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2017年1月1日日曜日

Jリーグ開幕後の3大大会優勝と準優勝


【Jリーグチャンピオンシップ】
1993年 V川崎(鹿 島)
1994年 V川崎(横浜M)
1995年 横浜M(V川崎)
1997年 磐 田(鹿 島)
1998年 鹿 島(磐 田)
1999年 磐 田(清 水)
2000年 鹿 島(横浜M)
2001年 鹿 島(磐 田)
2004年 横 浜(浦 和)
2015年 広 島(G大阪)
2016年 鹿 島(浦 和)

【ナビスコカップ・ルヴァンカップ決勝】
1992年 V川崎(清 水)
1993年 V川崎(清 水)
1994年 V川崎(磐 田)
1996年 清 水(V川崎)
1997年 鹿 島(磐 田)
1998年 磐 田(市 原)
1999年  柏 (鹿 島)
2000年 鹿 島(川 崎)
2001年 横浜M(磐 田)
2002年 鹿 島(浦 和)
2003年 浦 和(鹿 島)
2004年 F東京(浦 和)
2005年 千 葉(G大阪)
2006年 千 葉(鹿 島)
2007年 G大阪(川 崎)
2008年 大 分(清 水)
2009年 F東京(川 崎)
2010年 磐 田(広 島)
2011年 鹿 島(浦 和)
2012年 鹿 島(清 水)
2013年  柏 (浦 和)
2014年 G大阪(広 島)
2015年 鹿 島(G大阪)
2016年 浦 和(G大阪)

【J開幕後の天皇杯決勝】
1992年 横浜M(V川崎)
1993年 横浜F(鹿 島)
1994年 平 塚(C大阪)
1995年 名古屋(広 島)
1996年 V川崎(広 島)
1997年 鹿 島(横浜F)
1998年 横浜F(清 水)
1999年 名古屋(広 島)
2000年 鹿 島(清 水)
2001年 清 水(C大阪)
2002年 京 都(鹿 島)
2003年 磐 田(C大阪)
2004年 東京V(磐 田)
2005年 浦 和(清 水)
2006年 浦 和(G大阪)
2007年 鹿 島(広 島)
2008年 G大阪( 柏 )
2009年 G大阪(名古屋)
2010年 鹿 島(清 水)
2011年 F東京(京 都)
2012年  柏 (G大阪)
2013年 横浜M(広 島)
2014年 G大阪(山 形)
2015年 G大阪(浦 和)
2016年 鹿 島(川 崎)

    L 天 N 合計
鹿 島 8 5 6 19
広 島 3 0 0 3
横浜M 3 2 1 6
磐 田 3 1 2 6
G大阪 2 2 4 8
V川崎 2 2 3 7
浦 和 1 2 2 5
 柏  1 2 1 4
名古屋 1 2 0 3
横浜F 0 2 0 2
F東京 0 1 2 3
清 水 0 1 1 2
湘 南 0 1 0 1
京 都 0 1 0 1
千 葉 0 0 2 2
大 分 0 0 1 1

◆【高校サッカー】アントラーズに続くぞ!鹿島学園逆転白星(報知)




 ◆第95回全国高校サッカー選手権大会1回戦 鹿島学園2―1高川学園(31日・ニッパツ三ツ沢球技場)

 1回戦15試合が行われ、鹿島学園(茨城)は高川学園(山口)に2―1で逆転勝利。クラブW杯で準優勝したJ1鹿島から学んだ勝負強さを発揮した。

 苦しい時こそエースが決める。鹿島学園が逆転で初戦を突破した。後半23分に1点を先制されると、チーム全体がギアを上げた。同30分に鈴木雅人監督(41)が「絶対的エース」と信頼するFW上田に同点弾が生まれた。7分後にもマークをものともせず、右クロスに右足ダイレクトボレーでネットを揺らした。殊勲の背番号10は「描いていたイメージ通り」と2得点をかみしめた。

 大会前、J1鹿島がクラブW杯決勝でRマドリードと延長戦にもつれ込む激闘を繰り広げた。鹿島学園は本拠地のカシマスタジアムから約3・7キロと最も近くに位置する。身近なクラブの快進撃に燃えないわけがなかった。下部組織の鹿島アントラーズノルテ出身で、ユースには昇格できなかった上田も「見ている人はレアルが絶対勝つと思ったはず。それでも食らいついて、一時は逆転して。勇気をもらいました」と声を弾ませた。

 サッカー部員は鹿島の試合を日常的に観戦し、カシマスタジアムでボールボーイを務めることもある。下部組織出身の選手も多く在籍し、卒業式の前日には全校生徒の前で鹿島ユースと鹿島学園の3年生同士が交流試合を行うなど友好的な関係を築いてきた。「切磋琢磨(せっさたくま)して勉強させてもらっているし、選手も僕以上に鹿島の勝ち方を見てます」と指揮官。J最多18冠の勝負強さがサッカー部の模範となっている。

 鹿島は1日に天皇杯決勝を控え、鹿島学園は2日の2回戦に進んだ。上田は「僕らも優勝候補と当たる時には、覆してやるぐらいの気持ちです」と闘志を高ぶらせ、鈴木監督も「鹿嶋の街全体がサッカーで盛り上がっている。天皇杯でぜひ勝ってもらって、流れに乗って2回戦も勝ちたい」と意気込んだ。この冬は、選手権でも「鹿島」が主役になる。(林 直史)

http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20170101-OHT1T50072.html

◆鹿島学園エース上田、常勝DNA2発!! レアル戦見て「勇気」(スポニチ)


第95回全国高校サッカー選手権1回戦  鹿島学園(茨城)2―1高川学園(山口)(2016年12月31日  ニッパツ)


 常勝のDNAが宿っていた。後半23分、鹿島学園はセットプレーから先制を許したが、慌てなかった。試合再開前に選手が円陣を組み「まだ時間はある。絶対に逆転できる」と声を掛け合った。その諦めない心をエースFW上田が体現する。後半30分に島村のパスを受けて右足で同点弾を決めると、後半37分には右クロスを倒れ込みながら右足で合わせた。

 上田は「イメージ通りの2得点。苦しい状況で得点してチームを救いたかった」と胸を張った。社会人リーグで活躍した父・晃さん(40)の影響で小学1年からサッカーを始め、中学時代は鹿島の下部組織ノルテに所属。目標に掲げる元イタリア代表ロベルト・バッジオの動画を参考にして練習に励んだが鹿島ユース昇格はならなかった。悔しさをバネに成長しサッカー推薦での法大進学が内定している。

 鹿島学園はカシマスタジアムから約3キロに位置。Jリーグの試合でボールボーイを務めるなど交流は多い。その鹿島が12月のクラブW杯で準優勝。決勝で世界的強豪レアル・マドリードと延長にもつれる熱戦を演じて世界2位となった。上田は「アントラーズがレアルを追い詰める試合から勇気をもらった」と感動。チームは大きな刺激を受けて大会に臨んでいた。

 この日は錦織市長をはじめ鹿嶋市の職員も応援に駆けつけた。鈴木監督は「クラブW杯で鹿嶋の街が盛り上がった。明日(きょう1日)も天皇杯(決勝の鹿島―川崎F戦)があるので鹿島に優勝してもらって、その流れで2日(の2回戦)も勝ちたい」と力を込めた。アントラーズをほうふつさせる粘り強い逆転劇。4年ぶり8度目の出場となる今大会で、クラブW杯の本家に負けないサプライズを目指す。

 ▼高川学園・江本監督 高校サッカーの選手にとって全国選手権はディズニーランドのような場所だと言って選手を送り出した。はつらつと楽しそうにやってくれたと思う。先制した後にコントロールしてあげられなかった監督の責任。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/01/01/kiji/20161231s00002013246000c.html

◆鹿島学園が逆転勝利 エースFW上田が終盤2得点(ニッカン)




<高校サッカー:鹿島学園2-1高川学園>◇1回戦◇31日◇ニッパツ三ツ沢球技場

 鹿島学園(茨城)がエースFW上田綺世(あやせ、3年)の2得点で高川学園(山口)に逆転勝ちし、2回戦に駒を進めた。

 1点を追う後半30分、ペナルティーエリアでボールを受けると相手DFをフェイントで左にかわし、左足でゴール右に蹴り込んだ。同37分には、右クロスに走り込んで右足でダイレクトボレー。DFと競り合いながらの難しいシュートを決め、試合をひっくり返した。

 残り10分の2発で初戦突破に導いた上田は「逆転までできるとは思っていなかったけど、まず1点を返そうと思ってやった結果。2点ともパスの出し手の特徴を分かっていたので、イメージ通りです」と納得。鹿島の下部組織アントラーズノルテ(日立市)出身で、ユースに昇格できず高体連サッカーを選んだ男は「(08年度に)選手権で4強に入った姿を見ていたので選びました。いつかプロになれるよう頑張りたい」と話し、目標の優勝と得点王へ2ゴールで好発進した。

 学校は、クラブW杯で準優勝し、元日の天皇杯決勝にも進出しているJ1鹿島と同じ鹿嶋市にある。鈴木雅人監督(41)は「街全体が盛り上がっています。今日は鹿嶋市長や鹿島ユースの選手も応援に来てくれていましたし、カシマスタジアムから最も近い学校なので、よく試合も見に行かせてもらっている。明日はアントラーズに天皇杯で優勝してもらって、流れに乗って2日の2回戦も突破したい」と笑顔だった。【木下淳】

http://www.nikkansports.com/soccer/news/1759367.html

◆大迫は「薄情者」?偉大なOBの前で鹿児島城西が北陸振り切り4大会ぶり初戦突破(ゲキサカ)


[12.31 全国高校選手権1回戦 北陸高0-1鹿児島城西高 等々力]

 第95回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦を行い、等々力陸上競技場の第2試合では鹿児島城西高(鹿児島)が北陸高(福井)を1-0で下し、初戦を突破した。来年1月2日の2回戦では長崎総合科学大附高(長崎)と対戦する。

 試合はいきなり動いた。鹿児島城西は前半6分、右サイドでFKを獲得すると、MF永吉広大主将(3年)が左足でゴール前に蹴り込み、ニアに飛び込んだMF大脇瑞城(2年)がGKの手前で合わせ、ヘディングシュートを叩き込んだ。

「セットプレーは練習でやっていた。キーパーの前を横切ろうと話していたし、いい飛び込みをしてくれた。(キックの質も)低くて速い、良いボールだった」。先制点のシーンを振り返る小久保悟監督だが、その後は「2点目を取れず、苦しい展開になった」。前半アディショナルタイムには大脇が右サイドを縦に突破し、ゴール前にクロス。MF津留優晴(2年)が滑り込みながら合わせたが、GK椎葉俊介(3年)の好守に阻まれた。

 1点リードで前半を折り返した鹿児島城西は後半6分、津留に代えてMF山田駿(2年)を投入。同10分にはロングフィードにその山田が抜け出す決定機を迎えたが、左足のシュートは椎葉のビッグセーブに遭い、跳ね返りをもう一度押し込もうとした山田のシュートもゴールライン上でDF梅田亮祐(3年)にクリアされた。

 最少失点で食い止める北陸も何とか同点ゴールを目指すが、後半14分、MF坂東陽優吾(2年)の左CKにファーサイドで合わせたMF中嶋祥(2年)の右足ボレーはGK泉森涼太(2年)が好セーブ。後半28分にMF中嶋祥(2年)に代えてMF平森大誠(2年)、同32分には坂東に代えてMF河村健斗(3年)を投入すると、後半37分、右サイドからMF八木悠斗(1年)が入れたアーリークロスに河村が飛び込んだが、わずかに合わず、最後まで1点が遠かった。

 1-0で逃げ切った鹿児島城西は16強入りした12年度大会以来、県勢としても4大会ぶりの初戦突破。直近の2大会はいずれも初戦でPK負けに終わっていたこともあり、「80分で決着をつけたいと思っていた」と本音を漏らした小久保監督だが、負けられない理由はもう一つあった。この日はOBのFW大迫勇也(ケルン)がスタンドで試合を観戦。試合前にはロッカールームにサプライズで登場する“演出”も仕掛けた。

「選手には黙っていた。今の選手は初めて会ったと思う」。選手と一緒に円陣で肩を組んだ大迫は後輩たちを激励。自身が持つ1大会10ゴールの最多得点記録についても「うちのセンターフォワードに『早く自分の10点を抜いてくれ』と言っていた」(小久保監督)という。

 大迫を擁して準優勝した08年度大会にどこまで近づくことができるか。「(選手権本番で大迫が)応援に来たのは初めてだと思う。薄情者だから」と笑った小久保監督だが、「選手にはいい刺激になったと思う」と感謝する。2回戦の相手は同じ九州勢の長崎総科大附。プリンスリーグ九州では0-6、0-1と2敗しているだけに、「フィジカル的に強いし、スピード、パワー、テクニックが整っているチーム。チャレンジャー精神で臨みたい」と、静かに雪辱を誓った。

(取材・文 西山紘平)

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?206791-206791-fl

◆【高校サッカー】富山第一、柳沢先輩から生激励(報知)




 ◆第95回全国高校サッカー選手権 ▽第1日(30日、駒沢陸上競技場)

 第95回全国高校サッカー選手権が30日、駒沢陸上競技場(東京)で開幕した。富山県代表で2年連続27度目の出場となる富山第一は、OBで元日本代表FWのJ1鹿島・柳沢敦コーチ(39)からの生激励を力にトーナメントを駆け上がる。石川県代表で初出場の鵬学園は、金色が入った新ユニホームで大会に挑む。両校は1月2日の2回戦から登場する。

 新調した紫色ユニホームとともに、富山第一イレブンが開会式で入場行進。1月2日の初戦・那覇西戦を前に、MF久保佳哉主将(3年)は「いよいよだな、という感じ。気持ちが高ぶってきました」と気合を入れ直した。

 3大会ぶりの日本一へ、調整は順調だ。開幕前最後の練習試合(28日)では流通経大に3発白星締め。相手は1年生主体も、大塚一朗監督(52)は「格上との対戦をこなし、動きは良くなってきている」と手応えをつかんでいる。

 今回で27度目の選手権出場。初優勝した2013年度大会以前にも、OBが築き上げてきた歴史を再確認した。茨城合宿初日(26日)、J1鹿島の練習場に登場したのは元日本代表FWの柳沢先輩だった。コーチを務める鹿島が天皇杯を勝ち上がっていたこともあり、幸運にも即席の激励会が実現。後輩に「高校3年間はかけがえのないないもの。選手権でもしっかり頑張ってほしい」と語りかけ、登録30人とガッチリ握手した。

 W杯2大会に出場したレジェンドの言葉にMF久保主将は「力になった。うれしかった」と奮い立った。OBの期待とともに、再び勝ち上がる。(小沼 春彦)

http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20161231-OHT1T50000.html

◆ゲキつよっ!!vol.5「際立った鹿島の完成度。憲剛はレジェンドの境地へ」(ゲキサカ)




 解説者の元サッカー日本代表・北澤豪氏による新コラム「ゲキつよっ!!」。日本代表からJリーグ、海外サッカー、育成年代、フットサル、障がい者サッカー……、幅広くフットボールに精通する北澤氏が、テレビでは語り切れない魅力を綴っていきます。

鹿島に見た、世界との化学反応

 明日行われる天皇杯決勝にも進出し、鹿島アントラーズがまた一歩タイトルへと近づいている。Jリーグチャンピオンシップにはじまり、鹿島の12月の躍進は目を見張るものがある。

 日本で開催されたクラブワールドカップでの躍進は、世界に驚きを与えた。それと同時に、世界と戦う機会があればチーム、そして選手は成長できるということを、我々日本人に証明してくれた。

 アジア、ヨーロッパ、南米、アフリカ、オセアニア……、サッカーというひとつの競技でも、そこにはフィジカルや戦術の違いがある。いざピッチで対面したときに、どのように順応していくか。それは身をもって体験することでしか培うことはできない。

 昌子源選手や植田直通選手ら鹿島の守備陣は、試合の中で順応し、成長している姿を見せてくれた。相手の前線で縦のポジションチェンジがあった時に、鹿島のCBのマークの受け渡しが上手くいかなかった。それならばらと、下がったFWにCBがそのままついて行って、空いてしまったCBのスペースはSBが埋める。守り方を変えて対応していく姿は頼もしく見えた。それは世界で戦うことを目的に考えたら大切なことだ。

「サッカーは守備から」という認識を改めさせてくれた鹿島の活躍だったが、とはいえサッカーは点を取らないと勝てない。鹿島の攻撃陣で光ったのは、柴崎岳選手の存在だ。

 あのレアル・マドリーから2ゴールを奪ったのは評価されて然るべき結果だが、ボールを持ったときの彼からは「チャレンジしよう」という意思が感じられた。ドリブル突破を図ったところで、DFにツブされてしまう。次のプレーはどうするのか、と思って見ていたときに、パスを選択するのではなく、もっと速いドリブルで仕掛けていた。

 今季はケガで戦列を離れていて、戻ってきてからもくすぶっている印象を否めなかったが、ようやく吹っ切れた印象がある。「クラブW杯をたんなる1試合にしない」。鹿島の10番からは、そんな気概も感じることができた。

「世界に向けた選手育成」という観点が必要だ。たとえば、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)だけでなく、韓国との交流戦をやってみたり。鹿島の活躍は、アジアのチームにも刺激になったと思う。ACLに出られるのは最大で4チームしかない。国内のクラブに所属しながら、選手を成長させる手段が、代表の強化にもつながるはずだ。

憲剛がかつての日本の10番とダブって見えた

 今月20日に行われたJリーグアウォーズをもって、今季のJリーグは終幕した。大会方式に異論を唱えるつもりはないが、年間3位の鹿島が優勝したことで、MVPを決めるのがむずかしくなったことは間違いない。とはいえ、中村憲剛選手(川崎F)がMVPになったのは、納得のいく結果だったと思う。もちろんいままでも素晴らしい選手だったが、今季はまさに“神っていた”。テクニックだけでなく、ゲーム全体のコントロールも含めて、そのプレーぶりはラモス(瑠偉)さんとダブって見えた。

 川崎Fは中村憲剛選手を中心に、パスで崩し切る魅力的なサッカーを展開、風間八宏監督体制最終年ということもあって優勝を獲りに行ったシーズンだったが、年間3位に終わってしまった。やはりプロたるもの結果を最重要視すべきなのだが、内容にも目を向けるべきだ。日本人の特徴を活かすという意味では、チャレンジしてみるサッカーだはないだろうか。

 2位の浦和レッズの阿部勇樹選手も、個人的にはMVPに値した活躍をしていたと思う。同じ浦和の槙野智章選手も素晴らしいプレーを見せていたが、チャンピオンシップ決勝第2戦でPKを与えたシーンはいただけなかった。「終わりよければすべて良し」というわけではないが、シーズン最後のあのプレーが、「今季のすべて」になってしまったのは残念だった。来シーズンも浦和を中心に優勝争いは推移していくはず。リベンジに期待したい。

 第2ステージで2位に躍進したヴィッセル神戸は、来季もおもしろい存在になるだろう。上位3クラブに比べて外国人選手の活躍の比率が大きかったという向きもあるかもしれないが、それも監督の手腕。ネルシーニョ監督は、勝つためには何をしなければいけないのかということをわかっている。とびきり難しいことや、新しいことをやろうとしているわけではなくて、守備を整えて攻守の切り替えを速くしたり、切り替わった瞬間の選択肢に迷わないようにしたり。柏レイソル、古くはヴェルディ川崎の時代から結果を残し続けているネルシーニョ監督は、教本にしてくべき存在ではないだろうか。

 横浜F・マリノスはピッチ外の契約の話題で賑わせてしまっているが、チームとしては指針をハッキリ示していかなければならない。「向こう1年を見ているのか、その先の10年を見据えているのか」。チームの新陳代謝は必要不可欠だが、一気に行うべきことではないと思っている。チームには継承していくべき“色”があるからだ。若手選手の成長には、ベテラン選手の存在が欠かせない。Jリーグ発足から24年間、チームの伝統を継承できている鹿島は、そういった意味でもリーグ随一の完成度といえるだろう。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?206691-206691-fl

◆2度のJ1昇格を導いたクラブ最古参、山形DF石川竜也が契約更新(ゲキサカ)




 モンテディオ山形は31日、DF石川竜也(37)との契約を更新したことを発表した。石川は山形10年目のクラブ最古参で、08年と14年のJ1昇格決定の瞬間をピッチ上で迎えた唯一の現所属選手。今季は開幕直後の負傷もあり、J2リーグ戦14試合の出場にとどまっていた。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?206776-206776-fl

◆“吹田男”優磨「自信」 第1S開幕戦&CWCでゴール(スポニチ)


天皇杯決勝  鹿島―川崎F(2017年1月1日  吹田S)


 天皇杯は元日、大阪・吹田スタジアムで決勝を行う。6大会ぶり5度目の優勝を狙う鹿島は31日、大阪府内で練習。冒頭15分のみを公開し、残りは非公開で最終調整した。体調不良でFW金崎の出場が微妙な状況の中、20歳のFW鈴木は「吹田は俺で始まって俺で終わります」と“有終の美”を宣言した。

 今季の吹田スタジアムは鈴木にとってまるで、聖地のようだった。G大阪との第1ステージ開幕戦で決勝ゴールをマーク。さらに先月14日のクラブW杯準決勝・Aナシオナル(コロンビア)戦ではチームの3点目を挙げ、アジア勢初の決勝進出へと導いた。この時に披露したC・ロナウドをまねたパフォーマンスが注目を浴び、一躍時の人にもなった。

 強心臓の持ち主だ。試合中、指揮官はベンチメンバーのウオーミングアップの様子を見るようにしている。そのたびに「必ず目が合う」のが鈴木だという。試合に出たいという強い思い、そして自信がないとできない行為。「シュートも正確。気も強い」と指揮官の信頼は厚い。

 先月29日の準決勝・横浜戦では、今季公式戦11得点目となるゴールを決めた。「決勝まで行ったら負けない。そのくらいの自信はある。ラスト1試合に全力を尽くすだけ」と20歳。最高の地で今季最後の得点を奪い、17年の好スタートを切る。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/01/01/kiji/20161231s00002011280000c.html

◆【鹿島】鈴木、好相性の吹田スタは「俺のゴールで始まり俺で終わる」(報知)




 天皇杯は1日、大阪・吹田スタジアムで決勝が行われる。鹿島はスーパーサブとしての出場が見込まれるFW鈴木優磨(20)が、12月14日のクラブW杯準決勝でゴールを決めた吹田スタジアムで19冠獲得に貢献する決意を示した。川崎は左ふくらはぎ肉離れで離脱していたMF大島僚太(23)が約2か月ぶりの先発復帰が濃厚に。主力に抜てきしてくれた風間八宏監督(55)のラストマッチで恩返しの初優勝を届ける。

 鹿島が激動のシーズンを鈴木の一発で締めくくる。この日は大阪市内で冒頭15分を公開後、非公開練習ではセットプレーなどを入念に確認した模様。体調不良のエースFW金崎夢生(27)は練習に不参加で決勝も欠場が予想されるが、鈴木は「絶好調。吹田は俺(のゴール)で始まって俺(のゴール)で終わります」と強気に言い放った。

 決勝と同じ吹田Sで行われた今季第1S開幕のG大阪戦(昨年2月28日)で、鈴木は途中出場から決勝点をマーク。同スタジアムのリーグ戦初得点となり、歴史に名を刻んだ。クラブW杯準決勝のアトレチコ・ナシオナル戦(同12月14日)でも途中出場から1得点を挙げ、FWのC・ロナウド(Rマドリード)のパフォーマンスを披露。世界中のメディアに取り上げられた。

 石井正忠監督からも「シュートの正確性、ゴールを取るんだという気持ちの強さがありDFとの駆け引きもうまい。チームの力になっている」と期待をかけられている。リーグ優勝に続く今季2冠、通算19冠目へ「疲れもあるけど全力でつかみにいきたい」と力を込めた。「中毒」と例える戴冠の喜びを、再び吹田で味わいたい。(内田 知宏)

http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20170101-OHT1T50080.html

◆鹿島、右サイド2人先発復帰へ 遠藤「幸せ」、西「最後に勝てれば」(スポニチ)


天皇杯決勝  鹿島―川崎F(2017年1月1日  吹田S)

 鹿島の右サイドの2人が先発復帰する可能性が高まった。MF遠藤、DF西はともに体調不良で29日の準決勝はスタメンから外れたが、決勝では先発が濃厚。遠藤は「元日の舞台で試合ができているのは幸せ。どんな勝ち方でも勝ちたい」、西は「(90分間で勝ちたいとは)特に考えていない。最後に勝てればいい」と頂点を見据えた。

 また、準決勝で左膝裏を打撲し、30日の全体練習を休んでいたDF山本が31日の練習に復帰。「大丈夫です。やります」と万全を強調した。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/01/01/kiji/20161231s00002011273000c.html

◆鹿島、エース金崎は最終調整参加せず 川崎は憲剛や大久保ら体動かす/天皇杯(サンスポ)


天皇杯決勝に向けて調整する柴崎(10)ら鹿島イレブン=堺市

 サッカーの第96回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は1日午後2時から大阪府吹田市の市立吹田スタジアムで決勝が行われ、6大会ぶり5度目の優勝を目指す鹿島と、初の栄冠を狙う川崎が顔を合わせる。大阪での決勝開催は56大会ぶり。両チームは31日、堺市で冒頭以外を非公開として最終調整した。

 今季はJ1チャンピオンシップ準決勝を含めて公式戦で3度対戦し、1勝1分け1敗。鹿島のエース金崎は練習に参加しなかった。川崎はクラブ初タイトルへ、今季最優秀選手賞の中村や大久保が体を動かした。

http://www.sanspo.com/soccer/news/20161231/jle16123116500004-n1.html

◆鹿島金崎ベンチ入りへ!元日決戦にエースが切り札へ(ニッカン)




 鹿島の石井正忠監督(49)は30日、天皇杯決勝の川崎F戦(来年1月1日、吹田S)でエースFW金崎をベンチ入りさせる意向を示した。遠征先の大阪府内で練習後、「(金崎)夢生の体調も元日に向けてやってもらっている。90分は無理だと思うけれど、けがではないので、体調とコンディションの部分が上がってくれば」と現況を説明した。

 クラブW杯後は体調不良で練習に不参加だった。天皇杯は準々決勝、準決勝の出場を見送ったが、「今日は体を動かしてほしいという要望を出している。最終判断は相談してから」。金崎は茨城・鹿嶋市内で居残り組と調整。今日31日にも大阪でのチーム練習に合流する可能性が出てきた。

 リーグ戦10得点はチーム最多。チャンピオンシップ準決勝川崎F戦では決勝ゴールを決めた。クラブW杯を含めた“ポストシーズン”は7戦5発。得点源が復帰すれば、6年ぶり5度目の優勝へ大きな切り札となる。

http://www.nikkansports.com/soccer/news/1759063.html

◆世界2位は自信!鹿島・石井監督、5度目の戴冠へ「しっかり取る」/天皇杯(サンスポ)

練習を見守る鹿島・石井監督(奥右)=堺市

 サッカーの第96回天皇杯全日本選手権は1日午後2時から大阪・市立吹田スタジアムで決勝が行われ、6大会ぶり5度目の優勝を目指す鹿島と、初の栄冠を狙う川崎が顔を合わせる。大阪での決勝開催は56大会ぶり。両チームは31日、堺市で冒頭以外を非公開として最終調整した。

 約1時間半調整した。リーグ制覇、クラブW杯準優勝と充実のシーズンの締めくくりとなる決勝へ向け、石井監督は「19冠目のタイトルをしっかり取りにいきたい」と力を込めた。準々決勝、準決勝を欠場したFW金崎は、チーム練習に参加しなかった。決勝も出られない可能性があるが、監督は「それぞれの(選手の)特長を生かして勝ち進んできた」とチーム力に自信を見せた。

http://www.sanspo.com/soccer/news/20170101/jle17010105000001-n1.html

◆【天皇杯決勝プレビュー】9年ぶりの二冠か、悲願の初タイトルか…鹿島と川崎が元日決戦で激突!(サッカーキング)


鹿島アントラーズ 川崎フロンターレ

 反対側のブロックから、どのチームが決勝へ駒を進めてくるのか。天皇杯全日本サッカー選手権大会を勝ち上がっていた川崎フロンターレのキャプテン、MF中村憲剛は「はっきり言って、あまり気にしていなかった」と秘めてきた思いを打ち明ける。

 自分たちが過去に2度はね返されたベスト4の壁を打ち破り、クラブ史上初の決勝進出を果たさなければ、どのような予想を巡らせても意味がない。そして、大苦戦の末に大宮アルディージャを1-0で振り切り、サッカー人生で初めて元日にサッカーができる権利を手に入れた29日の準決勝の直後に、日産スタジアムのロッカールームでもうひとつの準決勝の結果を知る。

 市立吹田サッカースタジアムで行われた一戦では、2016シーズンのJ1年間王者・鹿島アントラーズが2-0で横浜F・マリノスを下していた。「鹿島が勝ち上がってくるだろう、とは漠然と思っていた」とも打ち明けた中村の胸中で、不退転の決意がはっきりと輪郭を成した。

「チャンピオンシップ(CS)で負けている悔しさはチーム全員が忘れていないし、あの時のリベンジを果たすという意味でもこれ以上はない舞台。全員がすべてを出し尽して、勝って終わりたい」

 2016シーズンを締めくくる元日決戦は、決勝では初顔合わせとなる鹿島と川崎の激突となった。11月23日の明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ準決勝以来、39日ぶりとなる両者の対戦。この時は年間勝ち点3位の鹿島がFW金崎夢生の値千金のゴールで、同2位で悲願の初タイトルを狙っていた川崎を撃破した。以来、両チームはある意味で“共通項”のある軌跡を描いてきた。

 鹿島はCS決勝でも同1位の浦和レッズをアウェーゴール差で上回り、痛快無比な下克上を達成。7年ぶり8度目の年間王者獲得で国内三大タイトル数を「18」に伸ばし、開催国代表として初出場したFIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016でも破竹の快進撃で決勝へ進出。延長戦の末に敗れたものの、欧州サッカー連盟代表の強豪レアル・マドリード(スペイン)から一時はリードを奪う死闘は全世界へと届けられた。

 決勝戦後の取材エリアで、シーズン終盤を通して出色のパフォーマンスを見せたDF昌子源は「鹿島というクラブでは『良い試合をした』じゃあ意味がない」と、善戦という言葉に拒絶反応を示した。銀河系軍団を本気にさせながらも、最終的には「負けた」という事実に唇をかみしめたのだ。

「キャプテンの(小笠原)満男さんがよく言う『2位も最下位も一緒』とはこのことを言うと思うし、優勝して初めて成長した、良いディフェンスだったと言われる。すぐに天皇杯があるし、そこで不甲斐ない戦いはできない。結果だけを求めて、誰が見ても『ああ、鹿島だな』と思われる熱い試合をしたい」

 120分間に及んだ熱戦の肌感覚は、確かに自信にはなった。もっとも、それ以上に鹿島というクラブ全体に脈打つ、究極の負けず嫌いというDNAを触発した。じゃんけんに負けただけで顔を真っ赤にしながら再戦を要求した、神様ジーコが礎を築いたクラブの黎明期から受け継がれる伝統には、相手が世界最強軍団であろうと例外はない。

 横浜FMとの準決勝でも、貪欲に勝利だけを目指す気持ちに導かれる試合巧者ぶりを存分に見せつけた。その象徴が73分に決まったダメ押しゴール。MF中村俊輔の直接FKから最後はDF金井貢史がゴールネットを揺らしたプレーに、オフサイドの判定が告げられる。相手がエアポケットに陥った一瞬の隙を見逃さず、カウンターから右サイドを抜け出したMF柴崎岳が供給した絶妙のクロスをFW鈴木優磨が確実に決めた。

 同じくカウンターから決まった41分のFW土居聖真の先制弾を含めて、2つのゴールに絡んだMF永木亮太は「レアル戦後のロッカールームで『天皇杯のタイトルは絶対に取る』とみんなで誓い合った」と明かす。横浜FM戦でも序盤は主導権を握られ、きわどいシュートも浴びた。それでも37歳の守護神、曽ヶ端準を中心とする守備陣に焦りはない。体を張ってでも守るべきところを守れば、必ずチャンスは訪れる――。確信に近い共通理解が余裕すら漂う、隙のない試合運びにつながった。

 そもそも、苦杯をなめさせられたのはレアル・マドリードだけではない。CS決勝第1戦も浦和に0-1で屈し、さらにさかのぼれば年間勝ち点でも川崎に13、浦和には15もの大差をつけられている。

 3年ぶりに1ステージ制へ戻る2017シーズンへ。昌子は「年間を通して強かった浦和さんと川崎さんに追いつかないといけない」と誓いを立ててもいた。負けたことで、勝ち点で後塵を拝したことで増幅されてきた常勝軍団のメンタリティーは6大会ぶりに臨む決勝の舞台でも発動され、Jリーグ発足後では最多となる5度目の優勝への原動力になるはずだ。

 対する川崎もCS準決勝で鹿島に喫した「黒星」の二文字を、捲土重来を期す上での糧にしてきた。風間八宏監督の下で培ってきたパスをテンポよくつなぐポゼッションサッカーとは対極に位置する、いわゆる「泥臭さ」や「しぶとさ」を身にまとうことを合言葉としてきた日々。大宮戦の80分に値千金の決勝ゴールを決めたDF谷口彰悟は、「鹿島に負けた準決勝の映像を何回も見直した」と振り返る。

「やっぱり何回見ても悔しかった。決して悪い戦いではなかったけど、いわゆる『戦う』という部分で鹿島が上回っていた、というのがある。失点のシーンも一瞬フワッとしたところを突かれたというか、そういう隙を絶対に見逃さないチームなので」

 後半開始早々に鹿島が敵陣の左サイドで得たスローイン。折り返しでボールを受けたDF山本脩斗が切り返して、マークについたDFエウシーニョをかわした瞬間に、谷口によれば「ウチは全員がボールウォッチャーになってしまった」という。

「逆に鹿島の選手たちは『チャンスが来た』という感覚になっていたと思うし、その差が結果となってしまった。次も試合が終わるまで集中し続けること。鹿島は勝つサッカーをしてくるので、一対一や球際、攻守の切り替えといった基本的な部分では絶対に負けちゃいけない。その点だけは試合を通してみんなに厳しく言っていきます」

 山本が放った低く、速いクロスを、ニアサイドに飛び込んできた金崎にヘディングで決められたシーンが頭から離れないのは中村も同じだ。大宮戦では相手の鋭い出足と激しいチェック、そして闘志の前に思うようなサッカーができず、逆に相手のシュートがポストを直撃したあわやのピンチもあった。

 逆境にさらされるたびに全員が体を張ってゴールを死守して、拮抗した一戦の明暗を分けることの多いセットプレーからゴール前の混戦を誘い、最後は乾坤一擲、谷口が右足で押し込んだ。まるで鹿島をダブらせるタフな90分間に、試合後の中村は開口一番、「間違いなく執念があった」と表情を綻ばせた。

「どちらに転がってもおかしくない試合で決して焦れることなく、我慢しながら勝機を見出せた。ここで崩れたらいけない、という場面でみんなが良い声掛けをしながら、お互いをサポートし合えた。最後のところで足を出すとか、チームとしてだけではなく、最後は個々のところで決めさせない、逆にウチが決めたところが結果として表れてもいた。守るところは守る、攻めるところは攻めるというメリハリは、チーム全体もそうだけど、やはり選手個々で感じ取ってやらないと、今日みたいな試合はなかなか勝てない。その意味では成長したと思う」

 天皇杯へ向けて調整を重ねながら、鹿島が世界を驚かせたクラブW杯を、中村は「正直なところ、悔しさと羨ましさが半々の心境で見ていた」と打ち明ける。その過程で鹿島にあって、川崎にかけていた最後にして最大のピースを見つけた。

「全員で頑張る、最後の部分でやらせない姿は間違いなく僕たちにもすごく刺激になったし、ウチらもやらなければこのレベルでは勝ち抜けられないとも思った。自分たちがずっとボールを保持しながら攻め続けて、点も入って、という試合を望んではいるけど、鹿島はそうはさせてくれない。今まではそういう流れのなかで自分たちからリズムを崩していたけど、大宮戦では踏みとどまることができた。こういう試合を決勝の前に経験できたことは、絶対に勝ちたいという気持ちが、ちょっとベタですけどフォア・ザ・チームという思いになって力強く出せたことは大きい」

 ともに黒星にもたらされる悔しさを触媒として、シーズン中よりも進化を遂げてきた両チームの邂逅は、前回交わった11月23日以降の日々がどれだけ濃厚だったかが問われる一戦にもなる。9年ぶりの二冠獲得で、鹿島が常勝軍団の完全復活への雄叫びをあげるのか。悲願の初タイトルとともに、川崎が退団する風間監督とFW大久保嘉人とともに美酒に酔うのか。激戦必至の元日決戦は市立吹田サッカースタジアムで、14時にキックオフを迎える。

文=藤江直人

https://www.soccer-king.jp/news/japan/emperorcup/20161231/534099.html?cx_cat=page1

◆45年目の同級生対決…天皇杯決勝もうひとつの戦い(報知)




 12月30日、大阪でJ1鹿島の練習取材を終えると電話が鳴った。強化責任者を務める鈴木満(みつる)常務からだった。あいさつと取材を済ませた後、話題は自然と天皇杯決勝、鹿島―川崎(吹田ス)に向かった。鈴木氏は「ここまで来たら負けたくないよな。元日で負けると本当に最悪の気分で三が日を過ごさなくちゃいけない。最高の正月になるか、最悪の正月になるかだから」と言うと、少し声のトーンを変えて「相手も相手だしな」と続けた。

 「相手」とは、川崎で強化責任者を務める庄子春男取締役を指す。2人は宮城工サッカー部の同級生。15歳で出会った。「今はまん(鈴木氏の愛称)の方が結果を残しているけど、昔は俺が主将で、あいつが副主将だった」と言う庄子氏に、鈴木氏が「あの時、陰でチームをまとめていたのは俺だよ」と反論するのがいつもの掛け合いだ。どちらかがゴルフに行ったと聞きつければ「あいつは100切ったか」とお互いを意識している。

 川崎担当を務めた2013年。川崎は開幕から結果を残せず、風間八宏監督の去就問題に発展した。試合後には必ず私の携帯が鳴った。鈴木氏からだった。「どうだ、川崎は?」「チームはバラバラになっていないか」「庄子は大丈夫か」。毎回、同じことを聞かれた。後に鈴木氏は「負けが混むとやっぱり電話しにくいからね。チームは違うけど、同じ立場で気持ちは分かる。余計に心配で気になるからさ」と言った。

 2015年に低迷した鹿島はトニーニョ・セレーゾ監督を解任した。その直前には、庄子氏は「鹿島で何が起きているの?」「まんは大丈夫か」と同じように心配していた。高校卒業後は大学、就職と別々の道を歩んできた2人。高校時代、チームをどちらがまとめたのか分からないが、その関係が今も昔も変わらないことはよく分かる。

 先に強化職に就いたのは鈴木氏だった。ジーコ氏の教えを受け、1996年に強化担当になり、J最多の18冠を獲得。鹿島OBの内田篤人(シャルケ04)が強さの秘けつを「まんさん」と答えるほど貢献度は高い。庄子氏は2001年に現職に就いた。タイトル獲得はないが、J2から昇格したクラブをJ1の強豪へと変貌させた。鈴木氏を「強化担当として俺の先生」と呼び、「強化のイロハを教わった。なかでも『選手を移籍させるのも補強(若手を育てる)』というフレーズは今でも意識しているし、川崎の強化理念にもなっている」と同級生の背中を追いかけてきた。

 鹿島、川崎に共通するのはチーム内のトラブルがないこと。一般的に選手は派閥を作りたがるし、起用されない選手はふて腐れる。この空気が続くとチームは結果を残せない状態に陥る。危険な空気をいち早く察知し、修正するのが強化部の仕事だ。補強がメインと見られがちだが、「調整役」としての出番が圧倒的に多い。2人は監督、選手との信頼関係を築くことに尽力し、軌道修正させる力を備える点で一致する。それは取材を通しても感じる。話すことに脚色がない。「言えない」と話すことはあっても、うそは言わない。監督や選手が信頼を置く理由がそこにある。

 今の立場となってからは初めて決勝で顔を合わせる両者。来年で60歳を迎える。役員で定年退職にはならないが、解任と隣り合わせの職に就いていることから、次に決勝で対面する機会が巡ってくるか分からない。もしかしたら最初で最後の舞台になるかもしれない。それをよく知るからこそ、2人は「勝ちたい」と口をそろえる。

 「うちがタイトルを取って、川崎が2位になると、庄子はいつも『また、まんにやられたよ』と言ってくるけど、川崎は今や推しも推されもせぬ強豪。いつタイトルを取ってもおかしくない。ただ、うちはタイトルを義務づけられたクラブ。川崎に勝ちたい」(鈴木氏)

 「鹿島はクラブW杯で自信をつけている。一筋縄ではいかないだろうけど、俺らもここまで来た。今度こそ鹿島に、まんに勝ちたいね」(庄子氏)

 チームメート、社会人サッカー選手、そして強化責任者、時々ゴルファーとして切磋琢磨(せっさたくま)してきた。出会ってから45年目。2人が寸暇を惜しんで作り上げてきたチームが、日本一をかけて吹田スタジムで相まみえる。(記者コラム・内田 知宏)

http://www.hochi.co.jp/soccer/column/20161231-OHT1T50169.html