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2019年9月21日土曜日

◆【金沢】垣田裕暉、クルーニーの“稼ぎ頭コンビ”がPO圏導く(報知)



垣田裕暉 Yuki.Kakita


中田浩二の「個の力」を賢く見抜く観戦術 サッカーが11倍楽しくなる! (ワニブッ...


 J2ツエーゲン金沢のFW垣田裕暉(22)、クルーニー(24)の“稼ぎ頭コンビ”が、チームの苦しい状況を打破する。20日は石川・津幡町内でホーム・山口戦(21日・石川西部)に向け、最終調整を行った。現在3試合勝利から遠ざかっており、負傷者も続出するなど目標の1桁順位やJ1昇格プレーオフ(PO)圏の6位以内に向け、正念場を迎えている。過去7戦無敗と“お得意様”の山口を撃破し、再びいい流れを引き寄せる。

 勢いを取り戻すべく、金沢のストライカーたちは秋空の下、真剣なまなざしでボールを追った。チーム最多5得点を挙げている4人の中で、直近3試合で先発2トップを組んでいるのが垣田とクルーニー。垣田は山口戦に向け「今までやってきたことをやれば崩せる」と言葉に力を込めた。

 8月24日の新潟戦(3〇2)を最後に3戦1分け2敗で、勝てていない。追い打ちをかけるように負傷者が続出。右サイドバックの主力のDF長谷川巧(20)が、右膝前十字靭(じん)帯損傷で今季絶望となった。また、今夏途中加入ながら3得点のFW山根永遠(20)が距骨下関節内遊離体のため手術を受け、全治6週間。さらには前節の琉球戦(2△2)で、ルーキーFW窪田稜(18)が右足関節外側靱帯を損傷し、全治4週間の重傷を負った。

 その間、順位は少しずつ下がり、前節終了時で10位。J1昇格PO圏の6位以内を目指すには、ここが正念場だ。垣田は「上に行くチームでも勝てない時期は来る。ここで踏ん張れるか踏ん張れないかが、強いチームと弱いチームの差だと思う」と危機感を口にした。

 勝ち点3が欲しい一戦に向け、データが後押しする。山口には過去5勝2分けと無敗で、今季の前半戦でも勝利(2〇0)した。なかでもクルーニーはそこで1得点し、前節の琉球戦でも先制弾。「取れるだけ取りたいが、まず勝利に貢献したい」と気合。10番を背負う垣田は「チームが苦しいときに何とかできる選手になりたい」と自覚を示した。点取り屋たちが、チームを再び上昇気流に乗せる。(三須 慶太)




◆【金沢】垣田裕暉、クルーニーの“稼ぎ頭コンビ”がPO圏導く(報知)





◆1年半前倒しでプロ入り。 上田綺世がアントラーズ行きを決断した真相(Sportiva)






【中古】 鹿島アントラーズあるある /藤江直人(著者),高江りゅう(その他) 【...


東京五輪を目指す若きフットボーラーたち(7)
鹿島アントラーズ・上田綺世@後編


 5つの質問をもとに”ストライカー上田綺世”の本質に迫った前編に続き、後編も引き続き、この生粋の点取り屋の思考法について探った。

 シュートを打つ瞬間、果たしてその頭の中には、どんなイメージが描かれているのか……。また、なぜプロ入りのタイミングを1年半早めたのか、なぜ鹿島アントラーズだったのか。この夏に下した決断の真相についても訊いた。

―― 5つの質問の最後で、「なり代わってみたいFWはいない」ということでした。もちろん、あり得ない話ですけど、憧れていたガブリエル・バティストゥータ(元アルゼンチン代表)やフィリッポ・インザーギ(元イタリア代表)の頭の中をのぞいてみたいとも思わない?

上田綺世(以下:上田) 思わないですね。彼らもそうだと思いますよ。自分のスタイルで、それぞれやっているわけですから。たしかに憧れはあります。でも、ああなりたいとかは思わない。彼らから学びながら、自分のスタイルを作ってきただけなので。

 もちろん、クリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)みたいにパワフルなスタイルでやれればいいですけど、僕にあれはできない。それでも同じくらい結果を出すにはどうすればいいか考えた結果、自分は今のスタイル、動き出しとヘディングと運で勝負していくスタイルに行き着いた。

―― 佐藤寿人選手(ジェフユナイテッド市原・千葉)もかつて、自分は考えて点を獲るタイプだと言っていました。インザーギのプレーを相当研究して、動き出しやマークの外し方、ゴール前への入り方を学んだと。上田選手も、ゴールはロジックとインテリジェンスで取るものだという考えがある?

上田 ありますね。FWをやっている人ならわかると思うんですけど、賢くないと点は獲れない。黒人選手くらいの身体能力があれば、ゴール前に突っ立っているだけで獲れるかもしれないけど、僕ら日本人選手は常に考えながら、相手と対話しながらプレーしなきゃいけないと思います。

 身体能力を生かすも殺すも、頭次第。僕は自分の身体能力を生かすためのスタイルを選んでいるつもりです。逆に言えば、自分が生きないスタイルは一切選ばない。ドリブルしなきゃいけないようなポジショニングはしない。スピード勝負や高さ比べ、その先のワンタッチで決めるところに自信があるので、そのスタイルを磨いているつもりです。

―― プロ入り後の初ゴールもワンタッチでしたが、あれは理想的?

上田 そうですね。いつだったか忘れましたけど、自分のなかで、「FWがドリブルをする時代は終わった。今はワンタッチで点を獲る時代だ」と思ったことがあって。クリスティアーノ・ロナウドも(マンチェスター・)ユナイテッドにいた頃は、ドリブルで2人、3人をかわしてミドルシュートを打っていたけど、(レアル・)マドリーに移ってからは、ポジションも前になって、ヘディングとかワンタッチでどんどんゴールを獲るようになっていった。

 やりながら自分のスタイルを変えられるのはすごくて、僕はそんな器用なことはできないから、ひとつのことを極めていく。ワンタッチなら海外でも通用する、ワンタッチにこだわってやっていこうと思った時期がありましたね。

―― でも、そこまでワンタッチにこだわると、チームメイトやチームに大きく左右されるというか、押し込まれた展開の場合、ほとんどノーチャンスになってしまう。それでも楽しめている?

上田 楽しめるというか、そういう時こそ、考えています。疲れた時やチームの状況が悪い時に、「じゃあ、点が獲れないんですか?」っていう自問自答を、試合中ずっとしていますね。

―― なるほど。「この厳しい状況で、どう獲ってやるか」と。

上田 はい。一方的に押し込まれて、ワンサイドゲームの末に0-0で終えられたら、チームとしてはもしかしたら、「よしよし」ってなるかもしれないですけど、FWがノーゴールで終わったことを「よしよし」なんて思っていたら、失格だと思う。

 それでも1点もぎ獲って、1-0でチームを勝たせるのがFWの役目。どれだけ押し込まれてもワンチャンスを作り出すのは、FWに必要な能力だと思います。結局、点を獲る選手は、チャンスを作る能力に長けているんですよね。ゴールのほとんどがペナルティエリアの中で生まれている。

―― そのなかで何回、シュートチャンスを作れるか。

上田 その確率は気にしていないですけど、回数は気にしています。1試合に1回チャンスを作って、それを必ず決められればいいですけど、そんな選手はいない。毎試合、必ず5回のシュートチャンスを作って、0点の時もあるけど、2点の時もある。そんな選手は絶対に価値がある。

 だから僕は、チャンスを作る力があるかどうかが、点を獲る力に結びつくと思っている。(コパ・アメリカの初戦の)チリ戦ではシュートを山ほど外しましたけど、あれだけのチャンスを作る力は身についているな、と実感できたので。あとは決めるだけ。その最後の部分が、世界で戦うストライカーとして足りないなって感じました。

―― たとえば、チリ戦では柴崎岳選手(デポルティーボ)のクロスをファーサイドでどんぴしゃりのボレーで捉えたのに、外してしまった。これまでのサッカー人生で、ああいうボレーは山ほど決めてきたと思いますが、あのシチュエーションで決められなかったのは、あの舞台、雰囲気、プレッシャーのなかで、シュートの照準が狂うといった感覚があった?

上田 うーん。でも、僕はシュートを打つ前に……これはいいや、長くなっちゃうから(苦笑)。でも、ボールが上がってきたり、シュートチャンスが訪れたタイミングで、いろいろな選択肢が瞬時にバババって。5枚くらいの写真のイメージで。

―― 頭の中に浮かぶんですね。

上田 はい。それを、パパパっと瞬時に切り捨てて1枚を選ぶ、みたいなイメージで。その間、0コンマ何秒なんですけど。たとえば、ヘディング、トラップ、ファー、ニア、足でワンタッチ、という選択肢が浮かんだとして、そのうち正解、つまりゴールが獲れる選択肢がふたつあるとしたら、その5分の2を選べるかどうかが、ストライカーとして大事な部分。

 その時、保守的な選択肢を最初に捨てなきゃいけないんです。トラップとか頭でいけるのに、足でいこうとするような、置きにいく選択肢を先に捨てられる時は、おそらく点が獲れている時。それを残してしまって、逆に博打的な選択肢を最初に捨ててしまう時は、ゴールに対してネガティブになっている時ですね。普段やっていないような選択肢を選ぶ時は、たぶん点が獲れる日なんじゃないかなって思います。

―― 面白いですね。それを選べる時は、気持ちが乗っていたりする?

上田 それもあると思います。あと、やっぱりシュートを外していると、プレッシャーも影響してくる。それでも、しっかり選べるかどうかも、メンタルの強さなんじゃないかなと。ただ、チリ戦のボレーは最善の選択だったと思うので、技術的な問題で外したと思います。

―― では、ストライカーの思考の話から離れて、鹿島アントラーズのことも聞かせてください。6月のコパ・アメリカと7月のユニバーシアードを終えたタイミングでプロ入りしたわけですが、コパ・アメリカに参加する前から決めていたそうですね。2年後の鹿島入りは内定していましたが、なぜ、タイミングを前倒ししたのですか?

上田 大学に入ってから(U-20、U-21、U-22)代表に選ばれるようになって、プロの選手たちとチームメイトになる機会が増えて、一緒にプレーして、会話をして、プロの世界への憧れが再燃したというか。大学に入って、マンネリ化していたわけじゃないけど、プロが遠く感じる時期もあったし、代表に選ばれて上が見えたからこそ、絶対にプロになりたい、すぐにでも行きたいと思うようになり始めたんです。

 でも、大学も悪いわけじゃないし、入ったからには卒業すべき、という考えもあって。そのなかで、何クラブか練習参加のオファーをもらって参加したんですけど、鹿島の練習に参加した時に、「鹿島を断る理由はたぶん見つけられないな」と思った。今年の2月に鹿島に決めたのも(※2021年からの加入内定を発表)、大学を辞めるとかではなく、特別指定選手として2週間、鹿島の練習に参加して、2週間、法政に戻って、その後は代表に行って、というサイクルでできればいいなって思ったんです。

―― 鹿島、法政、U-U22、ユニバーシアードの4チームでやれれば、忙しいけど、成長できるんじゃないかと。

上田 そうですね。法政でもまだやれることはあると思っていたし。だから、この半年間をテスト期間にしようと思っていたんですね。半年、強化指定選手として鹿島でどんな経験が積めるか、法政に何をもたらせるか。

 法政でプレーして2年間、僕は毎年ふたケタ(ゴールを)獲ってきたんですけど、それ以外の選手が5点以下だったんです。だから、僕なりの点を獲るためのメソッドを、後輩をはじめとしたチームメイトに教えようと思って。いろんなスタイルのシュート練習をしながら、今はこういう選択肢を持つべきとか、なぜこれはいけないのかとか、そういったところに着目して、法政の得点力を上げるために伝えてきた。

 その効果があったのかどうかはわからないですけど、今年、僕よりも先に後輩が点を獲り始めたんです。去年、1点も獲れなかった選手が、開幕から4試合で3点獲って。





―― 成果として出てきたと。

上田 成果かどうかはわからないですけど、法政でやるべきことはやったかなと。それに、半年やってみて、やっぱり大学優先になってしまって、鹿島になかなか行けなかった。だから、「コパとユニバが終わったら、鹿島に行きたい」と、大学の(長山一也)監督に伝えたんです。そうしたら、「わかった」と理解していただいて。ただ、「単位もある程度取っているんだから、卒業はしたほうがいいんじゃないか」と言われました。

―― それで、サッカー部だけ辞めて、大学には籍が残っているんですね。

上田 そうなんです。そこに関しては、監督や大学の方が動いてくれました。

―― 先ほど、鹿島を断る理由はないと。ユースに上がれなかった悔しさもあるだろうから、違うクラブに入って鹿島を倒すというところにモチベーションを置く選手もいると思いますが、上田選手の場合は愛着とか憧れのほうが強かった?

上田 もちろん、悔しい気持ちはありましたけど、そういうのはすべてフラットにしてクラブを決めようと思っていましたね。でも、やっぱり鹿島の環境はよかったし、フラットにして考えたつもりでも愛着があるし、地元だから親も観に来やすいし、このクラブで活躍したい、このクラブからプロのキャリアを始めたいっていう気持ちが出てきたんです。

 仮に、もっといろんなクラブの練習に参加して、鹿島よりいい環境のクラブに出会ったとしても、鹿島を断ってまでそのクラブを選ぶっていうことは、僕には考えられなかったですね。


【profile】
上田綺世(うえだ・あやせ)
1998年8月28日生まれ、茨城県水戸市出身。中学時代は鹿島アントラーズノルテに在籍。その後、鹿島学園高校から法政大学へと進学する。2017年にU-20日本代表に選ばれ、2019年5月には日本代表にも選出。同年7月、内定していた鹿島アントラーズに前倒しで加入した。ポジション=FW。182cm、76kg。




◆1年半前倒しでプロ入り。 上田綺世がアントラーズ行きを決断した真相(Sportiva)





◆U-22のエース上田綺世。 ストライカーとしての本質をさらけ出した(Sportiva)






血を繋げる。 勝利の本質を知る、アントラーズの神髄 [ 鈴木満 ]


東京五輪を目指す若きフットボーラーたち(7)
鹿島アントラーズ・上田綺世@前編


 久しぶりに現われた、生粋のストライカーだ。実業団のサッカーチームでFWとしてプレーしていた父の背中を追ってサッカーを始め、点を獲ることに何よりも執着してきた。

 父と一緒にサッカーを観ていたから、当時の憧れはガブリエル・バティストゥータ(元アルゼンチン代表)やフィリッポ・インザーギ(元イタリア代表)といった、ひと昔前のストライカーたち。東京五輪世代であるU-22日本代表のエース格で、法政大の3年生ながら今年7月に鹿島アントラーズとプロ契約を結んだ上田綺世。ストライカーとしての美学・哲学・本質に迫る。


―― “ストライカー上田綺世”をよく知るための質問を5つ用意してきました。どれもシンプルな質問なので、YES、NOで答えてください。

上田綺世(以下:上田) YESかNOですね。わかりました。

―― 自分のことをエゴイストだと思っている。

上田 難しいな……どちらかと言えば、YESなんじゃないですか。

―― 自分は”持っている”と思う。

上田 YES。

―― 即答ですね。では、自分はメンタルが強い。

上田 うーん、YESにしておきます。

―― 自分のことが好きだ。

上田 YES。

―― では最後。可能なら、なり代わってみたいFWがいる。

上田 NO。

―― なるほど。では、最初の答えから詳しく聞いていきます。エゴイストの定義はさまざまなので、答えるのが難しかったと思いますが、どういう点で自分のことをエゴイストだと?

上田 FWが上に行くには、結果がすべて。そこには絶対にこだわらないといけないですけど、チームを勝たせるということが軸としてあるわけで。そこがブレてしまうのは、僕は違うと思っていて。

 自分がチームを勝たせるっていうのが、僕の考えるエゴイスト。チームの結果よりも自分の結果を求めてしまうのは、ただの自分勝手だと思います。そうは絶対になりたくない。チームが結果を残すことに貢献できるストライカーでありたいと思っています。

―― 俺がチームを勝たせる、みたいな感覚?

上田 勝たせるっていうのとは、ちょっと違って。チームが勝つために自分が点を獲る必要があるから、点を獲る。もし、僕の仕事が失点を3つ阻止することなら、それをすべき。ただ、僕のポジションの特性や自分の特徴を考えた時、得点を奪うことが最も必要とされているので、それを全うするのが義務だと思っています。

―― では続いて、”持っている”ということですが、これまでの人生でそう感じることが多かった?

上田 そうですね。今、(鹿島アントラーズの一員として)この場にいるということがまず、”持っている”と思う。ただ、”持っている”のひと言で片付けるのも、違うかなと思います。これまでのサッカー人生を振り返れば、持ってないこともありましたし。だからこそ、ノルテ(鹿島アントラーズジュニアユース)からユースに上がれなかったり、鹿島学園(高校)からプロに行けず、法政(大学)に行ったりしたわけで。

 ただ、プロになるという目標を叶える過程で回収できたというか。ここで点を獲ったら、「もうひとつ上の上田綺世になれる」というタイミングで点を獲れたり、ポイント、ポイントでチャンスを掴んできたから、今があるんじゃないかと思います。

―― ユースに上がれなかったこと、高卒でプロになれず大学に進学したことは、当時は挫折だったかもしれないし、回り道のように思えたかもしれない。それでも、プロになれた今は、いい道だったなという想いも?

上田 後悔はないですけど、ベストだったとは思わないですよ。ノルテからユースに上がり、トップにも昇格して活躍して、(安部)裕葵(バルセロナB)みたいに20歳で海外に行くのが、サッカー選手としてはベストかもしれない。

 ただ、何がベストかはわからないから、今をベストにすべき。ユースに上がれなくても、大学に進学しても、それがベストだったと思える結果を最終的に得られればいいんじゃないかと。今はまだ、ユースに上がれなかったり、法政に行ったりしたことが正解だったかは、わからないです。

―― メンタルに関しては、強いほうだと。

上田 メンタルに関しては、捉え方がいろいろあるので難しいですね。たとえば、大舞台でミスすることなく、普段どおりのプレーができる選手のことを「メンタルが強い」と言うかもしれないし、逆に、試合中に何度ミスをしても堂々としていて、何度もトライできる選手のことを「メンタルが強い」と言うかもしれない。

 僕はFWなので、シュートを打ってナンボ。外すことを恐れてはいけないと思うんです。どの選手でも、シュートを外し続けたら、打つのが絶対に怖くなると思うんですけど、僕はそれを楽しめるというか。

―― プレッシャーや不安を楽しめる?

上田 楽しめるというと語弊があるかもしれないけど、けっこう好き。外し続けるのは面白くないけど、そこで自分が焦ったり、普段は感じられないような刺激を受けるのが好きなんです。たとえば(今年6月の)コパ(・アメリカ)の時、シュートが全然入らなかったけど、僕は楽しんでいた。

 日本代表の試合でシュートを外し続けた選手が、そういうことを言うのはよくないけど、自分のキャリアにおいて、悪い大会ではなかったと思います。今後、あそこが基準になっていきますから。だから、試合中も「もっと打ちたい」「入るまで打ってやる」という気持ちだったし、エクアドル戦は頭と身体がこれまでで一番活性化した状態でした。

―― 1戦目のチリ戦、2戦目のウルグアイ戦でノーゴールに終わって迎えた第3戦ですね。

上田 自分がそれまでの2試合で結果を残せなかった焦りと、グループステージ突破に向けて「チームとして結果を残したい」という強い想いが入り混じって。あれだけ得点を奪いたいという欲にまみれた状態は、日本ではあまりないこと。それを試合中に感じられて、すごく楽しかったんです。

―― エクアドル戦の66分から途中出場した時、1点獲ったほうが勝ち抜け、という状況でした。「チャンスよ、来い」と念じながら、あるいは「どうやってチャンスを呼び込むか」と思い描きながら。

上田 そうですね。あの時は……いや、これを話し出すとオタクみたいになっちゃうし、話も長くなるので、やめておきます(苦笑)。でも、チャンスを呼び込むということで言えば、僕はシュートを打つ手前の選手を起点にしているんですよ。イメージで言うと、ミドルシューターのポジショニング、トップ下の選手がボールを持ってミドルを打てるぐらいの距離になった時が、自分が一番輝ける瞬間。

―― 自分がボールを持った時ではなく、2列目の選手からどうボールを引き出すか、という瞬間。

上田 そこでいかに味方の目に映って、自分を選んでもらえるか。僕を選んでもらえなかったら、その選手が自分でシュートを打つか、他の選手にパスが出る。僕へのパスが最善だと思わせる動き出しをして、パスを出してもらわないと、僕はシュートを打てない。そこが一番の勝負どころですね。敵との駆け引きもあるけど、味方とも駆け引きをしながら。何手先も読みながら、それを楽しんでいたのがエクアドル戦であり、チリ戦でした。





―― 今の話を聞いていて思い出すのが、チリ戦の69分のシーン。中央の久保建英選手(マジョルカ)から左サイドの安部選手にパスが出て、そのクロスに上田選手が飛び込みましたが、届かなかった。でも、本来は久保選手からパスを引き出したかった?

上田 まさにそうです。あのシーンはカウンターからタケ(久保)がドリブルしていて、僕はプルアウェイで敵から離れて間を取ったんですよ。タケから速いパスをもらうつもりで膨らんで。その少し前、相手のラインがピタッと止まったのも見えていたから、一歩下がってプルアウェイしたんですけど、おそらくそこでタケは僕への選択肢をなくして、オーバーラップしてきた裕葵に切り替えた。

―― そして、久保選手から安部選手へスルーパスが出た。

上田 そのパスの出る瞬間が、これは言い訳なんですけど、敵がブラインドになって僕には見えなかった。それで、飛び込むのがワンテンポ遅れた。そんな感じです。そこまで予測できなかった自分の経験値のなさと能力不足、タケに裕葵を使わせて、自分が中で生きるという発想がなかったことが、あのシーンの課題ですね。

―― なるほど。では、「自分のことが好き」ということに関して。ほとんどのアスリートがそうだと思いまうすが、どういうところが好きですか?

上田 どういうところ……とくにないですけど、このプレースタイルを選んだのは、自分がそうなりたいと思ったからだし、上に、上に、ステップアップしていく自分を楽しみたいですし。まだ20年しか生きていないですけど、この20年、葛藤しながら、そこで得たものを今、生かせているところも好きだし。やっぱりある程度、ナルシシズムとエゴがないと、僕は上には行けないと思っているので。

―― のし上がって行く人は、そうなんじゃないかと。

上田 自分を好きな選手ほど、成長できると思います。好きであればいい、というわけでもないですけど、それが自信につながるのであれば、それがベスト。だから僕の考えとしては、エゴとナルシシズムがないと、ひと皮剥けないんじゃないか、一線を越えられないんじゃないかって。

―― 「この20年、葛藤しながら」と言いましたが、ユース昇格を逃したりするなかで、プレースタイルにおける葛藤、悩みもあったのですか?

上田 もちろん、ありましたね。小学生の頃って、ゴールを量産する子はたくさんいるんですよ。その中で、上のレベルに行ける子はテクニックがあったり、スピードがずば抜けていたり、武器がはっきりしている。その点、僕は子どもの頃から、DFの背後を取るとか、ヘディングとか、ゴールに特化したスタイルだったので、目立ちにくかった。だから、セレクションもなかなか受からなくて。

―― パサーがいてこそ、成り立つプレースタイルでもある。

上田 そうですね。「あなたの武器はなんですか?」と言われた時、評価の難しいスタイルだった。ノルテでも、たしかに点は獲っていたんですけど、こぼれ球に詰めたりとか、「なんとなく、綺世はよく点を獲るよね」くらいの感じで。背も低かったし、ユースに上がれるほどの決定打はなかった。そこは悔しかったですね。

 ノルテにいた頃はよく、「80年代のFWだな」って指導者の方に言われていました。「点を獲るのに特化するのはいいけど、今の時代、守備もして、ポストプレーもして、背後の取り方もSBの裏を狙ったりして、いろんなことができるFWのほうが上に行けるよ」と。

―― そう言われた上田少年は、素直に受け入れたんですか?

上田 やっぱり、「これじゃ生きていけないのかな」って悩んだし、その後、複数のポジションで起用されるようになったんです。サイドハーフをやったり、ボランチをやったり。でも、ゴールが遠くて、シンプルに面白くなかった。ロングシュートを狙ってもピンと来ないし、クロスからアシストしても、逆に「俺が中にいるから、誰か上げてくれよ」と思ったし。アシストをするくらいなら、自分が中でシュートを外したほうがいい、とまで思っていて。「FWをやりたいな」と思いながら、中3、高1は過ごしていましたね。

―― 再びFWに専念するのは、高2から?

上田 高1の途中からですね。チームで明らかに点を獲っていたので、少しずつ、少しずつ、自分のスタイルが認められた感じでした。このスタイルでやるなら、結果を残してナンボだなっていうのはわかっていたし、年齢が上がれば上がるほど、ゴールを獲る選手の価値が上がっていく、というのも感じていたので、とにかく点を獲り続けることに執着していました。

(後編に続く)


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上田綺世(うえだ・あやせ)
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◆U-22のエース上田綺世。 ストライカーとしての本質をさらけ出した(Sportiva)





◆トゥールーズ昌子源がニーム戦で今季初のメンバー入り!指揮官「スタートから起用できるだろう」(GOAL)






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トゥールーズの日本代表DF昌子源が21日のニーム戦で今シーズン初めてメンバー入りした。『フランス・フットボール』が伝えている。

2019年1月に鹿島アントラーズからトゥールーズに加入した昌子。昨シーズンは、移籍以降のリーグ戦すべてにフル出場するなどアラン・カサノヴァ監督の信頼を勝ち取った同選手だが、今シーズンはプレシーズン中に負ったハムストリング故障の影響でここまで欠場が続く。

そんな中、21日のニーム戦を前にトゥールーズに朗報。今シーズンはDFリーダーとしての活躍が期待される昌子が、敵地での一戦を控えるメンバーに名を連ねる。また、今夏にベシクタシュから加入したニコラ・イシマ=ミランも初めてメンバー入りしている。

カサノヴァ監督は、会見で復帰が近づく昌子と新戦力のイシマ=ミランに関して「1日、1日、彼らは復帰へと近づいている。次の試合にはスタートから起用できるだろう」と復帰戦から先発出場する可能性を示唆した。

6月のインターナショナルブレイクで日本代表としてピッチに立って以降、公式戦から遠ざかっている昌子だが、ニーム戦でピッチに立ち、どのようなプレーを見せてくれるのだろうか。


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◆トゥールーズ昌子源がニーム戦で今季初のメンバー入り!指揮官「スタートから起用できるだろう」(GOAL)


◆【鹿島】内田篤人は今季ACLに出場できず。歯痒さは?「ソガさんも俺も長い間、いい波、悪い波あるけど」(サカノワ)



内田篤人 Atsuto.Uchida




昨季はACL準決勝第1戦で決勝点、今季は4試合でベンチ入りしたがピッチに立てず。


[ACL 準々決勝 2-nd]  鹿島 1-1 広州恒大 /2019年9月18日/カシマサッカースタジアム
※2試合トータル1-1で、アウェーゴールルールにより広州恒大がベスト4進出

 アジアチャンピオンズリーグ( ACL )準々決勝第2戦(セカンド・レグ)、鹿島アントラーズは広州恒大とホームで1-1で引き分け、2試合トータルスコア1-1(アウェーでの第1戦は0-0)、アウェーゴールルール(鹿島ゼロ、広州恒大1点)によりベスト8で敗退した。

 内田篤人は昨季のACL、準々決勝・天津権健とのアウェーでの第2戦(現・天津天海)で、技ありのクロスから安部裕葵(現・FCバルセロナB)のゴールをアシスト。さらに準決勝の水原三星とのホームでの第1戦、2点先取されながら同点に追い付いたあとの後半アディショナルタイム、3-2と逆転する決勝ゴールを突き刺してみせた。ドイツからの帰国1年目、勝負どころで存在感を発揮し、その後のアジア制覇へとチームに勢いをもたらした。

 キャプテンに就任した今季、ケガにも苦しむ内田は、グループステージの1、2節、そして今回の準々決勝・広州恒大戦、計4試合でベンチ入りしたものの、ピッチに立つ機会は訪れなかった。右膝にはテーピングが巻かれており、決して状態が万全とは言い切れないことが分かる。昨季も満身創痍ではあった。ただ、内田がいれば……とも言える展開になってしまったのもまた事実だった。

 ピッチに立って力になれない歯痒さはなかったのか? そう聞くと、内田は言った。

「試合に出ている、出ていないに関係なく、ソガさんも俺もずっと長い間、こうした生活を続けてきた。僕の場合、海外に行ったり、試合に絡めなかったり、大きい試合に出たり、活躍したり、いい波と悪い波があるけれど、常に普通に気持ちの上下を少なくやっていこう、とは思ってきた。負けてドンと落ち込み、悔しがるのは大切。ただ、それをチームに影響させない。グッと引っ張るべき存在でなければいけない」

 そのように内田は語る。一方、「負けに慣れているわけではない。悔しいよ。ただ、こうなってしまった現実は変えられない」と悔しさを口にし、この敗退の”意味”を咀嚼して受け入れようとしていた。

 改めてACLは紙一重だと痛感させられた一戦でもあった。内田は「ただ、全部の試合がそうだと言える。Jリーグでも高校選手権でも、それは変わらない。あのクロスが、あの1点が決まっていればって。あらゆることが変わってしまうのがサッカーだからね」と、勝負の残酷さと厳しさを受け止めていた。

 アジア連覇の夢が潰えた鹿島は、残す国内3つのタイトル獲得に照準を当てて、久々となる2日間のオフを経て再び活動を再開する。

[取材・文:塚越始]







◆鹿島、ACL連覇ならず。なぜ 「優勢」でも勝ち切れなかった?(Sportiva)






【ふるさと納税】KK-4 アントラーズバームクーヘンと金のメロンバームクーヘン


 週末に行なわれたJリーグで、首位を行くFC東京に2-0で完勝した鹿島アントラーズ。その差を勝ち点1に詰め、いまにも首位の座を奪おうという勢いにある。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝。広州恒大との第2戦が行なわれたのは、FC東京戦の4日後になる。

 第1戦のアウェー戦は0-0。しかし、試合内容では勝っていた。鹿島はとくに後半、Jリーグの試合と変わらぬいいサッカーを展開。第2戦のホーム戦をいい流れで迎えることができた。不安点を挙げるとすれば、三竿健斗と白崎凌兵がFC東京戦で負傷し、この試合のメンバーから外れたことにあった。

 しかし、この件に関しての心配は杞憂に終わった。代わりにピッチに立った永木亮太、名古新太郎は好プレーを随所で披露。彼らの活躍もあり、鹿島は立ち上がりから試合を優位に進めた。永木、名古に限らず、鹿島の強みは誰が出場しても各選手がほぼ同水準のプレーをすることだ。ひと言でいえば、選手層が厚いということになるが、監督の使い回しのうまさも見逃すことができない。鹿島の”ステディさ”を語る時、これは欠かせぬポイントになる。

 14分にレオ・シルバが、32分にはセルジーニョが際どいシュートを放つ。このあたりまで流れは鹿島にあった。それは第1戦から続くものでもあった。違いはパスコースにあった。鹿島は広州恒大をプレーの選択肢の数で上回っていた。面白そうに見えるサッカーと言ってもいい。

 風向きが変わったのは前半の半ばすぎから。広州恒大には、それなりのレベルを誇る助っ人がいる。エウケソン、アンデルソン・タリスカ、そして元バルサのパウリーニョのブラジル出身トリオだ。局面を一瞬にして打開するその個人の力に、鹿島は苦しめられ始めていた。

 そして前半40分、まさかの失点を許す。ピンチをコーナーに逃れたその直後だった。CKを、191㎝の長身選手タリスカに、高々としたヘディングでズドンとぶち込まれてしまったのだ。アウェーゴール。瞬間、鹿島には2ゴールが必要になった。勝ち抜くためのハードルはこれで一気に跳ね上がった。

 想起したのは内容で上回った第1戦の戦いだ。だが結果は0-0。「アウェーは引き分けでオッケー」とは、広くこの世界に浸透している言い回しだが、それは少々大雑把すぎる括りだ。スコアレスドローとアウェーゴールを奪っての引き分けとでは大違い。同じ引き分けでも天と地の差がある。

 ディフェンディングチャンピオンであることを意識したのか、鹿島は、リスクを恐れた静かな戦いに徹しているように見えた。55対45以上の関係で、試合を優勢に進めていたにもかかわらず。その成果が0-0では物足りない。引き分けるなら2-2ぐらいでないと割が合わない内容だった。

 第2戦の後半。2点を奪わなければ勝ちがない鹿島は、立ち上がりから攻め立てた。そして割と早い時間に、同点ゴールを奪うことに成功する。後半6分、レオ・シルバがゴール左斜め45度の位置から放ったシュートが、コースが変わりゴールに飛び込む。

 1-1。そこからタイムアップの笛が吹かれる39分+4分間(アディショナルタイム)の間、試合はほぼ鹿島ペースで推移した。いつ2点目のゴールが入ってもおかしくない展開のまま、エンディングに向かっていった。後半30分にはセルジーニョが左足シュートを放つも、バーに当たる。

 最後のワンプレーも惜しかった。レオ・シルバが左からセルジーニョとのワンツーで抜け出してシュート。決まったかに見えた瞬間、広州恒大のディフェンダーがシュートを掻き出していた。

 タイムアップの笛が鳴ったのは、その瞬間だった。シュートを放ったレオ・シルバと攻め上がっていたチョン・スンヒョンがピッチに突っ伏す。広州恒大も4人の選手がバタリと倒れ込んだ。激闘。こう言っては何だが、久々に見るスリル満点の好試合だった。

 日本のディフェンディングチャンピオンが敗退したとなれば、残念で悲しいニュースに聞こえるが、少なくとも「鹿島人」ではない第三者には悪くない敗退劇に映った。「サッカーなので勝つこともあれば負けることもある」と大らかな気分に浸ることができる、「また来年頑張ろう。次はJリーグ。逆転優勝目指して頑張るぞ」と、気持ちを切りかえやすい負け方と言えた。

 あえてひと言いうならば、その2トップの概念についてだ。

 鹿島は常に4-4-2と称する布陣で戦うが、実際は必ずしもそうではない。土居聖真は2トップの一角というより1トップ下だ。布陣は4-4-2というより、4-2-3-1、あるいは4-4-1-1なのだ。そのなかでの土居の役割が”何でも屋”というか、中途半端に見えて仕方がない。

 役割をハッキリさせた方が、その持ち味はより発揮されるのではないか。事実上の1トップである伊藤翔、あるいは上田綺世の役割も明確になるのではないか。攻めている割にシュートが飛ばない現実と、土居の役割は、少なからず関係があるように見える。

 言い換えれば、チームとして鹿島伝統様式である4-4-2の呪縛にハマってしまっている気がしてならない。この日の終盤のように、絶対にゴールが欲しい時は、布陣を変更して戦った方が変化はつけやすい。それに対応できる駒はいる。多種多彩、充実している。その4-4-2はいささか単調に見えて仕方がない。もったいない気がしてならない。好試合を見たあとに抱いた、もうひとつの感想である。


◆鹿島、ACL連覇ならず。なぜ 「優勢」でも勝ち切れなかった?(Sportiva)