日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年8月30日日曜日

◆2015明治安田生命J1リーグ 2ndステージ 第9節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51612

J1 2nd 第9節 vs川崎フロンターレ

等々力に真っ赤な歓喜がこだました!カイオと金崎、赤崎のゴールで、鹿島が川崎Fを撃破!6連勝で首位快走!

鹿島の勢いが、止まらない。J1 2nd 第9節、川崎フロンターレとアウェイで対戦すると、スコアレスで迎えた後半、カイオと金崎のゴールで2点を先行。終盤に1点を返されたが、赤崎がアディショナルタイムにダメ押し弾を決め、3-1と快勝した。等々力での勝利は、2010年以来。これで6連勝となり、ステージ首位を守った。

鹿島は前節、カシマスタジアムに山形を迎え、3-0と快勝した。石井監督の就任後、これで5連勝。ステージ首位を走り、年間順位でも5位に浮上した。いよいよ上位を窺う体制となり、選手と指揮官は「ここからが勝負」と、表情を引き締める。今節の相手である川崎Fは、年間勝ち点41で並ぶライバル。アウェイの直接対決、その重要性は誰もが理解していた。

就任から1か月以上が経過し、「やらされているのではなく、自発的にやるという姿勢を、選手たちが見せてくれている。望んでいた雰囲気が生まれている」と、日々のトレーニングに手応えを掴んでいる石井監督は、今週も選手間の切磋琢磨を促した。試合2日前の紅白戦、前日のセットプレー練習やレクリエーションゲームと、ルーティンワークとして定着しつつあるメニューをしっかりと消化。練習見学に訪れたサポーターとの記念撮影も実施し、一体感をより強固なものにして、勝利を誓って川崎へと向かった。

前節からの先発メンバー変更は2人。センターバックの一角にファン ソッコ、そしてボランチに小笠原が復帰した。その他、GKは曽ヶ端、右サイドバックは西、左には山本、ファン ソッコのパートナーは昌子。ボランチでは、小笠原と柴崎がコンビを組む。攻撃陣4人は前節と同じラインナップで、右サイドハーフに遠藤、左にカイオ、前線には土居と金崎が入る。







曇り空に覆われ、8月とは思えないほどの涼しさとなった等々力陸上競技場。サポーターは開場前から長蛇の待機列を作り、勝利への強い思いをたぎらせていた。アウェイ側スタンドは、2階席まで満員に。大きなチームコールが、等々力の地に響き渡った。19時3分、熱烈なサポートを背中に受け、選手たちはキックオフのホイッスルを聞いた。

立ち上がりから、両チームが積極的にゴールを目指す内容となった。鹿島は、金崎がサイド深くに流れてボールを受け、強引な突破を狙っていく。一方、川崎Fにカウンター気味の攻撃を許す場面もあったものの、ペナルティーエリア内では自由を与えず、決定機を作らせなかった。少しオープンな展開となり、ビルドアップが落ち着かない時間帯もあったが、20分を過ぎた頃から、鹿島がセカンドボールを拾えるようになって、ボールキープを続けた。

25分、中盤でのルーズボールの奪い合いから小笠原が鋭いカバーを見せ、柴崎へパスを通す。柴崎のミドルシュートは枠を逸れたが、ここから鹿島は立て続けに攻勢をかけた。26分、27分に金崎が最終ラインの背後へのスルーパスに反応してゴールを脅かすと、さらに28分にも、金崎がペナルティーエリア内でボールを収め、相手を背負いながらシュートを放った。枠を捉えることはできなかったが、「自分たちがボールを持つ時間は、前回の対戦よりも長くなるはず」と語っていた石井監督の想定通り、主導権を握る時間帯が続いた。

続いて38分には、敵陣でのインターセプトから柴崎が左足シュート。これは惜しくも枠の右に外れたが、あわやという場面を作る。さらに44分にも、カイオがペナルティーエリア手前から思い切りよく左足シュートを放ったものの、ゴールマウスのわずか右へ逸れた。前半はスコアレスで終了した。







互いに選手を交代することなく迎えた後半、鹿島は立ち上がりにピンチを迎える。しかし、百戦錬磨の守護神が立ちはだかった。ペナルティーエリア内で1対1の場面を作られたが、渾身のセーブ。さらにこぼれ球を拾われて打たれたシュートも、横っ飛びで弾き出した。曽ヶ端がビッグセーブ2本でゴールを死守し、先制点を与えなかった。

すると4分後、アウェイスタンドに歓喜の時が訪れた。51分、右サイドを縦へ突破した土居がグラウンダーのクロスを送る。ペナルティーエリア手前、走り込んでいたカイオは迷うことなく右足を一閃。強烈なシュートが、ゴール左隅へと突き刺さった。1-0。カイオの2戦連発弾で、ついに鹿島が均衡を破った。



リードを奪い、鹿島は勢いに乗って攻勢をかける。切れ味抜群の高速ドリブルで幾度となくチャンスを演出したカイオが推進力となり、川崎Fを押し込んでいった。54分には敵陣左サイド深くを強引に突破し、相手のファウルを誘う。このFKはゴールには結びつかなかったが、追加点の予感がピッチ上に漂っていた。



この予感を結実させたのは、常に献身的に走り続ける背番号33だった。58分、ペナルティーエリア右手前でボールを持った遠藤が、対角線上のボールをゴール前へ送ると、金崎が飛び込んでボールに触れる。コースが変わったボールはクロスバーを直撃したが、金崎は諦めることなくこぼれ球を追い、倒れ込みながら右足シュート。うまく叩きつけGKの手を避けたボールが、ゴールネットを揺らした。





リードを2点に広げ、さらにボルテージを高めたアウェイスタンドの歌声が、等々力のピッチに降り注がれる。鹿島は、選手交代で打開を図る川崎Fに押し込まれる時間帯を迎えたが、激しいボディコンタクトを厭わず、集中力を保って応戦。ファウルを取られる場面も増えたが、石井監督の求める「闘う姿勢」を示し続ける選手たちは、ただひたすらに勝利に向かって邁進した。





2-0のまま、残り10分を切った。守勢に回った鹿島は84分、自陣でのボールロストから痛恨の失点。1点差に迫られ、さらに勢いに乗る川崎Fの猛攻を受けたが、最後の一戦でしのぎ続けた。



4分と表示されたアディショナルタイム。祈るような思いで戦況を見つめ、声を枯らしたアウェイスタンドに、みたびの歓喜が訪れる。途中出場でピッチに立っていた背番号18が、その主役だった。90+3分、山村がペナルティーエリア手前から思い切りよく左足シュートを放つと、ボールの軌道上にポジションを取っていた赤崎が、冷静なトラップから3点目を決めた。



再びリードを2点に広げ、後は勝利の瞬間を待つのみだった。3-1。5年ぶりに等々力で勝ち点3を掴んだ鹿島が、2009年以来の6連勝でステージ首位を快走する。年間順位でも、暫定ながら4位に浮上した。



リーグ戦はしばしのインターバルに入るが、試合は続く。次戦は4日後、9月2日のヤマザキナビスコカップ準々決勝第1戦、FC東京とのアウェイゲームだ。3年ぶりの大会制覇へ、チーム一丸で一歩目を踏み出す。





【この試合のトピックス】
・今季のリーグ戦で初の6 連勝を果たした。リーグ戦での6連勝は、2009年のJ1 第8節から第15節で8連勝した時以来。
・J1アウェイ通算600ゴールを記録した。リーグ最速での達成。赤崎のゴールが、メモリアル弾となった。
・リーグ戦での川崎F戦で勝利を収めたのは、2014年11月22日のJ1第32節以来、3試合ぶり。
・リーグ戦でのアウェイ川崎F戦で勝利を収めたのは、2010年11月14日のJ1第30節以来、5試合ぶり。
・等々力陸上競技場でのリーグ戦は、V川崎(現・東京V)との対戦も含めて通算20試合目で、5勝目(2分13敗)を挙げた。
・金崎が2試合連続のゴールで、今季のリーグ戦での得点数を6に伸ばした。
・カイオも2試合連続のゴールを決め、今季のリーグ戦での得点数を7に伸ばした。
・赤崎が、7月29日のJ1 2nd 第5節の鳥栖戦以来、4試合ぶりのゴールを決めた。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・後半も各エリアで守備の意識を高く持ちながら、落ち着いて自分たちのサッカーを続けよう。
・焦らず、無理せず、確実なビルドアップからチャンスを作ろう。
・相手のディフェンスラインの裏のスペースを有効活用しよう。

川崎フロンターレ:風間 八宏
・自分たちの距離、スペースを空けないように。
・ボールに顔を出して、ボールをもらう。繰り返してリズムを作ろう。
・攻撃は相手のスペースをうまく使って。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
前半は、立ち上がりの20分くらい、川崎Fの攻撃に押し込まれてしまった。川崎Fに関しては、中央へ攻めてからサイドチェンジをして、さらに中へ入ってくるという形が特長としてある。だから、できるだけ外へ追い込む守備をしようとしていた。その形が、前半の途中からうまくできてきた。自分たちの形で守備をできるようになった。相手はかなり攻撃的なチームなので、怖がらずに守備をしようと、今週のトレーニングで練習を積んできた。川崎Fがいつもと違う状況で試合を進めている、という手応えを感じながら、試合を観ていた。守備面で、自分たちが主導権を握りながら試合を進めているという実感があった。

後半に関しては、前半をしっかり無失点に抑えることができたので、点を取りに行こう、90分間で結果を出そうと選手に伝えた。それを意識高く、選手たちが遂行してくれた。川崎Fにはなかなか勝てていなかったり、等々力では勝利から遠ざかっていたりしたけれど、川崎Fに対する良い戦い方を示せたと思っている。

Q.柴崎選手の途中交代の理由と評価、6連勝の手応えは?

A.少し足を痛めたような仕草をしていたので、すぐに交代させた。常に変わりなく、攻守に渡ってチームの中心になっている選手。今日もしっかりと仕事をしてくれたと思う。6連勝については、連勝ということをあまり考えず、1つ1つ、目の前の勝つことを目標にやってきている。前回は5連勝、今回は6連勝、という形になった。

Q.1点目と2点目は幅を広く使った攻撃から生まれたものだが、そこに攻略の狙いがあったのか?

A.川崎Fの右サイドに入る選手の守備が少し緩いと感じていたので、そこから攻めようとしていた。ただ、まずは守備から入ろうという話をしていた。中を閉めて、外へ押し出すような意識を徹底させた。クロスボールの回数が少ない相手なので、守備陣に対してはしっかりとマークをして、人数を揃えておけという指示をしていた。失点に関しては、中央を崩されてしまったが、全体的には、外から攻撃をさせるという狙い通りにできたと思う。

川崎フロンターレ:風間 八宏
試合の入りは良かったが、小さなミスから失点をしてしまった。ゴール前まで攻めながらも、完全には崩せなかった。その回数がいつもより少なかったので、これから変化を付けなければいけない。残念な試合になったが、次に目を向けると、個々では良い選手もいたので、いくつかの希望も見えた。


選手コメント

[試合後]

【カイオ】
ゴールの喜びが爆発して、あのようなパフォーマンスになった。ボールを持った時には常に積極性を出して、チームの勝利につながるプレーをしたいと考えている。

【赤崎 秀平】
前節も、途中出場で良い形を作れていた。どんな形でも良いからゴールを決めるつもりで、ピッチに立った。前回の川崎F戦でもゴールを決めたけど、負けてしまった。今回は良かった。

【曽ヶ端 準】
1点も取られないことに越したことはないけど、我慢強く試合を運べている。先制点を取ることができているし、チームとして良くなってきている。このような戦いを続けていきたい。

遠藤選手、山村選手、山本選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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