で臨みたい」と冷静だ。今季示した強さを180分間であらためて証明し、夢舞台への挑戦権を手にする。(林 直史)
◆浦和西川「体張ってくる」元チームメート金崎を警戒(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1744552.html
チャンピオンシップ(CS)優勝を目指して鹿島と対戦する浦和は28日、さいたま市内の練習場で午前中に調整した。
ボール回しなどで体を動かした後、ハーフコートで実戦形式で練習した。はじめはFWズラタンの1トップにFW興梠慎三(30)、FW武藤雄樹(28)が2列目に入り、途中からはズラタンに代わって興梠が中央、右にFW李忠成(30)が入る陣形を取った。
第1戦は29日にアウェーで行われる。GK西川周作(30)は「いつも1点差になったり、カシマスタジアムでは攻められている印象」と警戒した。相手のFW金崎夢生とは元チームメート。07年から09年まで大分でともにプレーした。第1ステージではゴールを決められていることもあり、「クロスへの飛び込みは自信をつけていると思う。準決勝でも決めているし、体を張ってくるところは警戒しないと」と引き締まった表情だった。
一方で、カシマスタジアムは広島時代の13年に優勝を決めた縁のある会場でもある。「(11月の)代表でもカシマでやってピッチ状態も分かっている。無失点で第2戦を有利にできるように。どれだけいつもどおりやれるか」。今季リーグ最少失点の守備力を敵地で見せたいところだ。
チームは28日のうちに移動し、試合に備える。
◆浦和・興梠、古巣の鹿島警戒「勝負強さはどこと比べてもズバ抜けている」(デイリー)
http://www.daily.co.jp/soccer/2016/11/28/0009706723.shtml
「明治安田生命J1チャンピオンシップ・決勝第1戦、鹿島-浦和」(29日、カシマサッカースタジアム)
J1の年間王者を決める明治安田生命チャンピオンシップ(CS)決勝第1戦が29日に行われる。年間勝ち点1位の浦和は28日、さいたま市内で最終調整した。1トップとして先発出場が濃厚なFW興梠慎三(30)は「アウェーゴールは大きいので点を取れるようにしたい。最初の得点が重要」とゲームプランを描いた。
プロ入りした05年から12年まで8年間鹿島に在籍しており、「勝負強さは、どこと比べてもズバ抜けている。1点の争いになる」。今季自己最多14得点を挙げ、J1通算100得点も達成した円熟のストライカーが古巣のゴールをこじ開ける。
◆2代目Jマネジャー・サトミキのイチオシは…草食系?なのに「ガツガツ」(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112905010002-n1.html
Jリーグの2代目女子マネジャーでタレントの佐藤美希(23)が28日、チャンピオンシップ告知のため、東京・大手町のサンケイスポーツ編集局に来社。「29日のカシマは当日券もありますよ」と観戦を呼びかけた。イチオシ選手は鹿島FW土居で「おとなしそうに見えてボールにガツガツいくから」。浦和ではMF関根の運動量とFW興梠のシュートを見どころに上げた。
◆鹿島・永木「いいプレー見せる」 元同僚・遠藤との対決楽しみ(デイリー)
http://www.daily.co.jp/soccer/2016/11/29/0009707108.shtml
「明治安田生命J1チャンピオンシップ・決勝第1戦、鹿島-浦和」(29日、カシマサッカースタジアム)
J1の年間王者を決める明治安田生命チャンピオンシップ決勝第1戦に向けて、年間勝ち点3位の鹿島は28日、茨城県鹿嶋市内で最終調整した。
鹿島の日本代表MF永木亮太(28)は“元同僚”との対決に、「ワタル(浦和MF遠藤航)とは今も連絡を取り合っている。移籍1年目に、こういう大舞台で対戦できることをうれしく思う。(古巣の)湘南のファンも見ていると思うので、いいプレーを見せたい」と意気込んだ。
試合にはいつも通り守備から入る。アウェーゴールだけは奪われたくないだけに、FW土居は「先制されると厳しくなる。失点しないことが最優先」とにらむ。第2戦をも見据えた戦略は明確だ。
◆昌子 興梠先輩の胸借りる!CS決勝へ浦和のエース封じ誓う(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/29/kiji/K20161129013811520.html
明治安田生命 JリーグCS決勝第1戦 鹿島―浦和 (11月29日 カシマ)
先輩の胸を借り、18個目の国内主要タイトルをつかみ取る。鹿島のセンターバック昌子は「(想いが)一方通行でもいいから、思いっきりぶつかっていけたら」と浦和のFW興梠封じを誓った。
12年まで鹿島に在籍した興梠からは、公私ともに刺激を受けてきた。米子北高を卒業して11年にクラブに加入した時、「一番最初に度肝を抜かれたのが慎三さんだった」という。自身も走力には相当な自信を持っていたが、興梠はスプリント力も持久力も「両方バケモン」と感じるほど圧倒的だった。「この人に勝てないと試合には出られない」と肌で感じた。
「慎三さんのおかげで成長できた」から、今がある。「全力でぶつからないと止められない。“お願いします”という気持ちでやりたい」。愛車まで興梠と同じドイツ車にするなど、公私で影響を受けた先輩に感謝と成長を示すため、ゴールは必ず守りきる。
◆鹿島が1-0で勝つ!(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112905000004-n1.html
序盤は戦力の整った浦和のペースで進むだろう。ただ、これは鹿島にとって悪いことではない。
第1ステージの対戦(6月11日◯2-0)で浦和に勝った際は、主導権を握られながらも速攻からFW金崎が先制点を奪った。堅守速攻で得点につなげるのが鹿島のよさ。当時在籍していたスピードが武器のMFカイオ(現アルアイン=UAE)は移籍し、攻撃力低下は否めないものの、川崎戦(23日◯1-0)でもそうだったように、鹿島は試合巧者ぶりを発揮できる力と経験がある。
浦和のFW興梠にとって古巣との対戦。鹿島側の特徴を知られている一方、鹿島は彼のプレースタイルを知っている。鹿島のディフェンスと興梠の駆け引きは面白いものとなるだろう。
FW李も気になる存在。大舞台で結果を出すだけに、鹿島にとっては注意が必要。彼らの攻撃を抑え、1-0で鹿島が勝つと予想する。 (サンケイスポーツ専属評論家)
◆鹿島、堅守速攻でこじ開ける!石井監督、ポイントは「先制点」(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112905020003-n1.html
J1年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)はホームアンドアウェー方式の第1戦が29日、茨城・カシマスタジアムで行われる。年間勝ち点1位でシードされた第2ステージ覇者の浦和と、23日の準決勝で川崎を1-0で破った鹿島(同3位、第1ステージ優勝)が対戦する。28日は両チームが地元で最終調整した。
鹿島が電光石火の速攻で、浦和に一撃を与える。
石井監督は「安定した守備から(試合に)入りたい」と口にした一方で、「(ポイントとなるのは)先制点」と力強く語った。
鹿島が狙うのは堅守速攻からの得点だ。前線から相手にプレッシャーを掛け、高い位置でボールを奪取。そこからゴールを強襲するプランを立てる。準決勝、川崎戦(23日◯1-0)ではハイプレスから2トップにつなぎ好機が生まれた。
決戦前日(28日)の練習では、川崎戦で先発したMFファブリシオに代え、中盤の左に守備力のあるMF中村を配置。浦和が得意とするサイド攻撃を封じ、攻撃へとつなげる狙い。
守備の要で、日本代表DF昌子も「(元鹿島のFW興梠)慎三さんのおかげで成長した。全力をぶつけたい」と浦和のエース封じに闘志。鹿島が堅守速攻から活路を見いだす。 (一色伸裕)
鹿島・石井正忠監督
「(準決勝の)川崎戦に勝ってチームに勢いもついている。失点しないで勝てればいい。自分たちの戦いをすれば勝てる」
◆帰ってきた鹿島・柴崎、1カ月ぶり負傷から復帰!(サンスポ)
http://www.sanspo.com/soccer/news/20161129/jle16112905010005-n1.html
右足中足骨を痛め、23日の準決勝、川崎戦(◯1-0)でベンチ外だった鹿島MF柴崎は28日、紅白戦などの練習メニューをすべて消化。26日に全体メニューをこなしており、仕上がりは順調。復帰後間もないこともあり、29日の第1戦はベンチスタートが濃厚だが、「チームのために貢献できるよう頑張ります」と、10月22日のFC東京戦(●1-2)以来のプレーに意欲的だった。
◆鹿島柴崎「頑張ります」浦和戦でベンチ入りが確実(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1744647.html
鹿島は28日、茨城・鹿嶋市内でJリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第1戦(午後7時25分開始、カシマ)に備えた前日練習を行った。約1時間半、守備を中心とした連係確認やミニゲームなどで調整。準決勝の川崎F戦勝利もあって、終始明るい雰囲気だった。
浦和戦を前に石井正忠監督(49)は「まずは川崎F戦と同じように安定した守備から入りたい」と堅守から試合をつくる構えだ。リーグ戦を7年ぶりの4連敗を喫して終えたが、天皇杯4回戦神戸戦、CS準決勝川崎F戦と連勝。「リーグ戦の最後の2試合くらいからチームの状況は良くなっていた。CSの決勝は、どう臨めばいいかを分かっている選手がいる。特別なことはやらなくていい」。国内タイトル17冠を積み重ねてきた選手たちに、全幅の信頼をおいた。左MFには中村充孝(26)を先発起用する見込みで「彼は個で打開でき、まわりも生かせる」と期待した。
また、10月22日のリーグ第15節東京戦を最後に、右足第5中足骨を痛めて戦線離脱していたMF柴崎岳(24)のベンチ入りが確実だ。柴崎は「チームに貢献できるように頑張ります」と力強く意気込んだ。【鎌田直秀】
◆チャンピオンシップ決勝直前!鹿島 監督・選手コメント(J'sGOAL)
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00021782/
■石井正忠監督
Q:決勝前のチーム状態は?
「非常に良い状態じゃないかと思います。この前の川崎F戦もそうでしたけど、怪我人も戻ってきて全員がゲームをできる状態になっている。そういう点も含め、雰囲気も含め、あとはやっぱり川崎F戦に勝ったことによってチームの勢いも付いてきているので、非常に良い状態じゃないかと思います。
まずは第1戦はこの前の川崎F戦と同じように、安定した守備から入りたいと思います。まず失点しないことを頭に入れながらゲームを進めていかなければいけないと思います。2戦目は、1戦目の状況を考えた上で戦わなければいけないと思うので、まずはこのホームゲームの第1戦にしっかり勝って終わりたいな、と思います。」
Q:選手としてもチャンピオンシップのご経験があると思います。こう戦えば、という必勝法はありますか?
「僕は最初の年にチャンピオンシップを戦いましたけど、国立競技場での開催だったのであまりホーム&アウェイという雰囲気ではありませんでした。そのときは自分たちの戦いをすれば相手に勝てるんじゃないか、ということでやっていたので、今回も自分たちらしいサッカーができれば。まずはそこをベースにやっていきたいと思いますし、シーズンと変わったことではなくて、いままで積み重ねてきたことを選手が出しててくれればいいんじゃないかと思います。」
Q:勝敗を分けるポイントは?
「やはり先制点になるんじゃないでしょうかね。」
Q:理想的な展開は?
「理想的には、この前の川崎F戦のようにどんな形であれ勝てること。失点しないで勝てることがベストだと思います。」
Q:セットプレーの確認を行っていたが?
「まあ、セットプレーの確認はいつもやることなので、それを今日もやったというだけです。」
Q:浦和の特長と気を付けなければならないところは?
「この前の川崎Fさんと同じように、浦和さんも同じ監督でずっとそのスタイルが成熟されているチームだと思う。プレーの精度は高まってきているので、相手を自由にさせないようなプレーができればいいんじゃないかと思います。うちとやることで、なにかいつもと違った方だな、と相手チームが思ってくれるような形に持っていければいいんじゃないかと思います。」
■MF6 永木亮太選手
Q:相手は変わりますがやることは変わらない?
「相手に合わせたやり方ももちろんやらなければいけないというのは、前提としてありますけど、戦う姿勢だったり試合に向けたテンションは今のまま継続して入っていけばいいと思います。」
Q:浦和に対して警戒すべきところは?
「ポジションが変則的なので、浦和戦に関しては、鹿島に来てからスタートから出たことはないですし、自分が試合に出たらそこのコミュニケーションは近くの選手としっかり話し合って、試合状況に応じて臨機応変に対応していかないといけないと思います。」
Q:時間帯によっては相手に合わせて後ろに人数を割かなければいけないときもある?
「後ろでブロックをつくる時間帯もあると思うし、ほんとうに流れを見ながら、ゲームをしっかりコントロールして、行くところは行ったり、構えるところは構えたり、相手の選手の受け渡しをしっかりやりながら戦えれば失点することはないと思う。」
Q:今日の練習ではセットプレーの確認を重点的にやった。ホームで失点したくない気持ちは強い?
「ホーム&アウェイでやりますけど、あまりそういうのは関係なく、失点してしまうと不利になる。どの試合もそうですけど失点しなければ負けないので、失点というのはセットプレーとかで少しでも気が緩んでるとやられてしまう部分があるので、いつもそうですけど今日は集中してやりました。」
Q:川崎F戦後のチームの雰囲気は?
「試合が終わったあとの雰囲気は久しぶりによかったな、と感じました。そのあとのここ3日間の練習はいつも通りの雰囲気。勝ってるときも負けてるときもそんなに雰囲気をかえることなくいつも練習しているので、選手たち自身も決勝の前日だからと言って変に力が入っているわけでもない。こういう大舞台に慣れている選手がたくさんいるからだと思いますけど、それに自分も合わせていますし、勝手にそういう風な流れになっていくような感覚です。いま、自分も全然緊張してないですし、ほんとうにリラックスしていつも通りに前日練習をしていました。」
Q:遠藤航選手が、対戦を楽しみにしているようですが?
「楽しみですよ。一緒にずっとやってきた仲間でしたし、航とはほんとうに仲が良いので。いまも連絡取り合ったりしていますけど、この決勝という舞台でお互い移籍して初めての年でできるというのは、嬉しいことですし、自分たちが湘南でやってきたことがいまに繋がっていると思うので、良いプレーをして、そういう姿を湘南の人にも見てもらいたい。やっぱり勝負なので最後は勝ちにこだわる姿勢を見せられたらいいと思います。」
Q:遠藤選手が今季初ゴールを狙いたいと言っていました
「僕もそうですけど、航は今年点が取れていない。得点能力がすごく高いので、セットプレーは気を付けないといけないですけど、自分も点を狙っていきたいです。」
Q:リーグ戦では苦しい時期もあった。なぜ変われたのか?
「最後の方の2試合は負けてましたけど内容的にはそんなに変わってなかった試合だったので、そこで得点を取れなかったことがみんなには悪い印象を与えているのかな、と個人的には感じています。そこで得点が取れていれば、すごく状態がいいね、と言われたくらいの試合だったと思います。この間の試合に関しては、その状態に入って、後半に夢生が得点を決めてくれて勝てたということはチームにとって大きかった。得点がなかなか入らなかったので、そこでああやって夢生が決めてくれて勝ったことがチームにとってはよかったと思います。
次の試合とか、12月3日の試合に勝ってから言いたい。守備だったり攻撃の仕方だったり、内容もしっかり求めてサッカーをしていきたい。」
Q:戦い方は変わる?
「ずっと対策をしている。それは変わると思います。」
Q:1戦目がホームということは?
「あんまり気にしてないです。2試合とも勝ちに行くサッカーをするだけだと思うんで。その結果で優勝できればいいと思っているので、ホームもアウェイもあまり気にせず、どちらも勝つつもりでやりたいです。」
Q:監督の采配については?
「あの形については初めてだったので最初戸惑った部分はありました。でも右からやられていたので、守備を求められているんだな、というのは言われなかったけどメッセージとして伝わった。守備に割かれる時間は長かったですけど、あそこで(西)大伍くんと話しながらしっかりできたと思いますし、(三竿)健斗が入って来てくれて中盤での高さや球際に行けるところも行けていたので、すごく良い交代だったんじゃないかと思います。」
Q:大勝負を前に落ちつけている自分のことはどう思う?
「なんでかわからないですけど、あんまり緊張してないのが不思議なくらい緊張してない。試合前の、直前のミーティングで緊張感が出てくるので、その辺から出てくると思いますけど、やっぱり代表とかを経験できているのが大きいと思います。」
Q:柏木(陽介)をマークすることになる?
「たぶん柏木選手が、ダブルボランチの前に入る方にポジションを取ると思うので、そことあとはシャドーのどっちか1枚を注意しながら。阿部選手はたぶん下がるので、そこはFWに任せながら、という意識でやっていきたいと思います。」
Q:勝負所で結果を出す、鹿島の強さを改めて感じた部分はありましたか?
「この間の試合に関してはそうだな、という感覚がありました。でも、決勝を戦って、その試合でで勝って初めてそういう気持ちを味わいたいと思っているので、明日の試合も3日の試合もすごく楽しみにしているし、自分も含めて試合に絡む選手がどれくらい勝負強さを発揮できるのか、というのも楽しみです。」
Q:どういうところで感じた?
「具体的にはないですけど、勝てたので。フロンターレには今年勝ってなかったですし、年間の勝点でも相手の方が上だった。そういう相手にああいう舞台で勝てた、というが現実としてあるので、そういうことでただ単純に強いチームだな、と思いました。」
Q:試合に
「準備はしていたし、特に前から行く守備と後ろに引いた守備を、2日間に分けてやったくらいだったので、そこの守備の整理がそれぞれのポジションの選手の理解を深めてやっていた。その練習が試合に生きたと思います。」
■FW8 土居聖真選手
Q:準備の方は?
「僕個人としては最善を尽くしたつもりです。」
Q:今季は2回浦和とやって1勝1敗。改めて浦和の印象は?
「長年ああいうスタイルでやってきて、それが完成されつつあるチームだと思う。前線のコンビネーションの部分など、自分たちのスタイルを貫いているチームだと思います。」
Q:鹿島がやらなければいけないところは?
「やっぱり前線のコンビネーションをやらせてはいけないと思いますし、そこが消せれば自分たちのサッカーはできるのかなと思っています。」
Q:どうすれば点が取れると思いますか?
「それをいま言っちゃうとダメかな、と思います(笑)。レッズに限らず、どの試合でもイメージはしているので。」
Q:ホーム&アウェイになり、アウェイゴールも入ってくる。その意味で初戦はどういう戦い方をする?
「フロンターレのときとそんなに変わらないと思います。先に失点すると状況的にも厳しくなるし、不利になる。得点することも大事ですけど、失点しないことが最優先になってくると思います。」
Q:後ろから繋ぐ相手に対して役割は重いと思いますが?
「少しでも守備の選手たちがボールを奪いやすかったり、相手が攻めにくいと少しでも感じられるように、少しでも後ろの選手の手助けができればいいかなと思います。」
Q:この間の川崎F戦も引き分けじゃダメな試合でも守備から入った。鹿島にはそういう伝統があるんですか?
「ずっと言われ続けているというのは、少なからずそういうところがあるのかなと思います。
やっぱり好き勝手なことをやっても勝てないと思いますし、やっぱり統一感を持って、みんな同じ意志で戦わないと行けないと思うので、そういう意味では失点をしないというところで共通意識ができていると思います。」
Q:川崎F戦の守り方で、前から行くときと引くときの使い分けがうまくできていたと思いますが、ピッチの中では意識だったのか?
「いろんな状況がありますけど、それは中でやってる人たちで共有できてますし、ある程度パターンが決まっているときもありますけど、グランドに入っている選手で話し合ってできている。フロンターレ戦は結構いい形もありましたし、それをレッズ戦も前から取りにいくところと引くところを状況によって使い分けないといけない。それがうまくできれば、良い形で守備も攻撃もできると思います。」
Q:去年の途中から石井さんになっていろんな状況があった。いまの状況はいつに近いですか?
「セレーゾから石井さんに変わったときですかね。直後とあまり変わらないかな、と思います。責任感を持ってやっているというか、セレーゾが変わったことというのは僕らの責任、選手自身の責任でもあった。それを選手全員が感じて、行動に移せていたのが、その頃と似てるかな、と思います。」
Q:去年、ナビスコ決勝は怪我をして出られなかった。今回は優勝に手が届く位置にいるのは喜ばしいこと?
「僕がプロに入ってからいくつかタイトルは取ってきますけど、そのグランドに立ってというのはなかった。1stステージの優勝はありましたけど、タイトルがかかった試合では怪我だったりベンチ外だったり、試合に絡んでなかったりというのがあって、今回初めてそういう場に立てるということで、本当に目の前に転がっているチャンスだと思っているので、しっかり受け止めて噛みしめて、しっかり戦えればいいと思います。」
Q:選手から監督にかけられた言葉は?
「いつもと変わらない感じだったので、よかったと思います。」
◆鹿島に気負いなし JリーグCS決勝、浦和との第1戦へ(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14803433560971
J1の年間王座を争う明治安田チャンピオンシップ(CS)決勝第1戦は29日、カシマスタジアムで行われる。第1ステージ覇者の鹿島(年間勝ち点3位)は、第2ステージを制した浦和(同1位)をホームで迎え撃つ。キックオフは午後7時25分。CS初顔合わせの両チームは28日、今季のJ1を締めくくる頂上決戦へ最終調整をした。
鹿島はクラブハウスグラウンドで約1時間半の練習を行った。通常の公式戦の前日同様、セットプレーの守備を確認後、全選手が参加して遊びの要素が強いミニゲームを実施した。決勝を前にしても自然体を貫いた。
今季、湘南から加入した永木は「ここ3日間の練習はいつも通りの雰囲気だった。鹿島には大舞台に慣れている選手がたくさんいて、自分もそれに合わせられたので全然緊張していない」と、気負いなく話した。
今季、浦和とは1勝1敗。7月の第2ステージはホームで逆転負けを喫した。先制した2分後に同点に追い付かれるまずい試合運びで、相手を勢いに乗せてしまった。その試合でゴールを決めた土居は「得点することは大事だが、失点しないことが最優先」と守備意識を高めた。
鹿島はこれまで5度CSに出場。1998年から3度のCSは負けなしで優勝しており、短期決戦の戦い方を熟知している。浦和とのCSは今回が初めて。01年に出場した曽ケ端は「難しい状況やファイナルは何度も経験した積み重ねがある」と、頼もしく語った。 (藤崎徹)
◆【鹿島 vs 浦和】 鹿島側ウォーミングアップコラム:決勝を前に落ち着いた様子を見せる永木。遠藤との対戦を楽しみに待つ。(J'sGOAL)
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00021779/
2011年、高卒と大卒の違いはあるが永木亮太と遠藤航は湘南ベルマーレに加入した。前年から永木は特別指定選手として、遠藤は2種登録選手としてピッチに立っていたため、そこから7年の月日が流れようとしている。今季から永木は鹿島の選手として、遠藤は浦和の選手として戦っているが、移籍1年目にして、チャンピオンシップ決勝という大舞台で相見えることとなった。
「楽しみですね。航は、ずっと一緒にやってきた仲間ですし、本当に仲が良いので」
試合前日の記者会見で、遠藤の存在について問われた永木はワクワクしているようだった。
「いまも連絡取り合ったりしていますけど、この決勝という舞台でお互い移籍して初めての年でできるというのは、嬉しいことですし、自分たちが湘南でやってきたことがいまに繋がっていると思うので、良いプレーをして、そういう姿を湘南の人にも見てもらいたい」
じつは、鹿島に来てから浦和戦に限っては、試合開始のホイッスルをピッチの上で聞いていない。初先発のチャンスが、チャンピオンシップ決勝で巡ってくる。しかし、永木は落ち着いていた。
「自分でも不思議なくらい落ち着いています」
チームメイトには小笠原満男や曽ヶ端準を始めとして、百戦錬磨の選手が揃う。クラブ自体が醸し出す雰囲気もあってか、永木は自身をあふれさせていた。
文:田中滋(鹿島担当)
明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ 決勝 第1戦
11月29日(火)19:25KO カシマ
鹿島アントラーズ vs 浦和レッズ
◆サッカーJ1 チャンピオンシップ決勝を前に鹿島が調整(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161128/k10010787061000.html
サッカーJ1の年間王者を決めるチャンピオンシップの決勝の第1戦が29日に行われるのを前に、J1最多の8回目の優勝を目指す鹿島アントラーズの選手が最終調整を行いました。
J1最多、7回の優勝を誇るリーグ戦年間3位のアントラーズは、準決勝で年間2位の川崎フロンターレを破り、決勝では10年ぶりの優勝を目指す年間1位の浦和レッズとホームアンドアウェー方式で対戦します。
29日にホームで行われる決勝の第1戦を前に、アントラーズの選手たちは茨城県鹿嶋市のグラウンドで最終調整を行いました。練習では準決勝でゴールを決めた金崎夢生選手や右足のけがから練習に復帰したミッドフィルダーの柴崎岳選手などが、セットプレーやミニゲームなどで、およそ90分間汗を流しました。
石井正忠監督は「ホームでの第1戦ということで、90分間しっかりと戦って、勝利をサポーターに見せたいです」と話していました。また、日本代表のミッドフィルダー、永木亮太選手は「リーグ戦では浦和レッズと1勝1敗なので、しっかり決着をつけます。2勝すれば優勝なので、どちらも勝つ気持ちで臨みます」と決意を語りました。
決勝の第1戦は29日にカシマスタジアムで行われ、午後7時25分にキックオフです。
◆「何も手にしていない。はしゃぐな」 小笠原、永木コンビこそ鹿島の魂。(Number)
http://number.bunshun.jp/articles/-/826966
チャンピオンシップ準決勝は、鹿島アントラーズが1-0で川崎フロンターレに勝った。
前半は点が取れず、勝たないと次がない鹿島としてみればバタバタしそうなものだが、逆に攻め急いでいたのが川崎で、鹿島には余裕があった。どちらが年間順位が上か分からない試合運びだったが、安定した試合運びに寄与していたのがダブルボランチの小笠原満男と永木亮太だ。このふたりの守備は、まさに「デュエル」そのものだった。
小笠原は前への強さ、相手へのアプローチが非常に早く、ボール奪取の技はもはや達人の域だ。永木も湘南時代に培ったフィジカルの強さを武器に球際に強さを見せ、ボールを奪う能力が非常に高い。
川崎戦は、その2人を中心に序盤からガツガツと前にプレッシャーをかけていった。永木は意図をこう語った。
「勝たないといけないので、立ち上がり15分は前からいこうと話をしていました。失点のリスクはありますが、そこは恐れずに自分たちの今までやってきたことを出そうと。満男さん中心にプレッシャーをかけていってうまくハマった時もあったし、ちょっと崩されて危ないシーンもあったけど、よく後ろが耐えてくれた」
「憲剛さんを潰さないと」というプラン通りに。
鹿島はよく落ち着いていた。
前半21分、川崎の長谷川竜也が怪我で途中交代し、いきなり中村憲剛が入ってきた。相手キーマンの登場でバタつくなかと思いきや、まったく動じることなく、永木も冷静だった。
「いつかは入ってくると思っていたんで。ただ、憲剛さんのところでボールが落ち着きますからね。そこを潰さないと勝てないと思っていましたけど、憲剛さんが(2列目のポジションから中盤の底に)落ちてきたり、大久保選手が落ちたりと本当によく入れ替わる。そこで捕まえるのに苦労しましたが抑えて前半をゼロに終えたのがよかったです」
後半5分、セオリー通りに立ち上がりを攻め、狙い通りに金崎夢生が先制ゴールを決めた。出来すぎの感もあるが、チャンスを逃さずに決めるのが鹿島らしい。
「最後は体を張って失点しないぞって気持ち」
その後は川崎が出力を上げて攻撃に転じたが、鹿島はそれを中央で受け止めて、しっかり守るという構図ができていた。
「相手ひとりひとりの意識が前にいったことで、セカンドボールを取られたり、自分たちが簡単にボールを失ったり、ほとんど相手にボールを持たれていた。でもしっかり中を締めて守備ができていたし、キツい時間はブロックをつくって守備をすることができていた。大伍(西)くんの捨て身のシュートブロックしたシーンの象徴されるように、最後は体を張って失点しないぞって気持ちでやれたのもよかったと思います」
これこそが、鹿島の強さなのだろう。
押されている時は、ムリにボールを奪おうとしない。中をしっかりと締めて、我慢する時間が続くのなら、守備のブロックを敷いて耐える。試合前から選手間で話をしており、試合中も戦況を判断して意志統一されていたという。
ここ一番の鹿島は、自分たちの土俵に引きずり込む。
鹿島は、タイトルがかかった試合は滅法強い。
昨年のナビスコカップ決勝・ガンバ大阪戦も相手の良さを消し、遠藤保仁に「完敗。何もできんかった」と言わしめるほど、圧倒的な強さを見せ付けた。ここ一番の時は集中して試合に挑み、自分たちの土俵に引きずり込んで勝利する。
そういう逞しさが鹿島にはある。
そんなチームの中盤で、小笠原と永木はともに存在感を見せつけていた。岩手と神奈川で出身地は違うが粘り強さといい、負けず嫌いといい、スタイルもちょっと似ており、息の合ったプレーはもう何年もコンビを組んでいるようにさえ思える。
「満男さんとは2人で前に行かないこと、1人はバイタルエリアの真ん中で構えていること。これはセンターバックの選手から言われています。ボールを取りにいく時は、バランスを気にしなければならないけど、2人でいける時は取りにいくし、それはできていたと思います。でも、満男さんは、ほとんどボールを奪ってさすがだなと思いました。前で取るのがうまいので、自分も見習わなくてはと思いました」
本田泰人、小笠原と継承された魂が永木にも注入。
かつて本田泰人がボランチの教育係だったが小笠原がレギュラーになってからは背中で語りながら今まで相棒を育ててきた。青木剛、柴崎岳を始め、永木も今まさに鉄人の薫陶を受けているところだ。さらに本人も鹿島の伝統の強さみたいのも感じているようだ。
「チャンスを点につなげると、鹿島は強いなと自分でもプレーしながら思っていました。あとは決め切るところを決めたり、最後もチャンスがあったけど追加点を取れればもっと強いチームになる。今日は本当に魂の入った、気持ちのこもったゲームだった。自分たちのマイボールにするとか、ファールをもらうとか、細かいところの積み重ねで今日の勝ちが転がってきたのかなと思います」
「失うものは何もないですから喰ってやろう、と」
決勝は、年間王者の浦和レッズと戦うことになった。今シーズンは1stステージアウェイで2-0で勝ち、2ndステージはホームで1-2で敗れている。1勝1敗の五分だが、川崎戦に勝った分だけ、鹿島は勢いを持って決勝に臨める。
とはいえ、小笠原は「まだ何も手にしていない。はしゃぐな」と選手に喝を入れた。そのせいか試合後、選手たちの表情には浮ついた感がなく、恐いぐらいに冷静だった。
強い鹿島がここにきて覚醒した感がする。
「浦和は本当に力のあるチームでセカンドステージはほとんど負けていないですし、誰が出ても同じサッカーをしてくる。次はホームなので絶対に負けられないですし、今日みたいに気持ちのこもったゲームをしたい。僕たちは年間3位なので失うものは何もないですから喰ってやろうと思います」
浦和戦も小笠原とふたりでどっしりと中央に構え、相手の攻撃の芽を摘むだろう。
攻撃では川崎戦はカウンターによく絡んでいたが、永木のもうひとつの良さはミドル。ガチガチの固い試合になりそうな初戦では、かなり効きそうだ。デュエルぶりに満ちあふれた守備だけではなく、攻撃でも存在感を示すことができれば十分、大物喰いを果たせるだろう。
2016年11月28日月曜日
◆“それ”ができなければ僕がいる意味はない…決勝弾演出の岡山MF矢島(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204101-204101-fl
[11.27 J1昇格プレーオフ準決勝 松本1-2岡山 松本]
劇的な決勝点の起点となったのは背番号10だった。1-1で迎えた後半アディショナルタイム、中盤でボールを受けたファジアーノ岡山MF矢島慎也は「トヨ(MF豊川雄太)が走っているのは見えたし、冷静に出せた」と相手とのタイミングをズラして前線に浮き球のパスを供給。豊川がヘディングで競り勝って中央に落とすと、走り込んだFW赤嶺真吾が左足ダイレクトでゴールを陥れ、チームは2-1の勝利を収めた。
リーグ6位となった岡山はリーグ戦の終盤戦8試合白星なし(4分4敗)と、決して好調とは言えない状況で、プレーオフ準決勝を迎えた。しかし、矢島は「苦しんだ分、キッパリ開き直れた感じです。プレーオフに出れたのも命拾いしたようなものだったので」と意に介していなかった。
そして、松本に押し込まれる時間帯が続いた序盤は、「元々が6位で始まっているし、割り切っていた」とブロックを敷いて相手攻撃を耐え忍ぶ。「相手陣内でプレーしたかったけど、まだそこまでできる力がない。割り切って相手攻撃を受けた」。耐える時間こそ長かったものの、前半23分には一瞬の隙を見逃さずにロングボール1本からFW押谷祐樹が先制点奪取に成功した。
後半20分過ぎにはリードを奪われている松本DF飯田真輝が前線に上がり、同29分に1-1となってからの試合終盤には、岡山DF岩政大樹が前線に上がってパワープレーに出るなど、ロングボールが行き交う展開が多くなる。「ボールを奪った後に相手が切り替えて来る圧に負けて、逃げのクリアみたいのも多かった」と振り返った矢島だが、「僕のところに入ったら、それを確実につなごうと思っていた」と自らの持ち味を発揮しようとしていた。
そして迎えた後半アディショナルタイムのプレー。矢島から豊川へと確実につながれたパスが起点となり、赤嶺の決勝ゴールが生まれる。「確実につなげなかったら、僕が出ている意味はない」と語った矢島は、「次ですね、大事なのは。また勝つしかない」と逆転でのJ1昇格に向けて改めて意気込みを示した。
(取材・文 折戸岳彦)
◆下剋上の立役者、FW赤嶺をDF岩政が称賛「真吾はなかなか点を取れなかったけど…」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204097-204097-fl
[11.27 J1昇格プレーオフ準決勝 松本1-2岡山 松本]
引き分けすら許されない状況だった。スコアは1-1。残された時間はアディショナルタイムのみ。まさに崖っぷちに追い込まれていた。しかし、ファジアーノ岡山の選手、スタッフ、そしてファン・サポーターは諦めなかった。そして、後半アディショナルタイムが2分を回ろうかというとき、状況を一変させる、あまりにも劇的な決勝点が生まれた――。
年間6位の岡山が逆転でプレーオフ決勝に進出するには年間3位の松本に勝つしかなかったが、リーグ戦終盤の第35節からの8試合で白星はなく(4分4敗)、決してチーム状態は良いとは言えなかった。しかし、FW赤嶺真吾は1つの試合を見て、気持ちを切り替えて大事な試合に臨んでいた。
その試合とは23日に行われたJ1のチャンピオンシップ準決勝。年間3位の鹿島が年間2位の川崎Fを1-0で下し、浦和の待つ決勝進出を決めた試合だった。「厳しい状況の鹿島が川崎Fに勝ちました。気持ちの面で自分たちも切り替え、アウェーで難しい試合だけど最後まで皆で戦おうと思っていた」。
下剋上を狙う岡山は、前半23分に先制点を奪取する。自陣深い位置からMF三村真が蹴り出したロングフィードに対して走り込んだ赤嶺が、「声が聞こえたし、場所も何となく分かったので、後ろにそらした」と右サイドを駆け上がるFW押谷祐樹を見逃さずにボールを送ると、押谷がPA外から右足のシュートでネットを揺らす。
後半29分にはセットプレーから失点して同点に追い付かれ、一時は準決勝敗退という立場に置かれたものの、気持ちが折れることはない。終盤にはDF岩政大樹を前線に上げたパワープレーに打って出ると、後半アディショナルタイムに「大樹さんも上がってきたし、(藤本)佳希にトヨ(豊川雄太)と前に圧力を掛けられる選手がいたので、チャンスが来ると信じて待っていた」と、チームメイトを信じた赤嶺の下へとボールが届けられる。
中盤のMF矢島慎也が前線に浮き球のパスを送ると、相手選手に競り勝った豊川がヘディングで中央に落とす。「トヨに入ったときから、あのスペースを狙っていた」と走り込んだ赤嶺が左足ダイレクトで合わせてネットを揺らした。勝利を手繰り寄せるだけでなく、チームをプレーオフ決勝へと導く、あまりにも劇的な決勝点が生まれた。
「ゴールを決めた瞬間にベンチの選手やスタッフと喜べたし、本当に良かった。また勢いを持って来週の試合に臨みたい」
勝利の立役者は安堵の表情を浮かべ、キャプテンマークを巻く岩政は赤嶺の働きを称賛する。「こういう試合では、1年間頑張ったけど、なかなか結果が出なかった選手が結果を出すもの。真吾は1年間体を張り続けながらも、なかなか点を取れなかった。でも、その中でもケガをせずに1年間頑張り続けた。真吾が抜け出した時点で、ゴールを決めると思った」。今季41試合出場4得点。第26節北九州戦以降ゴールから遠ざかっていた点取り屋だが、勝利だけが必要な大事な試合で1ゴール1アシストと結果を残し、自身の存在価値を改めて証明してみせた。
(取材・文 折戸岳彦)
◆鹿島ユース競り勝つ U18プレミア(茨城新聞)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14802547717046
サッカーの高円宮杯U-18(18歳以下)プレミアリーグの東地区第16節は27日、青森市の青森山田高グラウンドなどで5試合を行い、鹿島ユースは1-0で首位の青森山田高に競り勝ち、3試合ぶりに白星を挙げた。通算成績は4勝4分け8敗、勝ち点16で順位は8位のまま。
鹿島ユースは後半18分、FW須藤翼が先制し、そのまま逃げ切った。
最下位の10位流通経済大柏高は9位の新潟U-18に敗れ、来季の下部リーグ降格が決まった。残り1枠の降格は勝ち点17の柏U-18、同16の鹿島ユース、同11の新潟U-18に絞られた。
(県勢記録)
◇東地区
▽第16節
鹿島ユース(16) 1-0 青森山田高(31)
0-0
1-0
▽得点者【鹿】須藤(後18分)
◆[プレミアリーグEAST]3冠狙うFC東京U-18が首位浮上!流経大柏の初となるプリンスリーグ降格が決定:第16節(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204090-204090-fl
高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグEAST
高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグEASTは27日、第16節を行った。首位の青森山田高(青森)はホームで鹿島アントラーズユース(茨城)と対戦。U-19日本代表GK廣末陸(FC東京内定)やMF高橋壱晟(千葉内定)らが先発した青森山田は前半を0-0で終えたが、後半18分に鹿島FW須藤翼に決勝点を許して0-1で敗れた。
青森山田を勝ち点2差で追う2位・FC東京U-18(東京)と同3差の横浜F・マリノスユース(神奈川)との一戦は前半38分にFC東京MF生地慶充が先制点。さらにFW半谷陽介のゴールで加点したFC東京は後半にもU-19日本代表に初選出された中学生FW久保建英のゴールでダメ押して3-0で快勝した。この結果、日本クラブユース選手権、Jユースカップに続く3冠を狙うFC東京が首位へ浮上している。
13年にプレミアリーグチャンピオンシップを制している流通経済大柏高(千葉)の初の降格が決まった。残留圏8位の鹿島と勝ち点6差で残り3節を迎えた10位・流経大柏は9位のアルビレックス新潟U-18(新潟)と対戦。相手を押し込んでいた前半を無得点で終えると後半はカウンターからピンチを迎えるようになった。そして33分、左CKから195cmFW小枇ランディのヘディングシュートがクロスバーを叩いた跳ね返りをFW堀航輝に頭で押し込まれて新潟に0-1で敗戦。鹿島との勝ち点差が残り2試合で9へ開き、11年のリーグ創設時からのオリジナルメンバーである流経大柏のプリンスリーグ関東降格が決まった。
大宮アルディージャユース(埼玉)対市立船橋高(千葉)戦は0-0で引き分け。清水エスパルスユース (静岡)はFW平墳迅とFW橋本和真のゴールによって柏レイソルU-18(千葉)に2-0で勝利している。
【プレミアリーグEAST第16節】(11月27日)
[青森山田高]
青森山田高 0-1 鹿島アントラーズユース
[鹿]須藤翼(63分)
[流通経済大柏高]
流通経済大柏高 0-1 アルビレックス新潟U-18
[新]堀航輝(78分)
[藤枝総合運動公園サッカー場]
清水エスパルスユース 2-0 柏レイソルU-18
[清]平墳迅(15分)、橋本和真(83分)
[埼玉スタジアム2002第2グラウンド]
大宮アルディージャユース 0-0 市立船橋高
[東京ガス武蔵野苑多目的グランド(人工芝)]
FC東京U-18 3-0 横浜F・マリノスユース
[東]生地慶充(38分)、半谷陽介(45分+1)、久保建英(76分)
※日程は3月発表、変更あり
◆熊本から訪れた岡本と佐藤。彼らの目に鹿島はどう映ったのか【鹿島練習レポート:明治安田CS】(Jリーグ)
http://www.jleague.jp/news/article/7642/
クラブハウス練習場では紅白戦が行われた。その傍らで、観戦用のスタンドに立ち練習を見つめる2人の選手がいた。ロアッソ熊本のキャプテン岡本 賢明と、昨季まで鹿島でプレーしていた佐藤 昭大の2人だった。
東日本大震災を経験している鹿島は、熊本地震復興支援にもすばやい動きを見せていた。熊本県宇土市出身の植田 直通がいるということだけでなく、いまも東北人魂を主宰して東北の復興支援に努める小笠原 満男の影響により、クラブも選手も、そしてサポーターも震災支援活動には意識が高かった。
佐藤は「ほんとうに多くのクラブに助けてもらいました」と感謝を述べ、植田は「ロアッソを代表してオフじゃないのに来てくれた。これからも復興に向けて支援を続けていかないといけない。ロアッソの力になれたら嬉しい」と話した。
また、久しぶりに鹿島の紅白戦を見た佐藤は、「この雰囲気なら絶対に勝てると思う」と、昨季までのチームメイトの動きに太鼓判を押していた。
この日は、選手を入れ替えながら3本の紅白戦が行われた。笛で止めながらポジショニングを確認するところから始まり、時折セットプレーの確認も織り混ぜる。昨日から全体練習に合流したばかりの柴崎 岳も、2本目からは主力組としてプレー。軽快な動きで速攻に加わるなど、ブランクを感じさせなかった。
第1戦に向けたトレーニングは残りあと1回。選手たちに浮足立つ様子もなく、ホイッスルが吹かれるのを待っている。
(取材・文・写真/田中 滋)