日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年7月26日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第4節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51596

J1 2nd 第4節 vsFC東京

石井監督、初陣白星!柴崎と昌子のゴールで、鹿島がFC東京を撃破!



鹿島が、力強く再出発への第一歩を踏み出した。石井監督の初陣となったJ1 2nd 第4節のFC東京戦、30分に柴崎のゴールで先制すると、追いつかれて迎えた81分、昌子がヘディングシュートで決勝点。2-1で競り勝ち、3試合ぶりに勝ち点3を獲得した。



鹿島は先週末のJ1 2nd 第4節で松本に0-2で敗れた。その2日後、クラブは監督解任を決断した。トニーニョ セレーゾ監督に代わって、石井正忠コーチが新監督に就任。新体制で、再起を期すこととなった。



石井監督は、2日連続での紅白戦を含め、実戦形式のトレーニングを繰り返した。ピッチは活気にあふれ、大きな声で指示が飛び交った。「自分たちが変わらないといけない」と、選手たちは口々に語っている。新たな一歩を踏み出すため、ただ勝利だけを目指して、汗を流した。



激しいポジション争いの末、石井監督が選んだ先発メンバーは、前節から4人が入れ替わっていた。GKに曽ヶ端、右サイドバックに伊東、左サイドハーフに中村を起用。そして、ボランチには約1か月ぶりに柴崎が復帰し、小笠原とコンビを組む。センターバックは昌子とファン ソッコのペア、左サイドバックは山本が務める。2列目には中村の他、土居と遠藤が並んだ。1トップには赤崎が入る。



厳しい暑さに見舞われた、カシマスタジアム。アントラーズレッドのスタンドは、石井監督への信頼とエール、そして、チームとともに戦っていく意思を数々の横断幕で示した。大きな「石井」コール、そしてベンチ入りメンバー18名全員へのコールが鳴り響く。力強いサポートを受けた選手たちは、18時34分、再出発へ向けたホイッスルを聞いた。



鹿島は立ち上がりから、積極的な動きを見せる。開始15分間、チャンスを作るには至らなかったが、陣形をコンパクトに保ち、出足の早いプレスでセカンドボールを確保。攻守の切り替えも素早く、球際での競り合いでも激しいボディコンタクトを厭わずに戦っていた。



鹿島の最初の決定機は19分、右サイドで伊東がボールを持ち、同サイドのスペースへ流れていた中村に縦パス。中村はワンタッチで後方に戻し、ワンツーの形となって、伊東がペナルティーエリア内へ進入する。伊東はシュートコースを作り出して左足を振り抜いたが、ボールは惜しくも左ポストを直撃してしまった。



流動的な攻撃で惜しいチャンスを作った鹿島は、さらに26分、右サイドで前を向いた遠藤が、ファーサイドへと浮き球のボールを送る。走り込んでいた山本が頭で落とすと、赤崎が丁寧なインパクトで左足ボレー。正確なシュートは枠を捉えたが、今度はクロスバーに阻まれてしまった。



2度の決定機を逃し、嫌な雰囲気が漂いつつあった。しかし、この日の鹿島は、3度目のチャンスをゴールへ結実してみせる。小笠原を起点とする分厚い攻めで、両サイドを使って相手を押し込んでいくと、クロスやラストパスが相手に阻まれても、素早い切り替えでセカンドボールを拾い、二次三次と攻撃を仕掛けていった。そしてスコアが刻まれたのは、30分だった。柴崎の縦パスから、中村が迎えたシュートチャンスは相手のブロックに遭ったものの、左サイドからバイタルエリアの柴崎にパスが通る。次の瞬間、歓喜が訪れた。背番号20が右足を振り抜くと、相手DFに当たってコースが変わったボールが、ゴールへと吸い込まれていった。



戦列復帰を自ら祝う柴崎のゴールで、カシマスタジアムのボルテージはさらに高まった。鹿島は追加点こそ奪えなかったが、攻守に充実した内容で、前半を1点リードで終えた。



1点リードで迎えた後半、選手交代で打開策を講じてきたFC東京の前に、鹿島は劣勢を強いられてしまう。両サイド深くまで押し込まれ、クロスからピンチを迎えた。54分には、相手のシュートが左ポストを直撃。事なきを得て、試合は後半の半ばを迎えた。



しかし70分、鹿島は一瞬の隙を突かれて同点に追いつかれてしまう。相手GKからのロングボールで、競り合いに敗れてヘディングで後方へと落とされると、最後はネイサン バーンズに右足シュートを決められてしまった。



残り20分で同点に追いつかれ、さらにFC東京の攻撃を受けてしまった鹿島。しかし、追加点を与えずに耐え忍ぶと、次第にペースを掴んでいく。石井監督は、80分にダヴィを投入。勝ち越しゴールへの希望を託した。



すると81分、ダヴィのスルーパスから抜け出した土居が奪った右CK。柴崎が蹴り込んだボールに昌子が反応すると、打点の高いヘディングシュートをゴール左隅へと届けた。背番号3が値千金のゴールを決め、鹿島が再び1点をリードした。



残り10分強、鹿島はしっかりとリードを守り切った。石井監督は後半アディショナルタイムに青木を投入し、試合を締めた。そして、勝利を告げるホイッスルが鳴り響いた。2-1。石井監督の初陣を白星で飾り、鹿島がカシマスタジアムでの今季3勝目を収めた。



「これで終わりじゃない。継続しないと意味がない」と、選手たちは口を揃えた。次戦は29日、J1 2nd 第5節のサガン鳥栖戦だ。中3日で迎えるアウェイゲームで、連勝街道を走り始めなければならない。



【この試合のトピックス】
・リーグでのFC東京戦は、2009年4月12日のJ1第5節以来、12戦連続負けなしとなった。
・今季のリーグ戦では、FC東京に2連勝となった。
・石井監督が、初采配の一戦で初勝利を収めた。
・曽ヶ端が、5月16日のJ1 1st 第12節の広島戦以来、10試合ぶりの先発出場を果たした。
・柴崎が、6月20日のJ1 1st 第16節横浜FM戦以来、5試合ぶりの先発出場。今季リーグ戦3ゴール目を記録した。
・昌子が、7月11日のJ1 2nd 第1節新潟戦以来、3試合ぶりの今季リーグ戦3ゴール目を記録した。
・中村が、5月2日のJ1 1st 第9節の甲府戦以来、今季2試合目の先発出場を果たした。
・伊東が、6月7日のJ1 1st 第15節の山形戦以来、今季3試合目の先発出場を果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・守備はよくできている。後半も継続していこう。
・相手のカウンターも考えて注意力、判断力を落とさずプレーしよう。
・セットプレーの時はもう一度マークの確認をしていこう。


FC東京:マッシモ フィッカデンティ
・相手のチャンスは自分達のミスから起きている。
 集中してしっかりと対応すること。
・サイドからつないで全員で押し上げて分厚い攻撃をしていくこと。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
はじめて監督として臨んだ試合に勝つことができて、ほっとしている。今日の試合は球際も厳しくいくことができ、戦う姿勢を見せることができた。そういう部分で、前半から相手を圧倒する試合はできたと思う。後半は運動量が落ちてしまったこと、同点に追いつかれたことで少しトーンダウンしたが、最後は追加点を取って勝利することができうれしく思う。しかし、まだ1勝しただけ。これを続けていきたい。

Q.就任してから時間がないなかで、選手に求めてきたものは?
A.前任のセレーゾ監督が積み重ねてきた部分は継続しながら、細かい部分の修正、守備でいえば球際をさらに厳しくしてボールを奪いきること、攻撃では相手の怖がるようなアタッキングサイドへの侵入を数多くやっていこう、チャレンジしていこうということを、短い時間でしたが意識させるようにやってきた。

Q.今後、どのような方向性でチームを立て直していきたいか?
A.今日もそうだが、攻守にわたってアグレッシブさをもっと出していきたい。それが90分できるような形にしたい。攻撃に関しては、積極的にアタッキングサイドに侵入するかたち、仕掛けるかたち、とにかく相手が怖がるようなかたちにしていきたい。守備ではしっかり組織的に相手を追い込んで、今日も何度も相手を挟み込んでボールを奪うことができたが、そういうところを継続していきたい。

Q.試合が終わった瞬間の気持ちは?
A.本当にほっとしたという気持ち。

Q.指導者としてジーコから受けた影響はあるか?
A.いつも言っていることだが、勝負にたいする厳しさ、戦う姿勢。ミニゲームであっても紅白戦であっても、勝負にこだわる。そこは教えられたこと。そこはこのチームのカラーでもあるので意識している。

Q.カシマスタジアムで監督としてピッチに立った気持ちは?
A.かなりの重圧があった。この場を逃げたいというわけではないが、そんな気持ちも少しは。本当にプレッシャーがかかる立場だと実感した。コーチとも違うし、選手としても立ったけど、まったく違う気持ちだった。だからこそ、ほっとした気持ちが一番強かった。

Q.逃げたくなるような気持というが、そうさせるものはなにか? このチームの伝統か?
A.自分がこのチームを見てきて、Jリーグのなかで中心となるチームでなければいけないという思いをずっと意識してやってきた。こういうタイミングで急に監督に就任したが、この何日間、あっという間に時間が過ぎてしまった。やっぱり責任感というか、言い表せないものがあった。それでも、やらなくてはいけないという気持ち。うまく伝えられないけど、本当に少しだけそういう気持ちもあったということ。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
スタートは非常によかった。15分、20分まではいい形でやれていた。決定機は作れていた。しかし、バーやポストに当たるシュートを打たれ、流れが鹿島にいった。前半は徐々に鹿島が流れをつかみ、1点を先制した。後半は選手交代で、全体的にしっかり前からプレッシャーをかけられるようになり、同点に追いつくことができた。相手の2点目ではすばらしいヘディングシュートを決められてしまった。しかし、後半の内容は非常にすばらしかったと思う。気持ち、クオリティの面でも非常にいい内容だったので、歩むべき道は間違っていないと思う。けが人、負傷明けなど、コンディションが整っていない選手がたくさんいるなど問題は多く抱えているが、それにもかかわらずこれだけの試合ができたということは、非常にポジティブなことだと思う。


選手コメント

[試合後]

【柴崎 岳】
流れを変えるためにも、勝てて良かった。全員が高いモチベーションで戦えた。個人的には試合を重ねるごとに、良いプレーをできるようになっていくと思う。次に向けてしっかりと準備をして、今日のようなモチベーションを保って、チームとしての完成度を高めていきたい。

【昌子 源】
絶対に勝ちたかった。みんなが球際での勝負に勝てていた。この試合だけで終わってはいけない。継続してやっていかないといけない。失点は自分が競り負けたところからのもので、どうしてもやり返したかった。失点をしても、誰も下を向いていなかった。気持ちで押し込んだゴール。全員の気持ちが乗り移ったゴールだと思う。

【中村 充孝】
チームのために、何をしなければならないかを整理して臨んだ。自分がゴールを決めなければいけない場面もあった。個人的には、ここがスタート。チームとして大事な試合で先発で使ってもらえて、ゴールを決めて応えたかった。勝利で終わることができて良かった。勝ち切ったことが今後につながる。

山本選手、遠藤選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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