日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2015年6月21日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 1stステージ 第16節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51581

J1 1st 第16節 vs横浜F・マリノス

カイオと土居、赤崎が決めた!鹿島がアウェイでゴールラッシュ!横浜FMを粉砕!



鹿島が、アウェイの地で力強く再スタートを切った。2週間の準備期間を経て迎えた、J1 1st 第16節。日産スタジアムで横浜F・マリノスと対戦すると、前半にカイオと土居のゴールが決まり、2点リードでハーフタイムへ。終盤には赤崎が加点し、リードを広げた。鹿島が3-0で快勝し、3試合ぶりの勝利を挙げた。



鹿島は6月に入って、アウェイでの2試合を1分け1敗で終え、勝利から遠ざかっていた。代表ウィークによるインターバルを経て、再起を期す一戦。アウェイ3連戦のラストを勝利で締めるべく、選手たちは横浜の地に乗り込んだ。土居は2週間の準備期間を振り返って、「実戦形式のトレーニングが多かった。良いイメージを持って試合に入れると思う」と、手応えを掴んでいた。



前節の山形戦から、先発メンバーの変更は4選手。最終ラインに植田が入り、青木とセンターバックコンビを組む。昌子は再び左サイドバックとして先発し、右は西。ボランチの一角には小笠原が復帰し、柴崎とチームの舵を取る。2列目には遠藤に代わってカイオが先発メンバーに名を連ね、土居、金崎と並んだ。そして前線には、ジネイが帰ってきた。最後尾には、佐藤が立ちはだかる。



梅雨の合間の晴天に恵まれた、日産スタジアム。気温が上がり、暑くなる中で、サポーターは開場前から長蛇の列を成して、スタジアムへの入場を待っていた。選手たちは、大きな声援を背中に受け、ウォーミングアップのピッチへと足を踏み入れた。



前半立ち上がりから、鹿島は積極的に攻勢をかけた。昨季、日産スタジアムでゴールを決めた土居は、「前回よりはマークが厳しくなると思うし、それをかいくぐってでもゴールに向かっていかないと」と、意気込んでいた。その言葉通り、背番号8は中盤で鋭い突破を連発。常にゴールを見据えたドリブルで、チームに推進力をもたらした。カイオと金崎も、盛んにポジションチェンジを繰り返し、敵陣深くへとドリブル突破を仕掛けた。



そして、待望の先制点は8分に生まれた。カイオのクロスが相手DFに当たって得た右CK。柴崎がショートコーナーでリスタートすると、パスを受けた西がグラウンダーで中央へ折り返す。走り込んでいたのはカイオだった。背番号7は迷わず右足を振り抜き、相手GKの手を弾く強烈なシュートでゴールネットを揺らした。



その後も、鹿島は攻勢をかける。15分、17分と、土居がミドルシュートを放ってゴールへの意欲を示すと、5月30日の松本戦以来の出場となったジネイも、巧みなポストプレーで前線に落ち着きと秩序を与えた。



鹿島は22分に中央突破を許してピンチを迎えたが、至近距離からのシュートを佐藤がブロック。「とにかく、結果を出したい」と、強調していた佐藤が、ビッグセーブでチームを救った。そして、鹿島の次の決定機は28分、金崎が左サイドからグラウンダーのパスをペナルティーエリア内へ通すと、土居がスライディングシュートで狙ったものの、惜しくも枠を越えてしまう。1-0のまま、前半は終盤へ突入した。



拮抗した展開で、次にスコアを刻んだのは、鹿島の背番号8だった。40分、敵陣でのインターセプトからカウンターを仕掛け、柴崎がパスを出すと、土居が反応。ペナルティーエリア右側から鋭い切り返しで相手のマークを外し、シュートコースを作り出すと、左足を振り抜く。鮮やかにゴールネットを揺らし、鹿島がリードを広げた。2-0。前半は2点リードで終了した。



後半立ち上がりは、2点を追う横浜FMに押し込まれる時間が続いた。後半最大のピンチは53分、FKからゴール前で混戦となり、振り向きざまに打たれたシュートだった。枠を捉えたボールに、再び佐藤が立ちはだかる。渾身のファインセーブで、失点を許さなかった。以降も守勢に回る展開が続いたが、しっかりと集中力を保って応戦。小笠原が的確な読みと力強いプレスで、中盤でのフィルターとして存在感を見せた。



後半最初の決定機は60分、ジネイが右サイドで相手DFのマークを振り切り、中央へラストパス。飛び込んだ土居は相手のブロックに遭ってシュートを打てなかったが、ファーサイドへ流れたボールを柴崎が拾い、中央へクロスを送る。飛び込んだのは、ジネイだった。ダイビングヘッドは枠を捉えたが、惜しくもクロスバーを直撃し、枠を越えてしまった。



追加点こそ奪えずにいたが、2点リードを保ったまま、時計の針を進めていた鹿島。しかし67分、アクシデントに見舞われる。センターサークル内での競り合いで、ジネイが負傷。膝を押さえ、苦悶の表情のまま倒れ込んだジネイは、そのまま担架で運び出され、遠藤と交代することとなった。前線で存在感を示し続けたジネイの離脱に、ピッチには少なくない動揺が走った。



それでも、選手たちがリズムを崩すことはなかった。トニーニョ セレーゾ監督は、73分に山村を投入し、青木をボランチ、柴崎をトップ下へと配置変更。さらに75分には、赤崎を前線に送り出した。選手交代枠を使い切り、試合はラスト15分へと突入した。





勝利を決定づけたのは、赤崎だった。84分、「あえて空けていたところへ、相手のパスを誘い出せた」という、頭脳的な守備からスライディングでボールを奪い、カウンターの起点に。敵陣でのインターセプトから立ち上がった赤崎は、動き直してゴール前へポジションを取る。そこへ、柴崎からのラストパスが通った。ペナルティーエリア内、左側でボールを受けた赤崎は、右足シュートを冷静に突き刺し、サポーターの待つゴール裏へと駆け出して行った。



3-0。今季初の3点差、今季2回目の完封で、鹿島が快勝を収めた。歓喜のホイッスルの後、完封劇の立役者となった佐藤を称える声が、アウェイスタンドから鳴り響いた。スコアを刻んだ3選手へのコールも、もちろん飛んだ。3試合ぶりの勝利を喜ぶ声が、日産スタジアムにこだましていた。



アウェイでしっかりと勝ち点3を掴んだ鹿島は1週間後、J1 1st 最終節で川崎Fと対戦する。約1か月ぶりにカシマスタジアムへ戻り、ステージ勝ち越し、そして今季初の連勝を懸けて、大事な一戦に臨む。



【この試合のトピックス】
・横浜FMとのリーグでの対戦は、今日の勝利で5戦連続負けなし、4連勝となった。2013年5月3日のJ1第9節で1-1と引き分けて以降は負けなしで、2013年8月24日のJ1第22節での2-1の勝利以来、4連勝となった。
・日産スタジアムでの横浜FMとのリーグでの対戦は、2010年から6シーズン連続負けなし(2勝3分け)となった。
・カイオが2試合連続となる、今季リーグ5ゴール目を挙げた。
・土居が、5月10日のJ1 1st 第12節FC東京戦以来、6試合ぶりのゴール。今季リーグで4ゴール目だった。
・赤崎が、今季リーグ3ゴール目を記録。2ゴールを挙げた、5月30日のJ1 1st 第14節の松本戦以来のゴールだった。
・ジネイが先発復帰。5月30日のJ1 1st 第14節の松本戦以来の出場を果たした。
・山村が途中出場。5月2日のJ1 1st 第9節甲府戦以来の出場を果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・自分たちが攻めている時こそ、リスクコントロールをしっかりしよう。
・ゴールへの執着心を持ってフィニッシュの精度を高めていこう。
・慌てず、自分たちのサッカーを最後まで表現し続けること。

横浜F・マリノス:エリク モンバエルツ
・1対1をもっとアグレッシブに。
・前へ積極的に仕掛けていこう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
Q.柴崎選手が日本代表に選出、定着する中で、アントラーズでのプレーに変化はあるか?

A.代表には、見た目や外見で呼ばれるわけではない。仮に、彼以上に運動量があって視野が広くて、両足の技術も使っていて、落ち着きもある、という選手がいるのであれば、教えてほしいくらいだ。実力で日本代表に行っていると思う。当然ながら、今は成長過程であるし、そのことを忘れてはいけないが、段階を踏まえて成長してきているので、引き続き、成長していってほしい。

A.Jリーグ、ACL、代表というタイトな日程の中で活動をしているし、これだけの試合数を経験していれば成長していく。それと同時に、疲労も溜まっていく。体力的にも、メンタルの部分もそうだ。今、最もやらなければいけないトレーニングは、休むことだと思う。家族と過ごす時間があれば、そこでリセットしたり、そういったことが一番の薬なので、そうしなければいけないと思う。

Q.年間勝ち点を考えていかないといけないと言う選手や監督が多い中で、今日、浦和の1stステージ優勝が決まった。どのような感想を持つか?

A.まずは、おめでとうと言いたい。勝ち点を見れば、それだけの実力を持って、出した結果だと思う。我々にも力がないということではなく、状況が変わっていく中でうまくいかなかったという部分はある。現場とクラブとして、チャンピオンシップの出場権を得ることが、最初の目的になる。勝ち点を積み重ねることを、まず先にやっていかないといけない。1stステージ、2ndステージと考えるよりも、まずは目の前の試合にしっかりと勝っていかなければならない。それをしたうえで、最後にどのくらいの勝ち点に到達しているか、ということになる。ただ、簡単なリーグではない。今日の対戦相手も、見ての通り、質の高い選手がたくさんいる。その中で、勝ち抜いていかなければならない。そのプラスアルファという部分、チームの伝統を発揮しなければいけない。簡単に達成できるわけではないということは、認識している。その中で地道な作業をして選手を送り出して、良い成果を得られるように努力していきたい。

Q.今日の試合におけるパフォーマンスへの評価は、今季の試合の中でどのくらいの位置になるか?

A.確かに、良い時も悪い時もあって、内容が良くてもセットプレーから失点して負けてしまった時もあった。ただ、今日に関しては、守備の部分の組織的なところは良かったと思う。1位か2位か、というのはなかなか難しいが、良い内容で負けた試合、悪い内容で勝った試合もある。セットプレーはまだ改善できていない。一瞬の不注意や、駆け引きでの位置取りの未熟さでやられてしまっていることもある。70mのボールが飛んできた時、落下点や位置取りを確認すれば競り勝つことができると思うが、日本の場合はなかなか、我々だけでなく、不思議な失点の仕方を見ることがある。世界ではありえない、事故のようなゴールがある。まだ、成長過程だと思う。チームとしては、所属している人材を少しでも向上させて、経験が浅い部分を補っていきたい。今日、勝ったから良しとはできないし、来週末には、日本で1位、2位を争うくらいのサッカーを見せているチームと対戦することになる。また、大変な作業になる。チーム間の力量差もほとんどないし、違いがあるとしたら、それは外国籍選手だ。今日の試合はジネイ選手が、タメを作ったり、攻撃をスムーズにする役割を果たした。カイオ選手はここ数試合、非常に良いパフォーマンスを持続できている。一瞬での違いを示せるという意味では、外国籍選手や、あるいは日本人選手の経験という部分が出てくる。そういうリーグになっていると思う。

A.悲観的な捉え方をしないでほしいが、うちのチームは、まだ6名くらいは、まだ試合をできる状態ではない。体力や技術、駆け引きなどの部分で、すぐに試合で使える状態ではないし、磨くためには時間がかかる。残るのは、18名ほどの選手だ。そこで累積警告や負傷で抜けることになると、とんでもない状況になる。ただ、悲観的な意味ではなく、大半のチームがそういった状況なので、いかに早くバックアップの選手を育てるかが重要だし、外国籍選手枠を活用しないといけない。

横浜F・マリノス:エリク モンバエルツ
今日は、相手が非常に良いチームで、そこに負けた。先に、早い時間帯に失点をして、難しい試合にしてしまった。アントラーズは、前線にスピードがあって、カウンターが非常に良いチームだった。それをコントロールすることができなかった。


選手コメント

[試合後]

【昌子 源】
3点差がついたけど、苦しい試合だった。1点を取ってから守備的になってしまって、なかなか攻めることができなかった。後半は持ち直したけど、1点を取ってからの試合運びを、もっと良くしないといけない。

【赤崎 秀平】
オープンな試合展開になっていたので、チャンスはあると思ってベンチから観ていた。ゴールの場面では、相手のパスをうまく誘い出せたと思う。あえて空けていたところだったので、うまく狙ってボールを奪うことができた。岳が、シュートを決めるだけというパスをくれた。

【カイオ】
ゴールは、練習の成果だと思う。(おととい来日した)父親も、嬉しいと思ってくれているはず。これからも、チームのためにゴールを決めたい。

土居選手、柴崎選手、佐藤選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事