日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年12月5日月曜日

◆[プレミアリーグEAST]首位・FC東京U-18が痛恨ドロー!郷家2発で勝利の青森山田が首位浮上!!:第17節2日目(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204652-204652-fl



高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグEAST

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2016 プレミアリーグEASTは4日、第17節2日目の3試合を行った。

 首位のFC東京U-18(東京)はアウェーで鹿島アントラーズユース(茨城)と対戦。0-0の後半29分に相手オウンゴールで先制したが、試合終了間際の45分に鹿島DF篠崎輝和に同点ゴールを許して1-1で引き分けた。

 前線までFC東京と勝ち点1差で2位の青森山田高(青森)はアウェーで清水エスパルスユース(静岡)と対戦。青森山田は2年生MF郷家友太の2ゴールによって2-0で勝った。この結果、青森山田が首位浮上。青森山田は11日の最終節(アウェー)でFC東京との直接対決に臨む。

 3日、第17節1日目の2試合を行った。3位の大宮アルディージャユース(埼玉)はFW小柏剛のハットトリックの活躍などによって9位・アルビレックス新潟U-18(新潟)に6-0で大勝。首位・青森山田との勝ち点3差で最終節を迎えることになった。敗れた新潟は残留圏内8位の鹿島との勝ち点5差を詰めることができず、来季のプリンスリーグ北信越降格が決まっている。

 前節、初のプリンスリーグ関東降格が決まった流通経済大柏高(千葉)はいずれも2年生のMF鬼京大翔、FW時岡寛拓、MF菊地泰智という3選手のゴールによって横浜F・マリノスユース(神奈川)に3-0で快勝している。 

【プレミアリーグEAST第17節】(12月3日)
[NACK5スタジアム大宮]
大宮アルディージャユース 6-0 アルビレックス新潟U-18
[大]小柏剛3(2、13、74分)、奥抜侃志(33分)、長谷川元希(76分)、植松亮(86分)

[横須賀リーフスタジアム]
横浜F・マリノスユース 0-3 流通経済大柏高
[流]鬼京大翔(38分)、時岡寛拓(45分+3)、菊地泰智(50分)

(12月4日)
[県立カシマサッカースタジアム]
鹿島アントラーズユース 1-1 FC東京U-18
[鹿]篠崎輝和(90分)
[東]オウンゴール(74分)

[清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)]
清水エスパルスユース 0-2 青森山田高
[青]郷家友太2(26、61分)

[日立柏サッカー場]
柏レイソルU-18 1-1 市立船橋高
[柏]田中陸(90分+3)
[市]福元友哉(57分)

※日程は3月発表、変更あり

◆アルゼンチン遠征中のU-19代表、地元クラブに2発快勝! “飛び級選出”の久保建英も初出場(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204642-204642-fl



 アルゼンチン遠征中のU-19日本代表は3日、ラヌースのセカンドチームと練習試合(40分×2)を行い、2-0で勝利した。同代表は今後、5日と7日に国際親善試合でU-19アルゼンチン代表と対戦する。

 日本は序盤、相手のプレスに慌ててミスをする場面もあったが、前半12分に先制点を奪う。MF黒川淳史(大宮)のスルーパスに反応したFW和田昌士(横浜FM)が相手GKとの1対1の場面で冷静にシュートを決めた。

 後半はメンバーを全員変更し、AFC U-19選手権バーレーン2016の優勝メンバーの中に、GK山口瑠伊(ロリアン)と“飛び級選出”のFW久保建英(FC東京U-18)が入った。日本は前半のように主導権を握ると、後半32分にMF遠藤渓太(横浜FM)が豪快なミドルシュートを決め、追加点。2-0で逃げ切り、アルゼンチンとの連戦に向けて弾みをつけた。

 日本サッカー協会(JFA)によると、U-19代表で初めて試合に出場した久保は、「体が重くパスがずれてしまったり、トラップが大きくなってしまったりと思うようにプレー出来ない時もありました」と苦戦した様子。それでも、「敵と敵の間で受けた時は何回かチャンスを作ることが出来ました。次のアルゼンチン戦までにもっとコンディションを良くし、積極的にチャンスに絡みチームの勝利に貢献できるようにしたいです」と意気込んだ。

 以下、試合記録(日本のみ)

■ラヌース 0-2(前半0-1) 日本
【得点】
12分:和田昌士
72分:遠藤渓太

【出場選手】
(前半)
GK:若原智哉
DF:柳貴博、橋岡大樹、町田浩樹、浦田樹
MF:長沼洋一、原輝綺、市丸瑞希、黒川淳史
FW:和田昌士、中村駿太

(後半)
GK:山口瑠伊
DF:藤谷壮、板倉滉、中山雄太、舩木翔
MF:遠藤渓太、冨安健洋、坂井大将、三好康児
FW:小川航基、久保建英

◆岡山J1ならず…豊川「責任感じている」決定機逃す(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1747418.html

<J1昇格プレーオフ:C大阪1-0岡山>◇決勝◇4日◇金鳥スタ

 6位から初のJ1昇格を目指した岡山は、4位C大阪の壁をやぶれなかった。

 0-0の後半7分に痛恨の失点。規定により、リーグ戦下位の岡山は引き分けでは昇格できないため、2得点が必要な状況となった。PO準決勝は後半ロスタイムに決勝点を挙げる劇的勝利だったが、この日は最後までゴールを割ることはできなかった。

 今季初のフル出場を果たしたFW豊川雄太(22)は「個人的に決定機を決められなかったので責任を感じている。チャンスはあったのに、僕が1、2本しっかり決めていれば。自分の力不足ということ」と、現実を受け止めた。

 今季、鹿島から期限付き移籍で加入。来季については「決まっていないので、これからどうするか考えていきたい。初めての移籍でJ1に上げるつもりと覚悟を持ってきた。でも達成できなかった。岡山にいたい気持ちもあるけど、これから考えていきたい」と話すにとどめた。

 これまで6位のPO決勝は12年大分、14年山形と2度とも昇格に成功していたが、好データを追い風にすることはできなかった。

◆岩政「岡山で2年間でやり切った」…現役引退にも含み「いろいろと考えたい」(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?204665-204665-fl



[12.4 J1昇格プレーオフ決勝 C大阪1-0岡山 金鳥スタ]

 初のJ1昇格プレーオフを戦ったファジアーノ岡山だが、初のJ1昇格を勝ち取ることは出来なかった。「勝つためにはC大阪に隙を与えない戦いをしなければいけなかったが、C大阪のほうが隙を与えてくれなかった。そこで上回れなかったらどこで上回るんですかということ。そこを徹底できなかったのは、僕の責任でしょう」。主将として2年間、チームを引っ張ってきたDF岩政大樹は「隙」という言葉を繰り返し、無念をにじませた。

 鹿島で黄金期を過ごした岩政は、1年間のタイリーグでのプレーを経て2015年に岡山に加入。キャプテンに就任すると、初年度は11位だったが、2年目の今季は過去最高位となる6位でフィニッシュ。初のJ1昇格プレーオフへと導いていた。ただ岩政はこれに満足することはない。やはりチームをJ1に導くことが、自分の使命だと分かっていた。

「この試合でどうなるにしろいろんなことが見えると思っていた。自分の2年間の力不足を表している。みんなに言い続けることが出来なかった。日常を変えることが出来なかった。(今後は)僕がいることのほうが大事なのかを見極めながらやることが大事になる」

「契約は今年で終わりですので、とにかく2年で結果を出すということで来ましたし、2年でやり切ろうと思って来て、2年間やり切った。今後のことはこれから考えます。サッカー選手として食っていくかは別として、来年のことはいろいろと考えたい」

「子供が生まれてすぐに僕はタイに行って、そのあと岡山に来て、3年間、家族と離れている。家族とのことも含めて、人生を考えないといけない。ここで結果が出れば来年は岡山でやるつもりでしたけど、とにかくここで出た結果を受け止めて次を考えるしかない」

 試合後、はっきりとした物言いを続けた岩政。来年1月で35歳になる主将は、「いずれにしても自分はやれるところまでやるという選手ではない。自分に対する岡山の期待も分かっているし、その期待に応えられる自信がなければやらない。とにかく自分がやりたいと思うことがどこにあるか」と現役引退についても含みを持たせた。

(取材・文 児玉幸洋)

◆“義務付けられた”リーグ優勝…鹿島・石井監督「やってきたことが報われた」(サッカーキング)


https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20161204/523238.html?cx_cat=page1



 3日、明治安田生命 2016Jリーグチャンピオンシップ(CS)決勝の第2戦が埼玉スタジアム2002で行われ、第1戦を0-1で落としていた鹿島アントラーズが第2戦を2-1で勝利し、2009年以来となる年間王者に輝いた。

 開始7分にスローインから失点し、あとがなくなった鹿島だったが、これがタイトル獲得を義務付けられたクラブの底力なのか、「失点しても自分たちのやるべきことが変わらないことは分かっていました」と石井正忠監督。冷静に、かつ力強く反撃を開始する。

 そして40分、ケガで出場が危ぶまれていた金崎夢生が、遠藤康からのクロスを頭で押し込んだ。

「足の(ケガの)状態もあまり良くない中で点も取ったので、100パーセント戻っているとは言えないですけど、CSに向けて上がってきたんだと思います」と金崎を称えつつ、「同点に追い付けたことが良かった」と石井監督。さらに、このゴールによって「(浦和)レッズさんのほうが逆にプレッシャーが懸かって、後半に入ってからは前半と違って(レッズに)勢いがなくなってしまった。レッズさんの左サイドが少しバテてきているように見えたので、そこを徹底的に突くような形に変えました」とゲームプランを口にした。

 指揮官の思惑を実行するために投入されたのが、鈴木優磨だった。

「もう1点を奪いに行かなければいけない状況だったので、点を取るために出した」と送り出した鈴木が、結果としてPKを獲得し、そのPKを金崎が落ち着いて決めて劇的な逆転勝利に導いた。

「長い間、Jリーグのタイトルを取ることができていなかったので、今年はリーグのタイトルを取ることが義務付けられていました。それに対して、リーグタイトルを取れたことは価値のあることですし、これがまたチームが常に勝ち続けるポイントになってくれればいいのかなと思っています。また今回、クラブに新たなタイトルを積み重ねることができて、クラブ全体としてタイトル獲得に向けてやってきたことが報われたと思います」

 クラブ初となる日本人監督によるリーグチャンピオン。2009年以来となる年間王者の称号以上に、鹿島アントラーズにとっては大きな意味を持つタイトルになった。

◆金森さらばアビスパ福岡 J1王者鹿島へ フル代表目指し苦渋の決断(西日本新聞)


http://www.nishinippon.co.jp/nsp/avispa/article/293466

今季最終戦でゴールを狙う金森=11月3日

 さらばアビスパ-。来季J2に降格する福岡の元U-23(23歳以下)日本代表FW金森健志(22)が、年間王者のJ1鹿島に完全移籍することが3日、本紙の取材で分かった。既に両クラブ間で基本合意に達しており、近く発表される。「博多のプリンス」として福岡で絶大な人気を誇るイケメンドリブラー。クラブは慰留に努めたが、最終的には在籍4年間での貢献度と、新たな環境での成長を求める本人の意思を尊重した。今後は、最短1年でのJ1復帰へ新戦力の補強を急ぐ。

■あすから3日間 練習で最後勇姿

 悩み抜いた末の決断だった。金森は地元アビスパへの愛着が強く、強豪鹿島からオファーを受けてからは自問自答の日々。本紙の取材に「J1で戦いたいし、自分を必要としているところでプレーしたい。ただ、福岡を降格させた責任も感じる」と口にしていた。しかし、関係者によると、既に移籍の意思を両クラブに伝えたもよう。5日から3日間、福岡市の雁の巣球技場で行われる若手主体の練習が「アビスパ金森」の最後の勇姿になりそうだ。

 移籍の選択は、伸びしろのある金森にとってプレーヤーとしての可能性を広げるチャンスでもある。これまで年代別日本代表に名を連ね続けながら、本大会目前でリオデジャネイロ五輪の代表から落選。いいようのないショックを振り払い、フル代表入りへ、気持ちを切り替えた。

 この日はJ1年間王者を決める明治安田チャンピオンシップ決勝第2戦が行われ、鹿島が浦和を倒してチャンピオンとなった。常にタイトルを争うビッグクラブ。競争は激しいが、「ハリルジャパン」に招集された実績のあるMF金崎夢生(27)らとのレギュラー争いを勝ち抜けば、おのずとフル代表入りは近づく。リオ五輪代表でフル代表入りも果たしている同世代のDF植田直通(22)やMF柴崎岳(24)、MF土居聖真(24)ら、若手が着実に成長している点も決断を後押ししたとみられる。

 金森は福岡・筑陽学園高から入団した2013年に37試合で6得点。昨年までのJ2での3シーズン、99試合で21点をマークした。J1に昇格した今季は33試合で4得点。6月5日のYBCルヴァン・カップ1次リーグ新潟戦で初の1試合2ゴールを決めてクラブ初の8強に導き、同18日のJ1第1ステージ川崎戦でも2ゴールを決めて川崎のステージ初優勝を阻んだ。

 甘いルックスで、アビスパの選手では唯一個人でテレビCMに出演するなど、地元で絶大な人気を誇る。1年でのJ1復帰を目指すアビスパにとって、金森を失うことはピッチ上の戦力面だけでなく、集客面でも打撃となる。

 ただし、福岡との契約を1年残した状況で完全移籍することで、鹿島から福岡へ違約金が支払われることになる。これは新戦力補強の資金となるだけに、金森が“最後”の恩返しをした格好だ。福岡は、既に金森と同じポジションでJ1神戸に期限付きで移籍しているFW石津大介(26)に対して復帰を要請しており、今後も補強を進める。


◆金森健志(かなもり・たけし)1994年4月4日生まれの22歳。福岡市出身。福岡・筑陽学園中2年時に全国中学大会で準優勝。筑陽学園高から2013年に当時J2の福岡に入団。甘いルックスでサポーターの人気も高く、城後主将の「キング」にちなみ「プリンス」と呼ばれている。ブラジル代表FWネイマール似で「博多のネイマール」も愛称。171センチ、69キロ。

=2016/12/04付 西日本スポーツ=

◆小笠原、山本が攻守で貢献 J1鹿島、最多8度目V(岩手日報)


http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/news.cgi?sp=20161204_1


 【東京支社】サッカーJ1の年間優勝を決める明治安田チャンピオンシップ決勝の第2戦は3日、さいたま市の埼玉スタジアムで行われ、年間勝ち点3位の鹿島が同1位の浦和に2-1で逆転勝ちし、2009年以来、リーグ最多となる8度目の年間優勝を果たした。1勝1敗で得失点差でも並んだが、アウェーでの得点数で上回った。

 鹿島は先制されたもののFW金崎夢生(むう)が2得点した。MF小笠原満男主将(盛岡・大宮中-大船渡高)とDF山本脩斗(盛岡・北松園中-盛岡商高-早大)は先発出場し、攻守で優勝に貢献した。

【写真=逆転で浦和を下して年間王者となり、誇らしげにシャーレを掲げる鹿島の小笠原満男(中央)。左隣は山本脩斗】

◆【コラム】明暗を分けたレギュレーションと采配…際立ったのは鹿島の“無類の勝負強さ”(サッカーキング)


https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20161204/523313.html?cx_cat=page1



 キックオフからわずか7分で、真っ赤に染まった埼玉スタジアム2002が揺れた。大歓声が降り注ぐピッチで、浦和レッズのFW興梠慎三が歓喜の雄叫びをあげる。右サイドからMF高木俊幸があげたクロスの落ち際を、鮮やかなボレーで叩き込んだ直後の光景だ。



 3日に行われた明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ決勝第2戦。今シーズンのJ1年間王者を決める最後の90分間は、ホームの浦和がいきなり先制。敵地・茨城県立カシマサッカースタジアムで先勝している11月29日の第1戦と合わせて、さらに大きなアドバンテージを得たかに見えた。

 しかし、実際は違った。鹿島アントラーズの最終ラインを束ねる昌子源は、電光石火の先制ゴールを喫した直後にこんな言葉をチームメイトたちに発している。

「大丈夫、大丈夫、落ち着いてやろう」

 決して空元気でも、ましてや意気消沈した自分自身やチームを鼓舞しているわけでもなかった。鹿島が1点を先に失っても大勢に影響を与えない理由があったと、昌子は試合後に明かしている。

「ちょっと時間帯が早すぎたことでびっくりはしたけど、1点取られたことで、どちらかと言えば苦しくなったのは浦和さんだったんじゃないかな、というのが正直な思いですよね。僕たちはより早い時間帯で攻撃のスイッチを入れなきゃいけないと、よりはっきりさせることができたし、浦和さんは変な話、守りに入る可能性もあったので」

 初戦を落としたチームが、第2戦で再び劣勢に立たされても全く浮き足立たない。ピッチ上で起こっていた摩訶不思議な現象は、優勝チームを決定する際のやや煩雑なレギュレーションと密接にリンクしている。

 2試合を通じて勝利数の多いチームに凱歌が上がり、並んだ場合は(1)2試合の得失点差(2)2試合におけるアウェーゴール数――の順で決まるところまでは、昨季と変わらない。

 それでも同じ場合、昨季は(3)第2戦終了後に15分ハーフの延長戦を行う(4)PK戦――で王者を決めたが、今季はそれらが廃止された上に、「年間勝ち点1位チーム」が(3)に書き換えられた。

 つまり、第2戦で鹿島が1-0で勝利しても(1)と(2)でともに並ぶため、(3)が適用されて年間勝ち点1位の浦和が美酒に酔う。これが2点以上を奪っての勝利となると、例えば2-0のスコアならば(1)が、2-1ならば(2)が適用されて、年間勝ち点3位の鹿島が下克上を成就させる。1点を失っても動揺しなかった理由がここにある。昌子が続ける。

「あの1失点が正直、あまり意味をなさないことはわかっていた。僕だけでなく、みんなそうなって(先に失点して)もいい心の準備をしていたので」

 戦い方がより明確になったことで、ある意味で開き直って残りの時間に臨める。もちろん、これ以上の失点は許されない。センターバックを組む元韓国代表のファン・ソッコとともに、昌子は自軍のゴール前で闘争心をむき出しにした。



 例えば26分に迎えた絶体絶命のピンチ。DF西大伍のクリアをMF遠藤康が拾おうとした背後から、浦和のMF宇賀神友弥に奪われてスルーパスを通される。MF武藤雄樹が抜け出し、右足アウトサイドでシュートを放った直後に、昌子がトップスピードでスライディング。間一髪でコーナーキックに逃れた。

「一歩遅れてしまったのでダメかなと思いましたけど、『ここで届かんかったら終わりや』と本当に気持ちで滑りました。そうしたら足の先に微妙に当たってくれた。そういうところでちょっとずつ、流れが傾いてくれたんだと思います」

 迎えた40分。鹿島に待望の同点弾がもたらされる。自陣から右サイドへファン・ソッコが送ったロングボール。宇賀神と競り合った遠藤が巧みに体を入れ替え、ファウルをアピールした宇賀神を置き去りにして前へと抜け出す。

 この時、先発復帰したMF柴崎岳がスプリントをかけて、DF遠藤航をニアサイドへ引きつけていた。果たして、遠藤は利き足とは逆の右足でぽっかりとスペースが空いたファーサイドへ絶妙のクロスをあげる。走り込んできたFW金崎夢生が、執念のダイビングヘッドをねじ込んだ。

「最初は足で行こうと思ったけど、入らないと思ったので。頭で行ってよかったです」

 クロスの落ち際を頭でピッチに叩きつけ、バウンドさせて日本代表GK西川周作の牙城に風穴を開けた金崎が自画自賛する。同点とされても、状況的には浦和が優位に立っていることに変わりはない。それでも、忍び寄るプレッシャーを感じていたとDF槙野智章は試合後に打ち明けている。

「ハーフタイムに全員で統一したのは、ゴールを奪いに行く戦術と相手ゴールへ向かうプレー。決してこのまま1-1で逃げ切ろうとは思っていなかったけど、後半の鹿島はさらに勢いをもって点を取りに来るだろうと思っていた中で、それを跳ね返す力と我慢する力が今日はなかった」

 こういう状況で鍵を握ってくるのが選手交代となる。まず58分に鹿島が動いた。肩を脱臼した影響で第1戦のメンバーから外れていたFW鈴木優磨を、遠藤に代えて右MFの位置に投入する。浦和の左サイドの運動量が落ちたと判断した石井正忠監督が、鈴木の馬力に活路を見いだそうとした。

 1分後には浦和が動く。高木に代わってボランチの青木拓矢を投入。柏木陽介をシャドーへ一列上げて攻撃力を高める采配は、シーズン中もよく見せていた。さらに2分後の61分には、右ワイドの関根貴大に代えて、同じドリブラーの駒井善成を投入する。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指示を、駒井はこう明かす。

「攻守両面で、アグレッシブにいけと言われました」

 さらに71分には、接触プレーで腰を痛めていた興梠に代えてFWズラタンを投入。引き分けではなく、あくまで追加点を奪っての勝利を求めて先に交代のカードを使い果たした。対照的に鹿島の石井監督は一発勝負用の采配に徹する。73分にキャプテンのMF小笠原満男を下げ、DF伊東幸敏を投入した。



「かなり悔しそうな、『エッ、何で』という顔を見せていた」

 同点の状況でピッチを去る大黒柱の一瞬のしぐさを見逃さなかった昌子は、同時にこんな思いを胸中に抱いてもいる。

「(小笠原)満男さんがおらんようになったピッチで1点を取られる、というのもまたできない。満男さんとソガさん(GK曽ヶ端準)が、言うたら今の鹿島の伝統だし、2人についていったら優勝できるんじゃないかな、という背中をいつも見せてくれるので」

 第1戦の終盤にも同じく小笠原をベンチに下げ、右サイドバックの西をボランチに回す采配をふるっている石井監督は言う。

「ウチが同点に追いついたことによってレッズさんの方に逆にプレッシャーがかかって、後半に入ってからは前半と違って勢いがなくなってしまった」

 常に100パーセントの準備を怠らない百戦錬磨のベテラン、DF那須大亮というカードをもちながら、引き分けをも視野に入れる采配を振るわなかったペトロヴィッチ監督との差と言えばいいのだろうか。ゴールを目指してくる浦和の背後を、鹿島はしたたかに狙い続けた。

 迎えた78分。運命を分け隔てる一瞬が訪れる。自陣での浦和のボール回しに金崎がプレッシャーをかけ、こぼれ球を柴崎がワンタッチでFW土居聖真へ。土居が一度落としたボールを、左サイドバックの山本脩斗が前線へ。これが斜めに走り込んできた鈴木への絶妙のスルーパスとなる。

 ペナルティエリア内へ入り込んだ鈴木を、背後を取られた槙野が必死に追走してくる。この時、西川は槙野にコースを限定させ、最後は自らが飛び出して食い止めるイメージを瞬時に思い描いていた。しかし、自ら「我慢する力がなかった」と述懐した槙野は、残念ながら考えを共有できなかった。



 背後から鈴木を押し倒した直後に、PKを告げる佐藤隆治主審のホイッスルが鳴り響く。キッカーは金崎。西川はコースを読み切ったが、それ以上に「最初からあっちに蹴ると決めていた」という金崎が迷うことなく、強烈な弾道をゴール左隅に突き刺した。



 シーズン中とは全く異なる石井監督の采配は、槙野との接触で足を痛めた鈴木を88分にFW赤崎秀平へ代えたところにも象徴される。槙野のパワープレーを受けて「ナオ(植田直通)が入るのかな」と考えていた昌子は、3枚目のカードが切られた瞬間、覚悟を決める。

「あとは僕とソッコですべて弾くぞ、と」

 言葉通りに、遠藤のクロスをこん身のヘディングで弾き返した直後に、シーズン中につけられた勝ち点15差を覆す、史上最大の下克上を告げる試合終了のホイッスルが鳴り響いた。狂喜乱舞する鹿島の選手たちとは対照的に、浦和の選手たちは呆然としたまま動けない。

「点を取りに行くことを心掛けていたけど、なかなかチャンスを作れなかった。正直、勝ち点であれだけ離した相手に負けるのは悔しいし、何もできなかった自分に対してイライラが止まらない」

 シャドーとしてチャンスを演出できなかった柏木が自らに怒りを爆発させれば、痛恨のPKを献上した槙野はそのシーンに触れることなく、悔しさを押し殺すように取材エリアを立ち去った。



「個人的にはリーグ戦とチャンピオンシップは別物だと思っているし、もちろんチャンピオンシップでは鹿島が川崎を倒して、アウェーゴールの差ではありますけど、僕たちも上回られた。チャンピオンシップの王者は鹿島だと認めざるをえない、と思っています」

 精いっぱいの敗者の弁に聞こえた。10シーズンぶり2度目となる浦和の年間王者獲得の瞬間を分かちあおうと、5万9837人で埋まった埼玉スタジアム2002を沈黙させ、アウェーゴール裏の一部を狂喜乱舞させた90分間。7シーズンぶり8度目の栄冠をもぎ取り、国内三大タイトル数を他のクラブの追随を許さない「18」に伸ばした鹿島の伝統、つまりは一発勝負における無類の強さが、両チーム合わせて3つのゴールが刻まれるたびに際立っていった。

文=藤江直人

◆植田 あと2冠先発へ!オフ返上の“無休宣言”(スポニチ)


http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/12/05/kiji/K20161205013848280.html

 鹿島はチャンピオンシップ(CS)制覇から一夜明け、チームはオフだったにもかかわらずDF植田が約1時間半の自主練習を敢行した。

 主力で優勝に貢献した第1ステージから一転、第2ステージは出場機会を減らし、CS決勝での出場はなかった。「試合に出ていないので、オフはいらないかなと思って。まだ天皇杯とクラブW杯が残っている」とオフ返上で先発奪回へ動きだした。

◆鹿島・植田が休日返上トレ「クラブW杯に出られるよう」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161205/jle16120505010009-n1.html

 鹿島は7年ぶり8度目のリーグ優勝から一夜明けた4日、チームはオフ。8日に開幕するクラブW杯に向けて選手たちは体を休めたが、DF植田は休日返上で自主トレを実施。スタッフとフィードパスの練習やダッシュなど約1時間半、汗を流した。「優勝したけれど(出られなかった)悔しさがある。クラブW杯に出られるように体を動かした」と植田。MF柴崎も室内で自主調整をした。 (鹿嶋市)


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