日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年10月4日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第13節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51622

J1 2nd 第13節 vsヴィッセル神戸

山本とカイオがゴール!神戸との3連戦、大事な初戦で完封勝利!

鹿島が再び走り始めた。J1 2nd 第13節、アウェイでヴィッセル神戸と対戦すると、前半に右CKから山本のヘディングシュートで先制し、後半にはカイオが追加点。2-0で快勝し、2ndステージでの勝ち点を28に伸ばした。

鹿島は9月26日の浦和戦で、ホームで1-2と悔しい逆転負けを喫した。27本ものシュートを放ちながら、得点は1つのみ。決定機の数で圧倒したが、ミスも絡んだ失点で白星を挙げることができなかった。遠藤は「どんな形でも勝っていかないといけない」と、痛恨の敗戦を悔やんでいた。

あれから1週間、柴崎が「1敗したからといって、下を向く必要はない。しっかりと切り替えてやっていける」と語った通り、選手たちは密度の濃いトレーニングを重ね、奮起と必勝を期した。石井監督は「紅白戦を見ていて、『力が付いてきたな』と感じる」と、選手たちへの信頼を語る。日々の切磋琢磨は、確実にチーム力を向上させている。

この日から始まる神戸との3連戦を前に、石井監督は「まずは初戦が大事になる」と、繰り返した。「リーグ戦は残り5試合、5連勝しなければならない」。そう決意を語った指揮官の下、「目の前の試合に集中して、しっかりと戦う」と曽ヶ端は表情を引き締めていた。誰もが集中力を研ぎ澄ませ、スパイクの紐を締め直して神戸へと向かった。

浦和戦からの先発メンバー変更は2人。左サイドハーフに中村、前線に土居が名を連ねた。2人と攻撃陣のユニットを組むのは、遠藤と金崎。その他は前節と同じメンバーで、GKに曽ヶ端、最終ラインは西と昌子、青木、山本が並ぶ。チームの舵を取るボランチは、キャプテンの小笠原と柴崎が務める。

心地良い秋晴れに恵まれたノエビアスタジアム神戸では、多くのサポーターが待機列を成していた。アウェイスタンドから響き渡る、大きなチームコール。チーム一丸で、再び走り始めるために。熱い声援が選手たちを奮い立たせる。



15時3分、キックオフ。凹凸の目立つピッチで、鹿島は立ち上がり15分間、なかなかペースを掴めなかった。それでも神戸にチャンスを作らせることなく、次第に主導権を握っていく。最初のチャンスは16分、FKのこぼれ球を拾った青木が左サイド深くから後方へ戻すと、中村が力強いドリブル突破で相手2人のマークを外し、右足シュート。相手に当たったボールは惜しくもサイドネットへ外れたが、背番号13がキレのある動きで存在感を見せた。





開始から20分を過ぎ、鹿島は金崎と土居を中心に、敵陣へと押し込んでいく。機動力のある2トップは、時にサイドに流れながら、常に縦へのドリブル突破を狙い、相手の脅威となった。その姿勢はチーム全体に伝染し、次第に縦へボールを持ち出す動きが増えていく。そして24分、中盤でのパスカットから柴崎が前を向くと、正確なドリブルから右足を一閃。強烈なミドルシュートは枠を捉えたが、惜しくも相手GKに弾き出されてしまった。しかし、背番号20の意志あるプレーが、得点の予感を感じさせた。



すると、その直後だった。自ら得た右CKをゴール前へ送った柴崎が、先制点を演出する。飛び込んだのは山本だった。ゴール正面から打点の高いヘディングシュートを決め、ゴールネットを揺らした。遠藤が「セットプレーも自分たちの武器」と語っていた通り、理想的な形で鹿島が均衡を破った。



リードを得た鹿島は、以降も攻勢をかけていく。30分には、右サイドを縦へ抜け出した金崎がグラウンダーのクロスを送り、遠藤が左足ダイレクトで合わせたが、これは枠の左へ。さらに39分には、ペナルティーエリア右側でボールを受けた中村がトリッキーなボールタッチで浮き球を操って相手をかわし、落下点に入った土居がボレーシュートを放ったものの、相手GKにキャッチされた。そして前半終了間際には、遠藤のクロスに柴崎が合わせて追加点を狙ったが、枠の上へ外れる。鹿島は再三のチャンスを生かせなかったが、1点リードを保ったまま、ハーフタイムを迎えた。





後半開始早々、鹿島にアクシデント。48分、土居がゴール前での競り合いで負傷し、担架でピッチ外に運ばれる。石井監督は迅速な決断を下し、すぐさまダヴィをピッチへ送り出した。



ピッチに立ったダヴィは、持ち前のフィジカルの強さを見せて前線で起点となり、チームの推進力となった。後半最初のチャンスは55分、右サイドからの攻撃で敵陣深くまで進入し、最後は遠藤のパスに反応した柴崎が右足を振り抜く。グラウンダーのシュートは、わずかに枠の左へと逸れてしまった。



後半立ち上がりの15分、スコアは動かなかった。61分、石井監督は2枚目の交代カードを切る。中村に代えてカイオを投入し、攻撃陣を活性化した。先に途中出場したダヴィと同様、カイオも突破力とボールキープ力でアクセントとなり、チームに勢いをもたらす。そしてこの交代が、後に歓喜を生むこととなる。



鹿島は変わらず主導権を握り続け、神戸にチャンスを作らせない。砂埃が上がるピッチコンディションにも冷静に対応し、割り切って長いボールを蹴るプレーを多用しつつ、リスク管理を徹底していた。





後半も半分が過ぎ、次第にスペースが生まれ始める。ボールコントロールに苦慮する神戸の選手に対し、鹿島はしたたかにミスを突いてチャンスを演出。73分には、最終ラインでのパスミスを奪ったカイオがドリブルからシュートを放ち、こぼれ球を拾って二次攻撃を仕掛け、最後は遠藤がボレーシュートで枠を捉えるなど、攻勢を強めていった。



そして、勝負を決める追加点は79分に決まった。右サイドからの攻撃でペナルティーエリアに入り、相手のクリアが遠藤に当たって折り返しのような形になると、中央に詰めていたカイオが押し込んだ。指揮官の起用に応えた背番号7は、自身のルーキーイヤーに並ぶ今季8ゴール目を記録。鹿島がリードを2点に広げた。



スコアを2-0とし、鹿島は余裕をもってゲームをコントロールした。終盤には神戸にミドルシュートを打たれる場面もあったが、曽ヶ端が安定したセービングを披露。最後まで決定機を作らせることなく、勝利のホイッスルを聞いた。







2-0での快勝。神戸との3連戦、その初戦を完封勝利で飾り、リーグ戦で連敗をすることなくしっかりと踏みとどまった。サポーターが大挙して詰めかけたビジタースタンドは、歓喜の歌声に包まれた。

次戦は4日後、7日に行われるヤマザキナビスコカップ準決勝第1戦だ。再び、神戸と対峙することとなる。またも迎えるアウェイでの戦いは、スタジアムと大会を変え、今日とは異なる雰囲気での一戦となるだろう。しかし、鹿島が目指すものは変わらない。ただひたすらに勝利を追求し、トレーニングを重ねていく。一旦、鹿嶋へと帰還する選手たち。次なる戦いへの準備は、すでに始まっている。



【この試合のトピックス】
・リーグ戦での神戸相手の勝利は、2012年9月1日のJ1 第24節以来、4試合ぶり。
・神戸相手の公式戦での勝利は5試合ぶり。
・ノエビアスタジアム神戸での勝利は、2012年5月26日のJ1第12節以来。当時の名称は、ホームズスタジアム神戸だった。
・山本が、8月16日のJ1 2nd 第7節仙台戦以来、6試合ぶりの今季3ゴール目を決めた。
・カイオが、8月29日のJ1 2nd 第9節川崎F戦以来、4試合ぶりの今季8ゴール目を記録。昨季の自身の記録に並んだ。
・中村が、8月16日のJ1 2nd 第7節仙台戦以来、6試合ぶりの先発出場を果たした。
・土居が、9月12日のJ1 2nd 第10節G大阪戦以来、3試合ぶりの先発出場を果たした。
・伊東が、8月12日のJ1 2nd 第6節広島戦以来、7試合ぶりにベンチ入りした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半戦も守備からしっかり入ろう。前線から連動して相手の動きを限定すること。
・相手にサイドで起点を作られないようにすること。
・相手ゴール周辺では、積極的にシュートを打っていこう。それと同時に、必ずセカンドボールを自分たちが先に触るようにしよう。

ヴィッセル神戸:ネルシーニョ
・サイドチェンジを有効に使っていこう。
・後ろからしっかり組み立てていくこと。
・セカンドボールの奪い合いでは負けるな。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日はピッチコンディションが非常に悪い中での試合だったので、こういう試合内容になると思っていた。ただ、思っていたよりもピッチの状態が悪かった。選手たちは割り切って、シンプルに前線にボールを運んで、そこを起点にして攻撃する形を作ってくれた。「リーグ戦の残り5試合、全部勝って終わろう」と選手たちを送り出した。しっかりとその気持ちを出して戦ってくれたと思う。無失点で終わることができたのも良かった。アウェイの試合だったが、サポーターがたくさん応援してくれた。勝利を贈ることができて良かった。

Q.割り切った、シンプルなプレーをすることは、監督が強調したことなのか、選手たちの判断なのか?

A.それは両方だと思う。ウォーミングアップの後に選手たちがそのような話をしていたので、自分からも指示を出した。どこから攻撃をするべきかは、選手たちがしっかりと判断してプレーしてくれた。

ヴィッセル神戸:ネルシーニョ
前半は拮抗した内容だった。両チームとも、このピッチコンディションが影響して、パスミスが多かった。攻撃のクリエイティブな部分よりも、守備が目立った試合になった。その中でアントラーズにセットプレーからゴールを決められ、相手に落ち着きを与えてしまった。相手の意識は「守備からのカウンター」へと変わっていった。後半は、前線でボールが収まらないプレーが続き、リズムを作れなかった。そこからカウンターを受ける場面があった。後半の半分以降、前線で競り勝てるようになってからはチャンスを作れた。当然、オープンになったスペースを使われて相手に攻められることにもなった。

選手コメント

[試合後]

【カイオ】
ゴールは入れるだけだったから、ヤスさんに感謝したい。石井監督からは「守備から入って、チャンスがあれば仕掛けるように」と、指示を受けてピッチに入った。

【山本 脩斗】
良いボールが来て、タイミング良く決めることができて良かった。足下でパスをつなぐことが難しい状況で、「セットプレーがチャンスになる」と試合前から話していた。その通りの形で決めることができて良かった。

【柴崎 岳】
いつものようなサッカーはできない状況で、ピッチの状態に合わせたプレーをすることができたと思う。そういう意味では、アントラーズらしい戦い方ができたのではないかと思う。

曽ヶ端選手、昌子選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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