日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年10月18日火曜日

◆鹿島新スタジアム 行方は 4年後めどに構想(読売新聞)






鹿嶋市 結びつき期待/潮来市 誘致へ40億円


 サッカーJ1・鹿島アントラーズの新スタジアム構想を巡り、ホームタウンの鹿嶋市と潮来市が誘致に名乗りを上げた。アントラーズは今後4年をめどに構想をまとめるとしており、現時点で場所や費用負担など全て未定だ。約30年にわたり県立カシマサッカースタジアム(鹿嶋市)を本拠地としているだけに、関係者はその行方に注目している。(谷口博威)


■2市が名乗り

 「ぜひ潮来市に誘致したい」。潮来市の原浩道市長が誘致に意欲を示したのは、8月24日の記者会見だった。約40億円の資金を拠出して土地の整備や建設の協力、駅の修繕、交通渋滞対策を行う考えも明らかにした。

 その5日後には、鹿嶋市の田口伸一市長も記者会見で、「鹿嶋で生まれ育ったアントラーズ。鹿嶋にいてくれるものと思っている」と言及した。1993年のJリーグ発足時からカシマスタジアムを本拠地としており、強い結びつきへの期待感を示した。

 新スタジアム構想は昨年10月、クラブ創設30周年を迎えたことを機に、アントラーズの小泉文明社長が発表した。海から約1・2キロの場所にあるカシマスタジアムは、潮風による塩害や老朽化による危険性、維持費の増大といった懸念材料があるとして、5~10年後に新スタジアムを建設するとした。

 県は2014年から10年計画で屋根の改修をしているが、21年度は約5・7億円など、年間数億円の費用がかかっている。県によると、屋根はうねった形状をしているため、大がかりな足場を組む必要があり、改修費を押し上げる要因になっているという。


■規模は縮小?


 新スタジアムは場所や規模、新設か改修、費用負担など全て未定だ。ただ、小泉社長は、現スタジアム維持を前提とした案には否定的な見解を示す。今年2月の講演会で、「そのまま残すというのは基本的にはない。県と色々な調査をした上で実際難しいという結論になった」と述べた。規模についてはその後の取材に対し、「この地域にはトゥー・マッチ(大きすぎる)。2万5000人とか2万人台で十分だ」との考えも示している。

 自治体との間では水面下でやりとりが進んでいるようだ。潮来市の原市長は今年6月の市議会で、アントラーズからホームタウンの5市に対し、5月31日までに候補地の企画提案書を提出するよう依頼があったことを明かした。原市長は駅や高速道路など、交通の利便性などの強みを盛り込んだことを答弁でほのめかした。一方、鹿嶋市の田口市長は提案内容について明言を避けている。

 課題になるのは費用の問題だ。J1・清水エスパルスの本拠地となる新スタジアムについて静岡市で検討が進められているが、候補地、費用負担を巡る課題を抱えており、開設時期の見通しが立っていない。そんな中、民間の資金を活用して解決を図る方法もある。J1・ガンバ大阪の本拠地「パナソニックスタジアム吹田」は、パナソニックなどによる建設募金団体が費用を負担して建設。完成後に吹田市へ寄贈された。

 県によると、維持を断念した場合でも解体費として約80億円が見込まれるという。大井川知事は8月25日の記者会見で、「県としてはアントラーズ主導で建て替え問題を進めていくようにお願いしているし、それをサポートする立場」と述べている。


県立カシマサッカースタジアム


 1993年に完成したサッカー専用スタジアム。鹿島アントラーズFCが指定管理者として運営する。2002年の日韓ワールドカップ開催に向け、客席を増やす改築が行われ、現在の4万人規模になった。




◆鹿島新スタジアム 行方は 4年後めどに構想(読売新聞)





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