日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年7月23日木曜日

◆監督解任、常勝軍団・鹿島が低迷した要因は? 強化部長が語る「負けて強くなることはない」の真意(フットボールチャンネル)


http://www.footballchannel.jp/2015/07/22/post98141/

鹿島アントラーズは21日、トニーニョ・セレーゾ監督の解任を発表した。今季はタイトル獲得も期待されていただけに、ここまでの成績は低調と言わざるを得ない。昨季はリーグ3位に入ったが、最終節を落として終わった。この敗戦が今季の不調の遠因となったというのは言い過ぎだろうか。常勝クラブのGMは当時、勝利が選手たちにもたらすものを語っていた。

シーズン途中での監督交代に踏み切った鹿島

監督解任、常勝軍団・鹿島が低迷した要因は? 強化部長が語る「負けて強くなることはない」の真意

 今季は1stステージを8位で終え、2ndステージは3節の時点で1勝1敗1分。前節は6連敗中の松本山雅FC相手に0-2で敗れた。年間順位も8位と中位を彷徨う鹿島だが、この松本戦がセレーゾ体制の終焉を決定付けることになった。

 セレーゾが初めて鹿島の監督に就任したのは2000年。初年度にJリーグ史上初となる国内3冠に導き、常勝軍団の名を確固たるものにした。さらに小笠原満男、本山雅志、中田浩二ら若手を積極的に起用し、世代交代も進めていった。2005年まで6シーズンに渡って長期政権を築くなど、多くの人から愛された監督だった。

 そして2013年、鹿島は再びセレーゾを監督として招聘する。過去にチームを率いてタイトルを獲得し、クラブの理念や哲学もよく理解している元セレソンは、チームの再生にうってつけの存在だった。2013年は5位に入ると、昨季は3位。もちろん、優勝が義務付けられるクラブにとっては満足できるものではなかったはずだが、今後に期待を抱かせるには十分だった。

 しかし、現実は甘くはなかった。2月に開幕したACLで躓くと、J1でも勝てず公式戦5連敗という最悪なスタートを切った。過密日程により疲労が蓄積し、不安定な戦いが続く。波に乗ることができず、結局、今季ここまでのリーグ戦では一度も連勝することができていない。

 若い選手がポテンシャルを発揮し、ベテランが土台を支えた昨季の鹿島は、強豪復活を予感させた。しかし、何としても勝たなければならなかった試合で敗れていたのも事実だった。

 2014年のJ1最終節、サガン鳥栖戦。鹿島をJ屈指の強豪に押し上げた鈴木満常務取締役強化部長は試合後、記者陣に囲まれながら悔しさを露わにしていた。


監督解任、常勝軍団・鹿島が低迷した要因は? 強化部長が語る「負けて強くなることはない」の真意


「負けて強くなることはない」

「このシチュエーションで負けちゃいけないよ。これ勝って終わっていたら本当に力になるんだから。目に見えないけど、本当に自信になって力になるんだよ、こういうのを勝ちきれれば。これ勝ちきれないと正直何も残らないんだよね」

 この日、鹿島にはわずかながらリーグ優勝の可能性が残っていた。そして、中田浩二氏の現役ラストマッチでもあった。結局、ガンバ大阪がタイトルを手にしたのだが、問題は勝利が求められる大事な一戦で敗れたことだ。

 相手の果敢なプレスと球際の激しさに押され、鹿島の選手たちは自分たちの時間を作ることができなかった。鳥栖のファイティングスピリットは素晴らしかったが、鹿島のパフォーマンスも淡白だった。

 仮に、鳥栖に勝ってシーズンを締めくくれていれば、選手たちは普段の1試合で得るもの以上の特別な自信を手に入れられたかもしれない。常勝軍団を見続けてきた鈴木氏はそう確信していた。

 シーズン途中での監督解任という事態に陥った現状は、勝ちきれなかったあの日と無関係とは言えないはずだ。

 セレーゾが我慢強く起用した若手は立派な戦力となった。試合経験を積む中で、脈々と受け継がれてきた勝者のメンタリティーも継承されつつあった。柴崎岳、昌子源、土居聖真らがリーダーとなり、新時代の鹿島が誕生する気配は確かにあった。だが、昨年の最後に得られるはずだった大きなものを取り損ねた代償は、今季の不調として表れたのではないか。

「20年経験しているけど、負けて強くなることはない」と話していた鈴木常務取締役。鹿島の生き字引は、強くなるためには何が必要か知っている。

「勝った時の喜びを知っているからまた勝ちたいという欲も出てくる。だから、勝っている選手はどんどん勝てるようになる」

 まずは今節のFC東京戦に全てをぶつけなければならない。求められるものは、勝利。ただそれだけである。

【了】


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