日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年11月8日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第16節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51631

1 2nd 第16節 vs横浜F・マリノス

カイオが2ゴール、鹿島が横浜FMに快勝。逆転優勝への望みを残す。



鹿島が、盤石の試合運びで快勝した。J1 2nd 第16節、横浜F・マリノスをカシマスタジアムに迎えると、10分にカイオのゴールで先制し、64分にもカイオがゴール。2-0と快勝し、勝ち点3を獲得した。

鹿島は1週間前、ヤマザキナビスコカップ決勝でガンバ大阪と対戦し、3-0と快勝した。攻守ともに充実の内容でG大阪を圧倒し、3年ぶり6回目の聖杯獲得、そして国内三大タイトル通算17冠目を手にした。埼玉スタジアム2○○2のホーム側スタンドをアントラーズレッドで埋め尽くしたサポーターからは、歓喜の歌声が鳴り響き続けた。

あれから1週間、クラブハウスには祝福の花が数多く贈られ、優勝の垂れ幕も掲げられた。タイトルを掴んだ高揚感と充実感に包まれる中、選手たちはしっかりと集中力を保ち、密度の濃いトレーニングを積んだ。「決勝の試合内容を、今後のスタンダードにしなければ」と、気持ちを新たにし、次なる勝利へ向けて準備を進めていった。

試合前日の練習を終え、西は「ヤマザキナビスコカップ優勝の話はもう、いらない」と、切り替えを強調した。リーグ戦残り2試合、連勝することでステージ制覇への望みをつなぐしかない。

指揮官はG大阪戦から、先発メンバー1名を変更。2列目の中村に代わって、カイオを先発メンバーに指名した。その他、GKに曽ヶ端、最終ラインは西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチは柴崎と小笠原のコンビで、2列目にはカイオと並んで遠藤、そして前線には赤崎と金崎が入った。そしてベンチには、GK佐藤のほか、山村、青木、本山、豊川、杉本、鈴木優磨が座る。

久々に帰還することとなるカシマスタジアムに、多くのサポーターが足を運んだ。ホーム側スタンドをアントラーズレッドで埋め尽くした背番号12は、重要な上位対決に向けて、ボルテージを高めていた。ウォーミングアップに現れた選手たちに、大きなチームコールが降り注がれた。



14時3分、キックオフのホイッスルが鳴った。序盤は静かな展開となり、両チームがブロックを組んで対応。中盤での攻防が続き、拮抗した内容で推移した。そんな中、鹿島は積極的にゴールを目指していく。ファーストシュートは2分、カイオが思い切りよく右足を振り抜き、ロングレンジからのゴールを狙った。さらに5分には、柴崎がペナルティーエリア手前からドリブルでカットインし、ミドルシュートを放った。





リーグ最少失点の横浜FMを相手に、カギとなるのは先制点。待望のゴールは、10分に生まれた。遠藤が中盤で巧みなドリブルを仕掛け、相手を置き去りにして中央突破に成功すると、左前方へとパスを送る。反応したのはカイオだった。ペナルティーエリア左側に入って左足ダイレクトでシュート。緩い軌道を描いたボールは、GKの手を避けるようにファーサイドへ飛び、右ポストに当たってゴールへ吸い込まれた。





立ち上がりに均衡を破り、鹿島が試合を優位に運ぶ。横浜FMにボールキープを許しても、陣形をコンパクトに保って効果的な縦パスを許さなかった。時折、中盤でのパスカットからカウンターを繰り出し、ゴールを脅かしていった。

前半の半分が経過しても、鹿島の守備組織に隙はない。出足の速いプレスとセカンドボールへの反応で相手を上回り、決定機を許さなかった。鹿島は35分にカイオ、38分に遠藤がミドルシュートを放つなど、2点目を積極的に狙っていった。結果的に追加点を奪うことはできなかったが、相手にチャンスを作らせず、盤石の内容で1点リードを保った。前半は1-0で終了した。





後半も拮抗した展開となったが、鹿島の集中力が途切れることはない。「守備のブロックをしっかり作る」という石井監督の指示を確実に遂行し、主導権を握って試合を進めていった。最初のチャンスは50分、敵陣深い位置で相手のパスを奪った赤崎が、トラップから右足を一閃。強烈なシュートは枠を越えたが、追加点への意欲を感じさせた。





リードを保ちながら、2点目を狙う鹿島。前線の赤崎と金崎がサイドに流れて起点となり、横浜FMを押し込んでいった。そして64分、追加点が決まる。カイオが中盤で前を向き、ドリブルで中央突破。ズルズルと後退した相手の最終ラインと駆け引きをした背番号7は、シュートコースを見逃さなかった。狙いすまして右足を振り抜き、ゴール右隅へと通じる軌道へボールを乗せた。カイオのミドルシュートで、鹿島がリードを2点に広げた。







スコアを2-0とし、鹿島の優位は揺るがないものとなった。石井監督は69分に豊川、79分に鈴木優磨を投入し、攻撃陣を活性化。前線からの出足の速いプレスを仕掛け続け、横浜FMに反撃の余地を与えなかった。終了間際には、優磨のドリブルからカイオが決定機を迎えたが、左足シュートはわずかに枠を逸れ、ハットトリック達成はならず。それでも、盤石の試合運びで試合終了の時を迎えた。







鹿島が横浜FMに2-0と快勝し、勝ち点を34に伸ばした。首位の広島との差は変わらず3ポイントで、残りは1試合。得失点差で12の開きがあるが、逆転優勝の望みはわずかに残った。最終節は2週間後、22日に行われる名古屋グランパス戦だ。わずかな望みを現実のものとするためには、大量得点差で勝ち点3を掴むしかない。カシマスタジアムで迎えるステージ最終節に向けて、チーム一丸で準備を進めていく。









【この試合のトピックス】
・横浜FMとの今季の対戦は2戦2勝となった。
・横浜FMとのリーグ戦での対戦は、2013年8月24日のJ1第22節以降5連勝、6戦負けなしとなった。また、通算52試合目で26勝目(7分19敗)を挙げ、勝率を5割とした。
・リーグ戦のホームでの横浜FM戦は、2013年8月24日のJ1第22節以降3連勝となった。
・9月26日のJ1 2nd 第12節浦和戦以来の先発出場を果たしたカイオが、2ゴールを挙げた。公式戦2試合連続ゴールで、今季のリーグ戦でのゴール数は10となった。昨季の自己記録(8点)を更新した。
・豊川がリーグ戦では2試合ぶりの途中出場を果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・ビルドアップの時は、周りの状況をみながら攻撃を組み立てること。
・球際に強くいき、前を向いてプレーしよう。
・守備のブロックをしっかりつくって相手の攻撃に対応しよう。


横浜F・マリノス:エリク モンバエルツ
・1対1ではもっとアグレッシブに。
・リスクをとって前へ出よう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
横浜FMは組織的で堅い守備のチームなので、立ち上がりは固い展開になるのではないかと考えていた。早い時間帯に得点が入ったことが、一番自分たちの流れになった要因だと思う。後半も少しディフェンスのところで、奪いに行けない形があったが、最終的にシュートを打たせる場面は少なく、安定した守備はできていたと思う。最後はカイオが落ち着いて2点目を決めたことによって、さらに得点をねらいにいくことができた。ホームゲーム最後の2試合は絶対に勝ってサポーターの皆さんに喜んでもらいたいと思っていたが、まず1試合勝つことができてよかったと思う。

Q カイオを先発させた理由と評価は?
A サイドハーフは最近、中村充孝を起用してきたが、今日はケガのために出られなかったので、選択肢としてすぐにカイオを使おうと考えた。彼はサイドハーフのポジションもできるし、後半で見せたようにトップでもできる。非常に能力が高く、自分でしっかり仕掛けることができる。周りを使ってのコンビネーションもいろいろなバリエーションがでてきている。今日は2点も取ってくれたし、非常に高く評価している。

Q 広島が勝ったことで2ndステージの優勝が厳しくなったが?
A 可能性がゼロではないので、しっかり準備をして臨むだけ。この2試合は勝たなくてはいけない状況で、それは変わらない。最終戦、ホームで戦えるので、観に来てくれるファンのために、しっかり勝って終わりたい。得点はどんどん取りにいきたいと思う。

Q 今年タイトルを1つ獲り、世代交代もすすめていると思うが、チームの完成度をどの程度だと感じているか?
A 監督になったのは途中からなので、最初から思い描いていた部分がなく、完成度の判断は難しいが、ボールを前から積極的に奪いに行くという形をやってきて、そういう部分でいえば、先日のヤマザキナビスコカップ決勝ではかなり完成度の高い試合ができたと思う。今日も前から奪いに行く形は少なかったが、ディフェンスも安定していたし、無失点で終われたことも非常によかった。今日の試合も非常に理想的な形だったと思う。

Q 今日の試合、常総市で被災した子どもたちが観戦したが、メッセージを。
A 今日は常総市の子どもたちがスタジアムに来て、試合を見てくれた。試合前のイベントでは鹿島神宮から歩いてスタジアムまで来てくれた。勝ち試合を見せることができてよかったと思う。生活でも大変なことはあると思うが、アントラーズが頑張っているところを見てもらって、元気を出してくれたらと思う。


横浜F・マリノス:エリク モンバエルツ
今日の試合を振り返ってもシンプルな答えしかない。我々よりも強いチームと戦ったということだ。チャンスを作ることもあまりできなかった。アントラーズの守備はすばらしく、アグレッシブでパワフルだった。残念だったのは2失点した場面。鹿島の強みを知っていたのに、ボールを失ったところから素早い切り替えで失点してしまった。

Q アントラーズのサッカーを受けてしまい、自分たちの形が出せなかったが。
A 今日は非常に難しい試合だった。アントラーズのフィジカル能力が素晴らしく、個人のスピード、アグレッシブな姿勢、裏への走り出しなど、我々より優れていた。そのあたりで、力関係をひっくり返すことが難しかった。

Q CSへの出場権を失ったが?
A 残念だとは思わない。今日はアントラーズが我々よりも優れていた。これがリーグ戦だ。しかし、我々が12試合続けてきたすばらしいパフォーマンスについては、ポジティブにとらえたいと思う。



選手コメント

[試合後]

【カイオ】
非常に良い試合だった。互いに競争力が高い中で、自分たちが相手を上回って勝利を収めることができて嬉しく思う。先発のチャンスを得て、2ゴールを決めることができて良かった。

【曽ヶ端 準】
試合をうまくコントロールできたと思う。焦れることなく、落ち着いてプレーできた。後半、追加点を取れたことも大きかった。

【赤崎 秀平】
選手間の距離感が良くない時間帯に失点しなかったのが良かった。前線の4人が流動的にプレーして、特に前半はいろいろなアイデアを出せたと思う。次も勝つしかない。いつも通り、戦う姿勢を見せたい。

昌子選手、遠藤選手、鈴木優磨選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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