日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年12月21日月曜日

◆内田篤人が考える育成年代の指導者論「ライセンスは絶対に必要」(ゲキサカ)









 今年8月に現役を引退した元日本代表DFの内田篤人氏は今月31日に開幕する全国高校サッカー選手権の応援リーダーを務めることになった。9月には日本サッカー協会(JFA)が新設した「ロールモデルコーチ」に就任し、U-19日本代表候補のトレーニングキャンプにもたびたび参加。育成年代の指導に携わる中、現在のユース年代のプレイヤーにどんな印象を受け、自身にとっての指導者への道を今どのように考えているのかを聞いた。

―選手権に出場する高校生にどんなメッセージを伝えたいですか。
「選手権に出れるというのは、厳しい予選を勝ち上がって自分たちで勝ち取った出場権ですから、年末年始は自分たちしかやれていないという誇りを持って、全力でプレーしてほしいなと思います」

―今年は新型コロナウイルスの影響で高校生年代もインターハイなど様々な大会が中止になりました。
「勉強や受験など、学校生活も含めて、いろいろイレギュラーな年だったと思います。その中でも一つ思い出になるような、自分たちの3年間がコロナのせいで無駄にならないように、燃え尽きるまでやってほしいなと思います」

―選手権も準々決勝までは学校関係者以外、無観客での開催が決まりました。
「大会を開催するという判断をしてくれたことに感謝しないといけないと思いますし、お客さんがいる、いないに関係なく、自分たちがこれまでやってきたことを仲間全員で出すだけだと思います」

―自身は高校時代、選手権に出場できませんでした。
「選手権に出たくて、少しでもレベルの高いところでと思って清水東を選びましたし、(自宅から)始発で遠いところまで毎日通っていたので、それだけの価値がある大会だと思います」

―W杯もチャンピオンズリーグも経験して、現役を終えた今振り返ると、選手権はどんな大会でしたか。
「もちろんプロの大会ではないですし、高校生のレベルではありますけど、青春のすべてをそこに懸けていましたし、見ていても面白い大会だなと思います。試合の終盤までどうなるか分からないですし、結果を予想できないというところは面白いなと思います」

―自身の高校時代は毎日どんなことを意識して練習していましたか。
「高校生のころの方が練習自体はきつかったと思います。プロになると高校のときみたいな量を走ったりはできないですし、逆にプロの世界は短時間だけど負荷が上がるのかなと。より楽しくできていたのは高校生のときだったのかな。本当に楽しくサッカーをやっていただけですよ。プロになるためにとか、そういうことは全然考えてなかったですね」

―今の高校生にも楽しくやってほしい。
「もちろんそうですね。勝ちを目指す上では楽しくやっているだけではダメなんですけど、勝つために何をやるかをチームのみんなで考えて、プレーして、きつい練習もやってという、その過程がすごく楽しかったので。そういうところをみんなにも経験してほしいなと思います」

―今の高校生にこれだけは大事にして練習してほしいと思うことはありますか。
「あまり高校生にこうしてほしいというのはなくて、自分が思ったとおりに練習して、サッカーを楽しんでほしいなと思います。高校でサッカーを辞める選手もいると思いますし、プロになれる選手は限られているので、プロを目指してやってきて、プロになれなかったときに何も残っていないというのは最悪ですから。サッカーだけじゃないよとは思います」

―自分が高校生のときもそういう考え方でしたか。
「本当にギリギリまで大学に行こうと思っていましたし、プロのオファーがあってからも大学と迷っていたので。サッカーだけがすべてではないと思いますね」

―ロールモデルコーチとしてU-19日本代表候補のキャンプに参加してみて、選手にはどんな印象を持ちましたか。
「上手いなと思いますよ。僕も(ユース代表のころから)チームでレギュラーとして試合に出させてもらっていましたが、そういう選手と試合に出られていない選手ではやっぱりちょっと差があるのかなと感じました。海外に行きたい、A代表に行きたいという選手ばかりだと思いますし、そういう競争を自分も経験してきましたが、今後どうなるかは本当に分からないですよね。まだ体も完成していないし、選手としても完成していないので、そういう面白さもあるのかなと思います」

―キャンプを通してどんなことを選手に伝えましたか。
「ヨーロッパに行きたいという選手が多いですけど、今はヨーロッパでプレーできていないわけですから、意識をもっと上げてプレー、練習をしていかないと、追いつくどころか離されちゃうよという話をしました。でも『みんなが思っているよりも世界はすぐそこだよ』と。そういう話をしました」

―育成年代の指導を経験して、どんなことを感じましたか。
「難しいなと思いましたし、選手と監督は別だなと感じました。サッカーの指導者ではありますが、人を動かすということに着目すると、監督自身の人柄であったり、人を動かす、チームを強くするという手腕が大事になるので。(U-19日本代表は)影山(雅永)監督がそこをやっていますけど、すごいなと思いますね。僕は後ろから見ているだけなので、教えるのってすごく難しいなと思います」

―選手に対して具体的にアドバイスしたことはありますか。
「同じサイドバックの選手に『こういうふうにしたら?』とか『俺はこうしてたよ』とか話すことはありますが、『こうしろ』とは言わないですね。そこは自分の判断でやるしかないですし、プレーの選択肢に正解はないので。自分の頭で考えてプレーするべきだと思うので、その手助けができればいいのかなと。それぞれの選手の特徴に合ったことを自分で考えてやっていくべきだと思います」

―今後、指導者ライセンスを取得していく計画はあるのでしょうか。
「特には考えてないですね。ただ、ライセンスはいらないんじゃないかという意見もありますけど、僕は絶対に必要だと思います。(ライセンスを持っていない人に)指導者をやらせてみたら絶対に分かると思いますけど、選手が動かないですよ。選手が伸び伸びやれないと思います。サッカーの知識があるというのと、人を動かせるというのは別物なので。人を動かすということを勉強しないといけないと思います」

―ロールモデルコーチとしての経験がそういう気持ちを強くしたのでしょうか。
「U-19日本代表の影山監督やスタッフを後ろから見させてもらっている立場ですけど、本当に選手とは別物だなと思います。(現役時代に)良い選手だったからといって、ライセンスがなくても良い監督ができるとは限らない。プロを指導するのにライセンスはなくてもいいかもしれませんが、高校生とかアンダー世代を教えるのはしっかりライセンスを取得した人でないといけないのかなと。育成世代を教えるのは(プロを指導するより)もっと難しいと思います」

―大変な仕事だからこそやりがいもある。
「まだちゃんと思ってないですよ。絶対に大変だし、一歩踏み込んだら逃げられないですから。やるならやるし、やらないならやらない。それだけの覚悟が必要だと思います」

―選手としてW杯やチャンピオンズリーグも経験しましたが、現役時代の経験が指導者にも役立つと思いますか。
「そう言われることが多いですが、あまり関係ないと思いますね。現役のときにそういう結果が出たというだけで、それを指導できる能力がなければ意味がないのかなと。教える能力があれば、自分の経験を伝えることもできるんだろうなとは思います」

(取材・文 西山紘平)




◆内田篤人が考える育成年代の指導者論「ライセンスは絶対に必要」(ゲキサカ)





◆【鹿島】沖悠哉、飛躍の2020年。そして次のステージへ「感謝の気持ちを忘れずに」(サッカーマガジン)






12月19日、明治安田生命J1リーグは第34節(最終節)が開催され、鹿島アントラーズはセレッソ大阪とカシマスタジアムで対戦。勝ち点1差の相手と順位を逆転さたかったが、エヴェラウドの同点ゴールも及ばず引き分けに終わり、GK沖悠哉は肩を落とした。


■2020年12月19日 J1リーグ第34節(@カシマ:観衆11,251人)
鹿島 1-1 C大阪
得点:(鹿)エヴェラウド
   (C)松田陸


「自分はもっともっとレベルアップできる」


 沖悠哉の目には、涙があふれた。C大阪戦では柿谷曜一朗との1対1の場面でシュートをセーブするなど、再三にわたり相手の決定機を阻止したが、たった1本のミドルシュートを止めることができず、結果は1-1の引き分け。来シーズンのAFCチャンピオンズリーグ出場の可能性はついえ、21歳のGKは肩を落とした。

「勝たないといけない状況の中で、こういう注目される試合になってくると、勝敗を決めるのはキーパーだと思っています。今日はそんなゲームをやっていて、キーパーの差で相手は引き分けに持っていった感じがします」

 シュート数では鹿島がC大阪を上回るも、スコアは1-1。特に後半アディショナルタイムの猛攻の中では何度も決定的チャンスを作ったが、C大阪のGKキム・ジンヒョンに阻まれ続けた。沖は反対側のゴール前で好守を連発する相手GKの姿を見て、「自分はもっともっとレベルアップできる」と言い聞かせた。目指すべきGK像は、鹿島の2人の大先輩。クォン・スンテや曽ヶ端準のように存在感と貫禄を示す守護神だ。

「今日はスンテさんがいるから大丈夫だ、ソガさんいるから大丈夫だ、というような信頼をお客さんに与えることは(自身には)まだまだ足りない。自分が試合に出ていることでの安心感や、セーブする姿を見せることでの信頼は、一生懸命プレーすることで勝ち取っていけると思うので、また来年もしっかり継続していきたい」

 日韓の代表チームでも活躍した偉大なGKの背中を見て成長してきたからこそ、その存在の大きさを自らも体現するために精進する。「成長できたことは自分でも実感しているし、周りのお客さんも少しは安心して見られるようになったかな」と、8月8日のJ1デビュー戦から24試合で出番を得た手応えは確かにあるが、クォン・スンテや曽ヶ端と肩を並べるGKになっていくためにも、まだまだ進化を止めない。リーグ戦が終わった後も、沖の戦いは続く。

「(U-23)代表合宿もあるので、そこに気持ちを切り替えてまた頑張っていきたい。
 代表に呼んでもらいましたけれど、それは間違いなくチームメイトや監督、キーパーコーチの(佐藤)洋平さん、いろいろな人の支えがあってのことなので、感謝の気持ちを忘れずに、代表合宿でしっかりアピールして、これからにつなげていきたいなと思います」

 飛躍のシーズンは、まだ終わらない。12月22日からはU-23日本代表候補トレーニングキャンプに初めて参加する。2021年の東京五輪に向けた新たな戦いが始まる。プロ3年目で得た経験を糧に、沖は次のステージへと向かっていく。

現地取材◎サッカーマガジン編集部 写真◎J.LEAGUE




◆【鹿島】沖悠哉、飛躍の2020年。そして次のステージへ「感謝の気持ちを忘れずに」(サッカーマガジン)





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