日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年5月31日火曜日

◆負の連鎖にはまる流通経済大、JFL首位・流経大ドラゴンズと選手入れ替えも(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?190676-190676-fl



[5.30 関東大学リーグ1部第9節 流通経済大1-2法政大 多摩陸]

 流通経済大が“負の連鎖”に陥っている。開幕から9試合を終え、3勝1分5敗。10位とわずか勝ち点1差とはいえ、降格圏の11位へ沈んでいる状況だ。この日に行われた法政大戦では、前半2分に先制しながらも、前半17分、終了間際の後半44分に失点しての逆転負けとなってしまった。

 全日本大学選抜のFWジャーメイン良(3年=流通経済大柏高)やDF今津佑太(3年=流通経済大柏高)、鹿島アントラーズでデビューしているSB小池裕太(2年=新潟ユース)など豊富なタレントを擁しながらも、それぞれの不調のときも重なり、波に乗れずにいる。

 法政大戦後、中野雄二監督は「早い時間に先制しているのにけが人は出るし、逆転負けはするし、負けるべきチームの流れというか、負の連鎖が続いている」と口を開きながらも、「ただ逆転されはしましたけど、きっかけを作ればポテンシャル的には優勝できるチーム。どこかで潮目は変わるんじゃないかな」と楽観視した。

 というのも、関東大学リーグでは下から2番目につけている流通経済大だが、同校のBチームにあたる流通経済大ドラゴンズ龍ヶ崎はJFLで躍進中。今節で首位に立つFC大阪が敗れたため、勝ち点と得失点差で並ぶと総得点で「1」上回り、ついに首位に立った。次節のファーストステージ最終節では、2位のFC大阪と直接対決。これを制すればファーストステージ覇者となる状況だ。

 開幕前には大学リーグを戦うトップチームのメンバーと、JFLのメンバーを流動的にしようと考えていたが、ふたを開けてみればドラゴンズが優勝を見据える快進撃。「本当は大学リーグの方がこういう状況ですし、選手を入れ替えたいところでしたけど、でも(JFLで)優勝争いをしていますからね」と指揮官はメンバーの入れ替えを見送ったと明かす。

 それでも、6月5日のJFLファーストステージ最終節終了後には、JFLで活躍したメンバーを大学リーグおよび総理大臣杯関東地区予選(アミノバイタルカップ)を戦うトップチームへ“昇進”させるつもりでいる。「JFLが終わったら、6人くらいはこっちにずらします」と明言。「大臣杯には絶対に出て、出来れば優勝したいと思っているので」と野心をのぞかせた。

 JFLのファーストステージ終了後、トップチームへ“合流”するのは誰になるのか。指揮官は「特にCBはJFLの方がいい」ときっぱり。DF藤原雅斗(4年=C大阪U-18)とDF小野原和哉(2年=磐田ユース)について「あの2人が安定しているから、JFLは負ける気がしない」と好評価する。またFW宮津祥太(3年=浜名高)については、「ジャーメインよりも宮津の方が倍はいい」と今季不振にあえいでいるエースFWの名を引き合いに出して話した。

 またMF新垣貴之(2年=流通経済大付柏高)の名前を挙げると「付属上がりの選手で、高校時代はまったくでしたが、今はサイドのプレーでは一番。すごいものを持っていますよ」と太鼓判。まだまだ大学リーグでは見せていない戦力が豊富にあると強調した。

 指揮官がこう話すのも、現在大学リーグでもがいているメンバーたちの奮起を期待してのもの。JFL組の底上げによるチーム内競争で、ジャーメインらトップチームメンバーが再び目を覚ますのを待っている。

 なお、毎週水曜日に行うチーム内でのトレーニングマッチではドラゴンズがトップチームに勝利する状況がずっと続いているのだという。指揮官はトップチームについて、「漠然といいことをしようとして、チームとして何をするかができていない。それぞれにどういう役割があって何をするべきなのか。一人ひとりが勝手に“いいこと”をやろうとしているから、こういう結果になる」と厳しく指摘した。

 関東大学リーグの次節・慶應義塾大戦は既存のメンバーで戦うが、その後の前期最終節・桐蔭横浜大戦からは“新生・流通経済大”になる可能性が高い。

「大学リーグは混戦になっているのが唯一の救い。(上位3校の)筑波、明治、法政はもう全然いい」と割り切った中野監督は「本番は後期。今の大学生は分からない。これで大臣杯を優勝したりするかもしれないですしね」と不敵に笑った。

 11位とはいえ中位の5位とは、わずか勝ち点3差。2連勝すれば大きく上位にジャンプアップする可能性もある。JFLで快進撃をみせた選手たちが加わるなか、たった1試合をきっかけに、流通経済大が脅威の巻き返しを図るかもしれない。

(取材・文 片岡涼)

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